ドイツ語の翻訳をする中で修煉する
■ 印刷版
 

文/ドイツの大法弟子

明慧日本2020年4月19日】

 慈悲で偉大なる師父、こんにちは!

 同修の皆さん、こんにちは!

 きょうは、大紀元で働いていたころの修煉の心得を話したいと思います。2018年7月に大紀元の文章『悪魔が世界を統治している』の翻訳を引き受けてからの忙しかった1年6カ月の修煉過程を話したいと思います。

 2018年7月にある同修が私に『悪魔が世界を統治している』の翻訳の仕事を受けられるかと聞いてきました。その前、英文大紀元に連載した同書籍をドイツ語に翻訳したことがあり、読む度にとても勉強になりました。

 この本を翻訳する前に新版『轉法輪』の一部を訳す経験があったので、翻訳方法や文章の繋がりなど翻訳の基礎的なスキルが身についていました。

 多くの同修が『悪魔が世界を統治している』の翻訳作業に参加して、それぞれ幾つかの章を訳しました。2018年末までは、3人1組で、ほとんど毎晩一緒に座りながら、一つ一つ言葉の意味を討論しながら翻訳し、無数の概念と用語、年代、補充事項を調べました。ニューヨーク本部の依頼通りに、ヨーロッパの歴史とドイツの読者の視点から重要な部分を考慮する必要があり、手詰まった時や言葉の使用が曖昧な時に、人に尋ねなければなりません。

 一つの章の決定稿を完成した後、すぐにドイツ大紀元で発表しましたが、反響はとても良かったのです。読者の好評をたくさん頂き、いろいろな投稿者からの内容を投稿するようになりました。本の広がりは連邦議会の所まで届きました。全て慈悲で偉大なる師父から、頑張ってこの仕事を続けるようにとの助言だったのでしょう。

 この仕事を引き受ける以前は、毎晩同修の皆さんと一緒に経文を読む時間がありましたが、暫くしてその暇もなくなりました。私にとってその時の学法時間はきわめて貴重でした。仕事がない時は自分で大法を学ぶことができますが、堅持することはなかなか困難です。そこで、一つの方法を考えました。経文のポイントを名刺ぐらいの紙に書き写して、パソコンの横に置きました。この事で時間がなくでも経文を見られるようになりました。その中で一番助けになった言葉は、『精進要旨』の中の「佛性に漏れなし」で「わたしがしないことは、皆さんもしないでください。わたしが用いないことは、皆さんも用いないでください。わたしが修煉の中で話したように、皆さんも話してください。注意してください」[1]でした。

 私たちはほとんど毎晩遅くまでいっしょに文章を訳しましたが、それは自身の修煉にも繋がると気づきました。文章の推敲だけでなく、内容に関連する修煉の心得も交流できました。

 翻訳を始めて6カ月、2018年の年末に困難な時期がやってきました。毎晩集まるはずの3人の翻訳チームが解散したのです。原因はメンバーの1人がよく欠席し、その後来なくなりました。今まで協力して出した結果ばかり振り返っていても仕方がないので、2人だけですることになりました。

 2019年1月末、人手がまた減り、ほぼ私1人で本の第11、12章を訳す作業を続けました。悪化する一方の現状は決して私に悪い影響を与えさせないと心に決めました。翻訳こそが私の責任です。当時私は辺鄙な町に住んでいて、毎週法を伝えるイベントに参加できず、周りに真相を伝える中国の観光客もいませんでした。観光スポットもなく、車で外出する時間もありませんでした。それは週末に編集部の当番があるので、毎回イベントに行こうとすれば、シフトを大きく調整しなければなりません。その度に私が思ったのは、慈悲で偉大なる師父はなぜ私を助けてくださらないのか、私に何を伝えようとされたのでしょう。私は何を悟るべきだったのでしょうか。

