北京市:法輪功修煉者 北京市労働教養管理委員会を提訴
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 【明慧日本2012年12月31日】北京の法輪功修煉者・曹東さんは2012年6月8日に北京市警察により連行されて労働教養所で迫害された。代理人・黎雄兵弁護士は法律に基づいて北京市人民政府労働教養管理委員会に対して行政提訴を行い、労働教養の決定を取り消し、ただちに曹東さんの人身の自由を回復させるように要求した。話によると、西城区裁判所は本件の受理を拒絶しており、黎雄兵弁護士は既に行政提訴状を西城区中級裁判所に送った。

 北京市人民政府労働教養管理委員会が「曹東さんの家から法輪功の書籍75冊、宣伝品14冊などを見つけたため2年6カ月の労働教養を言い渡した」と示すと、黎雄兵弁護士は、この案件の事実関係が不明確であり、証拠が互いに矛盾し、処罰の手順と法律の適用に過ちがある為、処罰を取り消すか変更しなければならないと指摘した。しかし10月26日、北京市人民政府労働教養管理委員会は再審を断り、原判決を維持した。曹東さんは服せず、2012年11月9日に代理人・黎雄兵弁護士に依頼して北京市人民政府労働教養管理委員会を行政提訴した。

 黎雄兵弁護士は、曹東さんに対する労働教養と人身の自由をはく奪する行政処罰は憲法に違反し、立法法と行政処罰法の規定に違反していることを指摘し、憲法の規定では、法廷の判決、検察機関の決定を経ずに公民を逮捕することはできず、人身の自由を制限する行政処罰は国の立法機関に限って制定する権利があり、いかなる行政法規あるいは公安規章および他の部門規章によっても、公民の人身の自由を制限する処罰措置を設定することができないと指摘した。

 当労働教養決定は、行政法規と公安部門規章を援引して公民の人身の自由を制限する処罰を実施しているが、憲法と行政処罰法、立法法などの国家法律に違反している。当案件は基本事実が不明確であり、原告に対して労働教養処罰を決定した手順は違法で、法律の権限を越えて上位法律規定を違反したため、法律に基づいて判決を取り消し、直ちに人身の自由を回復させるべきである。

「行政提訴状」の中で黎雄兵弁護士は、曹東さんの案件は事実が不明確で、証拠が互いに矛盾しており、案件の決定手順が違法であると指摘した。また、2年6カ月の労働教養期間は現行法律法規で規定されている最高2年の上限を超えている。公安部の「労働教養審査批准工作の強化と改進における実施意見」第13条、14条の規定によると労働教養期間は2年を超えてはいけない。この案件では更に6カ月間延長しているが、何ら正当な理由と原因がないことから明らかに違法である。何の告知もなく、何の手続きもなく、直接労働教養の決定を下すことは、公安行政規章に違反し、労働教養決定手順に違反している。

 黎雄兵弁護士は次のように強調した。「曹東さんの案件は、宗教信仰の問題で、宗教信仰における憲法権利は確実に尊重と保障されるべきである。今のところ、いかなる法律の法規規定にも、公民個人が法輪功書籍と資料を保存所有すれば違法で、法律処罰を受けなければならないと定められていない」。

 黎雄兵弁護士は次のように呼びかけた。「労働教養制度を反省」し、「法輪功への迫害が1999年から現在まで十年以上続いている、公民の宗教信仰の権利に対し、冷静かつ理性的な判断を下すのに十分な時間が経っている」、「手続きを踏まず、当事者の弁護申請陳述や法廷の裁判を経ておらず、公安部の『労働教養審査批准工作の強化と改進における実施意見』に照らし合わせただけで既に基本的な法制手順と法治規則に違反している」

 黎雄兵弁護士は行政提訴状に次の内容を加えた。「世界各国の法制の進歩の歴程、宗教信仰の過程を総合的に観察すると次の結論が得られる。公民の宗教信仰の権利の確立と最終的な実現の過程は、その国の法制の進歩、政治の開放、人権の解放の過程であり、公民の宗教信仰における不公正・不公平な待遇の歴史過程でもある。人類は信仰の自由を獲得する過程で、既に重い代価を払っている」、「現在は、我々が自覚的に誠意を持ってこの原則を実行する時代である」

 労働教養制度は中国共産党が旧ソ連から導入した世界でも独特な邪悪な制度で、中国的な特徴に富む、厳重な違法制度である。現在、中国共産党が法輪功を迫害するための主要な手段となり、他の労働教養者に対しては数多い適用条件と条項があるが、法輪功修煉者に対しては、彼らが一言「(法輪功を)修煉する」、あるいは家を捜査した時に法輪功書籍があっただけで当局は労働教養を言い渡している。そのため、労働教養者のほとんどは法輪功修煉者である。

 国内の正義感のある人士の絶えない呼びかけにより、現在、中国共産党の労働教養制度は国際的に広い範囲で注目されており、中国共産党の体制内部も労働教養制度の違法性を知っているが、今なお施行し続けている。独裁的な労働教養制度は、いかなる司法手続きも必要とせずに、公安機関が任意に公民の自由をはく奪することが可能で、公安機関の私的な刑法となっている。法輪功修煉者に労働教養を言い渡す過程は、実際に公安機関が彼らの基準で公民を連行し、彼らの基準で不法労働教養を言い渡す過程であり、表面上に置かれている労働教養委員会という第三者立場の看板は、自分たちの恥と卑劣さを隠す隠れ蓑に過ぎない。このよう行為は一種の集団職務違法犯罪行為であり、当然、無効な行為である。

 労働教養制度を実施する労働教養所の監督機関は見せかけに過ぎない。現在、曹東さんが収容されている北京新安労働教養所第7大隊は、管理が非常に厳しい大隊である。曹東さんが家族に書いた手紙は、数回の審査後に送られるが、家族まで届かないことが多い。しかし労働教養所の管理制度では通信の自由が認められ、検査をしないと明確に規定されている。電話を掛ける時は実情を言うことが許されず、家族から電話をかけることもなかなか許可されない。電話に出る時はスピーカボタンを押して、警官が通話内容を記録し、実情を言うとすぐ電話を切って、次回から電話を禁止される。更に正常な弁護士との面会にも制限が多く、必ず監視の状態で行われる。更に憂慮すべきこととして、新安労働教養所は実質上、治外法権とも言うべき不法地域であり、法輪功修煉者に対して行われている数多くの違法な犯罪行為は、政府、あるいは政府の名義により放任、覆い隠されており、迫害は今なお行われている。

 国内外の法輪功修煉者と正義ある人士は、新安労働教養所に監禁されている曹東さんを含む法輪功修煉者に関心も持つことを呼びかけている。

 (注:法輪功修煉者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/12/15/266568.html)
 
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