　【明慧日本2025年11月28日】

　尊敬する師父、こんにちは！

　同修の皆さん、こんにちは！

　今回、明慧ネット中国法会の投稿募集に向けて執筆に取りかかってみると、初めて知らず知らずのうちに法律を用いて真相を伝え迫害に反対するという、法を正す時期の修煉の道を歩んでいるとはっきりと自覚しました。しかもそれを何年も続けてきています。修煉を始める前後の人生の歩みを振り返ることで、自分の生命の脚本を読み解けたように感じ、これからも法を正す時期の修煉の道を揺るぎなく歩み続け、しかもますますしっかりと歩む決心を固めました。

　私は修煉を始めた

　就職して間もなく、私は比較的優れた文章力が評価されて、組織運営における中枢的な役割を担う事務室に抜擢され、その後すぐに共青団委員会書記にも昇進しました。もともと表現力に恵まれていたうえ、独学で法律を学ぶ過程で、思考と言葉の論理性・厳密性を身につけたこともあって、表現力は同僚の間で早くから認められました。当時の私は、同世代の中でも将来を最も嘱望される存在で、自分自身も大いに自信がありました。

　ある日、労資科（訳注：「人事課」「労務課」「給与課」などの機能を併せ持った部署）のベテラン職員の李さんが、『轉法輪』を読んでいることを偶然知りました。いわゆる佛を修める本だそうでした。長年にわたる中国共産党（以下、中共）の洗脳と自分の立場もあって、当時の私は「これは迷信だ、説得してやめさせよう」と即座に判断を下しました。李さんから『轉法輪』の一部、9ページ分だけを受け取りました。李さんは毎日『轉法輪』を読むので本を貸したがらず、パソコンで9ページ分を印刷してくれ「読んでみて買いたければ、私が手配してあげるよ」と言いました。

　昼休みを利用して、その9ページを一気に読みました。もともと「迷信を打ち破ってやる」と思っていた念はいつの間にか消えていました。若くして得意満面で、鼻っ柱の強かった私は、一見簡単で分かりやすく見えるけれども、実際には奥深くて博大な法理にすっかり折服してしまいました。こうして、私は法輪大法の修煉を始めました。

　修煉を始める前に独学で法律の勉強をしていたこと

　振り返ると、子どものころから人に話すこと、道理を説くことが好きでした。高校進学の時は、文系で名高い地元の重点中学（訳注：トップクラスの有名進学校）に合格。大学受験では理工系大学に進学し、成績は悪くなかったものの、どこか満たされない思いが常にありました。しかし、その理由をはっきり言語化できず、どう解決すればよいのかも分かりませんでした。

　ある日、不満の正体が分かりました。自分の専攻に満足していなかったのです。たとえば弁護士になりたい、といった別の志がありました。そこで地元の司法局に受験登録し、参考書を買って法律の独学を始めました。全ての課程を修了するには14科目に合格する必要があり、毎回2科目ずつ受験しました。大学卒業の時点で、すでに8科目に合格しており、ほとんど予備校に頼らず、落第もありませんでした。卒業後は就職・結婚と続き、学生時代の理想は次第に薄れ、いったん棚上げになりました。

　最終的に法律の学位は取れませんでしたが、その過程で専門的な法律の基礎科目である「刑法」「民法」「法制史（訳注：法律や法制度の成立、発展、変遷を研究する学問）」に加え「大学語文（訳注：古典から現代までの様々な文学作品や評論を読み解き深い読解力を養う科目）」「論理学」などを修めました。各種の法条を理解するのは比較的容易になり、一定のリーガルマインド（訳注：同様の事案において常に同じ結論が導き出されるべきであるという、法の安定性や予測可能性を重んじるなどの法律家特有の思考様式）が形成され、正しいか間違っているかを判断しなければならない状況に直面すると、法律面から考えるのが習慣になりました。

　法律で反迫害に取り組んだ初めての試み

　2008年、私の地域で法輪功修煉者に対する大規模な不当連行があり、同時に初めて、同修の弁護に人権派弁護士を依頼しました。弁護士とやり取りする中で「法律」「正義」といった言葉が、実際の運用において、教科書で見たとおりにはいかないことを徐々に体感しました。

　同修の救援に1年余り取り組む過程で「デュー・プロセス（適正な法手続き）」「違法収集証拠排除法則（訳注：捜査機関が違法な手段によって収集した証拠はたとえそれが事件の真相を明らかにするものであっても裁判において証拠として使用することはできないという原則）」などの基本的な法律知識も理解できました。

　また、弁護士や法律に通じた人、とりわけ法律に明るく道徳的な勇気を持った人を前にすると、公安・検察・裁判所の迫害に加担する者たちの尊大な態度がいくらか収まることも目の当たりにしました。そこで、いやがらせや迫害に直面した時、反迫害と真相を伝える取り組みに自然と法律の要素を溶け込ませるようになりました。

