　【明慧日本2025年11月26日】私は青年の大法弟子です。自分の修煉の道を振り返ると、子どもの頃の楽しさと幸せは美しくも短く、修煉の道における「試練」と「困難」を経て次第に強くなっていきました。少しずつ執着を手放し、自我を放下する過程で、修煉の「段階」に応じて、なぜ修煉するのか、その意味についての理解も変わっていきました。

　今日まで大法の修煉を歩んでこられたのは、修煉を促してくれた母親であり、そして実践的・精神的な励ましと指摘を与えてくれた同修のおかげであり、そこには偉大なる師父の慈悲深いご加護が余すところなく注がれていると感じます。以下に、修煉の道での私の成長の歩みを簡単に皆さんと分かち合いたいと思います。

　幼少期に法との縁を結ぶ

　1998年の夏、母親が修煉を始めたのに伴い、私も幸いにして修煉を始めました。私の回りには、修煉しているおじいさんとおばあさん、そしておじさん、おばさんにあたる同修はみな、私を褒め、称賛のまなざしを向けました。「大法の子ども弟子」という呼び名は、何よりの誇りでした。

　母親と一緒に学法グループの学法に参加するたびに、皆が必ず私に先に読ませてくれました。最初は気恥ずかしく、緊張して顔が赤くなり、どもることもありましたが、次第に緊張はなくなり、法を読むのも流暢になっていきました。多くの場合、大人たちは私を褒め「この子は本当にいい子だね」と言ってくれました。そうしているうちに、私は面子への執着、虚栄心、そして嫉妬心を露わにしていきました。

　ある時、年上の男性同修が大学進学で離れることになりました。男性同修が去る日の学法で、皆が彼の座っていた席に私を座らせました。最初は嬉しかったのですが、読み始めると、皆が私に背を向ける形になっていることに気づきました。光が遮られ、小さな私は部屋の隅に取り残されたようで、無視された気がしてとても腹が立ちました。というのも、男性同修がそこに座っていた時には、皆が彼の方を向いて座っていたからです。家に帰ってこのことを母親に話すと、母親は笑って「それは嫉妬心でしょう」と言いました。顔が赤くなり、口では少し反発しながらも、心の中では母親の言う通りだと分かりました。

　修煉を始める前は、私はいつも病気がちで、しょっちゅう風邪や発熱で病院で点滴や注射を受けていました。私は母親や看護師さんに褒められたくて平気なふりをしていました。家に帰ってからも、何種類もの薬を飲まなければならず、小さな手に薬を載せて一度に口に含み、水で一気に飲み下していました。修煉を始めてからは、師父が私の身体を浄化してくださり、何度か高熱が出ましたが、母が「薬を飲む？」と聞くこともありましたが、私は首を振って「飲まない」と答えました。高熱の症状はよいこと、問題は起きない、師父が書籍の中で教えてくださっているように、高熱の症状は身体の浄化だと分かってました。たいてい翌日には解熱し、普通に学校へ行きました。こうして、その後はめったに病気をせず、たとえ体調を崩してもすぐに回復するようになりました。師父に感謝申し上げます！

　母親が迫害を受けていた日々

　1999年、中国共産党（以下、中共）が大法への迫害を始め、私たちは突然、合法的な修煉環境を失いました。沈んだ様子の母親を見て、とても悲しくなりました。何が起きているのかを十分に理解してはいませんでしたが、もう多くのことが以前とは違ってしまったのだと感じました。

　母親が初めて警察に連行された時、私は玄関先に立っていました。母親は微笑みながらいろいろと言ってくれましたが、覚えているのは最後の言葉だけです。「心配しないで、すぐに戻るから」。泣きたかったのですが、泣いてはいけない、母親が心配すると思い、無理に笑顔を作りました。母親に言いつけられたことを心に刻み、小さく手を振って「お母さん、さようなら」と言いました。母親が警察に連れ去られるのを見届け、がらんどうの家に戻ると、瞬時に孤独感に包まれ、私は泣きました。

　しかし、この別れは始まりにすぎませんでした。2度目の別れは小学4年生の時のことでした。本当に寒い冬でした。その夜、父親が私を公安局から家へ連れて帰りました。母親がどこに拘禁されたのか、分かりませんでした。父親は私を家に連れて帰ると、何も詮索も叱責もせず「お腹はすいていないか、何が食べたいか」とだけ聞きました。私は何も食べず、薄暗い明かりの下で簡単に片付けてから深い眠りにつきました。

