カナダ人権弁護士「政変期の中国に人権改善を促し 法輪功迫害を制止しよう」(二)
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 【明慧日本2012年6月11日】

 中国の権力体系

 マタス氏は公演の中で、中国の権力構造について解説した。「中国には平行して二つの権力構造が存在いています。共産党体系の権力と国家体系の権力です。党が国家をコントロールしています。各省の上から下までの体系、中央から地方までの政府体系に平行して党の体系が存在しています。党が国家を指揮しています」

 「610弁公室」の存在について、マタス氏はこのように説明した。「人権の角度から言えば、常務委員会の中で最も重要なメンバーが、政法委員を担当している政治局委員です。まさにこの人が自由を圧制していて、法治に違反しているのです」

 「610弁公室とは、法輪功の弾圧を担当している弁公室です。610弁公室は警察、監獄、検察院及び裁判所を指揮して法輪功を弾圧しています。政法委員会の管轄下にあります」

 「現在の政法委員会のトップは周永康氏です。2002年から2007年まで、周氏は公安部長から政法委員会の書記となり、権力の昇進と見られていました。これで中国の権力構造の性質を見て取ることができます。周氏は政法委員会の頭目として、彼の継承者である公安部長を指揮するのです」

 周永康氏は迫害を引き伸ばしている

 周永康氏は1942年12月に生まれ、今年70歳となる。よって彼は今年の秋、常務委員会から退く1人である。彼は後継者として重慶市の薄熙来氏を望んでいた。

 マタス氏は、「周氏は常務委員になって5年来、法輪功修煉者からの生体臓器狩りの話題が凍結されました。外界から中共の官員に法輪功の迫害を抗議した時、得られた答えは法輪功に対する誹謗中傷でした。または、臓器は死刑囚からだと言い訳しています。どうであれ、彼らは最終的に死に処されることでしょう。 われわれに時間をください、必ず彼らを懲罰します」と話した。

 海外メディアの報道によると、3月14日、温家宝首相が中南海の内部会議で、「麻酔をせずに、生体から臓器を摘出し、金儲けしている。これは人としてなすべきことだろうか?・・・このような事が発生してから幾多の年月が経ったが、私たちはそろそろ退職するのに、これを解決していない・・・。王立軍の出来事で全世界がこの事を知った。薄熙来の処置にあたり法輪功の問題を解決しよう。機が熟した・・・」と、法輪功の問題解決を呼びかけたという。翌日、中共は薄熙来氏を重慶市長から免職することを発表した。

 この報道に対して、マタス氏は以下のように評論した。「中共の会議はいつも閉ざされた状態で開会されます。これが中共の本質であるために、報道は公式記録を持って検証できません。しかし、この報道から読み取れるのは、中共が法輪功修煉者の生体から臓器を摘出している情報が解禁されたことです。2012年3月下旬、中共が認めている検索サイト「百度(バイドゥ)」で臓器移植を検索した結果、私とデービッド・キルガー氏との合同著書である『血まみれの臓器狩り』、及び王立軍氏が生体臓器狩りに関与したことなどが表示されました」

 「悪魔に自ら瓶の中から出て来させるのは難しい。しかし、真相を伝え続けています。中国社会にも審査する制度があります。中国国内の権力闘争の中で生体臓器狩りに関係した者は、きっと権力闘争に影響することでしょう。そして真相はさらに明らかになります」

 「繰り返し言いますが、臓器狩り事件は、政治闘争に大きな影響を及ぼす事は間違いないでしょう」

 「共産党の体系内で、私達が求めている人権促進を誰一人として受け入れないのです。中国人の人権活動家たちは外国に流浪しているか、または監獄に入れられています。中国と付き合う時に、人権の推進を行なっている人々に手助けすると同時に、人権を犯して自分らの立場で人権を唱える人たちと遠ざからなければなりません」と、マタス氏は犯罪者らが迎える結末について説明し、中共内部で法輪功への迫害を加担した者らと付き合わないように呼びかけた。

 中国の政治局常務委員会は権力闘争の価値観の戦いを超越している

 マタス氏は、「温家宝首相と薄熙来氏はただの2人だけの事ではなく、彼らはそれぞれの党内派閥を代表しています。2人の相違は党内の権力闘争をもたらす要素になる可能性があることです。問題は温氏と薄氏のどちらが勝利することではないのです。薄氏は現在すでに非主流となりました。なのに未だ彼と同じ考えもつ人が存在するのです。派閥の権力闘争は、中国の常務委員会の組み換えによって停止することはないでしょう」と分析する。

 「現在、法輪功の迫害及び臓器狩りは、政治闘争の話題となりました。迫害に加担した犯罪者は罪から逃れようと望み、一方は人権犯罪を暴露して、政権から善を一掃しようとしています」

 マタス氏の認識では、権力闘争の背後にはいつも価値観をめぐって戦いが行われている。「薄熙来氏は、人々が道徳や精神的信仰を恐れて嫉妬しています。一方、温首相は法輪功が代表している中国の古典、伝統を称賛し、その道徳理念を大切にしています」

 マタス氏の思いは、カナダは中国の現状に対して沈黙して傍観者になるべきではないということだ。「中国の内部権力闘争は通常、内部の事項のみを注目します。法輪功修煉者からの臓器狩りは全人類に関わっています。それは人類に反する罪であり、つまり私たち反する罪でもあります。われわれはこの機会を利用して、法輪功修煉者への迫害、臓器狩りを制止させなければなりません。民主、自由、人権などの価値観はカナダが追い求め続けている理念であり、現在の中国社会の転換は、カナダにも利害関係があるのです」

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/6/3/麦塔斯-在中国转型期促进人权,制止迫害法轮功-258435.html)     更新日:2012年6月12日
 
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