文／在日ベトナム人の大法弟子

　【明慧日本2025年10月27日】（前文に続く）

　2．職場環境を大切に

　熊本での経験は、私が日本社会で成長するきっかけとなった深い教訓でした。当時の私は職場で大法を実証できず、「日本語を学ぶ必要はない。勉強は時間の無駄で、修煉や大法のプロジェクトに影響する」と極端に考えていました。職場でも生活でもベトナム人としか関わらず、大法の活動もすべてベトナム語で行っていました。周囲の人は私を「優しい人」と見てくれましたが、職場では仕事をこなすだけで、日本社会に溶け込むことも、人々と親しく話すこともできませんでした。

　日本語を真剣に学ばなかったため、常に力不足を感じ、多くの日本人に大法の素晴らしさや迫害の実態を伝えられないことを悔しく思っていました。熊本での三年間の仕事を終えたとき、ようやくその誤りに気づき、関東へ移ってから改める決意をしました。

　新しい職場は周囲がすべて日本人だったため、日本語を学ばざるを得ませんでした。これは、師父が私を日本社会に溶け込ませ、常人の中でしっかり修煉できるように導いてくださったのだと感じます。

　神奈川県で働き始めた当初、同僚たちは日本語を教え、仕事にも慣れるよう助けてくれました。介護施設での仕事は体力と忍耐を要しましたが、すぐに慣れ、仕事が好きになりました。周囲の同僚たちは腰や脚の痛みに悩んでいましたが、私は大法を修煉していたおかげでまったく問題ありませんでした。大法の力を深く実感しました。

　ある年のクリスマス、私は自分で衣装を準備し、介護施設で大法弟子が創作した歌をベトナム語で披露しました。歌詞は母親が「真・善・忍」で子どもを教える内容で、日本語訳を印刷して入居者に配り、歌の意味を理解してもらえるようにしました。多くの方が感動し、涙を流す高齢者もいました。これが、私が初めて自ら企画して多くの人の前で披露した大法のプログラムでした。師父が、最も自然な形で日本の人々に大法を紹介する方法を導いてくださったのだと思います。

　約二年後、私は千葉の介護施設に転職しました。仕事に真剣に取り組み、自ら積極的に話しかけた結果、日本語が驚くほど上達し、同修との交流もスムーズになり、大法の活動も進められるようになりました。職場でも法を実証し、多くの日本人と縁を結べるようになりました。特にあの年のクリスマスには、千葉の施設で腰鼓の演奏を披露する機会がありました。それぞれの腰鼓の曲には、大法の素晴らしさを表現するものや、迫害の事実を伝えるものなど、それぞれに意味があります。演奏の前後には、写真や動画を使って腰鼓の意義や世界各地の大法のパレードの様子を施設の大画面テレビで紹介しました。これによりプログラムはより華やかになり、人々が真実を理解しやすくなりました。会場の職員や入居者に深い印象を残し、皆が手拍子を打ち、数人の職員は私と一緒に踊りました。マネージャーからも「本当に素晴らしかった」と褒められました。

　一年後、私は現在の住まいに移り、同修と共に煉功点の発展に取り組むようになりました。師父のご安排により必要な手続きも順調に進み、東京で働くことができました。以前の介護施設での経験があったため、仕事や日本語への不安はありませんでした。新しい職場では自然に会話ができ、すぐに周囲と打ち解けました。皆とても親切で、外国人の私を尊重してくれます。まもなく日本人職員と同じ主要な業務を任され、上司からも「あなたは日本人以上に責任感があり、仕事も丁寧だ」と信頼されるようになりました。

　ここで介護施設の声楽講師と出会いました。彼女は私の明るさを褒め、連絡先を交換しました。私は「法輪功を修煉しているからこそ穏やかでいられる」と伝え、大法の紹介資料を渡しました。また、腰鼓の演奏活動についても話しました。それ以来、彼女は私を何度も施設の催しに招き、腰鼓演奏の機会を作ってくれました。入居者たちは手拍子を打ちながら喜び、会場は和やかな雰囲気に包まれました。

　あるとき、彼女が「昼休みにお年寄りたちに法輪功を教えてほしい」と依頼しました。私は職員と入居者を集め、煉功音楽に合わせて五式の功法を一緒に練習しました。皆とても真剣に学び、その後、神韻公演の映像を施設の大画面で流し、素晴らしい演目を鑑賞しました。

　仕事が忙しい時期もありましたが、師父のご安排のおかげで時間を作り、入居者と交流しながら大法を紹介できました。明慧ダイジェストも職場に持参し、読むことができるお年寄りに渡していました。

　介護施設の年に一度の祭典では、施設側が和服を用意してくれ、声楽の先生が化粧を施し、他の職員が音響を整えてくれました。すべてが順調に進み、私は一階から三階まで移動して全職員と入居者に向けて腰鼓を演奏しました。約百人が集まり、大法の音楽に耳を傾け、会場は温かく意義深い雰囲気に包まれました。

