【明慧日本2025年12月3日】

　遼寧省本溪市の法輪功学習者・陳妍（ちん・えん）さんは、昨年7月に警察に連行され、今年5月に地元裁判所から不当に懲役5年の判決を受けた。2025年11月27日、遼寧省女子刑務所に移送されたが、収監からわずか3日後に悲惨な最期を迎えた。享年45歳。

　遺体に着衣させるために体を動かした際、陳さんの口から黒色の粘液が流れ出た。母親は激しく問いただした。「娘は5日の午後に送られてきた時、刑務所側は、健康状態に問題はなく、収容基準に適合していると言っていた。どうして三日で死んだのか？」──しかし、その場にいた者は誰一人、答えようとしなかった。両親が関係者に名前を尋ねても、誰も名乗らず、駐在検察官に電話番号を求めても拒否され、名前すら明かされなかった。

　10年前に違法判決　三年間の服役で薬物迫害を受ける

　大学卒業後、陳さんには本来、安定した職があった。だが2025年、法輪功迫害の実態を暴露した資料を配布したことで私服警察に拘束され、本溪市留置所に収監された。そこで彼女はその間、体の姿勢の固定、暴力的な強制給食、不明薬物の投与、殴打・罵倒、「抻刑」（体を強く引き伸ばす体罰）、排便禁止など、数々の虐待を受けた。

　その後、違法に3年の刑を宣告され、遼寧省女子刑務所で服役中も長期間にわたり精神神経を損傷する未知の薬物を強制的に服用させられ、精神状態は著しく悪化。出所後も体調は長く回復しなかった。

　真相を伝えたことで再び連行される

　2024年7月14日、陳さんが本溪市溪湖区・柳北バス停付近で「法輪大法は素晴らしい」と伝える資料を配布・掲示していたところ、ある社区（コミュニティ）職員が妨害し、動画撮影をした。この動画は社区グループの責任者に送られ、同責任者が陳さんを溪湖区公安分局・河西派出所へ通報した。その後道路上で、河西派出所の孟祥冲副所長らによって連行された。

　その夜、警察は家宅捜索を行い、携帯電話、預金通帳、現金などの私物を押収した。

　70歳を越える両親は娘と連絡が取れなくなり、家へ行って初めて、室内が荒らされ、娘が連行されたことを知った。両親が河西派出所へ拘留物品の目録を求めても、孟祥冲副所長は「やらない」と突き放し、極めて横柄な態度であった。

　本溪留置所　犯人による暴行を黙認

　2024年7月15日、溪湖区分局の警察は、移送する車内で陳さんの頭に黒いフードを被せた。連行するための書類には孟祥冲、田漢清（でん・かんせい）の名が記載されていたため、強い恐怖を覚えたという。

　本溪市留置所に収監されてから半年にも満たない間に、監房内の他の受刑者たちは、看守の黙認のもと、何度も陳さんに暴力を加えた。家族が依頼した四人の弁護士がそれぞれ面会した際、陳さんの体には無数の外傷が見られ、頭皮の裂傷や腫れ、腕・脚・体幹の傷、掻き壊し跡などが確認された。精神状態も極度に低下し、反応は鈍く、会話は困難で、常にうつむき、心身ともに衰弱していた。

中国共産党による拷問のイメージ図：殴打

　陳妍さんの証言（要点）

　「2024年8月5日の午後、看守・王奈涵の監督下にある運動場で、突然複数人に殴られました。孟凱が拳で殴り、范小旭、王歓、趙銀、趙琳も一緒に殴りました。三度殴られ、数人に倒され、さらに一斉に殴られ続けました。頭髪を掴まれ、何束も引きちぎられました。頭が激しく痛み、首は動かず、心臓も苦しく、痰に血が混じり、全身が痛みました」

　暴行後、陳さんは胸痛、頭痛、吐き気・嘔吐、血痰、立っていられないほどのめまいを訴えたが、看守が連れて行った医務室では頭に薬剤を吹きかけただけであった。陳さんが調査・処分を求めると、王奈涵は「消えろ」と怒鳴り、以後一切取り合わず、逆に立ち仕事を強制した。負傷の鑑定を求めても、結果は出されなかった。

