明慧法会|黒巣の中で真相を伝える(四)
■ 印刷版
 

 【明慧日本2013年10月8日】

 知恵をもって真相を伝えればより多くの衆生を救える

 迫害されている特定の環境の中で真相を伝えるには、一定の困難があります。刑務所の警官達は邪党の「偽・悪・闘」の歪んだ理論に洗脳され、警官らは自分自身を「政府」と自称し、刑務所の警官らに対抗すれば「政府」に対抗することになり、暴力を頻繁に振るいます。警官らによりよく真相を伝えるために、私は師父の「理智をもって法を実証し、智慧をもって真相をはっきりと伝え、慈悲をもって法を広めて世人を救い済度する」(『精進要旨二』「理性」)というお教え通りに、知恵と正念をもって、彼らの執着に沿って真相を伝え、良い効果が得られました。

 受刑者達に忌み嫌われ、恐れられている隊長(以後、彼)がいて、私が最初、彼に真相を伝えたとき、彼は非常に抵抗しました。しかし私は、彼が3歳の1人息子を非常に寵愛していることに気がつきました。私は、息子の話題から展開してみました。まず、中国の伝統文化は如何に子供達を教育したのか、今の教育は如何に子供達を駄目にしたのかを述べているうちに、彼は、また法輪功の話題だと感じて抵抗しました。私は「そうですよ。法輪功は『真・善・忍』を重んじ、これが普遍的価値で。私達、法輪功修煉者に誰か良くない人がいますか? もし私が法輪功を学んでいなければ、私も今の汚職官僚たちのように国のお金で食べて、飲んで、妓女と遊んで、賭けや贈収賄、どんな悪事でもやれます。法輪功によって私と私の家庭が救われました。『真・善・忍』のどこに悪い所があるのでしょうか?」という私の話を聞いて、彼は黙認しました。

 その後、私は筆ペンで彼の息子に一つの詩を送りました。「三文字の真言を銘記し、邪悪と万難から守られる。気楽に一生を送り、返本帰真は佛との縁にあり」。彼は何度も、私に感謝の意を表しました。その後、私は「人間としての生き方」や「管理の仕方」について彼と会話し、彼にこう言いました。「私達は何をしても善をもって、他人に付和雷同せず、人間としての良知を失ってはいけません」。それ以降、彼には大きな変化が見られ、気ままに人を訓戒せず、自ら受刑者に気を配るようになり、受刑者達は「彼が人間らしくなった」と言っています。それから彼は「悩みがあれば私に相談して」と、感慨深く言いました。「可笑しいですね。どんな大きな悩みでも、あなたと話せば皆が無になりますね」と言うので、私は彼にこう答えました。「『佛光は普く照らし、礼儀は圓明となる』(『轉法輪』)。大法弟子の修煉によって得た慈悲の場があなたの良くない物質を取り除いてあげた結果です」。すると、彼は私に、「一度、上層部から『転向』を厳しく、徹底的に実行しろ」と命令を受けていて、彼は、それは法輪功修煉者の信条の問題であって、故に転向するかしないかは修煉者の自由であり、彼はその命令を無視したことを打ち明けました。私は彼に言いました。「あなたは最も賢明で良いことをしました。あなた自身、そしてあなたの家族のためにも良い未来を選択しました」。確かに、私はこの刑務所で法輪功修煉者を強制的に「転向」させようとする警官は見当たりませんでした。一時、ある法輪功修煉者は自ら「転向」を認める書類に署名しましたが、警官は何も言わず、その後、その修煉者が再び「修煉したい」と言い出した時、警官は何も言わず、何事も無かったかのように対処していました。多くの警官や受刑者がよく言っています。「何か悩みや腑に落ちないことがあれば法師(法輪功修煉者への尊称)に尋ねなさい、必ず解決されます」と。

