【明慧日本2023年8月11日】明慧ネットの統計によると2023年7月、74人の法輪功学習者(以下、学習者)が不当判決を受けたことが判明した。不当な判決は中国の17の省、自治区、直轄市に及んでいる。その中で、60歳以上の30人の学習者が不当な判決を宣告された。最年長は80歳である。中国共産党(以下、中共)当局の法曹部門の関係者が学習者から強制的に奪い取った現金の総額は17万3000元に上った。2023年1~7月、773人の学習者が不当判決を下されたという。
(注:不当な判決を宣告された日にちは数カ月もしくは数年前のこともある。今年7月に情報の確認が取れて、明慧に報道されたもの)
一、地域、刑期別の分布表
2023年7月、74人の学習者が不当な判決を宣告される |
2023年7月、74人の学習者が不当な判決を宣告された刑期分布表 |
情報の収集期間は2023年7月1日から7月31日まで、明慧ネットに掲載された情報である。
迫害された状況の一部
1、北京の郎東月さんに懲役9年の不当判決
北京市延慶区の学習者・郎東月さんは、長年にわたって迫害を受け、家を出て放浪生活を余儀なくされていた。2021年12月14日、郎さんは河北省張家口市の懐来県で不当に連行され、その後当局に起訴され、今年3月8日、裁判にかけられた。証拠不十分のため、法廷審理は途中で中断した。しかし、最近の情報によると、郎さんは張家口市宣化区裁判所により懲役9年の不当判決、罰金1万5千元(約30万円)を科されたという。
郎さんの夫・王連義さんも長年にわたって迫害され、プレッシャーで限界となり、2022年4月に死亡した。
北京市延慶区延慶鎮上水磨村に住む郎さんは、幼少期から喘息と全身の疥癬に苦しんでおり、安らかに睡眠が10分間取れるだけでも贅沢なことだった。農作業などは一切できず、数10年間にわたって治療を受けてきたが治らなかった。1998年6月、郎さんは法輪功を学んで間もなく1円もかからず全身の病気が消えたという。
中共の法輪功に対する狂気じみた迫害の中で、郎さんは何度も連行され、5回も不当に労働教養を強要され、そのうち4回は北京市女子労働教養所で、1回は遼寧省馬三家労働教養所で迫害され、合わせて10年以上拘禁された。教養所で郎さんは殴打され、スタンガンで電気ショックを与えられ、強制的に薬を飲まされ、歯を打ち落とされ、吊るし上げられ、性的部位への暴力などの拷問に苦しめられた。
郎さんは2019年に再度、放浪生活を余儀なくされた。2021年12月14日、河北省懐来県のアパートで、郎さんがまだ寝ていたときに、突然押し入ってきた懐来県公安局と沙城南派出所の警官らに連行された。
今年3月8日午前9時、朗さんは張家口宣化区新しい裁判所で裁判を開廷された。
法廷で郎さんは「私は犯罪などしていません」と話した。弁護士は法律に基づき、郎さんの無罪を主張した。しかし証拠不十分のため、法廷審理は継続できなかった。
2、湖北省の範金和さん、懲役1年の不当判決
湖北省安陸(あんりく)市の学習者・範金和さん(男性)は今年2月、警官に連行された。7月3日、安陸市裁判所は範さんに懲役1年の不当判決を言い渡した。
範さんは、安陸市の政府機関に勤める公務員である。1996年に法輪功を学び始めた範さんは法輪功の教えである「真・善・忍」に従って、自分を律し、人柄もよく周りの人からの評価が高かった。
2022年の年末、中国本土での疫病の流行は一気に広がり、ほとんどの人が感染し、多くの死者が出ている。心優しい範さんは、疫病を避ける方法を伝えようと、法輪功の文言が書かれたステッカーを貼り、人々に命を救う万能薬である「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」という心からの九文字を伝えた。しかし、善行をしているにもかかわらず、範さんは中共の警官に連行された。
