　【明慧日本2025年10月27日】（明慧記者・英梓）2025年10月、カナダの複数の議員、外交官、元カナダ王立騎馬警察（RCMP）関係者などが声を上げ、法輪功、神韻芸術団およびその他の海外華人コミュニティに対する中国共産党（以下、中共）の越境的弾圧行為を非難した。

　中共の越境弾圧が激化　議員が非難

　現在、中共による越境的弾圧と中傷キャンペーンは世界中に広がっている。2022年以来、習近平の指示のもと、中共は迫害をエスカレートさせ、海外で法輪功や神韻芸術団を脅迫・威嚇・抑圧している。この越境的弾圧は特にアメリカで深刻であるが、カナダやその他の国々にも及んでいる。すでに複数の事件が記録されており、神韻を攻撃するために米国の公務員を買収しようとした事例、米国のメディアや司法制度の操作、100件以上の匿名爆弾脅迫、ソーシャルメディア操作などが含まれる。今年、カナダでも神韻が公演された4都市の劇場が匿名爆弾や大規模な銃撃予告を受けた。このような脅迫行為は中共の越境弾圧のエスカレート版と見なされ、カナダの政界に強い反発を引き起こしている。

　最近、カナダ国会議員ジュディ・スグロ（Judy Sgro）氏はインタビューで、中共のテロ行為に断固として立ち向かう必要があると述べ、すべての人に対して、恐喝や暴力に屈しないよう勇気を持って立場を貫くことを呼びかけた。

カナダ国会議員ジュディ・スグロ氏

　「神韻のような美しい芸術公演が脅迫や弾圧を受け、カナダの人々が素晴らしい演目を鑑賞することを妨げられるとは、決して容認できません」と話すスグロ氏は、「カナダ政府として、私たちはこのような行為に断固として立ち向かう必要があります。私はこれを『脅迫的攻撃』と呼びます。私たちはあらゆる手段を通じてこれに対応していきます」と述べた。

　スグロ氏は、カナダ政府に対して、中共による世界規模の越境弾圧に団結して立ち向かうよう呼びかけた。「私たちは複数の国で越境弾圧の事例が続発していることを注視しており、その背後にいる操作者は中国（中共）であることも明らかです。このような行為に直面して、カナダは団結し、断固としてこれらの活動に対抗しなければなりません」

　スグロ氏は家族と共に神韻を鑑賞し、大きな感動を受けたという。同氏は、すべての人に対して恐喝や暴力に屈せず、立場を貫くよう呼びかけた。「これは確かに大きな挑戦です。神韻に対するものに限らず、さまざまな形での搾取や脅迫は、多くのコミュニティで継続的に発生しているように見えます」と話すスグロ氏は、「私は実際に神韻を観ましたが、演目はとても素晴らしかったです。家族全員で鑑賞し、深く感動しました。私が言いたいのは、皆さんも強くあってほしいということです。こうした脅迫や暴力行為に屈してはいけません」と語った。

　カナダ上院議員マイケル・L・マクドナルド（Michael L. MacDonald）氏はインタビューで、カナダは主権国家として尊重されるべきであり、いかなる政府もその民主制度に干渉することは許されないと強調した。「私たちは開かれた国であり、さまざまな人々を歓迎しますが、いかなる政府も私たちの民主制度に干渉することは決して許されません」

カナダ上院議員マイケル・L・マクドナルド氏

　マクドナルド氏は、中共による越境弾圧に対して警戒を続け、断固として立ち向かうよう呼びかけるとともに、将来に対しても自信を示した。「私は、最終的に私たちが勝利することを信じています」と述べた。

　今年7月以降、カナダ連邦上院・下院議員65名が共同声明を発表し、法輪功に対する26年間にわたる中共の継続的迫害およびエスカレートした越境弾圧、特に神韻公演への妨害を強く非難した。今年、カナダの複数都市で神韻公演劇場が暴力脅迫メールを受けた事例があり、バンクーバー、モントリオール、ミシサガ、キッチナーが含まれる。さらにカルガリーでも公演妨害の破壊行為が発生している。

　台湾駐カナダ代表・曾厚仁氏も神韻を鑑賞した経験がある。10月7日のインタビューで、同氏は神韻公演を「人々の心を感化する、とても素晴らしい」と称賛し、神韻公演に対するあらゆる形の暴力的脅迫を強く非難した。曾氏は次のように述べた。「神韻を鑑賞するすべての人が感動することは間違いありません。公演の前や最中にこのような脅威に直面した場合は、直ちにカナダの法執行機関に対応させるべきであり、これは決して許されることではありません」

'图3：十月七日，台湾驻加拿大代表曾厚仁强烈谴责对神韵演出任何形式的暴力恐吓。'