 特殊な環境下で接することの出来る衆生は限られていて、更に多くの人に真相を伝えるために、私は様々な方法を考えました。出会える全ての人に、他の刑務所から部品を探すためにこちらの倉庫に来る人も含め、外部の会社から来る人達などなど、私はチャンスさえあれば真相を伝え、彼らに誠意をもって「法輪大法好(法輪大法は素晴らしい)、真善忍好(真善忍は素晴らしい)」と念じることで平安と福報が得られることを伝えました。
 
 囚人の中で、神経の衰弱ですでに4~5年間、毎日三、四時間の睡眠しかとられない人がいて、非常に苦しんでいると聞きました。私は彼に真相を伝えた後、誠意をもって「法輪大法好、真善忍好」を念じれば病気が治ると伝えました。最初、彼は信じようとせず、本当に効果があるのかと聞きました。私は、「真心を持って念じ、三回念じれば必ず明日の朝までにぐっすり眠れます。人に起こしてもらわないと目が覚めないことを保証します」と答えました。翌日、私を見るや否や、彼は皆の前でこう言いました。「法師、昨日処方してくれた薬は本当に効きました。あなたの言うとおり、今朝起床時に遅れるところでした」。周囲の人たちはさっそく、「何の薬ですか?」と聞きました。私は、「天機は漏らしてはいけません。一人にしか伝えられないので、ゆくゆく私はあなた達に一人ずつ教えます」と冗談っぽく言いました。
 
 対面して真相を伝える以外に、私は各部署の人たちに手紙を出し、新聞社や雑誌出版社に投稿もしました。中共の総書記から総理、人民大の委員長や政協の主席、二人の最高裁の裁判官から中隊の警官まで、私は百通以上の真相の手紙を送りました。ある警官は私に言いました。「書いても無駄ですよ。この手紙は送られません」。私は答えました。「送られなくても必ず書きます。第一、刑務所が手紙を発送してくれないのは違法です。第二に、手紙は外に出されなくても、あなた達がそ れを審査する際に必ず誰かが読むでしょう? 一人でもそれを読む人がいれば、それは無駄になりません」。修煉者の角度から見れば、大法弟子が行っていることの全ては無駄がなく、他空間では必ず天地を震撼することであって、衆生を救っているでしょう。
 
 また、私は刑務所が 設けられている予約制で会いたい人に会える「承諾」を利用し、刑務所に臨時駐在する検察官や刑務所関係の上層部の人に会い、また、刑務所内で「心のホットライン」が設けられているので、私はホットライン電話の利用を申請し、電話の中で相手と90分間話しました。私は自分の法輪功修煉後の変化から、法輪功の素晴らしさまで、そして刑務所内で警官たちが法輪功修煉者の基本的人権を剥奪する違法行為を述べ、電話相手の彼女は同情を示しました。最後に彼女が教えてくれたのは、彼女が私の電話を受けるため、一週間の準備をしましたが、結局無用の功でした。私は彼女に言いました。「もし、法輪功への迫害の是非を議論するなら、あなたが準備してきたのは上層部からのものか、或いはメディアからの嘘偽りのものでしょう。しかし、私があなたに言ったのは、私自身の身に詰まった体験であり、誰もが否定できない事実です。事実を前に、皆が自分の意見と判断力を持つべきです」
 
 また、私は自分の書 道の特技を生かし、真相を伝えてみました。私は頻繁に彼らに壁新聞作りの手伝いに呼ばれ、そこで自編、自画、自作の作品を載せてみました。例えば、『一歩 下がれば天地が広し』の小詩がその一つです。「一歩下がれば天地が広し、闘争すれば両方が傷を負う、他人の為にものごとを運べば、心が天地のごとく広くなる」。そこに法輪功の三文字がなくても、誰が見てもそれが真善忍を伝え、人に良い人になるよう諭していると思われるでしょう。
 
