　【明慧日本2025年10月31日】（米国＝明慧記者・李静菲）「中共は信仰に対して戦争を仕掛けているが、これは中共が決して勝てない戦いだ」と、前米国国務省国際宗教自由大使サム・ブラウンバック（Samuel Brownback）氏は「中国フォーラム」での講演で語った。同氏は、法輪功が最も深刻な迫害を受けている宗教団体であると指摘し、米国は法輪功を支持すべきだと述べた。ブラウンバック氏は、ホワイトハウスに対し法輪功創始者の李洪志先生との会見を求め、法輪功の人々が宗教信仰の自由を享有すべきであると宣言するよう呼びかけた。

　共産主義の犠牲者記念財団は10月27日と28日の2日間、米国首都ワシントンで年次「中国フォーラム」会議を開催した。参加者には専門家や学者に加え、経済、貿易、外交政策、国家安全保障、人権、政治発展などの分野の政策立案者も含まれる。「中国フォーラム」は、米国民に中共の本質や米中関係における重要課題を理解してもらうことを目的としている。

图1：二零二五年十月二十七日和二十八日两天，共产主义受害者纪念基金会在美国首都的华盛顿威拉德洲际酒店举办了一年一度的“中国论坛”会议。

10月27日と28日の2日間、共産主義の犠牲者記念財団の主催でワシントンで開催された「中国フォーラム」

　ブラウンバック氏「米国は法輪功を支持し、中共の迫害に反対すべきである」

　28日午前、ワシントンのウィラード・インターコンチネンタル・ホテルで行われた「中国フォーラム」で、元米国国際宗教の自由担当無任所大使、カンザス州連邦上院議員、カンザス州知事を務めたサム・ブラウンバック氏は次のように指摘した。中国は毎年数十億ドルを宗教弾圧に投入しており、法輪功はすべての宗教団体の中で最も深刻な迫害を受けていると述べている。

　なぜ中国共産党（以下、中共）は宗教の自由を破壊するのか。それは中共が中国国民を支配したいからだ。中共は、自分らに反抗する人々は往々にして政府より高い権威に従うことを知っている。共産主義は発足当初から、信仰を持つ人々に対して最も恐ろしい、最も過激な方法で攻撃している。

　「中国にとって、宗教の自由は（中共の）生存に対する脅威とみなしている。アメリカにおいて、宗教の自由は建国の原則であり、宗教の自由を破壊することはアメリカの生存に対する脅威である」と話すブラウンバック氏は、「私たちは中共の所業に反対して立ち上がるべきです。私たちはその点を明確に示すべきです」と述べた。

图2：前美国国际宗教自由事务无任所大使、堪萨斯州联邦参议员、堪萨斯州州长萨姆<b>·</b>布朗巴克在论坛会上演讲。

「中国がフォーラム」で講演する前アメリカ国際宗教自由担当無任所大使、カンザス州連邦上院議員、カンザス州知事を務めたサム・ブラウンバック氏

　ブラウンバック氏はこう述べている。「私は、私たちは法輪功を支持し、法輪功の創始者である李洪志先生を支持すべきだと考えます。彼は現在アメリカに在住しています。私は、ホワイトハウスが彼と会見し、彼らが宗教の自由を享有すべきだと宣言すべきだと思います」

　「宗教の自由というこの問題は、単なる人権問題から国家安全保障の問題へと引き上げられるべきです。私たちにとって、宗教の自由は私たちが持つ最も強力で最も有力な手段であり、私たちの基本的価値観を体現しています。それは中共政権にとって絶対的な脅威となっています。法輪功は中国国内で最も組織的で、中共政権に抵抗できる集団です。彼らは信仰を持つ人々であり、何十年にもわたって（中共からの）迫害を受け、虐殺され、殺害され続けています。中共は人類の歴史上、他のいかなる政権よりも多くの自国民を殺害しており、これに匹敵する政権は存在しません。中共はこのようにを行ってきました。そして、今もなおジェノサイドは続いています」

　ブラウンバック氏は、中共は常に嘘を広め、中国人民を欺き、宗教信仰の団体を「外来勢力」と呼んでいる。しかし、中国における真の外来勢力はまさに共産主義である。共産主義はヨーロッパの産業革命期に発展したものであり、その後中国に入ったが、中国の文化とは相容れないものであると指摘する。「もしあなたが本当の中国を望むなら、法輪功の願う通りにすればよいのです。彼らはただ、中国を数千年にわたって保ち続けてきた文化と文明へと戻そうとしているだけです。もし外来勢力を排除したいのなら、そうすればよいのです」とブラウンバック氏は述べた。

