　【明慧日本2025年11月4日】（明慧記者・英梓）カナダの複数の連邦議員は、政府が関連法を効果的に実施し、中共の浸透と干渉を徹底的に根絶し、越境弾圧に対抗すべきだと表明した。

　カナダの議員が法案を提案し、越境弾圧者への法的制裁を推進

　先日、カナダの影の内閣国防大臣であり国会議員のジェームズ・ベザン（James Bezan）氏は、C-219法案をカナダ国会に提出した。これは「特別経済措置法」と「マグニツキー法」の改正を目的とし、外国の人権侵害者に対する制裁メカニズムを強化するもので、特にカナダ国内で越境弾圧を行う外国の官僚や代理人を対象としている。

'图1：加拿大影子国防部长、詹姆斯·贝赞提出C-219法案，旨在修订《特别经济措施法》与《马格尼茨基法》，以强化对外籍人权侵犯者的制裁机制。'

C-219法案を提出したカナダの影の内閣国防大臣ジェームズ・ベザン氏

　ベザン議員は、C-219法案の革新性は、カナダの法律で初めて「越境弾圧」を明確に定義することにあると述べた。同議員は「C-219法案は実質的にカナダの制裁法を強化し、本国で発生する国境を越えた弾圧行為を阻止します。同時に、カナダが中国やその他の国々における、人権問題に関与し暴利を貪る腐敗した当局者の隠れ場所となることを防ぎます」と語った。

　この法案はまた、制裁の対象を加害者の直系親族にも拡大し、家族を利用して資産を隠したり法的責任を回避したりすることを防止する内容となっている。制裁リストに掲載されたすべての外国人および団体は公表され、カナダ王立騎馬警察（RCMP）とカナダ金融取引・報告分析センター（FINTRAC）が外相に対して定期的に実施状況を報告することとされている。

　法輪功団体は長年にわたり、中共官僚の制裁リストをカナダ政府に継続的に提出してきている。2021年には、ベザン議員が法輪大法学会を代表してカナダ政府に150人の中共官僚の名簿を提出している。

　2024年12月、カナダ政府は「特別経済措置法」に基づき、新疆ウイグル人、チベット人、そして法輪功の信仰者に対する系統的な迫害を理由として、中共の高官8人に制裁を科した。

　ベザン議員は、C-219法案は法輪功を迫害している人権犯罪者にも適用されると述べた。同議員は次のように期待を示している。「カナダ国民や在外華人コミュニティが下院および上院の国会委員会で発言し、具体的な名簿や証拠を提出できる仕組みを確立したい。これにより、どの人物が『マグニツキー法』または『特別経済措置法』に基づき制裁を受けるべきかを明確にできるようにします」

　2024年、法輪功学習者（以下、学習者）は世界45カ国に制裁リストを提出し、これらの人物の資産凍結と入国禁止を求めている。ベザン議員は、C-219法案を「グローバル・マグニツキー制裁法」と命名することを望んでおり、「不法な手段で利益を得ている（外国の）人物、そして法輪功修煉者、ウイグル人、キリスト教徒、その他中国国内の少数民族や宗教団体を迫害している（外国の）人物が責任を追及されることを確実にします」と述べた。また、「この原則はイラン、北朝鮮、ロシアなど他国に対しても同様に適用されます」と強調した。

　越境弾圧と外国からの干渉は深刻な問題、カナダは根絶すべきである

　多くの連邦議員は、越境弾圧の問題はカナダが長年直面してきた深刻な課題であると指摘している。カナダ上院の野党党首であるレオ・ホウサコス（Leo Housakos）上院議員はこう述べている。「私たちは、いま世界の中に、遠くからやって来てカナダ市民を脅迫している勢力が存在するということを、はっきりと認識しなければなりません」

'图2：十月二十二日，加拿大参议院反对党领袖、参议员侯塞克斯表达了对中共跨国镇压和渗透的关注。他呼吁加拿大政府捍卫加国利益和本国公民的权利。'

カナダ野党党首レオ・ホウサコス上院議員

　ホウサコス上院議員は、2022年2月24日に上院で初めて「外国影響登録および説明責任法（S-237）」を提出し、外国代理人登録制度を設けて外国からの干渉に対処することを提案している。これに類似したカナダ連邦政府の法案C-70は、2024年6月に国会で可決されている。

　近年、複数の国際調査により、中共の工作員が海外で異見者に対し、公の場で監視、嫌がらせ、さらには身体的攻撃を行った事例が明らかになっており、北米、ヨーロッパ、オーストラリアなど複数の国に及んでいる。今年10月2日、トロントの学習者が中共トロント領事館のビザ窓口前で嫌がらせを受けている。ある中国系人物が中共の国旗を振り回し、学習者の展示パネルを破壊し、罵倒したうえで暴行を試みた。

