　【明慧日本2025年12月14日】ドイツ西部の地方紙「西ドイツ報知（WAZ）」ゲルゼンキルヒェン版は12月10日の世界人権デーに、中国共産党による強制的な臓器摘出を批判する医師達の活動を一面に掲載した。同紙は「利益と引き換えに魂を売ってはならない」と訴えた。

ドイツ西部地方紙「WAZ」は人権デーの12月10日、中国の臓器収奪問題を特集記事として一面に掲載

　記事は「臓器強制摘出に反対する医師の会（DAFOH）」欧州副代表で同市在住の医師アンドレアス・ウェーバー氏を取材。ゲルゼンキルヒェン市は同国北西部ノルトライン・ヴェストファーレン州の人口密集地域に位置する。

　ウェーバー氏は「DAFOHは中国における人権状況、特にウイグル人などの少数民族と、法輪功学習者への迫害を継続的に監視している。法輪功は中国の精神修養で、座禅と穏やかな動作を真・善・忍の理念と組み合わせる」と説明した。

　このほか、中国共産党が長年にわたり少数民族や社会的弱者を臓器供給源としてきたとの告発を取り上げた。国連専門家は2021年、この件に関する「信頼できる情報」を入手しており「極めて衝撃的」との見解を示したと紹介。国際人権協会も中国共産党の臓器強制摘出を繰り返し非難し、数万件の「提供臓器」の出所が全く不明だと指摘した。

　「私たちの調査によれば、中国では約30分に1人が臓器強制摘出により死亡している」とウェーバー氏は述べた。同氏は「被害者には1999年以降禁止・迫害されている法輪功学習者のほか、ウイグル人、チベット人、イスラム教徒、キリスト教徒が含まれる。法輪功学習者の臓器は健康的な生活様式で知られるため特に『良質』とみなされている」と指摘した。

　ウェーバー氏は「違法な臓器強制摘出は中国だけでなく他国でも起きている。だが中国では国家による組織的行為だ。他の地域では暴力団組織の犯行が多い」と強調した。

　記事は現在米上院で審議中の「法輪功保護法案」に言及。ウェーバー氏によると「DAFOHが支持する同法案は、中国共産党による法轮功修煉者への組織的迫害を非難し、米政府に中国の臓器入手政策に関する包括的報告書の提出を求めている」という。

　ウェーバー氏は、ドイツと欧州にも責任があると批判した。「ドイツの臓器移植センターは今も中国の機関と協力している。中国政府が支援する臓器濫用が停止したことを示す独立した証拠がない限り、この協力は終了すべきだ」と述べた。同氏はさらに、欧州出身の患者が中国での「臓器移植ツーリズム」に参加するのを防ぐ法整備をDAFOHが求めていると伝えた。

　「経済利益のため我々は魂を中国共産党に売り渡し、そのために命を失う人々を黙視している。この不正義は衝撃的だ」。記事はウェーバー氏のこの発言を拡大し、目立つ位置に配置した。

　ウェーバー氏は最後に「臓器購入者が知らぬ間に共犯者とならないよう、社会にこれらの犯罪を知らせる必要がある」と訴えた。