文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年11月16日】（前文に続く）

　四、明慧ネットとの通信と迫害情報の収集

　2006年以前は、明慧ネットへ送る必要のある情報は県内の同修のところまで持って行かなければなりませんでした。後に同修が私にサイト内メールボックスを作ってくれ、私は明慧ネットへ直接情報を送る方法を学びました。送った内容は、「厳正声明」、法会交流原稿、同修を救うために集めた迫害に関わる組織や個人の電話番号などです。迫害に関わった人や警察官の中には「電話が鳴りっぱなしで大変だ。全部外国からだ」と話す人もいました。海外の同修が中国の同修を救うために尽力してくれていることに、心から感謝します。

　毎年、明慧ネットの中国法会の締め切りが近づくと、原稿が山のように集まります。私は同修と徹夜で入力作業をしたこともありました。当時はタイピングも早くなく、文章の整理にも不慣れで、疲れ果てて頭がくらくらすることもありました。原稿を整理すること自体が、心を修め、忍耐を養う過程でもありました。内容は良いのに時間や場所が書かれていない原稿、十数ページぎっしり書かれているのに誤字が多く前後がつながらない原稿、ピンインが混じって意味が分からない部分がある原稿など、さまざまでした。

　また、文章の中に問題があると感じ、自分の考えで校正して同修に渡したところ、「これが私の伝えたいことなのに、なぜ変えたの？」と言われたこともありました。私は内に向けて探し、自我、上から目線、人に押し付ける態度、深く残った党文化など、さまざまな問題が自分にあることに気づきました。

　その後は、自分を修めることを重視し、同修の文章を整理するときの心構えも変わりました。心を込めて校正し、同修が大切に書いた文章を尊重するようになりました。

　同修の一文字一文字に真心が込められており、師父への報告でもあります。文章の内容に胸を打たれ、涙が止まらないこともありました。同修が関を乗り越える中で、師父を堅く信じ、正念を保ち、無私で寛大に振る舞う姿に心から敬服しました。私はその姿から学び、自分の不足にも気づきました。

　以前、明慧ネットは中国の同修に「公安・検察院・裁判所や企業・事業所など、迫害に関わる者の悪行や写真を収集する」よう提案していました。私は安全を確保した上で、地元の迫害者情報を集めたいと思い、数人の同修と目的を話し合って確認しました。修煉者には恨みがありません。悪行を暴露するのは迫害を止めるためであり、命令に盲従すると自分に悪影響が及ぶと知れば、彼らも目を覚ますかもしれません。驚いたことに、情報収集はとても順調でした。同修は、自分の勤務先の幹部や各部署、派出所の責任者の情報を写真付きで集めてくれました。会議で写真を見つけてさりげなく撮影した同修、結婚式で以前迫害に加担した派出所長を見つけて撮影した同修もいました。私は同修と自転車で農村の村委会へ行き、昼休みに窓越しに迫害に加担した村長の写真を撮りました。看守所の悪警の情報も集めました。

　ある時、複数地域の協調人が集まって交流した際、市の同修が「地元の二十年以上の迫害状況をまとめ、明慧ネットへ提出してはどうか」と提案しました。私は以前から明慧ネットに掲載されていた市・県の迫害総まとめを読み、いつか地元の迫害事例をまとめたいと思っていました。しかし難しそうだと感じ、諦めていました。

　その願望を知ってか、地元の協調人はその仕事を私たち三人に任せました。同修たちは以前に集めた迫害情報を提供し、分類までしてくれました。量の多さに驚き、数百人の情報を一つひとつ確認する必要があり、不安になりました。しかし市の同修が励ましてくれ、作業の進め方を細かく指導してくれました。

　途中で一緒に担当していた二人の同修は忙しくなり、作業は私一人になりました。まとめ作業には時間と忍耐が必要でしたが、「どんなに難しくてもやり遂げよう」と決めました。毎日、学法・煉功・発正念を欠かしませんでした。市の同修もずっと励ましてくれました。

　一年かけて県全体の二十数年の迫害まとめを完成させ、同修にチェックと修正をしてもらい、明慧ネットに掲載されました。苦労した過程は、自分を磨く道でした。焦りは忍を修める機会となり、根深い「ごまかし」の党文化も多く取り除かれました。振り返ると、師父が私を引き上げてくださったのだと思います。この経験のおかげで、後の文章作成でも成長できました。何をするにも、自分を成就する道になるのだと悟りました。

　その後、市の同修は私の経験を見て、市全体の迫害事例の整理も手伝ってほしいと頼んできました。私は一瞬「やっと一息つけると思ったのに、また仕事が…」と気が重くなりましたが、心を正し、同修が頼ってきたのは師父の段取りかもしれないと思い、責任を果たすことにしました。一度経験していたため、作業は前回よりもスムーズでした。

　作業中も、心を修める機会は絶えませんでした。ひとり分の情報の整理に数時間かかることもありました。ネットの報道が不足していると、「どうして当時もっと詳しく書いてくれなかったのか」「どこで連行されたのか、どこで判決を受けたのか、いつのことなのか」と文句を言いそうになることもありましたが、すぐに気づきました。「迫害の中で、同修がわずかな情報を集め、ネット封鎖を突破して明慧ネットに送ってくれたこと自体、どれほど大変だったか。同修は本当に立派だ。私はどうして文句を言えるのか」と反省し、不満の心が露わになりました。数カ月かけて数百人分の迫害事例を分類し、まとめ終えました。

　私が冤罪で拘禁を終えて家に戻った後、市の同修が「迫害の体験を文章にしてはどうか」と勧めてくれました。私は迫害を暴露する自述を書き、明慧ネットに掲載されました。ある日、同修が地域版『明慧週報』を持って来て、「今号にあなたの自述が載っています。配る前に気持ちを聞きたくて。地元の人は皆あなたを知っているので」と言いました。私は「迫害を暴いた以上、配布されても構いません。大量に配ってください。邪悪は暴かれることを最も恐れています」と答えました。

