【明慧日本2017年4月30日】浙江省金華市ウ城区裁判所は、今年2月27日、法輪功学習者・周敦望さん、楊険峰さん夫妻と息子・周梁さんに対する裁判を行った。北京からきた3人の弁護士が無罪の弁護をした。当日、親族と地元の学習者たち計十数人が法廷に入って傍聴した。
周さん一家は湖北省麻城市の法輪功学習者で、昨年11月2日、浙江省金華市に在住する楊さんの妹の家を訪問し、帰る途中で金華市の警官に連行され、金華市ウ城区留置場で4カ月拘禁された。周さん一家は帰りの車中で法輪功への迫害のショートメールを送信していたため、警官に遮(さえぎ)られて連行され、裁判にかけられたという。
一、周さん一家の自己弁護の内容
法廷で、周さん一家は自己弁護書を読み上げ、法輪功は人々を善へ導く正法であること、法輪功を学ぶことで自分がどのように向上してきたかをそれぞれ述べた。良い人になることは罪ではなく、真実を伝え人を救うことも罪ではなく、信仰の自由は国民の権利であり、それゆえに全家族を無罪で解放しなければならないと主張した。
楊さんは、大手企業で科学技術の開発賞を得たことがあり、イタリアへ派遣され学んだこともありる。麻城市の政協委員に選ばれるなどの多くの経歴は、すべて法輪功を学び真・善・忍に従って初めてやり遂げたことである。中国共産党が法輪功を迫害し、罪に陥れたことこそ邪悪であると述べた。
楊さんは「中国共産党は一貫して虚言を言い、50年代の後期に1畝当たりの食糧の収穫量を3万6千斤と大げさに吹聴し、人為的に4千万の同胞を餓死させた。文化大革命時期には民衆を抑圧し、『無神論』を宣伝することにより、中華民族の道徳を徹底的に壊し、今も善良な人を迫害している中で、さらに社会の道徳風紀を激しく滑落させた」
楊さんは古代ローマの皇帝・ネロを例にして「古代ローマの皇帝・ネロは、城を焚焼させた罪をキリスト教徒に転嫁した。現在、江沢民は『天安門焼身自殺事件』をでっち上げ、罪を法輪功に着せた。両者は非常に似通っている。古代ローマは300年の間キリスト教徒を迫害し、そのため3回の伝染病の大流行が強大なローマ帝国を壊滅させた。現在、王立軍、薄煕来、周永康、徐才厚、令計画などの中国共産党の高官は、腐敗問題で相次いで失脚した。彼らすべてが江沢民派で法輪功を迫害することに積極的に加担した者たちであり、すべて法輪功学習者の血であがなわれ、逮捕されるのはまさに迫害に参与したために招いた悪報によるものである。中国共産党が法輪功への迫害および学習者の生体からの臓器狩りで暴利を貪る史上最大の罪悪が、神々と人々を共に憤(いきどお)らせ、必ず処罰を受けるべきです」
「中国共産党の鼻祖・マルクスはサタン悪魔の信者である。中国共産党は中華民族の本当の祖先と伝統を捨てマルクス・レーニンについて行き、中国を支配して以来、8千万人の同胞を殺害した上、今法輪功を学ぶ者たちに迫害を加え、数百万におよぶ家庭の悲劇を招いた! 中国共産党の組織から脱退した人たちは、近い将来直面する大淘汰の中で残されるであろう」
楊さんはまた法輪功について紹介した。「法輪功を学ぶ者は、来たければ来てもいいし、やめたければやめてもいい、名簿も組織もなく、全く自らの意志で自由に学んでいる。法輪功を誹謗中傷する宣伝文句は法律の看板を掲げて法輪功に罪名を着せているが、憲法の中には『中国・国民は信仰の自由がある』と定めてある。文化大革命が終わった後、政府は大勢の警官たちをスケープゴート(集団内の不平や憎悪を他にそらすため、罪や責任をかぶせられ迫害される人)として雲南で銃殺し、それから家族に『公務で殉職した』と告げた。元の北京市公安局長・劉長新は清算を逃れるため拳銃で自殺した。今日の司法人員達は江沢民らに追随して法輪功を迫害しないように、将来の『見捨てられし者』にならないように考えるべきである」
「法輪功学習者は、なぜ強暴を恐れず命の危険を伴いながら人々に真相を伝えているのか、それは、法輪功学習者は政治的な求めがなく、身を紅塵に置いても世間一般の常人の考え方がなく、思想境地がこの世間を超えているからだ。人々に真相を伝えることは、無私の行為で法輪功学習者の大慈大悲の体現である」
楊さんの言葉を、司法官、陪審員、書記官、検察官と7、8人の司法警察官および法廷の外にいた人達がみんな聞いた。法廷全体がシーンとして静まりかえった。
