文／アメリカの大法弟子

　【明慧日本2025年12月22日】修煉者の修煉過程において、偶然な出来事は一切なく、すべて自分の修煉と直接関係しています。最近、私が関わっているプロジェクトでは、人事異動やいくつかの問題のために、いくつかの波紋が生じました。

これらのトラブルは突然現れ、同修たちは「誰々が間違っている」、「あんなふうにしてはいけない」などと議論していました。しかし、私の心の中では、これらのトラブルはすべて師父が双方を向上させるために按排されたものだと分かっていました。正しいとか間違っているとかではなく、双方に問題があったからこそトラブルが生じたのです。その心がなければ、そもそもトラブルは生じません。もしどちらか一方でも法の中で修煉していれば、トラブルはすぐに解決されます。当時私が聞いたのは、同修たちが「誰が間違っている」、「こうすべきではなかった」と議論している声ばかりで、あまりにも多くの同修が関わっていました。

その時、私は自分に何ができるのか分かりませんでした。そこで「では正念を発しよう」と思い、座って正念を発しようとした瞬間、突然ひどい邪気が襲ってくるのを感じました。まるで私たちの場の空間が引き裂かれるかのようで、激しい怒りの波動を感じました。そのとき、心がぎゅっと締め付けられるようで、恐怖が押し寄せ、しばらくの間落ち着けませんでした。これはどういうことでしょうか。今までに経験したことのない感覚でした。

私たちのこの空間では、それは「憤りや不満」として現れます。ある１人がそう考え、さらに多くの人も同じように考えると、他の空間でそれが物質となり、とても恐ろしいものになります。明慧ネットの交流文章の一つに、こう書かれていたことを覚えています。ある同修が試練に直面する際に怒っていたところ、天目が開いている同修がその人の空間場を見ると、一面が黒く、その世界の衆生たちは大声で泣き叫び、ひどく悲しんだり悔しがっていると交流文章では「私たちの一念一思が、多くの生命の運命を決める」と述べられています。

私たちが実際の修煉の中で、同修が私たちの心性を高めるために手助けしてくれているのを見て、どうしてまだ憤りや不満を感じるのでしょうか？　その憤りや不満は、師父に対する不平になってはいないでしょうか？　「師父はこんな試練を与えるべきではない」と思ってらっしゃるのではないでしょうか。この憤りや不満の中には、どれだけ多くの人心が入り込んでいるでしょうか。嫉妬心、闘争心、私心、情などです。私たちの修煉において、偶然なことはあるでしょうか？

師父の法はすでにとても明確に説かれているのに、どうして私たちの心はまだ浮草のように、風が吹けば揺れるのでしょうか？　私たちが憤りや不満にとらわれている時、すでに次元を下げてしまうのではないでしょうか。今のような環境は、私たちの修煉をテストしているのではないでしょうか。トラブルに直面したとき、私たちはその場から一歩引き、修煉で起こることすべてを見つめ、常人の正誤の中に陥ってはなりません。

　修めて名利心を取り除き、身体は透明になる

皆さんと修煉の中でのエピソードを一つ共有したいと思います。このエピソードは私の修煉にずっと伴い、試練を受けている多くの同修にも衝撃を与えました。私は1997年に法を得ました。法を得た最初のころは皆とても精進しており、まさに修煉の一つの団体でした。

1998年の年末、私はある同修の家で法を学びました。法を学び終えた後、その同修は一束の写真を取り出しました。その中の一枚に、ある学法グループの10数人が写っていました。前列に１人の男性同修がいました。

　その同修は写真を手に取り、写真に写っている男性同修を指して言いました。「この同修は、ある市の煉功点の補導員です。あるとき、彼は全省のボランティア補導員会議に参加しました。その会議で、省の総協調人が写真のこの男性同修を指さし『ある人があなたについてあれやこれや言っている…』と言ったのです」

