文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年11月15日】長い人生の中で、私は生命の意味を探し求めてきました。法輪大法は私のすべての疑問に答えてくれました。ここでは、私が修煉を始めてから最も深く感じた体験を同修の皆さんと分かち合いたいと思います。

　縁あって修煉を始める

　物心がついたころから、私は「人生の意味とは何か？」という問いを考えていました。子供のころ、一族の老人が亡くなったとき、家の者たちは喪服を着て悲しみに暮れていました。しかし周囲の人々は見物するように眺め、遺族の一挙手一投足を批評し、悲しみの様子もなく、中には笑っている者さえいました。幼い私は死というものをよく理解できず、ただその光景に強い違和感を覚えました。祖母は十年以上病床にあり、祖父も長く寝たきりでした。そんな姿を見るたびに、「これは自分の求めている世界ではない」と感じていました。

　年齢を重ね、学校、仕事、家庭、生活を経る中で、さまざまな人と出会いました。人々は名利を追い求め、心をすり減らして生きていますが、その結果は千差万別で、病に苦しみ、善い終わり方をする人は少ない――。私は心の奥で求めている精神的なよりどころを見つけられず、「生と死とは何か」「運命とは何か」「人は自分の運命を変えられるのか」という疑問に答えてくれる人もいませんでした。

　答えを求めて、生活の中で出会う徳の高い人、年長者、尊敬されている人には、誰にでも謙虚に尋ねました。その言動を注意深く観察し、有名人の伝記、歴史書、科学書、流行していた気功の本までも片っ端から読みました。心の底から求めていた「人間界の苦しみを離れる幸福の道」を探し求めたのです。

　しかし、心から納得できる答えは得られず、気功も曖昧で神秘的な話ばかりでした。結局、私は心身ともに疲れ果て、酒・色欲・財・怒・情の中に沈み、心の中は空虚で精神は衰え、10分間立つことが保てないほどでした。毎日、仕事が終わると何もする気が起こらず、ベッドに倒れ込み、「生きていても意味がない」と感じていました。

　どんなに社会が汚れていても、私の心の中には底線（道徳的な限界）がありました。生まれつきの善良さを持ち、食のために鶏や魚を殺すことはせず、人に優しく、年長者を敬い、子供を慈しむことを当然のこととしてきました。

　1995年の冬、ふと奇妙な考えが頭をよぎりました。「老子や孔子の教えは、もう今の人々を納得させることができない。もしかしたら、まもなく高い悟りを持つ人が現れるのではないか？」と。

　1996年の初春のある日、仕事帰りに義母の好きな柿を買おうとしたとき、道端の木に「法輪大法」と書かれた横断幕が掛かっているのを見つけました。私は自転車を止め、興味を持って眺め、「病気を治せますか」と尋ねました。すると相手は熱心に法を紹介してくれました。公園に煉功点があり、無償で教えていると教えてくれました。

　当時、社会では偽物や詐欺が横行していましたが、私は体調が悪かったため、「病気さえ治れば」との思いで公園の煉功点を訪れ、他の人たちの後ろについて功法を学びました。そこでは大法の弟子たちが、親切に動作を直してくれました。すると、わずか一週間ほどで、体のすべての病が消え、無病息災の状態になりました。あの軽やかさと爽快感は言葉では言い表せません。自転車に乗るとまるで誰かが後ろから押してくれているようで、どんなに歩いても疲れないのです。

　そして最も幸運だったのは、数日後に『轉法輪』の一冊を手に入れられたことです。その夜、本を読んだあと、翌朝はっきりとした夢を見ました。師父が真っ白な衣をまとい、厳粛な表情で私に「手をきれいに洗いなさい」と言われたのです。しかし当時の私は、それが師父からの悟りへの導きであるとは気づきませんでした。

　『轉法輪』を学び終えたとき、私は人生で積み重ねてきたすべての疑問の答えを得ました。嬉しくて、誰もいない場所で大声で叫びたいほどの喜びでした。こんなに素晴らしい功法を自分一人のものにしてはいけない——そう思い、すぐに親戚や友人たちに伝えました。1999年に邪党（中国共産党）が大法を迫害し始めるまでは、私は同修たちと一緒に法を学び、煉功し、法を広める毎日を送り、幸福と充実感に満たされていました。

