【明慧日本2021年12月6日】(前号より続く)
実例八、夫の命日 大連産婦人科の看護師が投獄
2015年3月24日、大連市産婦人科の看護師である法輪功学習者(以下、学習者)の劉新穎さんは、瀋陽市の遼寧省女子刑務所に連行され、5年6カ月間拘禁された。
劉さんの夫・曲輝さんは法輪功を学んでいるとの理由で2001年に大連労働教養所で迫害され、性器が電撃を受けて化膿、脊椎骨が骨折し半身不随になった。そして13年間の苦しみの末、2014年2月19日に他界した。
幸せな家庭だった曲輝さんと妻の劉新穎さん |
2012年7月6日、中国共産党(以下、中共)の大連市政法委員会(治安・司法などを統括する機関)、610弁公室は多数の警官を派遣し、地元市民に真実を報道する海外メディア新唐人のアンテナを設置した学習者約80人の身柄を拘束した。当日午後2時、秀月街派出所の警官は劉さんの身柄を拘束し、身につけていた鍵を奪い劉さん宅に侵入、パソコンや携帯電話、法輪功の書籍などの私物を押収した。
劉さんは何度も身柄を拘束、拘禁された
2014年2月19日に曲輝さんが他界し、劉さんは同年3月21日に身柄を拘束された。そして9月29日午前9時半、大連中山区裁判所は劉さんに対して開廷し、懲役5年6カ月の不当判決を宣告した。劉さんは判決を不服として大連市中級裁判所に上訴したが、再審されることなく棄却された。
劉さんは夫の命日に棄却の連絡を受けた。そして2015年3月24日、劉さんは投獄された。
実例九、大連市の学習者・袁暁曼さんに不当判決、上訴するも棄却
2015年5月以降、中国本土では法輪功迫害の元凶である江沢民を相次いで告訴した。全国各地の学習者及び家族は告発状を中国最高検察庁に郵送し、江沢民の公判を請求した。2015年5月末から同年末までで、明慧ネットには20万人の学習者と家族が実名で最高検察庁、裁判所に提出した告発状の写しが届いた。それによると、大連市においては5097人が3295件の告訴を行なっている。
2016年、袁暁曼さんは江沢民を告訴したとの理由で不当に拘禁された。拘禁されている間、袁さんは妥協せず、法輪功を諦めないとして同年6月20日に逮捕された。
米国で母の無罪放免を呼びかける袁暁曼さんの息子 |
2016年11月16日、中山区裁判所は袁さんに対して開廷した。同年12月、袁さんに懲役3年6カ月、罰金5000元(約8万円)の不当判決を宣告した。袁さんは直ちに上訴するも、大連市中級裁判所は2017年4月26日に棄却した。
大連市の610弁公室は地元の司法機関を操り、江沢民を告訴した学習者とその家族に嫌がらせ、家財押収、連行、拘禁、不当判決などの迫害を加えた。明慧ネットの集計(完全なものではない)によると、大連市の6人の学習者が江沢民を告訴したとの理由で不当判決を宣告されている。袁暁曼さんは3年6カ月、劉玉美さんは懲役3年、罰金2万元(約32万円)、耿仁娥さんは懲役4年、曲桂賢さんは懲役4年、張霞さんは懲役7年5カ月、王淑芳さんは懲役7年6カ月の不当判決を宣告されたという。
学習者が江沢民を告訴することは、被害者として正義を求めるだけでなく、社会正義のためであり、全ての中国人の良い人になる権利を守るためである。江沢民の告訴や迫害に抗議することは、平和的で合法の行為である。
二、周焱は政法委員会の常務副書記に在任中、本を編集して法輪功に濡衣を着せた
2011年9月、ダボス会議が大連で開催された。大連市政法委員会はこれを機に、法輪功の資料やDVDを見かけた場合や、学習者の行動についてコミュニティーに報告するよう市民に通達した。そして、市民に55ページの『居民安全知識図画』を配布したが、この5〜6ページには法輪功を誹謗中傷する内容が書かれていた。この本は2009年5月に大連市社会治安総合管理委員会、中共大連市政法委員会が編集し出版したが、当時、周焱は編集委員会の副主任であった。
周焱が大連市中級裁判所長として在任中、大連の裁判所はネットメディアを通して再三にわたり法輪功及び学習者を誹謗中傷した。いわゆる「邪教に反対するサイト」(中共こそ本当の邪教である)で「遼寧省大連の夫婦は法輪功を宣伝して判決を宣告された」という内容で法輪功を誹謗中傷し、市民に虚偽を伝えた。
2012年2月4日、遼寧省大連市金州区人民裁判所は学習者・閆清華さんに懲役3年6カ月、罰金8000元(約13万円)、丁国晨さんに懲役2年、罰金5000元(約8万円)の不当判決を宣告した(詳細は実例七を参照)。
2017年12月22日、大連市旅順口区の学習者・盛傑さんは地元裁判所に懲役7年6カ月、罰金3万元(約48万円)の重刑を宣告された。盛さんは判決を不服とし、大連市中級裁判所に上訴した。しかし2018年3月中旬、中級裁判所は家族に知らせないままに、盛さんが転向しないことを確認すると、棄却の通知書を出した。2018年7月24日、『大連夕刊』『半島朝刊』は「旅順口区のある女性は法輪功を宣伝して禁固刑に処された」とする文章を掲載し、盛さんを悪い手本として市民を惑わした。さらに、旅順市公安局、検察庁、裁判所などの司法機関が法律に違反したことを隠蔽した。つまり、『憲法』第36条に定められた信仰の自由、第35条に定められた言論の自由、第37条の国民の人身自由権、第39条の国民住宅に侵入してはいけない法律に違反し、国民の信仰の自由を奪い、職権を濫用し、法を曲げたのだ。