この男性同修は、そのとき心の中で非常に辛く感じました。「そんなことは起きていないのに！　話されていることも正しくない、これは一体どういうことだ？」と思いました。しかし、省の総協調人はその市の補導員を解任すると発表しました。会議後、この市の補導員はとても落胆し「そんなことは言った覚えもないのに」と思いながら、家の玄関に着いても気持ちが晴れず、家に入りたくなかったのです。外で徘徊し、考え続けていました。「これは一体どういうことなのか？　話されていることは本当じゃないのに…」

そして歩きながらふと理解しました。「ああ、これは私の名誉心を取り除くためだ」と悟りました。その瞬間、この補導員は心の中で腑に落ち、名誉心を放下したのです。

1998年の年末、私たちが見たこの写真では、彼の服や身体を透かして後ろの椅子の背もたれが見え、脚を透かすと椅子の下の横棒まで見えました。1998年の年末には、この同修はすでに透明体になっていたのです。

　修煉において、私たちが遭遇するすべての出来事に対し、自分が修煉者であることを思い出せるでしょうか？　そして、これは師父が私たちを向上させ、人心を取り除くために按排されたものだと考えられるでしょうか？

　忍辱（にんにく）を実践し、表面の正誤にこだわらない

もう一つのエピソードがあります。ある劇団に、小明という芸人がいました。武術に優れ、人望もあり、団長も彼をとても可愛がっていました。しかし、同じくらいの年齢の小波という人は、非常に嫉妬していました。

ある日、小波さんが「お金を失くした」と言って団長に伝えました。団長は皆を呼び「誰が小波さんのお金を取ったのか？　出さなければ荷物を調べる」と言いました。誰も何も言わず、調べ始めました。最終的に、小明さんの鞄の中から失くしたお金が見つかりました。団長は非常に怒り、自分の見方を間違えたと感じました。すぐに、小明さんを立たせ反省させ、大きな紙に「泥棒」と書かせました。観客たちは指を指し、罵ったりもしました。

しかし、小明さんは一言も説明せず、黙ってそのまま一週間が立ちました。その時、小明さんの師父がやって来て「あなたは忍辱の修煉に合格した」と告げました。そして師父は小明さんを連れて修煉に向かわせました。

私たち同修は皆、師父と共にこの人間界に降りられ、最も親しい家族のような関係です。全体の調和がうまくいくことで、より多くの衆生を救うことができます。私たちは皆、修煉の途中にあり、必ず不足があります。だからこそ、互いに寛容であるべきです。

同修の長所に目を向け、同修との縁を大切にし、法の中で自分を正すことで、同修間の隔たりは自然に消えていきます。

私たちが不公平な扱いを受けたり、身近な人が不公平な扱いを受けたりした場合でも、同修と交流する際は、平和な口調と善の心、そして理をもって伝えることができます。しかし、修煉者として心が動じてはいけません。

もしその時に憤りや不満を表すなら、それは次元を下げることになります。相手が誰であれ、修煉の途中にいる者であり、間違いがないはずはありません。うまくできなかった部分を、私たちが補い円満にすることこそが師父が求められることです。

私たちがどんな問題に直面しても、解決の方法はただ一つです。無条件に内に向かって探すことです。しかし、問題が起きると、つい「誰が正しいか、誰が間違っているか」に力を注いでしまいます。人間的な考え方で修煉中の問題を考えると、自分を見つめることをせず、進む道はどんどん狭くなってしまいます。

師父は『各地での説法十』「マンハッタン説法」でこう説かれています。「人心をもって正しいかどうかを強調すること自体が間違っています。なぜなら、あなたは常人のあの理で自分を量っており、常人のあの理で相手に要求しているのです」

だからこそ、私たちは不善や私心、旧宇宙の理を修め取り除かなければなりません。旧宇宙の理は、他人を変えようとするだけで、自分を変えようとはしません。私たちは、新宇宙が私たちに求める基準に立ち返ることで、初めて師父と共に帰ることができるのです。

私たちが法に符合した状態で修めると、身の回りのすべてが変化します。あるとき、私は同修とトラブルが生じました。表面上は同修の過ちのように見えました。悪い言葉で人を傷つけたり、自己中心的な行動をしたりと心の中で同修に対して反感を抱き「常人以下の振る舞いだ」と感じ、嫌悪の心が生まれました。

