　【明慧日本2025年11月2日】（明慧記者・王英）アメリカ・ニュージャージー州の共和党所属連邦下院議員クリス・スミス氏は、議会のウェブサイトで声明を発表し、シスコシステムズ社が中国共産党（以下、中共）による法輪功への迫害に加担していると非難した。

　声明によると、米国の著名な連邦下院議員2人が、シスコシステムズ社が中共による法輪功への迫害を加担したとする訴訟について、審理の続行を許可するよう最高裁判所に強く促した。議員らは、米国企業が中共による人権侵害行為の共犯者となってはならない、と表明した。

米下院議員クリス・スミス氏　

米下院議員ジョン・ムーレナー氏

　声明によると、10月29日、米国のニュージャージー州選出の共和党連邦下院議員クリス・スミス氏と、ミシガン州選出の共和党連邦下院議員ジョン・ムーレナー氏は、米国司法省に書簡を送った。両議員は、ジョン・サウアー副司法長官に対し、シスコシステムズ社に対して提起された訴訟の進行を許可するよう強く促した。この訴訟は、このアメリカのテクノロジー企業が中共による法輪功学習者への系統的な迫害を支援するためのツールを特別に設計したかどうかを明らかにするよう求めた。

　スミス議員とムーレナー議員は、シスコシステムズ社がこの訴訟で提出した上告受理の申立てを最高裁判所が棄却するよう、副司法長官に要請している。両議員は、この案件はさらに引き延ばすのではなく、事案の実質に基づいて審理されるべきだと述べている。

　米国通信社（AP通信）の最近の報道によると、「AP通信が入手した2008年のシスコシステムズ社のプレゼンテーション資料には、同社の製品がインターネット上の法輪功関連情報の90％以上を識別できることが示されている。また、AP通信が確認した他のプレゼン資料では、シスコシステムズ社が法輪功関連情報を『脅威』として扱い、全国規模の情報システムを構築して法輪功学習者を追跡していることが示されている」

　スミス議員とムーレナー議員は書簡の中で、議会の意図を強調するとともに、シスコシステムズ社の申請の根拠を退けて次のように記している。「シスコ（シコシステムズ社）は、この訴訟が米国の外交政策を損なうため、最高裁が審査すべきだと考えているが、これは完全に見当違いです。同様に、シスコは議会がこの技術の販売を許可したことも誤りだと示唆しているが、議会が宗教迫害を推進するための特別なツールの販売を支持するなどという考えは、まったくもって荒唐無稽です」

　両議員は、「米国企業は、中共による人権侵害行為の共犯者となってはならない」と重ねて表明し、過去に議会が、公聴会の開催や証拠に基づいた報告書の公表など、こうした反人道的な犯罪行為を明らかにするために行ってきた努力を強調した。

　最後に、スミス議員とムーレナー議員は、サウアー副司法長官に対し、シスコシコシステムズ社からの上告受理の申立ての申請を却下するよう最高裁判所に提言することを求めた。そして、「シスコ訴訟の原告は2011年以来、開廷審理を待っており、最高裁判所による審査は不必要な遅延を引き起こすだろう」と述べた。

　スミス議員は、「過去20年近く、私はアメリカのハイテク企業が中共による監視活動に加担し、人権に与える影響について警告を発しています。この訴訟は悲劇的な一例であり、アメリカ企業が中共に技術を提供することの現実的な結果、広範な迫害、嫌がらせ、脅迫、さらには拷問を浮き彫りにしています」と述べている。

　この書簡は、スミス議員が今年4月に提出した法廷への法廷助言書（amicus brief）を補足するものであり、その法廷助言書では原告を支持し、シスコシステムズ社の上告受理の申立てに反対している。法廷助言書の中で、スミス議員は、連邦法およびアメリカの外交政策が長年にわたり、中共による人権侵害問題の解決と非難に取り組んできていることを指摘している。