圓満成就に向かって
 

 執着を持って法を学ぶことは真に修めることではありません。しかし、修煉の中で自らの根本的な執着に徐々に気づき、それを取り除くことによって修煉者としての基準に達することができます。それでは、根本的な執着とは何でしょうか? 人間は世間にあって多くの観念を形成し、観念に振りまわされ、あこがれのものを追求しています。ところが、人間はこの世に来て、因縁で人生の道と人生の得失が決められているので、どうして人間の観念で人生の一歩一歩を決められるのでしょうか?ですから、それらのいわゆるあこがれと願望も、永遠に叶えられることのない、苦痛を伴う執着の追求となっています。

 大法は無限の内涵を有しており、宇宙のあらゆる次元の一切を造っていますが、当然、人類の一切も含まれています。ですから、今現在、根絶されているそれらの悪しきものや、旧い悪の勢力に利用され、法を迫害している人間の中の堕落した者を除いて、人々はみな法の中から自分が良いと思う一面を見つけることでしょう。大法の法理を真に見た人もいますが、人間の観念をもって大法の中にそれぞれの人生のあこがれと願望を見つけ、この執着をもっている人心に駆られ、大法の修煉の中に入って来た学習者も多くいます。

 大法が自らの科学の観念と符合していると思う人がいれば、自らの人としての道理に符合していると思う人もいます。自らの政治に対する不満と符合していると思う人もいれば、大法が人類の腐敗堕落した道徳を救えると思う人もいて、大法が自分の病気を治すことができると思う人もいる、大法と師父の品行が正しいと思う人もいる、等々です。人間が世間においてこれらの心を抱いて、素晴らしい追求と願望にあこがれるのは間違いではありませんが、修煉者としては、それではいけません。ですから、あなたがこのような考えの働きかけのもとで大法の門に入ることはかまいませんが、修煉していく過程で自らを修煉者と見なし、今後、本を読み、法を学んで精進していくうちに、自分が入門した時、どういう考えで大法に入ったのかを、はっきりと見分けなければなりません。修煉してしばらく経っても、まだ当初の考えのままなのでしょうか、人間のこの心が、自らをここに留めさせているのでしょうか?もし、そうであれば、わたしの弟子とは言えません。これはすなわち、根本的な執着心が取り除かれておらず、法の上から法を認識できていない、ということです。大法が中国で受けた邪悪な試練の中で淘汰されたのは、すべてこの執着心が取り除かれていない人です。同時に、大法にマイナスの影響を与えました。

 とは言っても、多くの真に修める弟子が深刻な困難に遭遇している情況下にあって、幾度となく終了の時間を延ばし、これらの人が自らの根本的な執着を認識するようになるのを待っているのです。なぜなら、このような人の多くは縁のある人で、圓満成就の望みがある人だからです。

 皆さん、ご存知ですか? 現在、旧い悪の勢力が大法を迫害する最大の口実の一つは、皆さんの根本的な執着が隠されていると言って、難を大きくし、これらの人を探し出さなければならない、というものです。大法は人間の科学に符合しているということに皆さんが執着すると、それらは邪悪な人を操って、大法は迷信であるというデマを流しました。大法は病気を治すことができるということに皆さんが執着すると、それらは邪悪な人を操って、大法は薬を飲ませないで千四百人を死亡させたというデマを流しました。甚だしきに至っては、大法は政治に参与しないと皆さんが言うと、それらは邪悪な人に、大法と李洪志が国外の政治勢力と結託している、などのデマを流させました。大法はお金を取らないと皆さんが言うと、それらは師父が蓄財していると言います。皆さんが何に執着してもそれらは邪悪の徒を操って、何らかのデマを流すのです。甚だしきに至っては、皆さんが大法を破壊されることを気にしていると、彼らは偽の経文を作ります。皆さん、考えてみてください。現在のこの大きな試験は、師父がいないときに大法がどうなるか、学習者がどのようにするかを量る大きな審査なので、師父はどうして話をすることができるのでしょうか? どうして皆さんに何をどうするかを、これ以上、教えることができるのでしょうか? それらは邪悪な人を制御して人間の一切の心、あらゆる執着に対して全面的に漏れることなく瓦解するよう大法と弟子に試験を課しているのです。皆さんが修煉の中で真に人間の根本的な執着を捨てることができれば、最後のこの魔難もこれほど邪悪なものとはならなかったはずです。

 今になってもまだ、一心不乱に本を読むことのできない人がいます。特に大法の仕事をしている人は、いかなる口実をもってしても本を読まず、法を学んでいないことを隠してはならず、師父であるわたし個人のために何かをするにしても、日々、心を静めて法を学び、着実に修めるべきです。皆さんが本を読んでいるときにあれこれと考えをめぐらしていると、本の中にいる無数の佛、道、神は、あなたの可笑しくて、そして哀れな考えを見ており、思想の中の業力があなたを制御しているのに、あなたがまだ迷って悟らないのを見ているのです。仕事をしている一部の人は、長きにわたって本を読まず、法を学んでいませんが、それでどのようにして大法の仕事を正しくこなすことができるのでしょうか? 無意識のうちに皆さんは多くの取り返しのつかない損失をもたらしてしまいました。教訓は皆さんをさらに成熟させるはずです。旧い邪悪な勢力に皆さんの考えの隙に乗じられないようにする唯一の方法は、しっかりと法を学ぶことです。

 現在、起きていることは久しい歴史の前にすでに按排されたことです。圧力に耐え、表に出て法を実証した弟子は偉大です。どうしてわたしと大法についてのデマを流すのかと、わたしがこれから淘汰される最後の高次元の生命に問いつめた時、「ほかに方法がなく、あなたの行なっていることはあまりにも正しいのです。そうしなければ、大法とあなたの弟子を試すことができません」とそれらは言いました。大法を破壊しているのは、わずか一部の悪の勢力だけですが、それらも、必ず淘汰されるべきだと思っている邪悪な生命を利用しているだけです。宇宙の中の限りなく数え切れないほどの佛、道、神と、さらに厖大な天体の中の生命はみな、このごく小さな宇宙のチリで起きている一切を注視しています。大法はすでに宇宙の中の一切を圓満成就させています。威徳は偉大で、しかも、永遠に変わらないものです。全面的で最も厳しい試験を乗り越えてきた弟子は、大法のために世間で磐石のごとき基礎と大法のこの世での真実の体現を確立しましたが、同時に、自らを最も偉大な位置に圓満させたのです。邪悪はいよいよ根絶され、人間世界の堕落した者も受けるべき報いを受けますが、これ以上、罪悪を続けさせるわけにはいきません。弟子たちが圓満成就を待っていますが、わたしもこれ以上、待つわけにはいかないのです。善と悪の現れの中でみな、各自の得るべき結果を充分に体現しています。衆生よ、将来の位置は、皆さん自身が選択するものなのです。

 

李洪志

二〇〇〇年六月十六日

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2000/6/16/116.html)