　ホウサコス上院議員は「世界には多くの非民主的な国が、私たちの自由と民主主義を利用しています。彼らはここにやって来て、さまざまな民族のカナダ人を追跡し脅迫しており、もちろんカナダの華人も含まれています」と述べた。

　中共に関連する越境弾圧について、ホウサコス上院議員は、カナダの華人コミュニティが完全な権利と自由を有していることを強調した。同議員は次のように述べている。「北京政権は、カナダの華人コミュニティを自国の市民であり、自分たちの資産であると見なしています。しかし、彼らはそうではないのです。彼らはカナダに住み、この国で働き、貢献しているカナダ人であり、権利を有しています」

　ホウサコス上院議員は首相や各級政府に対し、中共と国内の法執行機関に明確なシグナルを送り、中共の統戦活動やスパイ問題に厳正に対処するよう呼びかけている。同議員は「前回の国会で、私たちは外国からの干渉に対処するためのいくつかの有効な立法を可決しました。刑法には関連する条項も複数存在しており、私たちの法制度は整っています。今欠けているのは政治的意思です」と語った。

'图3：联邦保守党国会议员马国基呼吁政府正视外国势力对加拿大社区的渗透与跨国镇压。'

カナダ保守党国会議員コスタス・メネガキス氏

　最近の選挙期間中、保守党議員のコスタス・メネガキス（Costas Menegakis）氏は有権者を直接訪問し、何百軒もの家の扉を叩いて多くの懸念の声を聞いた。華人コミュニティの人々は、発言を公にすることに恐怖を感じ、自分の意見が中共によって母国の家族への報復につながるのではないかと心配していると同議員に話している。メネガキス氏「このような状況はカナダに存在してはなりません。人々はこのような（恐怖の）感情を持たせではなりません」

　メネガキス氏は、「カナダ政府は、いかなる外国の干渉も受けないことを確保することに、もっと注力すべきです。なぜなら、これはすでにカナダの選挙で起こっていることだからです。したがって、これらの干渉を取り除くことはとても重要であり、人々にここで自由に生きる機会を与えることになります」述べた。

カナダ保守党国会議員マイケル・チョン氏

　カナダ保守党の国会議員であるマイケル・チョン氏も、連邦政府に迅速な行動を促し、次のように述べている。「私は、政府がこの登録制度をできるだけ早く確立し、専任の委員を任命し、そして登録を開始する必要があると考えます。これは、カナダ国内における外国の干渉と闘うための重要な手段の一つとなるでしょう」

　チョン氏自身は、中共による人権侵害を非難する動議を主導したため、中共から制裁リストに入れられ、同氏の香港の親族は脅迫を受けている。

　神韻への妨害は、中共の偏執的で不合理な一面を完全に示している

　神韻芸術団は2006年にアメリカ・ニューヨークで設立され、法輪功修煉者によって創立されている。宗旨は、中国の五千年にわたる神伝文化を復興し、信仰団体に対する中共の迫害を明らかにすることである。現在、神韻芸術団は8つのグループを擁し、毎年世界数十カ国で数百公演を行い、観客は1000万人を超える。

　中共はカナダでも神韻公演を行う劇場に対し、爆弾や銃撃などの脅迫を行っている。これに対し、議員らは、中共が脅迫手段を用いてカナダの芸術・文化分野に妨害することを非難した。

'图5：加拿大保守党副党领袖朗茨曼近日表示，加拿大应全面根除中共渗透和抵制跨国镇压。'

カナダ保守党副党首メリッサ・ランツマン議員

　カナダ保守党の副党首メリッサ・ランツマン（Melissa Lantsman）議員は次のように述べている。「爆弾の脅迫であれ、法的闘争であれ、沈黙の強制であれ、これらすべては残虐な共産主義独裁政権の手段です。中共のような政権は全世界に手を伸ばし、自由、民主主義、法の支配、そして正義のために声を上げる人々を抑圧しようとしているのです」

　中共によるこうした脅迫行為について、ランツマン議員は、中共の弾圧は「不当なものである」と話す。同議員は次のように語っている。「私が見て、体験した限りでは、神韻は美しい多文化公演であり、心地よい音楽と目を見張る舞踊が伴っています。人々が神韻を観賞し、素晴らしい中国伝統文化を楽しむことを妨げる理由など全くありません」

　メネガキス議員夫妻は、2013年1月にトロントのソニー・センターで神韻公演を鑑賞している。同議員は、婦人と共に神韻を鑑賞した際、ほとんど「我を忘れるほど没入していた」と述べ、神韻は中国伝統文化を最もよく表現する「最高の公演」であり、政治的弾圧の対象にされるべきではないと強調した。

　ベザン議員はこう述べている。「公演が法輪功に関連しているというだけで、中共が行うこれらの行為は実に吐き気を催すものであり、習近平と政府の偏執ぶりを示しています」

　「私たちは、中共がカナダでの外国干渉や、中国籍の人々、香港人、台湾人、そして法輪功修煉者に対する越境弾圧を完全に停止することを確実にしなければなりません」