　ある時、中共のいわゆる敏感日だったようで、工場長が、退勤後は家にいてむやみに外出しないと約束してほしい、と言ってきました。私は「職場では工場の規律や上司に従います。退勤後は法律に従いますので、工場長とは関係がありませんよね？　そもそも勤務時間内でも、それが会社の規則に違反するものであれば従う義務はないでしょう？」と言いました。工場長は「ということは、この件について私はあなたを拘束する権限がない、ということか？」と返し、私が「どう思われますか？」と笑って問い返すと、工場長はやれやれという仕草で手を振り、私を帰しました。

　2008年のオリンピック期間中、私がネット上で真相を伝えていると疑った工場長たちは、私を会社の警備室に不当に拘禁し、同時に私のパソコン本体を押収しました。私が会社の警備室に不当に拘禁されていた間、会社の洗脳班の責任者、「610弁公室」の主任、さらに正体のよく分からない者たちが入れ代わり立ち代わりやって来て、私を脅したり、いわゆる「転向」させようとしたりしましたが、すべて一つ一つ論破し、彼ら一人一人に大法の真相を伝えました。

　深夜、背が高く顔色の黒い人物が身分を名乗らずにやって来ました。私の話を熱心に長時間聞いた後、その人物は立ち上がって「私が出た後は、誰が来ても今のように話しなさい」と言いました。交代で私を見張っていた警察官の中で、劉という姓の警察官は私の勧めで三退に応じ、転職して警察官を辞める意向を示しました。別の許という姓の警察官は真相を聞いた後、自分の任務の正当性に疑問を抱き、むしろ私を守るべきだと感じるようになったと言いました。

　翌日の午後2時過ぎ、私は許という姓の警察官ともう1人の警察官の前で厳粛に、「あなたたちが私を呼び出したのは昨日の午後3時からで、あと30分余りで24時間になります。呼び出しの最長は24時間を超えてはならないはずです。残り30分余りの間に、私の違法行為を立証できないなら、今度はこちらがあなたたちの不当な身柄拘束を告発します！」と告げました。許という姓の警察官はすぐに入口で電話をかけ「どうすればいいんだ？　相手は法律に通じていて、もうすぐ時間切れだ！」と大声で言うのが聞こえました。十数分後、私は釈放されて自宅に戻りました。会社の警備課長は、毅然と立ち向かった私に同情を示し、パソコン本体を抱えて家まで届ける、と言いました。

　2008年末、出張から戻ると、私は第一線の部門から間接部門に異動させられていました（迫害後、共青団委員会書記の職は解かれ、工場の生産ラインの技術者に降格させられ、その後も次から次へと様々な部署に異動させられた）。部署に着任してすぐ、給与等級を1級下げられたと告げられました。私は労資科に「なぜですか？」と尋ねると、担当者は「同じ職務でも、あなたが今度異動になった間接部門の人員は生産部門の人員より等級が1つ低いんです」と答えました。私は「分かりました」と返し、その足で新任の李工場長のオフィスに向かいました。

　工場長が「どうしたのかね？」と尋ねるので「李工場長、私は何か過失を犯しましたか？」と聞きました。工場長は驚いて「いや、なぜそんなことを？」と言いました。私が「もし過失がないのなら、なぜ給与等級を1級下げるのですか？」と言うと、工場長は笑って「ああ、私の配慮が足りなかった。あなたは過失などないし、部署へ異動したのは、重用するつもりだからだ！　しかしあなたは特殊な事情がある。あなたの能力は活かすが、昇進はできない。上から『法輪功を修煉する者は昇進させるな』という規定があるからだ」と答えました。私は「その規定は公式な文書として存在するのですか？　拝見できますか？」と問うと、工場長は首を振って笑いながら「ない。あっても見せられないよ」と言いました。私は「普段は植樹祭で木を植えるだけでも紅頭文書（訳注：中共が発行する通達文書）を出すのに、人事という大事なことに文書がないとは？　法も道理も無視していますね？」と述べました。すると工場長は逆に「共産党がいつ理屈を言ったことがある？」と言い返しました。

　李工場長のオフィスを出て間もなく、労資課長が焦って前からやって来て、慌てて私を呼び止め「給与の件で李工場長のところへ行ったのか？」と聞きました。私が「ええ」とうなずくと、課長は「さっき李工場長から電話があって、元に戻すから心配するな」と言いました。

　2009年秋のある退勤後、車間（訳注：製造部）の主任の苗さんが珍しく「食事をご馳走したい」としきりに言ってきましたが、私は断りました。その日の夜8時過ぎ、苗主任から「すぐに会社へ来てくれ」と電話があり、行ってみると、私が真相資料を配布しているところを尾行されていたのだと知らされました。主任は屋外の通路に会社の警備員がいるから刺激するようなことはするな、とも言いました。ちょうど車間党支部（訳注：工場内の中共の党組織）の書記の陳さんもいたので、私は腹を括り、苗さんと陳さん相手に腹を割って話すことにしました。