 私は2014年から大法修煉を始めて、自身の根源的な執着心をずっと探し続けていました。そしてやっと思い出したことは、まだ3歳の頃、家族全員が病院送りになった件です。当時の父は病気で、家族全員が「治療」を受けるようになりました。この「治療」で母が病気になり、私も「治療」をうけざるを得ない境地に陥り、その時に母に裏切られたと思いました。孤立したような気持ちが再びよみがえりましたが、同修の口から、私に示され、今回、私はこの執着心を取り除きました。この執着心の元は人間社会レベルの自分自身に対する執着であると思い、それから同じ状況があっても、素早く解決することができました。それ以降、2人1組の翻訳活動が正常に戻りました。

 単独の文章を訳す同修に旧勢力からの妨害もありました。現在翻訳中の文章が素晴らしいとか、重要な内容だからもっと時間をくださいとかよく聞かされました。私は正念で彼らを助ける方法以外になにも思い付きませんでした。中国語の「忍耐」はドイツ語の「寬容」に訳しますが、ロシア語の「辛抱づよさ」は英語の「堅持」の意味も込められています。それを知ったのは後のことですが、この二つはとても勉強になりました。

 2019年2月から、編集部のシフトが変わり、毎週、数晩私が翻訳作業の代わりに業務当番をすることになりました。私が抜けると夜間の翻訳チームもなくなりました。幸いに編集部の新しい同修が編集と翻訳両方を兼任できて、4月になってから、新しく3人のチームを結成しました。私たちはできるだけ毎晩集まるようになり、その間短い交流もできました。  

 本来私たちの書名は『悪魔が世界を管理している』と言い、しかし私の脳裏にもう一つの考えが浮かんできました。つまり『悪魔が世界を統治している』です。翻訳の全過程で、師父が私たちに訂正させてくださいました。中国版が「統治」の言葉を使ったと知ったとき、私たちも書名を変更しました。

 ニューヨーク本部の毎週の講座は共産主義の認識を高めることができるので私は参加しました。講座の中で「現代の呪い」というメディアを使って人に絶望と道徳の破壊を与える悪の手段を紹介しました。この手段は政治上、一般社会では何度も何度も繰り返し宣伝していて、全員が信じるまで止めませんでした。このような質問をして再び編集部の仕事を見る時、自分もその呪いにかかっているとびっくりしました。たとえば、私たちはどこかで絶望を作っていませんか、どこかで「現代の呪い」の宣伝の通りになっていませんか?

 もう一つ重要な認識は 人に執着させる事に関することです。悪魔が簡単な「事件」を作って人に執着させます。多数の新聞社の一部が私たちの情報源であり、情報の不完全公開の真似をしています。一つの情報を少しだけ披露して、数日後にまた追加の新聞を報道します。新聞編集者が一つの完全な情報を得て、複数の内容が揃ってからようやく文章が完成します。このように「現代の呪い」の方法を使って、新聞社が毎日報道しています。

 翻訳中、本の全章と共産主義に関わる内容を思考する度に新しい感想が出てきます。同時に少し我慢ができるようになりました。私たち全員が教育の腐敗を受けて、処理方法と態度のすべてに影響されても一つも変だとは思いませんでした。今後自身を見る時に慎重にならなければなりません。

 私自身もまだもう一つの妨害にぶつかりました。約30年間、私はずっと思う事を分類し整理して、小説のような形式で一つのストーリーを書くことができました。ストーリーの中で他空間で見た事をすべて記述し、更に全てを釈明できる哲学を探しました。時が経つと、ストーリーも長くなりました。2014年に大法修煉を始めて、この習慣は一つの大きな執着心だとはっきり認識しました。この執着心は顕示心に似たようなものです。以前は緊張感やプレッシャーが満ちた一日であれば、家に帰った時良いものが書けるようになり、私の創作は減圧方法と見られています。

 修煉以来、ストーリーを書くのをやめ、パソコンからも削除しました。翻訳の仕事をしてから旧勢力と思想業力が昔のことを持ち出して私の邪魔をしました。ある時、長い時間を使って残されていた古いストーリーのコピーを読みました。このことが忘れられず旧勢力にコントロールされました。この事が二度、三度あってようやく全てのコピーを廃棄しました。