　1月の連続暴行

　・2025年1月1日

　看守・王奈涵の管理する監房内で、容疑者の馬紅（麻薬取引）が背後から後頭部を拳で、突然、殴打される。

　・1月2日

　容疑者の李冬紅（犯殺人犯）が、正面から右目を拳で殴り、眼鏡が吹き飛び、右目の視力が低下。顔も腫れた。

　頭部への連続的な暴行により、記憶力は急激に低下し、頭痛・めまいも悪化。度々倒れ、昏睡様の状態やよだれが流れるなどが見られるようになった。

　同日、李冬紅は看守の前で、「今日の昼は陳妍に食事を与えるな」と言い放った。看守さえ従わざるを得ない彼女の横暴ぶりは、異常な「特権」の存在を示していた。

　陳さんが告発状を書こうとしても、看守は紙もペンも与えず、駐在検察官への面会申請もすべて拒否された。

　王奈涵の管理する監房では、陳さんは板張りの床に裸で寝かされ、受刑者による暴行が日常化していた。殴っていた者には、以前から名前が出ている方暁旭も含まれていた。頭・腕・脚など全身に傷が残り、洗濯・洗髪といった基本的な生活動作すら困難な状態であった。

　三度にわたり不当な開廷を拒絶

　陳さんは、河西派出所の警察によって捏造された罪名のもと、本溪市溪湖区検察院へ送致され、検察官・侯鋭がさらに虚偽の訴因を構成して、本溪市溪湖区裁判所へ起訴された。担当裁判官の王冕は、親族・友人による弁護人の閲覧・面会をたびたび妨害し、陳さんの防御権を深刻に侵害した。

　陳さんの両親は高齢で、母親は二度目の手術を終えたばかりだった。それにもかかわらず、娘を救うために自身を顧みず奔走し、派出所へ何度も足を運んで無条件釈放を求めた。二重の痛みにさらされた母親の病状は悪化し、しばしば喀血した。父親も高齢で衰弱し、耳が遠く視力も弱っていたが、妻を看病しながら娘の救援のため奔走し続けた。公安・検察・裁判所は互いに癒着し、責任を押し付け合い、国民を愚弄し、良知を完全に失った行為で、善良な人を迫害したのである。

　第一回　2024年12月17日(開廷中止)

　本溪市溪湖区法院は12月17日に違法な公判を強行しようとした。しかし、留置所が犯人による暴行を放置し、看守王奈涵が違法行為を黙認し続けたため、陳さんは出廷を拒否。当日の開廷は取り消しとなった。

　第二回　2025年1月15日(開廷、再度中止)

　1月15日、法院は再び開廷を通知したが、陳さんは再度、出廷を拒否した。

　理由は、年初に再び犯人から暴行を受け、駐在検察官に面会を求めても拒否され、告発状を書こうとしても看守が紙もペンも与えなかったためである。陳さんの身体は極度に衰弱し、無罪の自己弁護を行える状態ではなかった。

　裁判官・王冕が理由を尋ねると、陳さんはこれまでの暴行と、その訴えが一切改善されていない事実を詳細に説明した。すると王冕は「では、1カ月の猶予を与える。留置所や警察を告発するのはあなたの自由だが、法院とは関係ない」と言い放った。

　第二回の違法な開廷も再び中止となった。

　検察官の不作為と隠蔽

　家族が繰り返し要求した後、2025年1月中旬ようやく、陳さんは駐在検察官・車玎玎と面会できた。しかしこの際、留置所の看守・趙丹も同席していた。事件が留置所に関わるため、陳さんは趙丹の立ち会いを避けるよう求めたが、趙丹は退出を拒否。検察官の車玎玎も「2人以上での訊問が必要」として、正当な要求を聞き入れなかった。

　むしろ車玎玎は、その後、犯人による暴行の事実を隠蔽するために働き、完全な不作為と職権濫用を行使した。

　第三回　2025年2月20日(開廷3度目の中止)

