文／河南省の大法弟子

　【明慧日本2025年12月1日】私は急いで階段を駆け上がり、脇の部屋を経て本宅の屋根に飛び移りました。本宅は昔ながらの瓦屋根で、屋根の棟に上がってから下り、さらに平屋を二つ、塀を二つ跳び越え、無事に逃れました。その時、私はすでに70代でした。屋根の上に上がり棟を越える間、足元に見えない力が支えてくれているように感じ、平地を歩くような感覚でした。慈悲深い師父が静かに私を守り、災いを取り除いてくださったのです。

　外には大勢の人がいて、一瞬唖然とした後、塀を越えて中に入り、私がどこかに隠れているのかと思って探し回りました。しかしいくら探しても見つからず、「彼女は空を飛んだり地に潜ったりしたのか？」と顔を見合わせて不思議そうに言いました。

　――本文より抜粋

　一、師を探し求め、大法に出会う

　私は若い頃に仕事を始め、1958年の「大躍進」や60年代の「自然災害」と言われた時代を経験しました。高齢の両親と幼い子どもたちを養わなければならず、食べるものも十分ではありませんでした。さらに長年の過酷な職場での仕事により、高血圧、心臓病、神経症、関節炎、胃下垂など、多くの病に苦しみ、特にひどい副鼻腔炎に悩まされました。骨と皮ばかりになり、毎年何度も入院し、長年積み重なる病苦の中で生きていました。

　すべてに絶望していた時、大法に出会い、生きる道が開けました。師父の恩により、私の人生の道は照らされました。

　二、大法の神奇と素晴らしさを体験する
　1996年春のある朝、夫が散歩に誘ってくれました。私は夫につかまり、重い体を引きずりながら広場までゆっくり歩きました。するとどこからか心地よい音楽が聞こえ、近づくと整然とした列で口令に合わせて煉功する人たちがいました。私たちはその後ろに立ち、動作をまねて煉功しました。するとすぐに温かい流れが全身を巡り、長年体を締め付けていた鉄の鎖のようなものが頭上から「ざざっ」と落ちるように感じ、体が一瞬で軽く心地よくなりました。煉功が終わると、私は夫に「この功法は本当に不思議だね。明日も来よう」と言いました。

　翌日、私たちは早めに広場に行き、同修が丁寧に動作を教えてくれました。覚えた後は、もうやめられませんでした。心の喜びや師父への敬意は言葉に表わすことができませんでした。私は『轉法輪』を二冊と師父の写真を求め、時間があれば学法と煉功をしました。

　ある日、座禅をしている時、白い雲が体に入ってくるのをはっきり感じました。続いて胸の中で「フーフードンドン」という音がして、心臓が激しく跳ね、飛び出しそうなほどでしたが、苦しくもつらくもありませんでした。しばらくすると、白い雲は体から出ていきました。夫は「身体は小さな宇宙だと言われる。その白い雲は、師父の別空間の法身が身体の悪いものを清めてくださったのかもしれないね」と言いました。

　また別の日、煉功を終えて横になると、再び白い雲が体の中に入ってくるのを感じました。体は動かず、足だけ左右に動き、指が少し動く程度でした。驚いているうちに、白い雲は再び体から出ていきました。夫のところへ行き、「師父がまた身体を浄化してくださったよ。今度は脳の部分です。歩くとふわふわして、誰かに押されているみたい」と言うと、夫も「今、『轉法輪』を読んでいて、一つ一つの文字の上に小さな人が見えるよ。淡い緑、赤、青、黄色……いろいろだ。本当に不思議だ」と言いました。私たちの心の感動と喜びは言葉では表せず、師父への感謝と敬意で胸がいっぱいでした。

　大法を広めるため、週末には夫と一緒に広場で数百人の集団煉功に参加しました。ふと顔を上げると、師父の法身が地上数十メートルの空中で双盤をして座っておられるのが見えました。私は目を離さず見つめ、師父は微笑みながらうなずいてくださいました。驚きと喜びで胸が熱くなり、涙が止まりませんでした。涙を拭いて再び見上げると、師父はまたうなずいてくださいました。私は合掌し、「師父！師父！」と呼ぶと、師父はもう一度うなずいてくださいました。

　その時、煉功の音楽が流れ、集団煉功が始まりました。目を閉じても、師父の法身が上空で私たちを見守っておられるのが見えました。感動で涙があふれ、全身の汗毛が広がり、体が大きくなっていき、この空間に収まりきらないように感じました。煉功中、私の手は師父の気機に自然と導かれるように動きました。煉功が終わると、師父の法身は静かに去っていかれました。私は合掌し、涙を含みながら師父をお見送りしました。

