台湾の技術マネージャー 親族訪問中に中国で強制連行(写真)
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 【明慧日本2012年6月30日】台湾新竹市のハイテク企業のマネージャーで、法輪功修煉者の鐘鼎邦(しょう ていほう)さん(53)が先日、中国の江西省へ親族訪問に行った。その帰りに、経由地の贛州空港で中共(中国共産党)の警察によって強制連行されたという。鐘さんは未だに行方不明となっている。今月22日朝、鐘さんの家族が立法委員・鄭麗君氏、尤美女氏、台聯党主席・黄昆輝氏らと共に記者会見を開き、台湾政府に積極的な救出活動を行うよう呼びかける同時に、中共当局に対して鐘さんを即刻無条件で釈放するよう強く要求した。

 
'六月二十二日上午,钟鼎邦家属(左一女儿、二太太、三母亲)在立委郑丽君(中)、尤美女(右三)、台湾法轮<span class='voca' kid='53'>大法</span>学会理事长张清溪(右二)及台湾法轮功人权律师团发言人朱婉琪(右一)陪同下在立法院召开记者会,呼吁台湾政府出面紧急营救被中共非法抓捕的钟鼎邦。'

6月22日午前、鐘さんの娘(左一)、妻(左二)、母親(左三)が立法委員・鄭麗君氏(中)、尤美女氏(右三)、台湾法輪大法学会理事長・張清溪氏(右二)、台湾法輪功人権弁護団スポークスマン・朱婉琪氏(右一)と共に立法裁判所で記者会見を開催。中共に不当に強制連行された鐘さんの緊急救出を台湾政府に訴えた

 鐘さんは18日に台湾に戻る予定だったが、親族訪問を終えて贛(かん)州空港で親戚に見送られた後に消息が絶えてしまった。中国の親戚が何とかして調べたところ、鐘さんが贛州空港で搭乗手続きした直後に現地の公安に連行されたことが判明した。違法留置の理由は「法輪功の取調べに協力してほしい」ということだった。

 鐘さんは国立交通大学制御工学研究所の修士に在籍し、息子と娘の二人の子供に恵まれた。鐘さんは正直な人柄で、他人にも親切である。退役軍人の舅は1949年に来台し、すでに15年前に逝去したが、中国には鐘さんと腹違いの兄弟二人が残っている。鐘さんは時々彼らを援助したりしており、前回中国を訪れたのは2007年だった。鐘さんが法輪功を修煉し始めたのは大分前の事だったと鐘さんの夫人は話す。

 「法輪大法は素晴らしい。法輪功を修煉することは間違っていない。中共は法輪功を迫害すべきではない。一刻も早く息子を釈放してほしい」と、鐘さんの母親は遣り切れない気持ちで語った。

 今年台湾大学を卒業したばかりの鐘さんの娘・鐘愛さんは、フェイスブックに「私の父が事件に巻き込まれた」「台湾政府は中共に、直ちに父を釈放するよう要求すべき」との緊急呼びかけメッセージを書き込んだ。

 全力を尽くして鐘さんの救出活動を行うよう政府に要求

 立法委員・鄭麗君氏は、「以前にも起きた、法輪功修煉者の林暁凱さんが(中共に)拘禁された事件で総統官邸が高い関心を示したように、今回も一刻も早く家族と再会できるよう鐘さんの無条件釈放に全力を尽くしてほしい」と台湾政府に要求した。

 立法委員・尤美女氏は、「非常に皮肉的だ」の言葉で自分の意見を述べ始めた。「台湾と中国がちょうど投資保障協議を討論しているところに、このような生々しい案件が起きた。立法院内政治委員会の決議によって定められた『投資保障協議』は『三権』に規範されるべきだ。つまり、もし台湾人の人身の自由が現地で制限されれば、台湾代表とその家族に面会する権利がある。また、被告に弁護士を呼ぶ権利がある。2009年に台湾と中国の間で締結された規定により、人身の自由が制限されるような事情が起きれば、『即時に相手側に連絡する』という内容があったが、台湾の法務部官僚による『即時』の定義は24時間以内であること」だと続けて述べた。

