　【明慧日本2025年10月24日】（中国＝明慧記者）今年9月、中国共産党（以下、中共）は「9月3日の軍事パレード」および「10月1日の安定維持」を口実として、法輪功学習者（以下、学習者）に対する監視、嫌がらせ、連行、及び不当な判決を一層強化した。明慧ネットの報道によると、今年9月に少なくとも新たに43人の学習者が不当な判決を宣告されたことが判明した（うち2025年の事例が38人、それ以前の年度の事例が5人）。

　不当判決の刑期は最長8年で、最短3カ月に及び、中国の17の省・自治区・直轄市に分布している。迫害の深刻な地域は四川省11人、吉林省7人、広東省4人、江西省と山東省で各3人となっている。不当に判決を受けた学習者の年齢は、最年長が82歳、最年少が30代である。その内訳は、80〜90歳が1人、70〜80歳が6人、60〜70歳が15人、50〜60歳が6人、40〜50歳が1人、30〜40歳が2人である。

　また、9月には中共の裁判所が学習者に対して総額27万元の罰金を科した。

不当判決を受けた43人の刑期別人数（2025年9月判明分）

　（注：1～2年とは、1年以上2年未満、以下同様）

　明慧ネットの報道統計によると、2025年1月から9月までの間に、少なくとも616人の学習者が不当な判決を宣告されたことが判明した。

2025年1～9月、不当判決を宣告された学習者の人数統計

　一、9月、学習者43人の不当判決が判明

不当判決を宣告された43人の地域別人数（2025年9月判明分）

　迫害の実例

　1、河南省許昌市の白鴻敏さん　懲役8年の不当な判決に

　河南省許昌市の学習者・白鴻敏さん（61歳男性）は、鄭州新鄭市裁判所によって懲役8年の不当な判決を言い渡され、2万元（約40万円）の罰金を強要された。白さんは鄭州市高等裁判所に控訴したが、不当な原判決が維持された。

　白さんは大学卒業、許昌市農業局の職員である。質素で善良、人助けが好きで、職場でも家庭でも、近隣の間でも誰もが認める優しい人である。妻の陶智麗さんは許昌第九中学校の教師である。1999年7月20日以降、中共の江沢民集団が法輪功を迫害して以来、白さんは真・善・忍への信念を堅持したことを理由に、何度も不当に拘禁された。

　2024年6月19日、白さんは鄭州市の借家で鄭州市金水区経八路派出所の警官に尾行・連行され、鶴壁市のある洗脳班に拘禁され、「真・善・忍」への信念の放棄を強制された。親族も様々な形で嫌がらせや脅迫を受け、心身ともに深刻な被害を受けている。2024年11月の情報によると、白さんは鶴壁洗脳班から鄭州市第3留置場へ移送されたことがわかった。そして今年2月26日には新鄭市裁判所で不当な裁判にかけられた。

　白さんは河南省第3労働教養所で「羊の丸焼き」と呼ばれる拷問を受けたことがある。2001年1月、白さんが帰省して家族と一緒に新年を祝ったところ、許昌市魏都区の警官に連行され、法的根拠なく3年の労働教養を科され、直接河南省第3労働教養所に拘禁された。

　労働教養所で、白さんは法輪功をやめないとして独房監禁、睡眠剥奪、手錠をかけたまま吊り上げ、ゴム棒による暴行、スタンガンによる電気ショック、繩で縛り上げる、限界を超える重労働の強制などの拷問を受け、精神的にも身体的にも大きなダメージを受けた。労働教養所は暴力的な「転向」を目的として、「羊の丸焼き」と呼ばれる拷問を加えた。これは、手足をしっかり縛り、棒を手足に通して四肢を上に向けたまま長時間吊るし、その状態で数本のスタンガンと警棒、殴ったり蹴ったりを次々と加えて痛めつけるものである。この拷問で白さんは生死の淵をさまよい、全身血まみれで肉が裂け、両手はほとんど機能を失い、数カ月経っても物を持てなかった。2004年1月、3年の労働教養を終えた後、さらに1年間の延長が加えられた。

