文/中国東北の大法弟子
【明慧日本2023年4月12日】(前文に続く)
四、心を込めて救出にあたり、何も求めない
救出プロジェクトに携わる中で、私が一番心得たことは、同修のことを自分のことだと思い、地道に心を込めて行い、何も求めてはいけないことでした。同修の救出も、司法系統の衆生を救うことにおいても、粘り強く取り組んでいくことが肝心だと考えています。
この2年間、私は数人の地元の同修の救出に参加しました。そのうちの1人のCさんは名前を聞いたことがあるだけで、接したことはありませんでした。年明けて早々、Cさんが連行されたと聞きました。後に聞いた話では、ある同修がCさんの家族を訪ねに行っても、誰も救出に興味を示さず、同修である親族でさえ気に止めていなかったそうです。また、同修たちのCさんに対する否定的なコメントも耳にしました。
いずれにしても、同修が迫害されているので、見て見ぬふりはできないと思った私は、Cさんの親族である同修のMさんに連絡することを試みました。しかし、連絡がつかないうちに、地元のすべてのコミュニティが封鎖され、出入りできなくなりました。気がつけば、Cさんが連行されて3カ月も経っていて何の消息もなく、救出に取り組んでいる同修もおらず、私はずっとこのことを気にしていました。
ある日、私は早起きをしてある同修の家に行きました。たまたまこの同修はMさんの家の住所を知っていて、行ったことはありませんでしたが、私たちは早速訪ねて行き、何の苦労もなしにすぐに見つかり、Mさんもちょうど家にいました。
最初、Mさんは自分の身内であるCさんが普段からいかに威張っていて、何々が悪くて、何々の欠点があると愚痴をこぼしていました。そう言っているうちに、Mさんの孫娘が突然部屋に入ってきて、「おばあちゃん、鍋に火がついていて燃えている」と言いました。処置を終えて戻ってきたMさんは今度、子供に文句を言いました。私は「火事になったことは、身内の救出が急務だと暗示しているのではないでしょうか? あなたは文句ばかりを言っていますが、怒りが度を過ぎたのではないでしょうか?」と言いました。その時、Mさんも落ち着いてきて、私たちをCさんの夫のところに連れて行き、弁護士と連絡を取りました。
当日、私たちは果物を持ってCさんの夫を訪ねました。私はこう言いました。「まずは奥さんの状況を知るために、弁護士に会うことをお勧めします。費用は私たちが出します。あなたは何もする必要がなく、関係書類を出してくれれば結構です。奥さんとは面識がないのですが、ただ話を聞いて来ました。大法弟子は一体なので、彼女のことは私のことであり、あなたの家のことは私たち全員のことなので、放っておくことはできません」と言うとCさんのご主人は同意してくれました。
その夜、私たちはまたCさんの夫のところに行き、面会に必要な書類などを整えました。翌日、弁護士は問題なくCさんに会いました。面会当日、Cさんの夫とMさんも行きました。ご主人は自ら弁護士費用を負担し、「お金の問題ではなく、いつも迫害されていて、もううんざりです」と言い、私たちに金銭の負担を求めませんでした。
家族の気持ちも理解できますが、同修を助けることが大法弟子の責任であることを私は十分わかっています。半年余りの救出の過程で、私は同修たちと一緒に弁護士に連絡してCさんに会い、彼女が師父の説法を思い出し、内に向けて探し、自分を正すことを手助けし、彼女が法律の知識を身につけて迫害に対抗する自信を高め、正念を持つように助力しました。さらに、親戚や友人が彼女を救出するために積極的に動いていることを彼女に知らせ、励まして彼女に大法弟子全体の力を感じさせました。
その後、Mさんも同修たちの励ましと助けを得て、親友の弁護人としてCさんの救出に加わりました。Mさんは毎日学法と煉功、および発正念をよく行っていますが、救助の過程で積極的になったり怯んだりして、状態は良くありませんでした。私たちは焦らず、怨まず、諦めずに何度もMさんと交流し、彼女が劣等感とマイナス思考を取り除くよう助けました。Mさんもこの過程で絶えず心性を高め、多くの困難を克服し、人心を乗り越え、今日まで歩んできています。
ある日、Mさんはまたも諦めたくなりました。この一念が出た後、彼女は数日間ぼんやりしていて、学法のときも煉功のときもはっきりした意識を保つことができず、急に状態がおかしくなったと感じました。孫娘は、「おばあちゃん、他の同修も諦めていないのに、どうして簡単に諦めたの?」と言いました。彼女は夢の中で同修と一緒に葱(中国語の発音では「突き進む」と似ている)を引き抜いているのを見て、師父が前に突き進むよう啓示してくださったと悟りました。
交流の際、同修たちは次のことを悟りました。「救出プロジェクトを選んだ以上、私たちには戻る道はなく、前に進むしかありません。できなかったとき、口実を探しません。なぜなら、衆生を救うことは大法弟子の責任と使命だからです」
五、同修の親族を自分の身内と考える
邪悪による同修への迫害の最大の犠牲者は、彼らの親族です。愛する人を失った日々の中で、彼らは孤独と寂しさ、迷い、無気力を感じ、打撃を受ける中で1日が1年のように長く感じ、苦痛に耐えています。
迫害された同修の家族と親族は、同修の修煉を支持し、大法とは何かを理解している者であろうと、反対の態度を取ってきた者であろうと、たとえその親族が大法弟子であっても、実はこの時、皆が他人、特に大法弟子による慰めと援助を必要としています。私たちからタイムリーな援助と関心と励ましを受ける中で、彼らは大法弟子の善良さと無私さを感じ取ることができます。
今年の中秋節の前、私は2人の同修と一緒に、迫害されている5人の同修の家族(肉親)を訪ねました。5人の同修の中には、不当に収監されて間もない者もいれば、獄中で迫害を受けている者もいて、中共の裁判所から不当な判決を受けたばかりの者もいました。
行く前に、同修たちは簡単な交流を行ない、今回の訪問の意義を明確にしました。それは、祝日の挨拶として出向くことにして、家族にいかなる圧力も与えないことでした。迫害に遭った同修の肉親も私たちの肉親です。私たち大法弟子は一体であり、善を持って彼らに接するべきです。
私たちはあらかじめ用意した祝日のプレゼントを持参し、お祝いの言葉を綴った中秋の挨拶状を同封し、さらに迫害の実態が書かれたリーフレットとプレイヤーも添えました。
私たちは無私で純粋な心でやっているので、すべてがとても順調でした。アポも電話もしていませんでしたが、どの家に行っても家人が在宅していました。普段会えない親戚にも思いがけずに会うことができ、顔認識が必要なコミュニティにも順調に入れました。
また、家族とのコミュニケーションも良好でした。これまで同修を警戒していた家族も、今回は心を開いて話してくれました。今まで無表情で何も言わなかった1人の家族も、笑顔で率先して話しかけてきてくれました。ある家族は私たちが来たのを見て、親切に飲み物を持ってきて、歓迎してくれました。もう1人は、私たちを自分の家族のように思い、何でも話してくれました。私たちが帰るとき、彼らは名残り惜しそうに送ってくれました。
救出プロジェクトを通して、私はこのように体得しました。迫害された同修の肉親は自分の肉親でもあり、真心から彼らに接し、できる限り彼らのことを気にかけ、祝祭日には挨拶をすることを忘れてはいけません。彼らも救いを待っている衆生なのです。
注:
[1] 李洪志師父の経文:『精進要旨』「はっきりと目覚めよ」
(明慧ネット第19回中国大陸大法弟子修煉体験交流会)