　2月20日、裁判所は3度目の開廷を通知した。しかし陳さんは、またしても出廷を拒否した。

　理由は、2月7日、家族が依頼した弁護士が留置所で面会した際、次の事実が明らかになったためである。

　陳さんは2024年7月から2025年２月までの間、監房内の他の受刑者たちからの度重なる暴行や侮辱を受けた。

　心身への損害は甚大で、頭痛・動悸・記憶障害・血痰・視力低下・脱力などが多発。看守は迫害に加担した者をかばい、本人からの通報も告発も許可されなかった。

　駐在検察官への面会は繰り返し拒否され、訴えは完全に握り潰された。

　これらの理由で、陳さんは「公正な法的防御が不可能である」と判断し、第三回の不当な開廷も中止となった。

　留置所内では常時、暴行や侮辱の危険に晒されていた。

　本溪市留置所において、陳さんは常に在押者からの暴行や侮辱の危険に晒されていた。監督すべき警察は見て見ぬふりをし、駐在検察官は全く職務を果たさず、陳妍さんの安全は一切確保されていなかった。

　荒唐無形の極まりない不当な裁判　天理に背く五年の冤罪判決

　2025年5月15日、溪湖区裁判所の職員は、本渓市留置所に乗り込み、強行的に4度目の開廷を行った。陳さんが出廷を拒否したため、裁判を行う場所は、なんと監室内のトイレの向かい側に設置された。

　当初、裁判所側は留置所の面会室を臨時法廷として使用しようとしたが、陳さんが出廷を拒むと、裁判所の職員は監室内に入り、そこにいた他の収容者を別の監室に移し、監室の通舗（2段ベッドの板状寝台）を裁判の会場として無理やり使ったという。

　この場に立ち会ったのは、溪湖区裁判所裁判官・王冕、2名の陪審員、書記員、4名の法警、そして溪湖区検察院の公訴人である侯鋭と于鑫、さらに留置所の警官らであった。また、陳さんの弁護人と、親族弁護人として陳さんの父親も参加していた。

　10カ月にわたり不当に拘束されてきた陳さんは、痩せ細り、肌も黒くなり、痛ましい姿で壁にもたれかかって座っていた。裁判官の王冕が開廷を宣言し、本人確認を行おうとしたが、陳さんはこの違法な裁判を認めず、協力を拒否し、「法輪大法は素晴らしい！　真・善・忍は素晴らしい！」と大声で叫んだ。

　その後、陳さんは留置所内で繰り返し殴打されてきた事実を語り始め、監室内の通舗の通路を行ったり来たりした。さらに彼女は監室内のトイレに入ったため、裁判官は慌てて布で遮ろうとしたが使える物がなく、仕方なくその場にいた全員がそっぽを向いてやり過ごした。陳さんがトイレから出た後、トイレの横に立ったため、裁判官はトイレの穴に向かって裁判を続けるしかなかった。陳さんは精神的に非常に興奮した状態で、「法輪大法は素晴らしい！　真善忍は素晴らしい！」と、何度も大声で叫び続けた。しかし、誰ひとりとしてそれを止めなかった。

　裁判官、陪審員、公訴人は形式的な手続きを淡々と進めるだけで、裁判は午後1時30分から4時30分まで続けられた。

　「真・善・忍」を信じ、良い人間であろうとする一人の女性が、深刻な迫害を受けた末にこのような違法な裁判にかけられた。わずかでも正義や良知を持つ人であれば、誰もが胸を痛め、悲しみを覚えるだろう。それでも冤罪として、でっち上げるために、中共の裁判所は法廷を監室内のトイレの前にまで持ち込むという、荒唐極まりない行為に及んだのである。

　2025年6月26日、溪湖区裁判所の王冕らは陳さんに対し、懲役5年と罰金5000元という不当判決を下した。これに対し、陳さんおよび家族は受け入れず、直ちに控訴した。

　最後の面会

　陳さんは留置所で深刻な迫害を受け、常に心が落ち着かず、力も入らず、食事も喉を通らなくなり、身体は著しく痩せていた。右足のかかとは地面につけることができず、2人に支えられてようやく動ける状態だった。