　米国議会が中共による生体臓器摘出を非難する決議案を可決、米国の価値観が超党派の議員を結束させる

　元米国連邦下院のベテラン議員イリアナ・ロス＝レーティネン（Ileana Ros-Lehtinen）氏は、「中国フォーラム」の基調講演者の1人である。同氏はフロリダ州マイアミ出身で、1989年から2019年まで米国連邦下院議員を務め、2011年から2013年にかけて下院外交委員会の委員長を務めている。

「中国フォーラム」で講演する元米国連邦下院のベテラン議員イリアナ・ロス＝レーティネン氏

　ロス＝レーティネン氏は、民主党議員と共同で提出した下院決議案H.R.343について特に言及した。2016年6月13日、米国連邦下院本会議は決議案343号を可決し、中共に対し、法輪功学習者およびその他の良心の囚人に対する「強制的臓器摘出」行為を直ちに停止するよう求めた。また、この決議は、中共に対し、法輪功への17年にわたる迫害を即時に終わらせるよう要求している。

　ロス＝レーティネン氏は「中国フォーラム」での講演で次のように述べている。「私たちが中共による法輪功学習者やその他の良心の囚人からの臓器強制摘出を非難するH.R.343法案を可決したとき、投票結果は全会一致でした。これは議会が発した一致の声です。中共の行為は野蛮であり、私たちはそれを見過ごすことはしないということです」

　ロス＝レーティネン氏は続けた。「私は議会在任中、『アメリカの対中政策は企業の利益ではなく、私たちの価値観によって導かれるべきです』という信念を持って行動してきました。そして誇りを持って言えますが、この問題に党派の対立は存在しません。共和党員も民主党員も、道義的に行動する必要が明白であるがゆえに、一致団結してきたのです」

　中共に幻想を抱くな、米国が直面する中共の脅威に対処せよ

　ロス＝レーティネン氏はこう指摘している。「長年にわたり、西側諸国の人々は自分たちをこう慰めてきました。もし私たちが中国（中共）と経済的に関わり、中共を国際貿易体制に組み込めば、彼らはいずれ自由化へと向かうだろう、貿易は自由をもたらすはずだと考えてきました。しかし、私たちは間違っていました。それも大きく間違っていたのです」

　「中共は経済的な威圧を用い、その巨大な市場へのアクセスを餌にして、民主主義国家の批判者を沈黙させています。中共は虚偽情報を流布し、アメリカ社会を分断させています。そして国際機関への影響力を買収し、国際的なルールを書き換えようとしているのです」

　「私たちが直面している状況をはっきりさせましょう。中共は、国内の動きを隠すだけの独裁政権ではありません。それは拡張主義的な勢力であり、自らの利益に合うように国際秩序全体を作り替えようとしています。その秩序においては、力こそが正義であり、主権には何の意味もなく、人権はただの交渉材料にすぎません」とロス＝レーティネン氏は述べた。

　米国が直面する中共の脅威への対処について語る中で、ロス＝レーティネン氏は次のように指摘している。「人権が脅かされるとき、民主党も共和党も一致団結する必要があります。『マグニツキー法』を活用して、ジェノサイドや宗教信仰者の迫害に関与する中共の全ての官僚を制裁し、彼らに責任を負わせるべきです。また、中共が中国国民を抑圧するために利用する技術の輸出を停止し、米国が中共と協力する行為を終わらせなければなりません」

　「さらに、異議を唱える人々や、中国国内でより良い未来のためにあらゆるリスクを冒す勇敢な人々を支援する必要があります。彼らの声を広げ、家族を保護し、逃亡時には避難を提供し、検閲を突破できる独立メディアを支援することで、一般の中国市民が真実を知ることを可能にしなければなりません」

　ロス＝レーティネン氏は続けてこう述べている。「私たちは、これらすべての行動の真の意義を心に留めています。これは大国間の競争や経済対立の問題ではありません。これは人類の問題なのです」

元米国連邦下院のベテラン議員イリアナ・ロス＝レーティネン氏

　8歳のとき、両親とともにキューバからアメリカへ逃れたロス＝レーティネン氏はこう語っている。「私は共産主義の影の下で生きることの味を知っています。異議を唱える人々が弾圧された後に訪れる沈黙も知っています。逃れられない家族と引き離される苦しみも知っています。しかし、希望の力も知っています」「今、この希望は中国に存在しており、決して消え去ることはありません」

　「アメリカ人として、自由の味を知る者として、人類大家族の一員として、私たちの務めは、なおも暗闇の中で生きる人々と共にいることです。私は世界中のすべての共産主義の被害者に伝えたい。あなた方は忘れられてはいない。あなた方は一人ではない。あなた方の勇気は私たちを鼓舞しており、私たちはあなた方の自由を守ることを決してやめません」とロス＝レーティネン氏は述べた。