　【明慧日本2025年12月13日】（明慧記者・王英の翻訳報道）2025年12月10日の国際人権デーに、米国中国問題に関する連邦議会・行政府委員会（CECC）が2025年の中国人権報告を公表し、中国共産党（以下、中共）による法輪功への迫害や、神韻芸術団の公演への妨害などを強く非難した。

12月10日、中国問題に関する議会行政委員会の委員長ダン・サリバン）上院議員（左）と共同委員長クリス・スミス下院議員（右）が声明を発表し、中共の人権侵害を非難する声明を発表した

　行政府委員会委員長「中共の工作員が米国で尾行と脅迫を行っている」

　中国問題に関する議会行政委員会のダン・サリバン委員長は、「今年の報告書は、中共がいかに自国民と世界に対して、約束を繰り返し破って来たことを明らかにした」

　サリバン上院議員はこう述べている。「北京は人権規約に署名し、香港とチベットに自治権を与えることを約束し、世界的な貿易ルールを順守すると約束したにもかかわらず、その後、反体制派を投獄し、強制労働工場や不法漁船団を運営し、さらには米国の領土内で工作員を派遣して他人を尾行し、脅迫しています」

　「この報告書は、これらの人権侵害行為を列挙するだけでなく、議会、行政府、そして我々の同盟国に対し、いかにして残虐行為の被害者と連帯し、我々の労働者とそのサプライチェーン、特に漁業・海産物産業を奴隷労働の侵害から守り、そして北京の約束違反に対して、米国の家庭ではなく、中共が代償を支払うことを確実にするか、そのための青写真を提供しています」

　行政府委員会共同委員長「中共は暴政を世界の他の国々に押し付けている」

　行政府委員会共同委員長クリス・スミス下院議員は、こう述べている。「残念ながら、中共が率いる中華人民共和国は、自国の国民に押し付けている暴政を世界の他の国々にも押し付けることを目的とした覇権を求めていることを繰り返し証明してきました。中国は、国際社会の責任ある一員ではありません。なぜなら、中共によって統治され、共産党の利益のために奉仕しており、それは署名した条約を順守しない一党支配国家だからです」

　「したがって、中華人民共和国は、アメリカ合衆国や自由世界の他の国々にとっての単なる戦略的な競争相手ではない。、アメリカが第二次世界大戦終結以来維持してきた安定した国際秩序を揺るがそうとする、組織的な競争相手なのである。強制労働を行使し、知的財産を盗み、国有企業に巨額の補助金を出す略奪的な重商主義国家が、どうして世界貿易機関（WTO）や、ルールに基づく国際秩序の加盟国になれると言うのだろうか？　答えは、共産党が権力を独占し続ける限り、加盟国になることはできないということです」

　中共は、継続的に法輪功学習者から生体臓器収奪している

　報告書によると、特に悪質な人権侵害として、中共が国家ぐるみで承認している生体臓器収奪をしており、これは法輪功学習者の間で広く報告され、最近ではウイグル族の間でも報告されている。

　米国連邦議会に提出された証言と証拠には、中華人民共和国が組織的に非合法な生体臓器収奪を行っており、特定の民族、言語、または宗教的少数派の被拘留者を標的とした生体臓器収奪を含む、人権と医療倫理に対するあからさまな違反があるという、これらの憂慮すべき告発が含まれている。

　報告書は、米国連邦議会は『強制臓器摘出阻止法案』を可決し、強制臓器摘出の世界的な状況に関する国務省の年次報告書の範囲を拡大し、「移植ツーリズム」を阻止するために必要な権限を与えるべきであると述べている

　報告書が法輪功学習者への迫害事例を列挙

　報告書によると、中共は、法輪功を迫害するために大量の資源と労力を継続的に投入しており、それを『邪教組織』と分類している。これは、共産党が自らの統治を脅かすと見なす宗教を指すために、党派的に流用された歴史的な用語である。

　中共当局は、法輪功学習者を拘留、起訴、および判決する際に、『中華人民共和国刑法』第300条に依拠することが最も一般的である。法輪功関連のウェブサイトである明慧ネットの報告によると、2024年には数十人の法輪功学習者が拘束中に拷問により死亡し、さらに数百人が当局によって判決を受けている。以下は、報告期間中におけるいくつかの拘留事例である。