 台聯党主席・黄昆輝氏は次のように憤りを露にした。「中共公安は『法輪功の取調べに協力してほしい』という口実で鐘さんを連行したが、明らかに中共による無節操な台湾への内情捜査であり、特にむやみな個人情報収集がすでに台湾に入り込んでいるということ。深刻な人権妨害だ。公安は憚ることなく中国に行く台湾人を逮捕するなんてチンピラより劣悪行為だ。私は台湾政府に一刻も早く鐘さんの救出を望んでいると訴えた」

 『両岸協議』(注:両岸とは中国と台湾の意)監督連盟召集人・頼中強氏は、次のように強調した。「中国本土には独立した司法がない現状にある。公安は勝手に人を逮捕し、やりたい放題に法輪功を迫害し、実に政法委員会制度は、中国本土で人権侵害が許されている現状の根本的な原因である。政法委員会の体系を廃止しない限り、中国に公正な司法体制は生まれないだろう。それは、中国の執政者が立ち向かう重大な問題でもある。台湾政府は鐘さんの一刻も早い釈放に向けて、直ちに両岸の交渉に介入すべきだ。さもなければ中国における台湾人の人権侵害問題に対して、両岸監督連盟と民間団体は必ず何らかの形で声援活動を起こすだろう」

 海基会と陸委会が協力の意志を表明

 海峡交流基金会(略称:海基金)副秘書長・馬紹章氏はインタビューを受けるのに際して、次のように事件の経緯を述べた。「海基会は19日午前中に鐘さんの家族より陳情の電話を受けた。その日のうちに大陸海峡両岸関係協会宛に中国の関係機関の協力を要請する手紙を書いた。再び20日夕方に鐘さんの家族より、鐘さんの連行と拘禁は法輪功と関係しているのではないかとの連絡を受けた。本日、海基会は法務部と刑事局宛に、両岸が締結した協議に則って、今回の案件解決を望むという意思表明の手紙を送った」

 また、台湾行政院大陸委員会(略称:陸委会)は、5日経っても中共から拘留通達が一切届いていなかった現状に対して、「中国の官庁は必ず丁重に対応しなければならない。国民が思想と言論の自由及び基本的人権などの価値を尊重し、適切な対応と確実な改善に努めてもらわなければならない」と厳しく批判した。陸委会は、今回起きた案件の行方に引き続き高い関心を持ち続け、家族への必要な支援に協力する意気込みを表した。

 中共を厳しく非難し、直ちに釈放を要求

 台湾法輪功人権弁護団スポークスマン・朱婉琪弁護士は、江西省贛州の公安が対外的に発表した最新情報によると、鐘さんの件に関しては国保(国家安全保衛)大隊と「610弁公室」に交渉する必要があるという。朱弁護士は「中共に操られている公検法司、国家保安機関、また610弁公室の関係者を含めて、法輪功団体と法輪功の人権弁護士が法律に従って、迫害の元凶を絶対に処罰するとの決意は固い。悔い改めさえすれば救われる。江沢民、周永康グループのスケープゴートにならないように」と呼びかけた。

 台湾法輪功大法学会の理事長・張清溪教授は、「中共の拷問による法輪功への迫害は国際的に許されない。このような行為を行なっている人たちは、直ちに人殺しの武器を下ろして罪を償うべき」と固い意志を表明した。

 台湾各業界においても、中共の迫害の手が台湾まで伸びることを許さない、中国で迫害を受けている法輪功修煉者をいつまでも声援する、などの声が上がっている。

 台湾法輪大法学会は中共当局に「直ちに無条件に鐘さんを釈放し、さらに今後二度と同じような違法拘留をしないことを約束するべきだ」と、厳しく要求した。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/6/23/259288.html)     更新日:2012年7月1日
 
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