【明慧日本2021年12月5日】中国共産党(以下、中共)メンバーである周焱(シュウエン)は、漢民族の1967年3月生まれである。かつては中共大連市政法委員会(治安・司法などを統括する機関)の常務副書記などを務めた。そして2015年1月から2021年10月までは大連市中級裁判所長、2021年10月には大連市検察庁の副検察長、検察庁代理を歴任している。
周焱は大連市中級裁判所の裁判長としての任期中、法律を無視し、事実を認定せず、様々な方法で弁護士による法輪功の弁護を妨害し、法輪功学習者(以下、学習者)に不当な判決を宣告した。その過程は、中共自身が法令遵守を阻害する主体であることを示している。
周焱は大連の政法委員会の常務副書記、大連市中級裁判所長としての任期中、法輪功迫害の元凶である江沢民、周永康に追随し、学習者への迫害の推進者、執行者として力を注いだ。裁判所長として、少なくとも196人の学習者に不当な判決を宣告している。例えば、旅順口区の学習者・劉仁秋さんが懲役10年の重刑、罰金5万元(約80万円)、大連市の学習者・任海飛さんが懲役10年、罰金10万元(約160万円)の判決を宣告されている。大連市裁判所は2016年に35人の学習者に不当な判決を言い渡し、その数は全国で第3位。そして2017年には48人となり、全国で第1位となった。
一、大連市中級裁判所長として、196人の学習者に不当判決
明慧ネットの報道によると、周焱が大連市中級裁判所長として務めていた2015年から2021年10月までの5年10カ月間、大連市で不当判決が宣告された学習者は196人。うち52人が5年以上の重刑で、中でも学習者・鄭徳財さんは出所後、残酷な迫害のため死亡している。
表1:不当判決を宣告された大連市の学習者数(2015年~2021年10月)
年
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人数
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2015年
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26
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2016年
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35
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2017年
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48
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2018年
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24
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2019年
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26
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2020年
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6
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2021年1~10月
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31
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合計 |
196
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表2:不当判決を宣告された大連市学習者の刑期別人数(2015年~2021年10月)
刑期 |
人数
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1~2年(1年以上 2年未満、以下同)
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20
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2~3年
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12
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3~4年
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73
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4~5年
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39
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5~6年
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6
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7~8年
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17
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8~9年
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11
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9~10年
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3
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10年
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2
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刑期不明 |
3
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執行猶予 |
10
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合計 |
196
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実例一、鄭徳財さんは出所後に迫害で死亡
鄭徳財さん(84歳男性)は2017年9月4日、自宅で身柄を拘束され、留置場へ連行された。2018年4月12日には懲役1年6カ月の判決を宣告され、刑務所で迫害された。2019年の出所時には、迫害でほぼ歩けず、食事も困難で拒食症があった。そして11月21日、鄭さんは他界した。亡くなる前には村の幹部や警官が鄭さん宅に赴き、嫌がらせを行い私物などを押収した。
実例二、劉仁秋さんは懲役10年、罰金5万元
2016年6月28日、遼寧省政法委員会610弁公室は大規模な連行を計画した。大連市及び周辺地域の一部の学習者らも同時に身柄を拘束され、それぞれ裁判所に起訴された。その中には、旅順の学習者・劉仁秋さん、盛傑さんも含まれていた。
2017年12月22日、旅順裁判所は劉さんに懲役10年、政治権利4年の剥奪、罰金5万元、盛さんに懲役7年、王紅玉さんに懲役3年6カ月、谷樹春さんに懲役2年、劉代学さん、王会軒さんに懲役3年、3年の執行猶予の判決を宣告した。
2016年6月28日、劉さんは貸家で警官に身柄を拘束された。警官の1人がボクシンググローブで劉さんの小腹部と胸を強く殴打したため、劉さんは内傷で血尿した。警官らは劉さん宅の私物を押収すると共にネット銀行のアカウントを凍結し、貯金40万元(約640万円)も引き下ろされた。劉さんは判決を不服して上訴したが、中級裁判所は劉さんが「転向」しないことを理由に棄却した。
実例三、大連市の任海飛さん、孫中麗さんはそれぞれ10年、7年、罰金10万元の判決
大連市の学習者・任海飛さん、孫中麗さんは1年以上拘禁され、2021年9月8日、9月23日と2回にわたって大連甘井子区裁判所で審理を受けた。そして10月14日、任さんは懲役10年、罰金10万元(約160万円)、孫さんは懲役7年、罰金7万元(約112万円)の不当判決を宣告された。2人は上訴した。
任さんは以前にも、人々に法輪功の無実を伝えたとの理由で2001年に身柄を拘束され、懲役7年6カ月の不当判決を宣告されて残酷な迫害を受けていた。2020年6月26日に任さんは貸家で大連市公安局甘井子区支局の国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関)及び甘井子街派出所の警官に身柄を拘束され、家財を押収された。55万元(約880万円)の現金、20万元以上(320万円以上)相当の電子機器なども奪われた。
任海飛さんと妻の王晶さん |
学習者・孫中麗さんも同日に身柄を拘束、家財を押収された。2021年9月8日の午後1時半、任さんと孫さんは大連市甘井子区裁判所にオンラインで開廷され、弁護士2人は無罪として弁護した。
実例四、張仁光さんは懲役9年6カ月、罰金2万元の判決
2018年5月30日、大連市沙河口区裁判所は学習者4人に対して開廷した。そして張仁光さんは懲役9年6カ月、罰金2万元(約32万円)、王尚傑さんは懲役8年、罰金1万元(約16万円)、韓建海さんは懲役8年、罰金1万元、李静波さんは懲役3年、3年の執行猶予、罰金2000元(約3万円)、居住監視との判決を宣告された。
張さん、王さん、韓さんは判決を不服して大連市中級裁判所に上訴した。しかし、再審はされずに棄却された。
実例五、大連市金普新区杏樹屯鎮の杜永峰さんは懲役9年の不当判決
明慧ネット1月15日の報道によると、大連市金普新区杏樹屯鎮の学習者・杜永峰さんは懲役9年の実刑判決を宣告された。
実例六、楊樹房の学習者・徐強さんは懲役9年1カ月の不当判決
2020年7月11日、遼寧省大連市普蘭店の各派出所が加わって連行された楊樹房の学習者・徐強さんは、懲役9年1カ月の不当判決を宣告された。
実例七、大連市の丁国晨さんは迫害による脳出血にもかかわらず、不当判決
丁国晨さん(50歳男性)は大連理工大学を卒業。2月23日に迫害で脳出血になり、1カ月ほど意識不明となった。丁さんは寝たきり状態のまま金州区裁判所から懲役2年、罰金5000元(約8万円)の判決書を発付された。丁さんの妻・閆清華さんは懲役3年6カ月、罰金8000元(約13万円)の不当判決を宣告された。
2019年7月10日、丁さんと妻は身柄を拘束され、家財を押収された。妻は夜に一時出所で帰宅した。丁さんは大連市留置場で拘禁され、迫害で脳出血になり両耳は聞こえなくなった。10月19日には丁さんも一時出所した。法輪功の動作をできるようになって丁さんの健康状態は良くなった。しかし地元の司法機関は丁さんに絶えず嫌がらせをし、さらなる迫害を計画した。その結果、丁さんの調子は悪化し、1月27日に再び脳出血し、意識不明で病院に搬送された。
丁さんの連行後、その教え子は、丁さんのような良い先生がなぜ迫害されるのか理解できず、これほど良い先生にはもう出会えないと悲しんだという。
(続く)