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海外から帰国した二人の博士が自殺したことにより思いついたこと


文/鐘延

(明慧日本)最近、海外から帰国した浙江大学の32歳の博士が飛び降り自殺をしたニュースが、インターネット利用者らの熱い議論を引き起こした。同じケースはほかにもある。インターネット上には海外から帰国した博士の家族全員が自殺したという記事も載っていた。この二人の事件は異なる年代に起きたが、その背後の原因は人々に深い考えを引き起こした。

 1950年代の初め、蕭光エン博士は国のために尽力したいという願望を抱えて帰国した。また米国から大量の技術資料も持ち帰った。1968年、蕭博士は階級隊伍を整理する運動の中で拘禁され、連続して残酷に殴られた後、自殺した。3日後、蕭博士の妻・甄素輝さんと15歳の娘・蕭絡さんも毒薬を飲んで自殺した。

 自殺の前、蕭博士は絶えず人格に対する侮辱と肉体に対する残酷な虐待を受けていた。人々は蕭博士が繰り返し、「党の政策はこうではない…」と寝言のように言っているのを聞いていた。

 蕭博士は死を前にしても中共に対する幻想を抱えていたということがすぐ見て取れる。しかし、この幻想は最終的に生命の結末とともに破滅した。中共の歴代の政治運動の中で、このような悲劇はとても多い。

 もし当時、蕭博士一家の自殺が政治運動に関連するというなら、最近の浙江大学の塗序新さんの自殺は、新世代の優秀なインテリ(青年)層の中国の現実的社会に対する絶望を示している。国のために尽力したいという大きな願望を抱えているにせよ、個人の価値を実現したいという理想と抱負を抱えていたにせよ、海外から帰国した塗さんが当初帰国しようと決めたとき、その決定は中国に無限の希望を与えたことになる。ほどなくして、海外の中国語のメディアにしろ、国内の大量な宣伝にしろ、すべて海外にいる留学生らに帰国という美しい夢を与えてくれた。

 わずか3カ月で塗さんは絶望し、この世を去って行った。残された6ページにわたる遺言書の中で、彼はすべてを明かした。「学術エリアの現実は残酷で、信用がなく、情けもない」 海外から帰国したある学者はこう述べた。「エリアとは、主にさまざまなエリアであり、私たちにとっては実に理解し難いものである」 学者はさらに解読した。「海外で、エリアとは専門領域で集結された学術のエリアであるが、国内大学でのエリアとは学術エリア以外に、行政エリアがあり、さらに学術と行政が互いに溶け合うエリアもあり、その中の利益関係は縦横に交錯し、各エリアは各自の利益を持っている。このような学術生態下で、学術をするとはさらに関係を複雑にすることになり、学術の純粋さと簡単さがなくなっている」

 インターネットに掲示された浙江大学の塗博士の死亡通知は、さらに論争を引き起こした。また「学術エリアの現実は残酷で、信用がなく、情けもない」についてもうひとつの注釈をしてくれた。死亡通知はわけが分からず、塗博士は病気のため、飛び降りたとされた。

 中共の体制下での学術エリアは、優秀な人材の理想を破滅させるだけでなく、彼らの才能、青春、ひいては生命まで消滅している。塗さんの自殺は個別的な案件ではなく、海外から帰国した湖南大学の博士・南方圓さんもこのほど、桔子洲大橋から川に飛び降りて自殺した。

 中共の体制自体が問題である以外、中共の腐敗がもたらした社会全体の道徳の低下も、海外から帰国した博士らを絶望させる原因である。残酷、信用のない、情けない、どちらも人間関係が悪化した後の結果であり、道徳が破壊した後の表れではないか?

 過去10年間、中共は真善忍を信仰する精神団体を迫害すると共に、社会の道徳体系も壊した。基本的な道徳理念が異端(政党でない学説や宗教)邪説と中傷されている。人々は「象牙の塔」(学者や芸術家が、現実社会からはなれて、研究や製作にうちこむこと)と称している学術界が汚いものばかり隠している場所と変わったからには、ほかの社会環境の状態は考える余地もない。

 海外から帰国した2人の博士の自殺は、人々にため息をつかせると同時に、彼らの物語は中共に対して幻想を持たないように、中共の本質を見抜いてこそ、中共が滅びる前の中国の社会現状を見通すことができるということを示している。

 2009年11月13日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2009/11/3/211817.html

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