　2025年7月24日前後、彼女は留置所が管轄する病院である本渓市鉄道医院に移送された。その間、陳さんは「保外就医申請」（病気による保釈申請書）を書き、留置所に提出した。留置所はこれを受け取ると、8月8日、すぐに陳さんを鉄道医院から留置所へ戻した。

　8月20日、家族が控訴手続きを行った後、親族弁護人の資格で本渓市人民法院に行き、記録閲覧を求めた。しかし、裁判官の劉亮は「家族には閲覧を認めない。弁護士だけだ」と阻止した。やむなく家族（親族弁護人）は弁護士を雇い、8月22日に本渓市人民法院で閲覧を行った。劉亮は弁護士に対し、「現在の規定では、弁護士が記録を撮影したり、複写することは許されていない。閲覧と手書きのメモのみ許可されている」と告げた。

　9月12日、人民法院の裁判官・孫青が陳さんの父親に電話し、法院へ来るよう通知した。孫青は、「劉亮裁判官は病気のため、この案件の主審ではなくなった。今後は私が審理する」と説明した。さらに、陳さんがすでに控訴を提出しており、自分がすでに2回、陳さんの接見審問（提審）を行ったことを告げた。孫青は陳さんに対し、「あなたのお父さんを親友弁護人にするため、委任書に署名が必要だ」と伝えたが、陳さんは「偽物だ」と言って、署名を拒否した。

　9月15日、陳さんの父親は、弁護士を帯同して留置所へ面会に行ったが、会えなかった。陳さんは再び本渓市鉄道医院に移送されていた。

　9月16日、陳さんの父親は留置所の崔支隊長を訪ね、「陳妍を留置所に戻してほしい、弁護士が面会できるようにしてほしい」と要請した。

　9月18日、父親は再度、弁護士を連れて留置所へ行き、ようやく陳さんと面会できた。陳さんは車椅子に乗せられて運ばれ、両足はほとんど動かず、身体は震え、慢性的な栄養失調でひどく痩せていた。

　陳さんは、父親の親友弁護人就任に同意せず、「刑事責任能力鑑定」を受けることも拒否した。

　9月19日、本渓市人民法院は控訴を違法に棄却し、原判決を維持した。

　10月10日、陳さんの両親が留置所で面会した際、陳さんは再び車椅子で運ばれてきた。両脚は正常に歩くことができず、特に右脚が重症で、精神的にも著しく落ち込んでいた。髪は長期間洗われていないため固まり、全身が震えていた。しかし、留置所の警察官は、「もう身体検査はしたが、異常はない」と言い放った。

　10月24日、両親が再度面会に訪れると、またしても車椅子で連れ出され、女性警官2名が彼女を支えて椅子に座らせた。髪はまるで接着剤で固められたように汚れ、生活は完全に自力では行えない状態だった。

　陳さんは、「身体がとても弱くて、トイレに行くにも壁にすがりつき、片手で地面を押しながら動くしかない。もう家に戻れるかどうか分からない。お父さん、お母さん、悲しまないで……」と言い、両親は胸が引き裂かれる思いで、「絶対に生きるのよ、強く生きなさい」と何度も励ました。

　面会の終わり、娘の最後の姿は、「法輪大法は素晴らしい！　真・善・忍は素晴らしい！」と大声で叫ぶ姿だった。母親は「しっかり生きるのよ！　元気でいなさい！　お母さんはあなたが帰ってくるのを待っているよ！」と、声を張り上げて応えた。

　面会後、父親が次の面会の時期を尋ねると、留置所副所長の李婷婷は、「これが最後の面会です。今月（10月）はすでに2回面会しています。来月（11月）には刑務所への移送ですので、今後は刑務所で面会してください。」と回答した。

　父親が「娘の陳妍を刑務所へ送る時には、家族に知らせてほしい」と頼むと、李婷婷は何の返答も示さなかった。

　陳さん、収監からわずか3日で悲惨な死　無恥な看守が家族に「感謝の錦旗」を要求

　2025年9月19日、陳さんの控訴は本渓市人民法院によって違法に棄却された。同年11月5日、陳さんは遼寧省女子監獄第12監区に強制移送された。しかし、わずか3日後、彼女は迫害の末に死亡した。享年45歳。