　ある日、職場に神韻公演を紹介する雑誌が置かれていました。誰が持ってきたのかは分かりませんでしたが、これをきっかけに一人の看護師を誘い、一緒に神韻を鑑賞することにしました。彼女はさらにもう一人の看護師Nさんも誘い、私たち夫婦と共に鑑賞しました。Nさんは私の煉功拠点の近くに住んでおり、『法輪功』の書籍を読んで、私の紹介で煉功拠点に来るようになりました。彼女は、初めて煉功をした後に身体が浄化された体験をよく同僚に話していました。

　神韻を観た帰りの電車で、Nさんは私の夫にこう言いました。「奥さんがこの施設に来てから、全体の雰囲気が明るくなって、皆の態度が変わったよ。私が職員に腹を立てていたとき、彼女が笑顔で声をかけてくれてね。その瞬間、怒ってはいけないと思い、すぐに穏やかになったの。彼女はまるでみんなの娘や孫のような存在です」

　その言葉を聞いて、私は自分を振り返りました。最近、職場で少し不満を感じ、常人の物質的な影響を受けて元気をなくしていたのです。大法弟子としてしっかり修めていなければ、常人に良い影響を与えるどころか、逆に環境に影響されてしまうのだと痛感しました。

　3．夫と義父母との縁を大切に

　私の夫は韓国人で、同じく大法を修煉しています。結婚後は、二人で修煉することで、一人のときよりもはるかに良い環境になりました。夫婦で心を合わせて修めることは、義父母に法を実証する絶好の機会にもなります。義父は体が弱く、以前から何度神韻に招待しても観に来てくれず、大法についても真実を理解していませんでした。というのも、義母が信頼している寺院の僧侶が中共の宣伝をそのまま信じており、その影響を受けていたからです。私は韓国語ができず、どうすれば義父母に真相を伝えられるのか悩んでいました。

　そんなとき、ベトナムの学習者が「韓国旅行中に神韻を観た」という体験を共有しました。私はその話に励まされ、両親を韓国旅行に誘って神韻を観させ、同時に義父母とも会うことを思いつきました。両親はツアー旅行だったため、個別に会うのは難しく、神韻の公演で会うのが最も自然でした。義父母も「あなたのご両親に会えるなら」と承諾してくれました。

　私たち夫婦は休暇を取り、神韻のチケットと航空券を手配しましたが、私のビザの手続きが間に合わず、同行できませんでした。そこで、私のチケットを夫の叔母に譲り、一緒に観に行くよう誘いました。以前は神韻を観るのを拒んでいた叔母も、私の両親が来ると聞いて同意してくれました。

　公演の前後、私は学法と発正念を続け、皆が良い体験をし、真相を理解できるように祈りました。最終的に、双方の親と叔母は無事に神韻を鑑賞し、すべてが順調に進みました。義母は「本当に素晴らしい舞台だった」と感動し、義父は拍手をしながら「完璧だった！」と絶賛しました。叔母は「神様に感謝します。こんなに純粋で美しい舞台を観られるなんて！」と言いました。両親も深く感動した気持ちを分かち合ってくれました。今回の両親の韓国訪問と義父母への神韻への招待は、人を救う尊い出来事であり、必ず良い結果をもたらすと確信しました。

　その後、夫は夢を見ました。韓国の古代の宮殿のような場所で宴が開かれ、義父母が師父の前で供え物を捧げていたそうです。

　一カ月後、義父母が「日本で大地震と津波が起こるらしい」と聞き、私たちに「韓国へ戻っておいで」と強く勧めました。私たちはそれを「義父に法輪功を修煉してもらうための導き」だと感じ、避難ではなく修煉の機会として受け止めました。韓国に到着してからは発正念を強化し、義父に煉功を勧める機会を探しました。

　ある日、私たちがリビングで発正念をしていると、義母が見て「お父さんにも煉功を教えてあげなさい」と言いました。そこで義父を誘って一緒に煉功し、義母も加わりました。

　韓国での滞在は一週間ほどで、五式の功法をすべて教えることはできませんでしたが、夫は大法の書籍を購入して義父に渡しました。

　私が初めて夫の実家を訪れたとき、義母の弟のベトナム人の妻が私に「あなたがこの家に嫁いで来られたのは、前世で多くの修得を積んだからに違いないわ」とそっと言いました。常人の言葉ではありますが、私はそれを偶然だとは思いませんでした。

　不思議なことに、この交流を書いている今日は、ちょうど私たちの結婚一周年の記念日です。私は夫と義父母との縁を、いっそう大切に感じています。

　心から師父に感謝します。
　そして、同修の皆さんに感謝します。

　（終わり）

　（2025年日本法輪大法修煉交流会の発表原稿）