学習者・盛傑さん(63歳女性)は旅順口区の得胜街道に在住。かつて重度の高血圧などの病気を患い、仕事も家事もできず、横たわることしかできなかった。法輪功を学んでから健康を取り戻し、仕事と家事を両立することができるようになり、それを見た友人は、法輪功を学ぶことを支持するようになった。
三、学習者に不当な金銭要求
明慧ネットの集計によると、周焱が大連市中級裁判所に在任中、大連の裁判所及び公安は学習者らに136万元(約2200万円)もの不当な金銭を要求したという。そのうち、裁判所の罰金として59万元(約940万円)、警官による押収が77万元(約1200万円)である。
大連市の学習者・任海飛さん、孫中麗さんは1年以上拘禁されていた。10月14日、任さんは懲役10年、罰金10万元、孫さんは懲役7年、罰金7万元の実刑判決を宣告された。2017年12月22日、大連市旅順裁判所は学習者・劉仁秋さんに懲役10年、罰金5万元、政治権利の4年間剥奪という判決を宣告した。
2018年5月30日、大連市沙河口区裁判所は学習者・張仁光さんに9年6カ月、罰金2万元、王尚傑さんに懲役8年、罰金1万元、韓建海さんに懲役8年、罰金1万元、李静波さんに懲役3年、3年の執行猶予、罰金2000元、居住監視の不当判決を宣告した。
(2015年~2021年10月)
名前 | 省 | 市 | 区県 | 刑期 | 判決の年 | 判決の月 | 江沢民告訴 | 罰金(元) | 警官による強要 |
任海飛 | 遼寧 | 大連 | 10年 | 2021 | 10 | 100,000 | 750,000 | ||
孫中麗 | 遼寧 | 大連 | 7年 | 2021 | 10 | 70,000 | |||
劉仁秋 | 遼寧 | 大連 | 2017 | 12 | 50,000 | ||||
战淑華 | 遼寧 | 大連 | 8年 | 2018 | 7 | 30,000 | |||
林茂成 | 遼寧 | 大連 | 金州区 | 5年 | 2021 | 6 | 30,000 | ||
劉玉美 | 遼寧 | 大連 | 3年 | 2016 | 9 | 江沢民告訴 | 20,000 | ||
張仁光 | 遼寧 | 大連 | 9年半 | 2018 | 5 | 20,000 | |||
李新平 | 遼寧 | 大連 | 3年 | 2021 | 9 | 20,000 | |||
付麗華 | 遼寧 | 大連 | 旅順口 | 3年 | 2021 | 10 | 20,000 | ||
張翠 | 遼寧 | 大連 | 2年6カ月 | 2021 | 11 | 20,000 | |||
馬雪青 | 遼寧 | 大連 | 3年6カ月 | 2016 | 12 | 10,000 | |||
文英 | 遼寧 | 大連 | 7年 | 2017 | 4 | 10,000 | |||
李錦玲 | 遼寧 | 大連 | 3年半 | 2017 | 4 | 10,000 | |||
徐桂蘭 | 遼寧 | 大連 | 7年 | 2017 | 7 | 10,000 | |||
王闖 | 遼寧 | 大連 | 7年 | 2017 | 7 | 10,000 | |||
孔慶春 | 遼寧 | 大連 | 4年 | 2017 | 5 | 10,000 | |||
王尚杰 | 遼寧 | 大連 | 8年 | 2018 | 5 | 10,000 | |||
韓建海 | 遼寧 | 大連 | 8年 | 2018 | 5 | 10,000 | |||
周鴻旭 | 遼寧 | 大連 | 3年6カ月 | 2019 | 1 | 10,000 | |||
朱偉君 | 遼寧 | 大連 | 4年 | 2019 | 6 | 10,000 | |||
于英花 | 遼寧 | 大連 | 旅順口区 | 3年半 | 2020 | 9 | 10,000 |
結び:
明慧ネットは『法輪功を迫害し、19年間で2万人以上が悪報』を発表した。それは、1999年7月から2018年7月までの19年間、法輪功への迫害に加担した者が受けた悪報を明慧ネットが整理したものである。その集計(完全なものではない)によると、19年間で20,784人が悪報を受けている。それには、巻き込まれた親族など4,149人が含まれる。悪報の内容は死亡が最も多く7,405人に上り、全体の35.6%を占めている。また、公安系関係者が4,540人で全体の26.5%を占め、その親族は972人である。司法関係者は本人とその親族を含む336人が悪報を受けた。
およそのデータから、20,784人のうち310人が悪報を受けた後に学習者の話を聞き入れ、迫害に消極的に対応するようになった。迫害の職場から異動したり、迫害に関わらなくなったり、よく真相を理解した人で病気が完治したケースもある。
学習者は、迫害者が悪を行うのを防ぎ、加害者として悪報を受けないよう人々を救っている。
(完)
(注:学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)