　翌日、普通に登校しましたが、待っていたのは担任、教導主任（訳注：生徒の生活指導を担当する教員）、政教処（訳註：中国の学校で思想教育を担当する部署）の職員たちでした。次々と呼び出され、脅しや威嚇を受けました。私は泣きながら、心にもない、最も書きたくない文言を書いてしまいました。心の中で何度も何度も「師父、申し訳ありません。お母さん、ごめんなさい。母と交わした約束を守れませんでした」と繰り返しました。

　その頃は世界が崩れ落ちたように感じ、呼び出されて話をされるたびに、放課後は泣きながら家路につきました。最初のうちは呼び出されたことを父親に話していましたが、やがて言わなくなり、夜、布団の中でこっそり泣き、自分の腕をつねりました。そうして自らを罰すれば、少しは気が楽になると感じていたからです。

　その後、私は反抗的になりました。修煉環境がなく、気持ちも沈みがちで、父親と言い争いが絶えず、ほとんど毎日口論しました。口論で胸のうちの鬱積した感情を発散でき、むしろ心地よいとさえ感じました。父親はとても優しく寛容で、口論の後はいつも宥めて食事をするように促してくれました。

　冬が去り春が来て、父親は外へ働きに出ました。私は父方の叔母の家に身を寄せましたが、叔母の家のいとこ（年下の従弟）がよく私をいじめました。叔母が私にくれた飴をそのまま横取りし、食べさせないと言い、ひどい言葉をたくさん浴びせました。叔母は止めようとせず、むしろ黙認していると感じることが度々ありました。きっと、私は叔母たちの家にいてほしくないのだろう、とさえ思いました。

　父親は出て行き、母親は不当に拘禁され、行くあてがありませんでした。ついに、私はもう堪え忍ぶのをやめようと決めました。心の中で師父に「師父、彼らは私をいじめています。もう我慢したくありません。私はあれほど多くの過ちを犯しました。もはや修煉する資格はないのかもしれません」と申し上げました。もうどうなってもいい、という覚悟もできていました。当時、叔母たちが与えた苦しみが、実は私の罪業を消業しているのだという理を、私はなおさら理解できませんでした。

　私は鞄を背負って家出し、叔母に行き先を告げずに同級生の家へ行き「虐待」の実情を訴えました。同級生の母親はとても同情してくれて、家に泊めてくれました。その後、叔母は別の同級生づてに私の居場所を知り、従弟を連れて私を探し出し、同級生の母親に跪いて懇願までしました。しかし当時の私には、叔母たちの態度は白々しく見えました。最後には、同級生の母親も叔母の哀願を見かね、私に一緒に帰るよう促しました。これ以上、よその家に迷惑をかけられないと思い、私は帰ることに同意しました。

　帰り道、私は不満でむっつりした様子で誰とも口をききませんでした。叔母に連れ戻された日を境に、状況は目に見えて良くなり、従弟はいじめなくなりました。私は従弟の勉強を手伝い、一緒に遊ぶようになりました。祖父は従弟をひいきしましたが、やがて私は慣れていきました。

　その頃から、私は意識的に、母親や修煉に関わる一切を避けるようになりました。罪悪感と恥ずかしさから向き合う顔がないと感じたのです。以前は母方の祖母の家に行くのが大好きでしたが、修煉を意識的に避けるようになった後は滅多に行かなくなりました。時には自分の家に戻って少し長居したいと思うこともありましたが、家の中はあまりに寒く、湿っぽく、庭は雑草に覆われ、部屋の中はほこりだらけで、家は荒れ果てていました。私は家のソファに茫然と座り、床をじっと見つめ、泣けるだけ泣いたり、凍え切るまでぼんやり座っていたりしてから、叔母の家へ戻りました。

　慈悲深い師父は私を見捨てませんでした。下校中、同修の老婦人を見かけることがあり、老婦人はいつも微笑み、励ましの言葉をかけてくれました。私は苦笑してうなずくばかりでした。ある時、同修の女性が人づてに50元を私に届けてくれました。受け取った瞬間、涙があふれ、久しぶりに温もりを感じました。後日、その同修の女性を訪ね、私は泣きながら無理やりお金を返しました。

　（続く）