 時に、私は犯人の代わりに家に贈る手紙や恋人に贈る手紙を代筆し、誰からの要求も断らず、犯人の代わりに刑務所の小型新聞に原稿を載せる任務を手伝い、警察に「卒業論文」の手伝いをしたりします。そこに、私は伝統文化や、人間として誠実さ、やさしさ、他人への配慮を持つべきこと、トラブルに遭ったら自分の問題を探すこと、そして他人に対して寛容であるべきことなどの大法の法理を持ち込みました。
 
 ある日、刑務所内で喧嘩や殴り合いの禁止規則に違反した犯人を批判する大会が開かれることになり、ある「監視役」に発言原稿の作成を頼まれました。最初、私はこんなことに関わりたくないと思って断りました。その後、良く考えてみると、どんなことも偶然はないので、これを利用し真相を伝えられるのではないかと思い、原稿作成を引き受けました。原稿の中で、私は党文化の言葉を一掃し、他人を叱責せず、穏やかな口調で、伝統的なストーリーを通じて、対立を前に内に向けて探すこと、事をなす時にまず他人を考慮すること、一歩下がれば天地が開くこと、そして、どのように人に対して誠実さ、我慢さ、やさしさを持って接すべきかなどの内容を盛り込みました。監視役はその文章に感動し、すぐに刑務所の担当警官に見せ、見た全員は口を揃って言いました。「この批判原稿は本当に良くできています。口調が平和で感化させる力があります」。彼らはそれが私が書いた文章だと知った後、言いました。「このような平和な文章をかけるのは法輪功しかありません」。その後の大会で読まれたのは当初の私の原稿とは多少の差異があるものの、依然と良い真相伝えの効果が得られました。
 
 ある日、服役中の犯人に看護士学校を卒業予定の娘への手紙の代筆を頼まれ、私は一週間をかけて完成しました。手紙の中で、私は「真善忍」という普遍価値を持って彼の娘に如何に人間として生きるべきか、すべては自然に任せ、人と争わず、やさしく人に接すべきことを伝えました。手紙を完成してから、私は十数人の囚人の前で彼に読み聞かせ、皆が静かに聴いていました。途中から涙を流し始める人がいて、手紙を読み終えたとき、以前大法弟子を殴ったことのある一人の「監視役」(ヤクザ 社会のボスの一人)が近寄って来て言いました。「法師、これが今まで私が聞いた最も感動的な文章です!」。その後、この監視役には大きな変化があって、私の事にも一切不問になりました。真相を伝える過程で、私が一層感じたのは、普段、常人の中で掌握した知識の全ては、実は衆生を救う時に使われるため にあった、あなたにその心があれば、大法はあなたの知識を実力以上に発揮させることができ、すべてはあなたのために道を譲ってくれます。また、その中で私が一層実感したのは、慈悲で偉大なる師父はいつでも、どこでも大法弟子を加護されています。
 
 12年の風雨の中で今日まで至ったのは、本当に容易なことではありませんでした。良く出来たとき、師父の慈悲なるお導きがあって、法を良く学んだ結果でした。良く出来ていないと き、根本原因は師父の要求に従わず、法理を良く悟らず或いは正念が足りなかったからだと思います。自由を失ったこの数年間、絶えず学法したものの、長期間、系統的に『轉法輪』を読んでおらず、大法弟子の全体環境から離れていたため、自分の修煉及び衆生を救い済度することに大きな損失をもたらしました。最近、師父の『更なる精進を』や『大法弟子とは何か』を学び、時間の緊迫さや衆生を救い済度することの責任の重大さ、内に向けて自分をしっかりと修めることの重要さを実感しました。最後の時間の中で、私たちは多く学法し、よく学法し、徹底的に人間の一切の執着を取り除き、法を正す師に手伝い、更に多くの衆生を救い、先史の誓約を果たすことに努めるべきです。
 
 個人的な体験に過ぎず、妥当でない箇所があれば慈悲なるご指摘をお願いします。合掌 

 (完)

 (明慧ネット第8回中国大陸大法弟子の修煉体験交流会)

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2011/11/19/249093.html)
 
関連文章