　その号では三つの地域版『明慧週報』が私の自述を掲載しました。私たちが連行された際、明慧ネットは国保大隊の悪行を次々と報じ、同修は国保隊長や裁判官に電話や手紙で働きかけていました。国保隊長は「休む暇もなく、プレッシャーが大きい」と話していたそうです。私が帰宅後、不当に没収された物品を取り戻しに国保大隊へ行きましたが、隊長は嘘をついて「いない」と言い、私に会おうとしませんでした。

　五、聖なる縁を結ぶ

　私は周りの同修たちに、とても深い縁を感じています。歴史の輪廻の中で、私たちは親子や兄妹、あるいは親しい友だったのかもしれません。修煉を始めたころは、共に学法し、煉功し、ほかの地域へ大法を広めに行き、法会にも参加しました。迫害が始まってからは、誰かが倒れれば必ず温かく手を差し伸べ、誰かが迷えば離れずに師父の法を繰り返し伝え、その人を目覚めさせました。誰かが迫害されれば、皆で一体となって発正念し、法律を用いて迫害に反対しました。

　これまでの大法を実証する年月の中で、私は多くの同修と行動を共にしてきました。同修の玉さん（仮名）は正念が強く、法理を明晰に理解している方でした。不当に刑務所へ入れられても正念で迫害に反対しました。迫害で病業状態になったため、警察は彼女を帰すしかありませんでした。私たちは十年以上同じ学法グループで学び、一緒に真相を伝え、資料を配り、資料作りも息が合ってとても早く進みました。互いに見えた問題を率直に指摘し合っても、誰も怒りませんでした。今は県外に移りましたが、一緒に精進していた日々は、私にとってかけがえのない時間です。

　同修の虹さん（仮名）は私より3歳年上で、最も長く協力し合ってきた同修です。一緒にパソコンの技術を学び、器材や消耗品を揃え、同修の資料拠点の設立も手伝い、共に資料を配り、できることを協力して進めてきました。虹さんは心が広く責任感が強く、協調の役をとてもよく務めていました。

　長く一緒にいると、時にはトラブルも生じます。私は口では「内に向けて探す」と言いながら、実際は外にばかり原因を求めていました。私たちが毎日忙しく走り回っているのを見て、ほかの同修から「プロジェクトばかりしていて、何でも引き受けようとする心と、褒められたい心がある」と指摘されましたが、当時は深く受け止めませんでした。

　その後、虹さんと数人の同修と資料を配りに出かけた際、私たちは連行されました。私は深く反省しました。普段、プロジェクトばかりで確実に修めていなかったため、人を救うことにも、同修にも大きな損失をもたらしてしまったのだと思いました。家に帰った後、虹さんと何度も交流し、法に照らして正し、責任を担い続け、正しく歩むことを確認し合いました。

　同修の木純さん（仮名）は法をよく暗唱し、責任感のある方です。迫害され退職金も少ない中、妻が外地で条件の良い仕事を見つけてくれましたが、彼は修煉を第一に考え、その仕事には行きませんでした。そして地元の多くのプロジェクトを担い続けています。以前はバイクや三輪車で活動し、今は車を運転して町や村を往復し、人を救うために動いています。私たちはよく木純さんに乗せられて資料を配りに行きます。私と虹さんは自分の考えを通すことが多いのですが、木純さんはいつも譲ってくれていました。

　ある日、拘束された同修の弁護士面会へ向かっていた時のことです。約束の時間が迫り、道にも不慣れで、私と虹さんは焦ってあれこれ指示し、道を間違ったと木純さんを責めてしまいました。木純さんはついに感情的になり、穴のある道でも速度を落とさず車を走らせ、私は跳ね上がって天井に頭をぶつけてしまいました。指示が誤っていたと気づき、私たちは謝りました。私はこれまで自分の考えを押し通し、木純さんを責め、言い方もきつく、典型的な党文化だったと気づきました。「頭をぶつけなければ内に向けて探そうとしないのか」と自分を反省しました。翌日、改めてお詫びすると、木純さんは笑って「何でもありませんよ」と言ってくれました。

　同修の梅さん（仮名）は理性的で、組織力のある方です。2001年、私が北京から戻った後、最初に会いに行ったのが彼女でした。私たちは協力して布を買い、「法輪大法は素晴らしい」という小さな横断幕を手作りし、両端に小さな砂袋をつけ、夜に木へ投げて掛けたこともあります。真相資料を配り、ステッカーも貼りました。当時、梅さんは商売で忙しい中でも、私が行くといつも店のことを置いて同行してくれました。梅さんは同修の学法グループ参加を合理的に手配し、外に出て真相を伝え、手紙でも伝え、迫害された同修の救援にも積極的でした。

　協力する中で、私たちはよく心を修める出来事に遭遇しましたが、内に向けて探すことで解決してきました。私の心の中には、同修が私によくしてくれたこと、助けてくれたことへの感謝が常にあります。私が困難に陥った時、同修は無私に助けてくれました。私が刑務所にいた時も、同修は家族を支えてくれ、家族は大法弟子の行いを目にして何度も称賛していました。

　二十年以上の修煉の道のりで、私たちは手を携えて歩んできました。どんな困難や危険があっても、私たちの修煉の歩みは止まりませんでした。これからも心を一つにし、正念を持って正しく行い、師父が私たちのために敷いてくださった神への道を、共に歩んでいきます。

　師父の慈悲なる済度に感謝します！

　同修の皆さんに感謝します！

　（完）

　（明慧ネット第22回中国法会原稿）