 翻訳の仕事をして、現代社会を深く理解する機会ができました。私の政治への関心も一種の執着心だと認識しました。政治家たちが自分の思うままに一般社会を導こうと、苦労している所を見て、私は慈悲心が出てきました。

 2019年6月、翻訳の仕事を始めてもうすぐ1年になり、私たちはサイトで最後の一章の翻訳稿と結語を公表しました。全ての翻訳が完成した後、次に進むのは校正作業です。この仕事は校正経験のある同修に任せました。最初の時は進展がとても速かったのですが、しかしその後の2カ月は停滞しました。どうしてこのような問題が発生するのか、校正が進まない理由を自問した時、最近新版『轉法輪』の暗記を放置していたことに気が付きました。原稿を修正している中ではじめて大法の暗誦を横に置きました。

 原稿の一次校正を常人に任せました。初めて常人に原稿を任せると協調人から聞いた時は納得できませんでしたが、結果的に正しい判断でした。この本は修煉者だけでなく、全ての人が読むものだからです。

 常人の効率はびっくりするほどよくて、すぐに二つのバージョンの完成原稿を手に入れました。二つともドイツ語杜登辞典の基準に一致しており、少し文法と正書法の衝突があっても問題ありませんでした。

 定稿期限は9月中旬、たくさんの組版方案は決められず、最後の改正もまだできていません。反復校正や初読者向けの修正、他の大紀元メンバーの協力はまだまだ必要です。この期間に、英文オンライン版もまた改正されて、段落を消されたり、変更されたり、中国語原文の一節に対して新しく校正もされました。全ての理由はドイツ文の翻訳原稿が難しくて、読者に理解されにくいことです。

 同時に珍しい事に、突然私に暇な時間ができました。編集部の半分がこの本の出版に関わっているおかげて、私の負担が一気に減りました。以前なら編集部や翻訳の仕事ばかりで、私と家族にとってその忙しさは日常茶飯事だったので、突然暇ができて、慣れない気分でした。

 もう一つ確信した事は、翻訳の仕事中は、同修間の交流が一番重要なことです。ある同修と何日も会えなくて、会っても交流をしないと、心に穴が空いたような気持ちになってしまうことに気付きました。

 この同修は私にもう一つ、共産主義の表現に気付くヒントをくれました。東方から来た女性、特に東ドイツの女性は奇怪な特性があります。真面目に働き、どんな仕事でも言われた通りに完成できて、褒められても微笑みながら辞退してしまいます。これらの行動に共産主義の平等性が現れています。しばらく自省すると、やはり同じ問題は自分にもあり、隠された恐怖心、人に気づかれず、注目せず、ただ一人で静かに働きたいのです。共産主義の観点から、自分を突き出してはいけません、期待を上回るような行動を謹んでほしいと見られています。彼女はまた私に、神韻を手本にして欲しいと言いました。神韻の芸術家たちは舞台上で高貴な、美しい神性ある一面を我々に見せました、これを恥ずかしいと思うことはどれほど恐ろしいことでしょう。

 初めてドイツ法会で発言した時、とても緊張しました。別に会場の皆さんが私を邪魔して緊張させるのではなく、周りの千万の神が私に評価を下そうとしていたからです。現在なら分かります、彼らは私を評価しません。神は遠い昔から私を知っておられます。ただ私自身は自分が誰なのかを忘れ、また自分を見つけなければいけません。

 慈悲で偉大なる師父にお願いします、私の認識が足りないところを本に書いた執着心を取り除いて下さるようお願いします。何度も機会を得て、別空間で自身を見ました。『悪魔が世界を統治している』を通して自分の身体のたくさんの悪い特性と物質を捨てることができました。この本は旧い物質空間に打ち込むくさびのように、社会に巨大な影響を与え、数百年数千年の埃を巻き上げるでしょう。

 最後に、師父のお助けに感謝したいと思います。ドイツ語翻訳チームの仕事を光栄に思い、すべての同修と翻訳者の努力に心を込めて感謝します。

 (2019年ドイツ法会発表原稿)

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『精進要旨』「佛性に漏れなし」

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/1/9/398758.html)
 
関連文章