文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年12月18日】

　恐怖というものは、三界内の一つの生命なのではないかと思います。なぜなら、それに執着する生命を操ることができるからです。それがどのような姿をしているのかは分かりません。私は天目が開いていないので見えませんが、それに操られる時は、恐慌状態になり、とても醜い姿になることは分かっています。

　一昨日、私はある同修に会いに行きました。彼は最近、迫害による嫌がらせを受けていました。そのため、私と話す時とても緊張し、紙に言いたいことを書いて見せました。私が訪ねて行ったことで、同修にプレッシャーを与えたのかもしれません。私自身も不当に３年間拘禁されており、まだ帰宅して間もないからです。その同修の様子を見て、この文章を書こうと思いました。

　拘置所から戻ってみると、当地の多くの同修が、正法がすでに最終段階に入っていることを知りながらも、以前のような勢いある正念を持てていないことに気づきました。最大の不足は「恐れ」です。何を恐れているのかというと、拘置所に入れられること、刑務所に入れられ苦しむこと、自由を奪われること、家族に会えなくなること……。家で努力して法を暗唱し、少しだけ救人のことをし、正法の終わりを待って、師父と共に天へ行けると信じているのです。同修たちはよく師父の法を引用します──

「問題が起こらなかったこと自体は邪悪にとって最大の打撃になります」。（『各地での説法十』「明慧ネット十周年法会での説法」）

　そのため、地方の邪悪を暴露する真相のチラシでさえ、大規模な配布がなくなりました。数人の弁護士が、迫害された同修の控告（こうこく）に奔走しており、私は同修たちと交流し、全体で動き、邪悪を解体し衆生を救い、当地の環境を変えたいと思いましたが、同修たちは私を避けました。「あなたは危険すぎる」と言うのです。数人の同修は「分かっている、正念を発する」と言うだけでした。

　しかし、直接交流してから発する正念と、聞いただけで発する正念とでは、効果が全く違います。迫害された弁護士のうち2人は、弁護士資格を剥奪されるほど中共に厳しく迫害されており、彼らと協力することには私もプレッシャーを抱きました。そこで私は心の中で師父に尋ねました。「危険なのでしょうか？」と。すると、ある夢を見ました。

　私は迫害された同修の親戚（彼女も同修で、一緒に救援を進めていました）と話していました。そばには井戸があり、そこからタコのようで人のような怪物が這い上がってきました。同修がそれを打ち殺し、私は同修の安全のために彼女を実家へ送り、彼女に隠れるよう言いました。彼女の手には大法の書籍の入ったビニール袋があり『転法輪』には何重にもカバーがかけられ、どのカバーにも彼女の名前が書かれていました。私は再び元の場所へ戻りました。井戸の近くにはまだ血の臭いが濃く残っており、警察に気づかれないかと少し心配しましたが、銃を持って巡回している兵士たちは、まったく気にしていませんでした。

　目が覚めた私は、悟りました。
　
　「彼女を実家へ送り、安全を確保した。打ち殺した怪物は解体された邪悪である。だから、同修の救援は法に則っており、弁護士との協力にプレッシャーを感じる必要も、恐れる必要もない」と。

　20年以上、風雨の中で師父が法を正すことを手伝い、中共に迫害されなかった同修がいるでしょうか？　恐れの心を修めて取り除かなければ、観念が生まれやすいのです。例えば「街中に監視カメラだらけで危険だ」といった観念です。多くの同修は他の面では良く修めているのに、人の皮の表面に残った一つの執着心、恐れの心（私心）だけが残っています。

　私は「もう怖いものはない、車にぶつかっても平気」ということを言いたいのではありません。「恐れない」ということは、修得がどれだけ高くなくてもできることで、大法弟子とすべての生命の関係を正しく位置づけ、大法を正しい位置に置くことです。私たちには漏れがあっても、それは修煉の中で正すべきことで、後ろめたく思う必要はありません。

　むしろ、私は中共に連行され、拘置所や刑務所を経験し、司法関係者と近距離で接したことで、彼らへの恐怖はなくなりました。帰宅してからは、身分証明書を持って彼ら全員に真相を伝える手紙を郵送しました。再び会う時には、むしろ彼らが我が家に来て堂々と対面し、真相を聞いてもらいたいと思っています。

　私は、近所や親戚にも「私は刑務所から戻ったばかりです」と話します（常人は刑務所と聞くと好奇心を持ちます）。「法輪功を修煉して迫害された」と言い、ついでに真相を伝えています。同修は私に「安全に気をつけて」と言いますが、実際には私はとても注意しています。怪しい人物を見かけたら、こちらから先に声をかけます。昨夜も腕章をつけた人たちを見たので「お2人さん、夜中に何をしているのですか？」と話しかけました。彼らは「十字路で紙を燃やすのを禁止している」と言いました。私は「そんな政策があるのですか？　爆竹を禁止したかと思えば、今度は紙を燃やすことまで禁止？　何百年もの伝統を廃止するのですか？」と言いました。

　どんな環境であっても、修めて向上できなければ、それこそが邪悪に迫害されたということです。家にいても、連行されても、病業があっても、修煉の歩みを止めなければ、たとえ肉体を失っても宇宙大法の生命を得ており、その生命は永遠です。師父と法を信じることは、難関に直面し、法の指導のもとで一歩踏み出すことで、魂が真に師父の守りと生命の昇華を感じられ、ますます強くなります。どの同修も「師父も法も信じています」と言いますが、その信には層次の違いがあります。向上とは、師父にますます近づくことです。

　全体の中で威望のある同修が陰で「彼女は帰ってきたばかりなのに、また（救援を）始めた。危険だ、離れておけ」と伝えていました。同修はとても私を気遣って「もうやめた方が良い、表面上の修煉だ」と言います。そのそばで、ある同修が小声で「あなたがやらないなら、彼女がやるんですよ？」と言いました。

　私は2日ほど落ち込みました。確かに私は同修ほどよく修めていません。数年のうちに2度迫害され、刑務所にも入りました。同修が「やめろ」と言えばやめるのでしょうか？「修めるな」と言えば修めることをやめるのでしょうか？　私は師父の言うことを聞くべきなのです。恐れの心はあり、強くなる時もあります。学法中に師父の法を読みました──

「自分は惑うことなく、心の中に法を持って、行うべきことを行えばよいのです。大法にとって必要であれば、行いたいことを行えばよいのです」。（『各地での説法七』「米国首都法会での説法」）

　その一句が心の奥深くに届いた時、師父が私にどうすべきかを教えておられるのだと悟りました。

　今、明慧ネットの報道を見ると、全国各地で多くの同修が広範囲で嫌がらせや逮捕を受けています。これは、多くの修煉者が消極的に受け身になっていることと関係があるのではないでしょうか？　「じっとしていれば、邪悪は放っておいてくれる」と思っているのではありませんか？　座ったまま待つのではなく、法に同化する中で大規模に衆生を救い、大法弟子の威厳を示してこそ、邪悪を解体できます。さもなければ、家に隠れて自分だけ修めるのでは、それは私のためであり、大法弟子の基準には達しません。師父はおっしゃっています──

　「これは宇宙の中の正と邪との戦いであり、法を正す過程の中で波及したそれらの私利私欲の変異した生命と、法を正すこと自体との戦いでもあります」。（『各地の説法七』「米国首都法会での説法」）

　一部の同修は、あまりにも利己的になっており、変異した生命と結託しているのではないでしょうか？

　最近の浅い悟りです。悟りに誤りがあれば、どうか慈悲をもってご指摘ください。