　三、「4·25」の発端と「7·20」の陳情

1999年4月11日、中共政法委書記だった羅干の義兄、何祚庥が天津教育学院の全国誌に法輪功を中傷する文章を掲載しました。法輪功学習者（以下、学習者）が実情を伝えに行くと、40人以上が拘束され、「北京へ行かなければ解決できない」と告げられました。

　4月25日、各地の学習者が自発的に国務院信訪局へ陳情に向かいました。人は多かったものの、皆静かで秩序正しく、警察の誘導も不要でした。当時の総理は法輪功代表と会い、天津市公安局に釈放を指示しました。その夜、陳情者は静かに解散し、現場には紙くず一つ落ちていませんでした。

　この「4·25」陳情は国際社会から「中国史上最も平和で理性的な陳情」と評価されました。しかし、江沢民を党首とする中共はこの出来事を「中南海包囲」と歪め、同年7月20日に法輪功への全面的な迫害を開始しました。以降、全国の省・市・区・村のすべての煉功拠点に公安、派出所、コミュニティ、居民委員会などの人員が常に監視に来るようになり、家までつけ回されることもありました。

　1999年4月25日以前、私の市だけでも数十カ所の煉功拠点があり、都会でも農村でも法輪功の煉功音楽を聞くことができました。

　1999年7月20日、中共による大法への迫害が一気に始まりました。テレビやラジオなどすべての媒体を使い、昼夜を問わず嘘を流して人々を惑わせ、欺きました。全国で迫害が横行し、外出してバスに乗る時も、交通の要所や駅で乗客は厳しく検査されました。

　当初、私はなぜ迫害されるのか理解できませんでした。7月22日、私は夫と省都へ陳情に向かいました。バスが中ほどまで来た時、公安が先回りしてバスを止め、乗客全員に降りて検査を受けるよう命じました。私は夫に「彼らには別の目的があるから、降りてはいけません」と言いました。すると耳元で「二人とも安心して座っていなさい」という声が聞こえました。

　その後、私たちだけは降りるように言われず、誰も注意しませんでした。後になって、師父が私たちを守ってくださり、他の人には見えなくしたのだと悟りました。私は車の窓を開けて外を見ると、地面には師父の写真が置かれ、下車した乗客たちが列を作っていました。悪人たちは、乗客に写真を踏みつけて師父を一言罵らなければ、乗車を許さないと言いました。バスに乗れなかった人は十数人ほどいました。

　私と夫が省委員会の門に着くと、両側に武装警察が銃を持って立っており、中に入れませんでした。夫が真相を伝えると、警察は「すぐ離れなさい。一歩でも進めば捕まる。上からの指示だ」と言いました。建物上部に設置された三つの大型スピーカーが、民政部による法輪功禁止通知を繰り返し流し、次々に武装警察が盾を持って走って来て、陳情者を威圧的に追い払っていました。パトカーのサイレンが鳴り響き、場の空気は極めて重く恐ろしいものでした。私と夫はその日のうちに引き返すしかありませんでした。

　省都での陳情が妨害され、自宅には派出所、居民委員会、地域警官、職場の上司などが監視に来るようになりました。私たちは相談し、夫は家にいて、私が北京へ行くことにしました。

　10月17日、私は数人の同修と車で北京へ向かいました。信訪局に着くと、普段の職員は公安に入れ替わっていました。出身の省を聞かれ、私たちは正直に答えました。公安は「車に乗りなさい。あなたたちの問題を解決できる場所へ連れていきます」と言いました。しかし連れて行かれたのは、私たちの省の北京駐在事務所でした。そこで初めて騙されたと気づきました。事務所の人は言いました。「北京に来てもお金を使い、苦労するだけですよ。師父は本を売って儲け、外国で楽に暮らしている。もう皆さんのことなんか気にしていません」

　そこで私は「そんなことは全くありません。師父が外国へ行かれたのは、各国から招かれて法を伝え、多くの人を救うためです。金儲けのためではありません。もし師父が金儲けをしたいなら、本を売る必要もありません。一言、『一人一元出しなさい』と言えば、全国に一億人以上の学習者がいるので、すぐに億万長者になれます。でも師父は私たちから一銭も取りません。ただ功を煉り、心を修め、善良でより良い人になるよう教えてくださっています」と反論しました。

　地元公安が私たちを連れ戻し、地元の留置場に不当に拘束しました。十数日後、私は自宅に戻ることを許されました。

　（続く）