拷問イメージ図：「羊の丸焼き」と呼ばれる拷問

　白さんは懲役4年の不当な刑を言い渡され、新密刑務所に拘禁されたこともある。2011年11月22日午前、許昌市裁判所は、延安路高等裁判所内の一室で白さんに対し非公開裁判を行った。白さんは懲役4年の不当な判決を受け、控訴したが、許昌市高等裁判所は原判決を維持した。同年12月下旬、家族に知らせない状況下で、河南新密刑務所に拘禁された。そこで、白さんは独房監禁などの迫害を受けた。

　2、成都市青羊区裁判所の違法行為　5人の学習者に不当判決

　四川省成都市に在住する学習者・明月さん（62歳女性）、徐述尭さん（62歳女性）、敬桂花さん（60歳女性）、張瑞芳さん（69歳女性）の4人は2024年7月8日、黄瓦街派出所の警官により連行された。一方、聶中永さん（78歳男性）は貴州省貴陽市の出身であるが、迫害を避けるために成都市に滞在していたところ、2024年8月16日、成都市公安局青羊支局の警官により連行された。

　今年9月19日、1年以上にわたり拘束されていた5人の学習者に対して、成都市青羊区裁判所は不当な裁判を行った。裁判終了後、明月さん、徐述尭さん、敬桂花さん、張瑞芳さんおよび聶中永さんはそれぞれ、懲役1年8カ月、2年6カ月、3年2カ月、3年8カ月、および2年2カ月の不当な判決を言い渡された。

　3、広東省の年配女性3人　集まって読書したことで不当に懲役刑

　広東省茂名市電白区の女性学習者・李国媛さん（56）、区芬さん（76）、謝麗萍さん（78）は、法輪功の主要な著作である『轉法輪』を学習していたという理由で、今年8月29日、茂名市茂南区の裁判所から不当な判決を言い渡された。李国媛さんは懲役4年、区芬さんは懲役2年8カ月、謝麗萍さんは懲役2年6カ月および罰金8000元を言い渡された。現在、李国媛さんは控訴している。

　今年6月11日、茂南区の裁判所は李国媛さん、区芬さん、謝麗萍さんに対し不当な裁判を行った。李国媛さんと区芬さんの家族は、警察および住民委員会の関係者から脅迫を受け、無罪弁護を引き受ける弁護士の依頼を断念せざるを得なかった。法廷で、謝麗萍さんの弁護士は、「謝麗萍さんは無罪であり、直ちに釈放されるべきである」と弁護したが、8月29日、茂名市茂南区裁判所は3人に対し不当な判決を下した。

　4、四川省大竹県の女性学習者4人に不当判決

　四川省達州市大竹県に住む女性学習者・佘興敏さん、余勝華さん（56）、羅福瓊さん（58）は2024年10月13日夜、大竹県煌歌広場で法輪功迫害の実態を伝えていたところ、大竹県公安局の警官に連行された。10月14日午後、張展萍さん、彭祖銀さん（61）、李中菊さん、劉遠碧さんは、彭祖銀さんの家で一緒に法輪功の書籍を読んでいた。午後5時過ぎ、各自帰宅しようとしたところ、派出所の警官に引き止められ、連行された。彭祖銀さんの自宅は家宅捜索され、プリンターなどが押収された。彭祖銀さん、余勝華さん、佘興敏さん、張展萍さん、羅福瓊さんは達州市拘置所に拘束されたが、他の学習者は自宅に帰った。

　彭祖銀さんは懲役4年の実刑判決と罰金1万元、余勝華さんは懲役2年6カ月と罰金5000元、佘興敏さんは懲役2年3カ月と罰金4000、羅福瓊さんは懲役2年（刑務所外での執行）と罰金3000元を言い渡された。彭祖銀さん、余勝華さん、佘興敏さんは今年8月27日、成都刑務所に拘禁された。

　（続く）