【明慧日本2012年8月25日】ワシントンの法輪功修煉者は今月17日、米国政府記者クラブで記者会見を開催した。記者会見の中で、国際社会に緊急に呼びかけ、各国政府およびメディアに対し、中共による法輪功修煉者の生体からの臓器狩り犯罪を調査するよう求めた。
米国政府の記者クラブで会見を行う法輪功修煉者 |
最近、中国語、英語のニュース報道では、中国の重慶市トップを今年3月に解任された薄煕来とその妻・谷開来に関して、多くの真実および黒幕が覆い隠されていると述べている。大紀元時報の報道では、薄と谷の事件の核心は最初から覆い隠されており、彼女の事件は、薄が遼寧省大連市長時代に、法輪功修煉者の生体から臓器を摘出し、その臓器と遺体を売買して暴利を手にしていた事件と関わっていると述べる。彼女に殺害されたイギリス人のニール・ヘイウッドさんは、この事件に介入したため消されたという。重慶市公安局長・王立軍は、次は自分も消されると恐れ、アメリカ領事館に駆け込み避難し、薄と中央政法委員会トップ・周永康が臓器狩りに関与した証拠資料を領事館に渡したとされる。
ワシントンDC法輪大法学会のスポークスマン・呉さんは、会見の中で各国の政府やメディアに対し、中共による法輪功修煉者の生体臓器狩り事件、遺体を売買している犯罪行為を調査するよう緊急に呼びかけた。同時に、中共の刑務所、労働教養所などの施設に不当に収容されている法輪功修煉者の即時解放を求め、独立調査団が中国入りして調査するよう求めた。
2000年~2003年までの三年間、数千万の法輪功修煉者が北京へ陳情に行った際、不法に逮捕されている。2001年10月、北京公安局の発表によると、北京市内の饅頭の販売量が大量が増加しているとして、それまでに法輪功の陳情者が百万人を超えていると発表したという。中共による弾圧政策は、法輪功修煉はの周りにいる修煉していない人たちを巻き込んだ連座制を取っている。そのため、修煉者は身分を明かすのを拒んだため、一時、北京に1万人以上の法輪功修煉者が拘留されていたという。その当時、各省は江沢民の弾圧政策に消極的だった。唯一、大連市長だった薄燕来が弾圧政策に積極的に協力し、それによって遼寧省書記に昇格した。そして、北京で身分確認の取れない法輪功修煉者はすべて遼寧省の収容所に送られた。
呉さんが言うには、北京に上京した法輪功修煉者の多くは、どこから来たのかを言わなかったため、地元に送り返すことができず、北京の刑務所などの収容施設がすべて超満員状態になっていた。中共は、秘密裏に彼らを地下刑務所、労働教養所などに監禁した。その数は数十万人にのぼる。そして江沢民は「殴り殺しても罪を問わない」という政策を打ち出したため、人間の私利私欲を束縛するものがなくなり、法輪功修煉者の臓器が摘出され、それを高額で売買し、暴利を得ていた。気兼ねなく罪悪感もなくやり続けているのだ。
証言「強制的に臓器や血液型を検査させられ、知人が失踪」
法輪功修煉者・馬春梅さんが中国で受けた迫害を証言 |
法輪功修煉者・馬春梅さんは、記者会見の席で、自分自身が中国で受けた迫害の実態を証言した。彼女は4度強制連行され、不当に労働教養所に拘禁され、各種の拷問や精神的な迫害を受けたという。
馬さんは、収容所で3日間死人ベッドに固定され、その痛みと苦しみは耐えられるものではなく、死んだほうがましだと思ったという。ほかにも、高圧スタンガンによる電気ショックなどの拷問を受けた。
収容所は修煉者に対して拷問の手段を尽くし、死に至らせたこともあった。しかし、不思議なことに、収容された後、身体の精密検査をしていたという。馬さん自身も強制的に受けさせられたが、検査の結果は本人に通知されていない。その当時、彼女は中共による臓器狩りを知らなかったため、何も思わなかったが、解放された後、臓器狩りの事実を知り、恐怖を感じたと話す。