　私は「あなたたちはきっと私の来歴や、法輪功の修煉のことを知りたいと思っていたはずです。ですが普段は聞きづらかったでしょう。今日は詳しくお話しします。私への理解を深めてください」と切り出しました。そこで、就職してから法輪大法の修煉を始めるまで、そして迫害に至るまで順を追って話しました。法輪大法とは何か、修煉後に私にどんな変化が起きたか、法輪功への迫害がいかに道理に合わず、邪悪で違法か、過去の政治運動に比べて社会への害悪がいかに甚大か、などを伝えました。苗さんと陳さんはうなずきながら聞いていました。

　最後には2人とも理解しました。法輪功の真相について語り終えた時点ですでに夜11時過ぎでした。私は「あなたたち2人は上司であり、私のよき兄貴分でもあります。しかし善悪には必ず報いがあり、関係が親しいかどうかは関係ありません」と述べ、壁のクオーツ時計を指して「あと30分余りで日付が変わり、あなたたちの不当な拘禁が犯罪として成立します。私は仕事のために残業を無数にこなしてきたので、時間そのものは気にしません。あとはあなたたち次第です！」と言いました。苗主任は決めかねた様子で、隣の陳書記をうかがいました。陳書記は少し逡巡し、手を振って「行こう。この場はこれでお開きだ！」と言いました。

　翌日の退勤後、工場の書記の馬さんは苗主任・陳書記と私の3人を大会議室に呼び出しました。室内には工場の管理部門の人間と警備課の人間もいました。

　馬書記が「明日・明後日は土日だが、出勤できるか？」と尋ねたので、私は首を振って「実家に戻って両親に会います」と答えました。すると「代わりの者を派遣して、あなたのご両親のところへ行かせる」と言うので、私は笑ってから厳しく「両親が会いたいのは私です。別人が行ってどうなりますか？　それに、あなたは企業の指導者として、法を知りながら破り、社員を不当に拘禁しました。誰がそんな権限を与えたのですか？」と言いました。馬書記は私が指摘をした瞬間に立場が悪くなり、言い逃れのように強硬な言葉をいくつか並べましたが、最終的には私を帰らせました。ただし、私が両親に会いに帰省した間中、会社の車がずっと尾行して監視していました。

　2010年のある金曜日、退勤間際に、生産担当の工場長の周さんが「土日は出勤だ」と言いました。私が思わず「なぜですか？　作業はすべて完了していますよ」と尋ねると、周工場長は少し不機嫌になって「理由は聞くな。これは命令だ。残業代だって払うだろう！」と言いました。この時、会社が私を不当に監視しやすくするためだと気づき、私は厳しい表情で「『労働法』によれば、残業をさせるなら残業代の支払いに加え、本人との協議が必要です。さらに重要なのは、私には拒否する権利があるということです。今、明確に表明します。私は同意しません」と告げ、その場を離れました。

　その晩、階下に黒いサンタナが止まっており、私を監視する目的で配置されていました。ナンバーは会社名義でした。少し考えてから、果物を持って下りて行き、車の窓をノックしました。中にいたのは私のよく知っている同僚たちで、ばつが悪そうに「上からの指示で来た。私だってやりたくない」と言いました。私は果物を手渡し「あなたたちを責めるつもりはありません」としつつ、厳しく「責めはしませんが、これも違法です。みな大人です。上からの命令とはいえ、すでにあなたたちの職務範囲を超えています。権限も義務もありません」と伝えました。

　同僚たちは新任の書記の王さんの手配で来ており、来ているのはみな共産党員だと明かしました。以前から、同僚たちを派遣した王書記は会社の組織部の元副部長で手腕が強く、多くの人が彼を恐れていると聞いていました。

　翌朝早く、私は王書記のオフィスを訪ねました。簡単に自己紹介した後、開口一番「王書記、あなたは違法なことをしています」と切り出しました。王書記は少し驚き、目で問いかけてきました。私は「企業の指導者として社員に法を普及し、法律を周知させる責任があります。ところがあなたは先頭に立って違法行為を行い、会社のリソースを違法な行為に使っています。私を監視するのは違法ですし、会社の車や人員を勝手に動員するのは企業資源の濫用で、企業利益の侵害です」と続けました。王書記は最後まで辛抱強く聞き、怒ることなく、ため息をついて「言っていることはすべて分かっている。私はあと半年で退職だ。どうしようもない。訴えるなら、訴えればいい」と言いました。

　後日、同修の救援で再会した人権派弁護士に上記の件を話すと、弁護士は「あなたは、もう彼らの虚勢を打ち破れるレベルに来ている」と評価しました。

　（続く）