　11月5日午後3時半頃、本渓市留置所の副所長・李婷婷が陳さんの父親に電話をかけ、「陳妍は、遼寧省女子刑務所に送られました」と告知した。父親が、「娘はあの状態で、車椅子でしか動けない。そんな人間を刑務所が受け入れるのか？」と問うと、李婷婷は、「あなたの娘は正常です。問題ありません。どうして受け入れないというのですか？」と答え、留置所は陳さんの深刻な病状を「仮病」として扱っていた。

　11月8日早朝、陳さんの父親は突然、遼寧省女子監獄12監区の王姓という刑務官から電話を受けた。「陳妍は危篤です。今、瀋陽の雍森医院で救急治療中です。すぐに来てください」。父親が「何を持って行けばよいか」と尋ねると、刑務官は「何も持って来なくていい」と答えた。家族は急いで駆けつけたが、病院で目にしたのは、すでに息絶えた娘の陳妍さんの遺体だった。

　病院には女子監獄の刑務官や私服の関係者が多数おり、7～8人の刑務官が両親を取り囲み、「前を歩け」と誘導したが、遺体のある部屋に入ると、両親を脇に押しのけようとした。

　母親は力を振り絞って前へ飛び出し、娘の姿を目にした。陳さんは目を見開き、口を開けたまま、髪は草のように固く絡みついていた。母親がその身体に触れると、氷のように冷たかった。母は約30分間、娘を抱きしめて温め続け、「どうか戻ってきて……」と願った。娘がこのような形で自分のもとを離れるなど、到底信じられなかった。

　刑務官たちは「心不全で死亡した」「こうして救急搬送した」と、虚偽の説明を並べた上、「監獄に感謝の錦旗（感謝状）を送ってほしい」と厚顔無恥な要求までした。

　家族が「娘はいつ亡くなったのか」と問いただすと、医師は「ここへ着いた時には、すでに生命兆候がありませんでした」と答えるだけで、具体的な時間は誰も言わなかった。王姓刑務官は、「8日の朝、洗面の時間に、他の人は起きたのに陳妍だけが起きなかったので気づいた」と言い、後には「服を着がえ終えた後、急に倒れた」と別の説明をした。前後で二通りの説明をし、真相はますます不明となった。

　陳さんの母親は問いただした。「娘は5日の午後に送られてきた時、監獄は正常だ、受け入れ可能だと言った。それなのに、どうしてたった三日で死んだのか？」その場にいた者は誰も口を開かなかった。その後、法医学検査が行われたが、検査内容は家族に一切知らされず、報告書も刑務所から取り寄せろと言われた。名前を尋ねても誰も名乗らず、電話番号すら教えようとしなかった。ようやく一つのオフィスの番号を渡されたが、それは空番号だった。

　検査のために遺体を動かした際、陳さんの口から黒い粘液が流れ出たが、法医学の医師はこれを検査しなかった。

　刑務所側は「サインしろ、遺体を火葬しろ」と迫ったが、両親は断固拒否し、「娘の死の真相を明らかにするまでは認めない」と主張した。現在、遺体は瀋陽市回龍崗葬儀場（墓地併設）に安置されている。

　法理からは誰も逃れられない

　陳妍さんは逝った。彼女を迫害し、死に追いやった者たちは、胸の痛みや恐れを感じているのだろうか。本来、警察とは悪を罰し、善を守る存在であるはずが、中共の手によって悪行の実行者に変えられてしまった。実に悲しいことである。

　善悪有報――善い行いには善の報い、悪しき行いには悪の報いがある。

　これは宇宙の根本の法理であり、人が信じるかどうかに関わらず、逆らおうとも、天の裁きから逃れられる者はいない。

　人が行うことを、天は全て見ている。とりわけ公安・検察・司法に携わる者は、善と悪のどちらに立つのか。善行を積むのか、それとも悪行に加担するのか。歴史が次の頁へ進むとき、人は皆、自らの選択と行いの結果を背負うことになる。