文／スウェーデンの大法弟子

　【明慧日本2025年12月26日】私は今年4月から再び語学学校でスウェーデン語の勉強を始めました。Dレベルのコースを修了すれば卒業となり、スウェーデン語で問題なく働いたり生活したりできるようになります。実は数年前にCレベルを終えて、Dレベルに上がったところで仕事に出たため、今回学校に戻った際には規定通りDレベルから再開することになりました。しかし、仕事ではずっと英語を使っていたため、それまでに学んだスウェーデン語はかなり忘れてしまい、授業中の先生の話もほとんど理解できませんでした。友人からは「あなたのレベルならCクラスの方が合ってる」と言われ、校長に相談してみてはと勧められました。けれど私は修煉者であり、自分の道は師父が按排してくださると分かっています。学校がDクラスを割り当ててくれたのなら、必ず私が歩める道があるはずです。それに、早く言語を習得して現地社会に溶け込めれば、仕事にも生活にも、さらには真相を伝える上でも有利になります。私は流れに従うことにしました。

　Dクラスでの2週間は非常に厳しいもので、Cクラスから上がってきたばかりの生徒たちでさえ、私よりずっとレベルが高く、プレッシャーを強く感じました。ある日、法を暗唱しているときに、ふと「テキストを暗記してみたらどうだろう」と思い浮かびました。単語も文法も文型もすべて丸ごと覚えられるのです。これは師父の啓示だと分かりましたが、かなりの難しさがあります。ただ、私はこの2年『轉法輪』を少しずつ暗記してきたおかげで、記憶力は以前よりずっと向上していました。さっそくテキストの暗記を始めたところ、わずか1週間で模擬試験が行われ、作文試験ではテキストの表現をそのまま使ってレベルの高い文章が書け、先生から「あなたの作文はもう練習しなくていい。他の科目に集中して」と言われました。さらにリーディングも合格し、残るはリスニングとスピーキングのみ。この結果は大きな自信になりました。先生は8月中旬に行われる国家試験への受験を勧めてくれました。

　6月10日、妻である同修が「あなたが8月の試験に合格する夢を見た」と話してくれました。それは師父が私に最善の按排をしてくださり、そのことを妻を通じて教えてくださったのだと感じました。同時に、それに到達するには大きな努力が必要なことも分かっていました。

　まず課題はリスニングでした。私は的を絞った練習が必要だと感じ、ChatGPTを使ってリスニングテストの音声を見つけましたが、問題も解答もなく、間違っていても確認できませんでした。それでも、自分のレベルにちょうど合っている難易度だったため、ディクテーション練習に使うことにしました。最初の数問は簡単でしたが、だんだんと難しくなり、単語もほとんど聞き取れず、文章にならず、全体の意味も想像がつきませんでした。ちょうどその頃、息子が時間に余裕があったため、彼に聞いてもらいました。すると、彼が聞き取った内容に私は衝撃を受けました。そこには私が全く習っていない単語や文法が多数含まれており、正規の教材ではなく、日常会話でしか使われない表現ばかりだったのです。息子は「語彙力が足りない」と言いました。しかし、語彙を増やすのは一朝一夕ではなく、試験までもうあまり時間がありませんでした。目標が一気に遠くなったように感じました。

　しかし、冷静になると「そこまでの差はない」と自分に言い聞かせる声がしました。大切なのは、こういった会話でよく使われる表現や単語に慣れること。たくさん聞いて、たくさん覚えれば追いつける。けれど、毎回息子に頼るわけにはいきません。すると、まるで奇跡のように、息子がネットの片隅で、その音声教材のスクリプトを見つけてくれたのです。まさに針を海の中から探し出すようなものでした。