台湾駐カナダ代表・曾厚仁氏

　曾氏は、中共の越境弾圧行為や関連手段は最終的に効果を失うと考えている。同氏は次のように述べた。「私は、人々が中国（中共）が秘密裏に行っている越境弾圧の事実を明るみに出すことで、中共に圧力をかけることができると信じています。やがて彼らは、この手段が通用しないことに気づくでしょう。私はその日が一刻も早く訪れることをとても楽しみにしています」

　元カナダ王立騎馬警察（RCMP）高級捜査官で、『カナダが受ける浸透』（Canada Under Siege）の共著者のギャリー・クレモン（Garry Clement）氏は、中共による越境的弾圧や脅迫について、神韻への妨害行為は間違いなく越境弾圧に該当すると述べた。

元カナダ王立騎馬警察（RCMP）高級捜査官で、『カナダが受ける浸透』）の共著者のギャリー・クレモン氏

　クレモン氏は、越境弾圧には、海外の華人の国内にいる親族に対する脅迫も含まれると述べた。「もしあなたが中国に親族を持ち、声を上げる勇気を持てば、（国内の親族）が巻き込まれることになるのです」と同氏は指摘した。

　クレモン氏は、カナダの現行法ではこれらの脅威に十分対応できていないと述べた。カナダの「外国干渉防止法案（C-70）」は昨年可決されたが、クレモン氏は「私たちは外国代理人登録制度を導入する必要がありますが、現時点では具体的な制度はまだ実施されていません」と認識している。

　C-70は、外国勢力によるカナダの民主制度への干渉を防ぐことを目的としており、特に中共などの独裁政権による越境弾圧や統戦工作を対象としている。法案では外国代理人登録制度を設け、刑法および国家安全情報法を強化し、政府に対してより広範な執行権限と情報共有権限を付与している。この法案は、アメリカの「外国代理人登録法（FARA）」やオーストラリアのモデルを参考にしており、カナダの民主主義防衛の重要な補完策と見なされている。

　『カナダが受ける浸透』の出版者ディーン・バックセンドル（Dean Baxendale）氏も神韻を鑑賞した経験があり、公演をとても高く評価している。「私は110％の自信をもって人々に鑑賞することを勧めます。神韻は間違いなく素晴らしいです」と彼は述べた。同氏はさらに、「公演は何千年もの歴史を経て伝わる（神伝）文化を世界に届けています。神韻が体現する文化、強く人の心に訴える舞踊、そして本来の精神的要素の民族の精神、利他の精神、人間性、分かち合い、善良さといった美徳は、人類の発展にとってとても重要な原動力です」と語った。

中共による神韻への妨害を阻止するため、C-70法案の早急な施行が必要であると話す、出版者ディーン・バックセンドル氏

　バックセンドル氏は、中共による神韻への妨害を阻止するため、C-70法案の早急な施行が必要だと考えている。「これによって初めて、外国による干渉や影響の問題について真剣に議論を始め、外国政府のために活動する者に責任を追及することができます」と述べた。

　バックセンドル氏はさらに、「私たちは、これらの人物の身元とその真の意図を明確に把握しなければなりません」と語った。　

　「もしこれらの人物が『外国代理人登録法に基づき登録すれば、私たちの政府は関連法を法に則って執行でき、違反者が現れた場合には訴追することも可能になります。これは良い出発点となるでしょう」と述べた。

　セルフ・メディア関係者「C-70法案の実施で中共の越境弾圧に対抗する」

　カナダで約80万人のYouTubeフォロワーを持つセルフ・メディア関係者で独立時評家の公子沈氏も、カナダが導入した「外国干渉防止法案（C-70）」は、越境弾圧に対抗する重要な法的手段であると語った。公氏は今年4月、トロントで神韻を鑑賞し、神韻が中華文化を広め、普遍的価値観を伝えていることを高く評価した。公氏は、「公演を観て最も強く感じたのは、普遍的価値を伝えていることです」と述べている。

セルフ・メディア関係者で独立時評家の公子沈氏

　公氏は、公演中に中共による法輪功迫害を紹介する演目に深い印象を受けた。同氏は、中共が自らのイデオロギーに反する信仰を弾圧している一方で、神韻は西洋の観客にその危険性を伝えていると述べ、「これこそが公演の価値です」と述べた。さらに、より多くの人々が神韻を鑑賞することを望んでいるという。

　中共による神韻への攻撃に関して、公氏は、中共の越境弾圧は爆弾脅迫、恐喝、監視、嫌がらせなど多様な手段を伴うと述べた。「これまで私たちはあまりにも多くの事例を耳にしてきました。単に非難したり抗議するだけでは不十分です。私たちは、政府に働きかけて主流社会に問題の深刻さを認識させると同時に、政府や国会が市民を保護する責任を果たすよう促さなければなりません」と語った。