　明慧ネット2025年2月の報道によると、中国河北省秦皇島市の法輪功学習者・左洪涛氏が、前年に刑務所で死去したと報じている。左氏は法輪功活動に関与したとして懲役13年の刑に服している最中だった。2024年7月、左氏は重篤な状態になり、河北省の保定刑務所の刑務官によって病院に送られたが、退院後すぐに刑務所に戻された。8月に左氏は他界した。刑務所側は家族が遺体を確認することを阻止し、家族の同意なしで左氏の遺体を火葬した。

　国際人権NGO「権利擁護ネットワーク」によると、中国陝西省咸陽市秦都区人民裁判所は、食品検査員の高暁英さんに対し、オンラインで法輪功の情報を広めた罪で懲役7年の実刑判決を言い渡した。高さんの家族は、勾留中の高さんとの面会を何度も試みたが拒否され続け、最終的に2024年3月の裁判直前に短時間の面会が許可された。家族は裁判の傍聴も禁じられた。

　明慧ネット2024年11月の報道によると、中国広東省広州市海珠区人民法院は、80歳を超える法輪功学習者・趙穎さんは、膀胱がん、心臓病、糖尿病を含む深刻な健康状態にもかかわらず、趙さんに懲役3年6カ月の判決を下している。「権利擁護ネットワーク」も、趙さんは現在刑務所で生命が危ぶまれる状態にあると報じている。

　中共による国境を越えた弾圧

　中共は、海外の華人コミュニティのメンバーや、共産党を批判する人々に対し、個人を脅迫し、異論を抑圧するために、多方面にわたる国境を越えた弾圧活動を引き続き展開している。米国行政府委員会は、これらの戦術として、言葉やサイバー空間での嫌がらせ、法廷闘争、そして中国の海外警察の「サービスステーション」などを通じた身体的脅迫が含まれていることを確認している。

　本報告年度における国境を越えた弾圧の事例には、海外の活動家6人に対して100万香港ドル（12万9,000米ドル）の懸賞金をかけたこと、懸賞金がかけられた活動家のパスポートを失効させたこと、国際会議に出席したウイグル族関係者を脅迫したこと、および法輪功学習者への嫌がらせが含まれる。

　米国は、中共主導の国境を越えた弾圧活動に関与した複数の犯罪者を起訴している。これには、米国内の著名な民主化団体の指導者2人、および中共批判者を標的とした大規模なサイバー攻撃を実行する責任を負った中国国民12人が含まれる。内3人は中国政府の非合法な代理人として活動した罪で有罪判決を受けている

　中華人民共和国は引き続き海外で悪意ある影響力を行使し、外国の政治家や政府を標的にしたり、海外の民主的なプロセスに干渉したり、中共と中国政府に対する世論を形成しようとしている。顕著な事例としては、香港経済貿易事務所（HKETO）を利用してプロパガンダを流布し、中共の政策を推進していること、イギリス政府の高官に秘密裏に接触したこと、アメリカ大統領選挙期間中に有権者に虚偽の情報を拡散したこと、そして政治補佐官を通じてアメリカの州レベルの政治に影響を与えていることなどが挙げられている。

　中共による神韻公演への爆破脅迫

　報告書によると、神韻芸術団は「共産主義以前の中国」を表現することで知られている。同芸術団は、米国および世界中の公演会場で数十件の爆破予告を受けている。法輪功の支持者は、これらの脅迫は中共によるものであると話している

　このほか、2024年11月、米国司法省は、陳軍に対し、中華人民共和国の無登録の代理人として活動し、IRSの職員に賄賂を贈った罪で懲役20カ月の判決を下した。陳軍は、米国内の法輪功学習者を標的とした陰謀に関与していた。

　陳軍は、中共による法輪功迫害の一環として、陳軍は中国政府が指示した計画に参加し、IRSの内部告発プログラムを操作して、神韻芸術団の免税資格を剥奪しようとした。