馬さんは一つの例を挙げた。同時期に収容された知り合いの孟燕喜さんと趙蓮花さんは、いろいろな拷問を受けた末、全身の感覚を失い、警官に連れて行かれたまま2度と戻らなかったという。未だ2人の消息は不明であり、臓器狩りの被害に遭ったのではないかと馬さんは言う。
国際医学界、中共の臓器狩りを強く非難
「臓器強制摘出に反対する医師会」代表・方晶医師が最近出版した著作を紹介 |
この会見に出席した非政府組織「臓器強制摘出に反対する医師会 」(Doctors Against Forced Organ Harvesting )代表・方晶医師は、先日出版した新書『中国臓器移植の濫用』(State Organs-Transplate Abuse in China
この著書には、臓器移植において国際的に権威のある医師が専門的な見地から、中共が行う臓器狩りについて分析した。特に、良心犯と呼ばれている法輪功修煉者の生体から臓器を強奪している事実が述べられ、国際社会に対して中共の犯罪行為を批難し、制裁するよう求めた。
例えば、イスラエルのJacob Lavee医師が中共の臓器狩りの事実を知り、イスラエル政府に提言し、中国への臓器移植旅行を禁止する法律を制定させた。
著書は多方面から証拠を集めて調査を行い、デービッド・キルガー 氏とデービッド・マタス氏 の分析方式を用いて、およそ6万5千人(最高値と最低値の中間の数字を採用)の法輪功修煉者が臓器を強奪され殺害されたという。
方医師は発言の中で、米国倫理公共政策センターの専門家ジョージ・バイゲル氏の言葉「中共は中国医学界をコントロールし、『殺人企業』に仕立てた」を引用した。
方医師は、「医者は人類において最も信頼されるべく業種でなければならず、それには医者自身が守るべき道徳を、守らなけれなりません。特に臓器移植に携わっている医者は、道徳の基準をもっと高く設定しなければなりません。なぜ殺人者(法輪功修煉者の生体から強奪)になりうるのでしょうか?」と、医者しての倫理を強調した。
中共の生体臓器狩り、アメリカ国務省人権報告に記載される
今年2月、王立軍のアメリカ領事館駆け込み事件以後、唯一大紀元時報が、法輪功修煉者からの臓器狩りを含む、中共の犯罪資料を王立軍が領事館に手渡したと報道した。
2012年5月24日、アメリカ国務省が発表した2011年度の人権報告に初めて、米国メディアおよび人権団体が報道した、中共による法輪功修煉者の臓器狩りについて報道した文章を転載し、中共による臓器狩りの事実を記載した。
2012年7月25日に行われた米中人権対話の終了後の記者会見で、ある記者が米国務次官補(民主主義・人権・労働担当)マイケル・ポスナー氏に質問した。王立軍から渡された資料に、中共による法輪功修煉者の生体から臓器強奪している情報を含まれるかと問いただした。ポズナー氏 は避けることなく記者の質問に答えた。「我々の領事館や、我々の報告の中で充分な情報をもっている」
米国は2011年6月、入管法を改正し、入国ビザ申請の際、DS-160の項目に「人の臓器や身体細胞組織の強制的な移植に直接関与したことがありますか?(Have you ever been directly involved in the coercive transplantation of human organs or bodily tissue?)」 という質問を追加した。
司会者の黄博士は、中共の犯罪行為に対して国際社会が何らかの行動を起こすよう呼びかけた
記者会見の司会者の黄博士は、「第二次世界大戦終了後、世界の人々はナチスが600万人のユダヤ人を殺害したことを知りました。そして私たちは高らかに、このような悲劇が二度と発生しないように呼びかけ続けてきました! 私たちはこのような歴史を再び繰り返させるのでしょうか?」と問いかけた。そして黄博士は国際社会に対して、中共による臓器狩りを一刻も早く調査し、この反人類的犯罪を終わらせるよう呼びかけた。