　三度の深い教訓──色欲の心を取り除く

　修煉は遊びではありません。にもかかわらず、私は色欲心をなかなか取り除こうとせず、「社会の現実に合わせた普通の感情だ」と自分に言い訳し、欲望を放任し、育ててしまいました。その結果、何度も転び、苦い教訓を味わうことになりました。

　ある日、同僚と町へ生活用品を買いに行きました。橋の下を通り抜けてすぐのところがカーブで、しかも急な上り坂でした。後ろを走っていた人は前の様子が見えにくく、ちょうど若い男が恋人を乗せ、酒も飲んでいて、自転車を猛スピードで走らせていました。彼が私たちに気づいた時にはもう避けきれず、私に激突しました。私は宙に飛ばされ、後頭部から地面に叩きつけられ、その場で意識を失いました。2時間半後にようやく目を覚ましたのですが、同僚は泣いており「死んだのかと思った」と言いました。病院の診断は脳震盪（のうしんとう）でした。私は加害者に賠償を求めず、薬も一粒も飲まず、一週間後には出勤しました。

　そのとき、私は内に向けて探し始めました。「なぜこんな難（災難）が起きたのか？」と、それは携帯で不適切な内容を見て、色欲心を取り除かなかったことによるものでした。修煉を始めた当初、名利への執着は薄れ、「自分は大丈夫だ」と思っていましたが、『轉法輪』の第六講「煉功して魔を招く」を学ぶたびに心が落ち着かなくなっていました。この教訓を通して、私は「修煉者としてもっと厳しく自分を律しなければならない。常人のような汚れた心を抱えたままでは天国世界に行けない」と悟りました。

　ところが、時が経つにつれて仕事が忙しくなり、法を学ぶことを緩めてしまいました。携帯電話が手放せず（仕事上も必要でしたが）、ネット動画も多く見てしまい、再び色欲心が頭をもたげ、刺激を求めて黄色いサイトをのぞくようになりました。

　ある朝、食事を終えて出勤し、前日に打ったばかりのコンクリートの上で作業をしていた時のことです。地面に水たまりがあり、足を滑らせて体全体が地面に激しく叩きつけられました。左肩から落ちたため、肩の上が大きく腫れ上がり、骨がきしむような痛みが走りました。同僚は「知り合いの接骨院に連れて行く」と言って聞かず、診てもらうと「骨にひびが入っている、病院でギプスを」と言われましたが、私は「大丈夫、治ります」と言い、薬も使いませんでした。上司は心配して2000元あまりの膏薬を届けてくれましたが、それも使わず、一日も仕事を休みませんでした。

　後になって、私は深く反省しました。「色欲への執着という頑固な心を残したままでは、旧勢力に迫害の口実を与えてしまう」。それからは、師父の講法を何度も繰り返し学び、心性を守り、長い間、法を学び、心を修め、真相を伝えることを続けました。

　俗に「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言います。心が少しでも緩むと、外部からの刺激で人心が再び動き出すものです。携帯には誘惑的な動画や画像があふれ、それを少し見ただけで心が乱れ、やめられなくなります。

　三度目の魔難がやってきました。ある日、妻と公園を散歩していた時、フィットネス器具で横になって鉄の輪を持ち上げるものがありました。私がそれを持ち上げた瞬間、「バキッ」と音がして腰に違和感を覚えました。翌朝起きようとすると、激痛で起き上がることができませんでした。私はすぐに「原因は分かっている」と悟り、心の中で師父に向かって「もう二度と黄色いものは見ません、もう常人の心は持ちません」と誓いました。ちょうどコロナ封鎖中で在宅生活をしていたため、日常生活が再び自立できるまでに半年近くかかりました。　妻が冗談まじりに、「もしあなたが大法を修めていなかったら、きっと世間の多くの男たちのように、遊びと酒に溺れていたでしょうね」と言いました。私はその言葉に深くうなずきました。——私はどれほど幸運だったことか。大法を修めたおかげで、酔生夢死の人生から抜け出すことができたのです。

　これら三度の深い教訓を通して、私は悟りました。修煉において、決して気を緩めてはならない。安逸心も、色欲心も、絶対に残してはならないのです。今では、妻と共に毎日できる限り多く法を学び、4回の定時の正念を発し、外に出て真相を伝え、人を救っています。邪悪な要素に、少しの隙も与えません。

　（続く）