周敦望さんは次のように弁護した。「私は全市の水利工事の技術担当者です。今の社会の気風の中では、金銭と物質の誘惑を避けられず、裏で頼みに来た人もいるが、自分は学習者であり、法輪功の教えに従って良い人になりさらに良い人になるように努力している人間だから、ずっと賄賂を受け取らなかった。年配の岳父は身体が弱く失明し、2人の息子は各自の実情で面倒を見ることができず、自分は岳父を家に迎えて最後まで世話をした。もし、私が法輪功を学んでいなければそうするはずがない。現代社会では親の面倒を見たくない人が大勢おり、まして岳父は2人の息子がいる状況下で、私は娘婿の立場であった。もし、もっと多くの人が法輪功を学べば、社会の風紀が改善されるのではないだろうか?」
息子の周梁さんは「自分は両親の変化を目にして、法輪功を学んで間もない新しい学習者です。法輪功の創始者・李洪志先生の著作『轉法輪』を読んで徹底的に人生の価値観が変わりました。真・善・忍は宇宙の最高特性であり、現代のいかなる科学も及ばないものです。人の一生はとても短く、物質や名利はただの去り行く雲です。法輪功を学ぶことで元来の最高の境地に達することができ、本当に健康になり、家族も幸せになれます。迫害の真相を伝えることは法輪功学習者の使命であり、学習者は犯罪者ではありません。司法官が正義の側に立って私達を無罪で解放するように強く望んでいます!」と述べた。
二、根拠に基づいた無罪弁護
金華市ウ城区検察庁は「一家は法律第300条を犯し、3人それぞれの刑事責任を追及しなければならない」と提訴した。北京からの3人の弁護士は無罪の弁護をした。
弁護士は「当案で、私の依頼者が某組織を利用して法律の実施を破壊したと提訴されたが、その組織の形式は何ですか? その機関、メンバー、機能、管理形式はどのように存在しているのですか? この組織は国内それとも国外にあるのですか? 私の依頼者はこの組織のどんな官職についているのですか? 誰に命令されたのですか? どのように組織を利用したのですか? 法廷上では関連する証拠を一切提示していないではありませんか」と質問した。
検察官が「真相の資料に中国共産党に反する言論がある」と言った時、弁護士は反論した。「そもそも中国共産党とは何ですか? この党は中国で暴政を実行し、大勢の国民を餓死させたことは事実です。それなのに国民に本当の話を言わせないし、彭徳懐は廬山会議で本当の話を言ったため、すぐに毛沢東に殺されたではありませんか。繰り返されている政治運動の中で中華民族に巨大な傷と痛みをもたらし、事実の前でそれらは過ちを認めたことがないではありませんか。このような政権を暴き出すべきではないのですか? 法輪功は本当の話、真実を言う勇気があります。自分のためではなく、多くの民衆に正しいものと邪なものとを見分けさせる、このような人が今の社会では少なすぎます!」
楊さんが再三要請した下で、裁判長はショートメールの内容を公開した。「縁のある人への手紙」、「三退の大潮」、「江沢民を告訴した人数が20万人を越えた」などの内容だった。弁護士は「これらのメッセージは、誰にも害を与えることがなく、どのように法律の実施を破壊したのですか? 裁判長、検察官にお尋ねしますが、当事者がどの法律のどの条項の実施を破壊したのですか?」と聞くと、 司法官と検察官は返答できなかった。
弁護士は次のように述べた。「刑法に基づき犯罪者に対する処罰は、その人を教育し、改造して、社会に役立つ人にさせるのが目的です。犯罪を犯していない善良な者に対して冤罪を被せることは、社会の安定にとって不利です。司法機関は法律を根拠にし、事実を基準にし、公正な裁判をやり遂げることこそ法律に対する尊重、人権に対する尊重、国民に対する尊重、弁護士に対する尊重です!」
最後に、弁護士は「裁判長、あなたはこの席にすでに8年間座って、あなたの手を通じて様々な犯罪者に判決を下した。これらの犯罪者の中に、法輪功学習者がいたのですか?」と聞いた時、裁判長は返答しなかった。弁護士が大きな声で「尊敬する裁判長、陪審員、書記官、検察官に、周さん一家を無罪で解放するよう合議書にあなた達のピカピカした立派なお名前を書くように願っています」
40分の昼食時間を除いて、裁判は午前10時から午後5時40分まで続き、司法官は休廷を宣言した。