自分が間違っていると分かっていましたが、その心理状態はどうしても取り除くことができませんでした。別の同修に相談したところ「それはあなたの慈悲心が足りないからだ」と言われました。しかし、どんなに努力してもその心は消えず、私は学法をさらに強化しました。長い間、その心は残ったままでした。ある日、同修が「善」について交流してくれた内容に、私は強く心を動かされました。

　その日の午後、私はさらに「大切にする」という交流文章を聞きました。そこで語られていたのは、出会うすべての事、すべての人を大切にすることです。運転中に出会う、自分にとって不満な人、迷惑をかける人も、すべて「自分と共に歩んでいる存在」として受け止めるという内容でした。

その心境で世界を見ると、出会うものすべてが美しく見えるのです。「出会ってくれてありがとう、私と共にいてくれてありがとう」と思えるようになりました。その交流を聞き終えた瞬間、ずっと取り除けなかったあの物質が、一気に消え去ったのです。同修のことを思い浮かべても、心の中がふんわり温かくなりました。私はこう思いました。「表面上はこの同修がよくない面を見せているかもしれない。でも、修めて良くなっているその一面は、私なんかより何倍も素晴らしいに違いないのです」

　観念を変え、トラブルを通して執着を修める

今、私は悟りました。なぜ同修とトラブルが生じたとき、私は自分を修めようとしなかったのか。それは、正法の理でトラブルを見ようとしなかったからです。法の観点からトラブルを「相手が私にこのように接するのは、私に不適切な行いがあったからだ」ということです。たとえ相手が悪い言葉で傷つけたとしても、それは私の心性を高め、自分の容量を広げるための機会を与えてくれたのです。

さらに言えば、もしこのトラブルが生じなければ、私の内に潜む心の汚れや執着は、どのようにして表に現れるでしょうか。トラブルこそが、それらを顕在化させ、修めるためのチャンスを与えてくれるのです。私はさらに気づきました。以前、同修とトラブルが起きたとき、私が内に向かって探す基点が間違っていたのです。心の中では「自分には間違いはない、すべて相手が悪い」と思っていました。

師父はこう説かれています。「正しきは彼　間違いは私」（『洪吟三』「誰が是誰が非」）。この法理を正しく理解していないと、心には常に怨恨や負の感情が残ります。私たちは修煉者です。私たちの心性の試練を作ってくれる同修たちは、私たちを高めるための梯子となっています。この同修たちに、真心から感謝しなければならないのではないでしょうか。

師父は『轉法輪』の中でこう説かれています。「あなたが最もメンツを失いたくない人の前で、誰かがあなたに平手打ちを食らわして、恥をかかすようなことが将来起きるかも知れません。果してあなたはそれにどう対処しますか。果して耐えられるかどうか」

私はこう思いました。もし本当に、最も面子を気にする相手の前で、誰かに2回平手打ちされるようなことが起きたとしても、私たちは心が動ぜずに耐えられるでしょうか？　まさにこの数日間に起きたことのように、現象が法に符合しているかどうかについて、同修たちはそれぞれの考えを主張し、議論が絶えませんでした。この出来事の現われは、師父の苦心の按排によるものではないでしょうか？　大きな試験ではないでしょうか？、私たちのどんな人心を暴露するためのものでしょうか？　どんな執着を修めさせるためのものなのでしょうか？　誰であれ、この中にいて、必ず私たちに修めるべきものがあります。修煉とは、無条件に自分の内に向けて探し、現れた執着や人心を絶えず修めて取り除くことです。心が動じれば、すでに法に符合していないのです。

私たちは自分をしっかり修め、善の心でトラブルを解き、心性を高めてくれる人に感謝することが大切です。そうした人こそ、私たちを成就させてくれる人なのです。心から感謝すべきです。法を理性的に理解することで、人間の観念を変え、人と人とのトラブルに陥らないようにすることができます。私たちは執着を一つも漏らさずに修めることができて初めて、師父と共に帰ることができるのです。皆で共に精進しましょう。

これは、私の最近のささやかな体験であり、皆で共に向上するために書きました。もし不適切な点があれば、同修の慈悲なる指摘をお願いします。