　【明慧日本2025年12月23日】毎年12月10日は世界人権デーである。この日は、人権が普遍的で不可侵のものであり、私たちの日常生活に不可欠な条件であることを人々に思い起こさせる。2025年の人権デーのテーマは「人権、私たちの毎日の必需品」であり、人権を守ることの重要性と緊急性を強調している。

　世界人権デーを迎えるにあたり、フィンランドの法輪功学習者（以下、学習者）は12月4日、駐フィンランド中国大使館前で平和的な抗議活動を行い、中国共産党（以下、中共）による26年間におよぶ法輪功への迫害を非難した。12月10日の人権デー当日、一部の学習者がヘルシンキのカンピ周辺でキャンドルナイトを開催し、中共の迫害により亡くなった学習者を追悼するとともに、学習からの生体臓器収奪という人道に対する罪に関心を寄せ、それを阻止するようフィンランド社会に呼びかけた。

　イタリアから訪れた4人の観光客がキャンドルナイトの活動に惹きつけられた。うちの1人の女性は、「人権は政治とは無関係であり、誰もが尊重しなければならない根本的な価値です。私たちは人権の法律と原則を遵守すべきです」と語った。

12月4日、在フィンランド中国大使館前で行われた平和的な抗議活動

　中共の迫害で死亡した学習者の遺影の前でキャンドルの火を灯し、学習者たちは厳粛に座り、音楽が広場の上空に響き渡った。多くの人々がその荘厳かつ厳粛な光景に心を打たれ、次々と足を止めて迫害の実態を知り、署名して支持を表明している。2時間後に雨が降り始めても、一部の学習者は依然として雨の中に座り黙々と見守り続けた。

12月10日、ヘルシンキで行われたキャンドルナイト追悼活動

雨の中キャンドルナイト追悼活動を続ける学習者

　フィンランド市民「共産党は社会の道徳的基礎を破壊している」

　フィンランドの市民であるオリさんは、学習者に「私は共産党に断固反対します」と言った。実はオリさんの曽祖父と父は、フィンランドの3つの戦争（1918年の自由戦争、1939年から1940年の冬戦争、1941年から1944年の継続戦争）に従軍している。オリさんは、初期のロシア共産党がフィンランドの国境地帯で人々の食料や財産を略奪したことを回想し、その抑圧が今も記憶に新しいという。

　オリさんは「私はクリスチャンであり、キリスト教の信仰では『私のものは、あなたのもの』と言いますが、共産党は『あなたのものは、私のもの』と主張します。私の先祖はロシア国境に近いフィンランドのイタ＝カレリア地方に住んでいました。当時、ロシア革命の後、フィンランド側に侵入して食料、金銭、あらゆる財産を略奪しました。これは中国で起きていることと全く同じです」と述べた。

　オリさんは、共産党が嘘で人々を欺き、信仰を抑圧するだけでなく、社会の道徳的基礎をも破壊していると考えている。「例えばロシアでは、人々は上からの命令に依存し、自ら進んで行動しなくなりました。その結果、怠惰として現れています」。オリさんはさらに例を挙げている。「私は経営者として、自分の企業をより良くしたいと考えていますが、共産党は何もしないくせにすべてを支配しようとし、人々の自由と信念を奪っています」

　学習者がそれを聞き、「共産党は同じ嘘の体系で中国人を欺き、法輪功学習者を悪魔化し、人々を煽って人々を闘わせ、さらには彼らを虐殺しています」と伝えると、オリさんは肯定して答えた。「その通りです、虐殺です。本当にあまりに凄惨です。生体臓器収奪は本当に恐ろしいことです！」

　オリさんは、共産党がイタ＝カレリア地方でフィンランド人が建てた教会を焼き払い、無神論を推し進めたと述べた。また、毛沢東時代の大量虐殺や、現在の中共による新疆、チベットなどでの迫害についても触れている。最後にオリさんは学習者の勇気を称えた。「あなたたちはとても立派なことをしています。より多くの人が足を止め、あなたたちの話を聞くよう願っています」

　イタリア人観光客「人権は人類文明の象徴」

　イタリアから訪れた4人の観光客がキャンドルナイトの活動に惹きつけられ、立ち止まった。

イタリアから訪れた観光客4人

　ジュリアさんは、「人権は政治とは無関係であり、誰もが尊重しなければならない根本的な価値です。私たちは人権の法律と原則を遵守すべきです」と語った。

　ダニエラさんは、「自由はとても重要です。人々に同じ見解や考えを持つよう強要することはできません。政策は自由を保障すべきです。私たちは全く異なる世界に住んでおり、思想、ライフスタイル、投票、政治的立場を自由に選ぶことができます」と付け加えた。

　ロサティアさんは続けて、「自由は世界で最も重要な価値であるべきです」と言った。

　モッシモールさんは、「人権は人類文明の象徴であり、私たち一人ひとりにとって至極重要なものです」と述べた。

　「これは違法です！」

　フィンランド人のタルヤさん（女性）も次のように述べている。「これは恐ろしいことです。フィンランドでは今、雨が降っていますが、それは構いません。服が濡れても乾かせばいいし、寒ければ服を多めに着て、手袋をして暖かくすればいいのです。しかし、彼（学習者）らが直面しているのは生死にかかわる問題です」。ルヤさんは、エストニアでも違法な臓器摘出が起きていると聞いたことがあるという。学習者が、中国の生体臓器収奪は国家が主導する系統的な行為であると説明すると、ルヤさんは衝撃を受けて「国家機関全体がそれに関与しているなんて、これは違法です。私たちは政府を盲信してはいけません」と語った。最後に、学習者はルヤさんに精巧な蓮の花の飾りをプレゼントした。ルヤさんは、アジアの文化において蓮の花が純潔と希望、そして「泥より出でて泥に染まらず」を象徴していることを理解していると話した。去り際、「泥より出でて泥に染まらず」の言葉に感動した様子で「現場のエネルギーをはっきりと感じることができます」と言い残した。

学習者の活動を支持を表明する人々

　あるフィンランド人は、中国の生体臓器収奪が国家によって系統的に運営されていることを知り、その邪悪さは想像を絶すると驚いた。

　ドイツの記者アンドレアさんは、「中共が法輪功を迫害している事実をよく知っている」と話し、その場で署名して支持を表明し、学習者に祝福の言葉を送った。「幸運を祈ります！　すべて順調にいきますように！」

　赤いコートを着たフィンランドの芸術家ピルッコさんは、活動の雰囲気に深く心を打たれた。そして「とても恐ろしいことです。ぜひ署名して皆さんを支持しなければなりません。誰もが自由の権利を持つべきです」と語った。立ち去る前に、ピルッコさんは心から祝福の言葉を贈った。「皆さんにすべての良いことが訪れますように。メリークリスマス！」