　実際にそのスクリプトを見ながら音声を繰り返し聴いてみると、感覚がつかめてきて、後半の問題は楽に聞き取れるようになり、リスニング力が明らかに一段階上がったのです。

　次に残された最大の難関はスピーキングでした。

　私はスピーキングの練習を7月末まで始めずにいました。なぜなら、向き合うのが嫌だったからです。話す内容はきちんと書けても、口に出すとなるとまるでダメで、緊張すると頭が真っ白になり、時制や構文を気にして言葉が途切れがちになります。聞き手が困惑した表情を見せると、さらに緊張してしまう。だから人との会話練習をするのを避けていたのです。でも、試験が近づく中、このままではダメだと分かっていました。私は内に向かって探りました。なぜこんなにも苦手なのか？　中国語なら何時間でも自由に話せるのに、なぜスウェーデン語ではこうなるのか？　結局、発音が通じないこと、間違った言い方をしてしまうこと、文法を間違えること……つまりは「恥をかくのが怖い」だけだったのです。特に家族の前で恥をかきたくない、学んだのに話せないと見られるのが怖かったのです。

　そのとき、師父の言葉を思い出しました「あなたが最も面子を失いたくない人の前で、誰かがあなたに平手打ちを食らわして、恥をかかすようなことが将来起きるかも知れません」（『轉法輪』より）。私が一番恥をかきたくない相手は家族、特に息子です。どの父親も子供に尊敬されたいし、恥はかきたくありません。でも、この「面子を気にする心」はいずれ修煉の中で取り除かなければならない。ならば今ここで向き合った方がいい。しかも息子も同修であるなら、息子としてではなく同修として見れば、彼は私の語学力を責めることはなく、私の執着心をどう扱うかを見ているはずです。そして息子の言語能力は学校の先生よりも優れています。先生の前では恥ずかしくないのに、なぜ息子の前ではダメなのか？　息子を先生として扱い、謙虚に指導を求めることに何の問題があるのでしょうか？

　考えが定まった私は、息子にその晩からスピーキングの練習をお願いし、試験の形式で練習することにしました。決めた瞬間、心が軽くなり、もう後には引けない、やるしかないと覚悟が決まりました。

　ネットで見つけたスピーキングのトピックは汎用性がなく、自分でよくある話題をカバーする必要があると感じました。そう思いながら手元の資料から何気なく一枚取り出すと、それがまさにスピーキングテスト用の質問リストで、日常的な話題が網羅されており、答える際の視点も示されていました。まさに探していたもので、記憶にもなかった資料でした。以前配られたものを見ずにしまっていたのかもしれませんが、必要な時にぴったり現れてくれたのです。私は心の中で師父に静かに感謝しました。

　息子との練習では、最初はやはり言葉が詰まり、時には30秒以上沈黙してしまうこともありましたが、これまでと違って「恥をかくのが怖い」という気持ちが消えたため、焦りも緊張もありませんでした。心はとても落ち着いていて、内なる声が「今は基礎を固めている段階。モデルができれば自然に速くなる」と教えてくれました。一週間後にはスピーキングの速度も上がり、家族からも「すごく上達したね」と言われ、試験への自信がつきました。そして本番でも落ち着いて受け答えでき、無事に合格しました。

　この試験で得たのは単なる卒業証書ではなく、大切な修煉の過程と法理の理解でした。振り返ると、私はある思い込みを打ち破りました。私は昔から計画を立てるのが好きで、計画がないと不安でした。しかし修煉者としては、すべてが計画通りである必要はないのです。今回も最初はただの願いでした。基礎は弱く、教材もなく、どんな困難に遭うかも分からなかったのです。

　でも、模擬試験や夢での啓示、学習資料の出現、息子の助けなど、困難にぶつかるたびに師父が手配してくださったのです。これは人の計画では到底できないことで、師父にしかできない導きです。

　私はここから、修煉者にとって大切なのは、持っている資源や基礎ではなく、師父への信心と目標に向かって努力する心だと悟りました。信心が確かで、努力が伴えば、奇跡は必ず現れるのです。

　この気づきは、これからの修煉や真相を伝える活動、そして人生全体にとって大きな意味があると思います。修煉者として、困難にどう向き合うか、計画をどう立てるか、未来をどう見るか、成功や失敗をどう受け止めるかーーそれらは常人とは本質的に異なるものなのです。