今年1月25日、安陸市府城派出所の警官が範さんの家に押し入り、監視カメラにステッカーを貼っている範さんの姿が写っていたとの理由で、範さんの家を家宅捜索した。その日、範さんは家にいなかったため、警官はパソコン、プリンター、ステッカーなどを押収した。翌日、範さんは安陸市の国内安全保衛部門(以下、国保)の警官に連行され、15日間拘留された。
2月10日、範さんがまた、15日間拘留された。2月24日、安陸市公安局は範さんに対して逮捕状を発付するとともに、検察庁と結託して、範さんに「法律の実施の妨害」という罪を被せ、範さんを起訴した。6月20日、安陸市裁判所は範さんに対する不当な開廷をした。7月3日、範さんが懲役1年の判決を言い渡された。
范さんは法輪功を学ぶことを堅持しているため、当局に迫害を加えられた。2000年10月、範さんは法輪功迫害の停止を求めたため、連行され、沙洋労働教養所に2年間拘禁されていた。
3、2度の冤罪で12年間拘禁された北京市の龐有さん、3度目の不当判決
北京市昌平区の学習者・龐有さんは、「真・善・忍」の信念を堅持しているとして、裁判所から2度にわたり計12年の判決を言い渡されたことがある。2022年5月2日、法輪功の資料を配布したとして、龐さんは海淀区西三旗派出所の警官に連行された。その後、「保釈」され帰宅した。同年7月28日、龐さんは昌平公安分局平西府派出所の警官に連行され拘禁された。今年4月17日と7月3日、2回にわたり昌平区裁判所に不当に開廷された。7月下旬、龐さんが懲役1年3カ月の判決を言い渡されたという。
龐有さん一家 |
龐さんは以前、北京市朝陽区洼里郷政府(オリンピック村)計画事務所の主任を務めたことがあり、その後、北京旭日不動産会社のマネージャーに就任した。母親が法輪功を学んで白血病が完治したことを目の当たりにした龐さんは、1998年7月に法輪功を学び始め、より良い人になろうと努力をした。
しかし、1999年7.20、中共が法輪功への残酷な迫害を開始した。その後、龐さんは自分の信念を貫いたとして、当時、北京市の共産党の書記だった劉淇は、自ら龐さんへの迫害を命じた。龐さんは何度も連行・拘束され、2000年と2009年の2回、計12年の判決を言い渡された。
4、かつて14年の判決を受けた牡丹江市の姜春梅さん、再び不当判決
黒竜江省チチハル市龍江県の学習者・姜春梅さんはかつて、14年間の冤罪を受け、拘禁された。姜さんは今年2月の初め、警官に連行された。5月24日、龍江県裁判所で不当な裁判を受けた。後日、姜さんが懲役5年の判決を下された。しかし、裁判所は姜さんの控訴を妨害するため姜さんに判決書を渡さなかった。姜さんは「控訴の準備をしている」と、留置場に面会にきた弁護士に伝えた。
姜さんは黒竜江省牡丹江師範学院外国語部の元教師である。年配の両親の世話をするため、2018年にチチハル市龍江県に引っ越した。2020年3月、法輪功の資料を配布した姜さんは、当局の法輪功へのでたらめな宣伝を信じた人に通報された。同年3月27日、龍江県龍華派出所の警官は姜さんを自宅から連行し、家宅捜索をした。その後、姜さんは解放された。
2022年12月18日、姜さんは龍江県公安局の副局長・柳立亭と国保の大隊長・李国峰などの警官によって連行された。警官らは「2020年の案件はまだ終わっていない」と話した。姜さんは断食して迫害に抗議を行い、3日後に「保釈」で帰宅した。今年2月の初め、龍郷派出所の警官は、また、姜さんを連行し、姜さんの案件を龍江県検察庁に渡した。当局の法曹関係者らは裏で結託し、姜さんに懲役5年の判決を下した。
5、かつて7年間拘禁された甘粛省蘭州市の蒋明輝さんに6年の判決
甘粛省蘭州市の学習者・蒋明輝さん(50)は、2021年8月4日に連行され、家宅捜索を受け、留置場に送られた。今年7月19日、蒋さんはすでに蘭州市城関区裁判所に懲役6年の判決と罰金2万元を科されたことがわかった。蒋さんは控訴しているという。
情報筋によると、7月10日前、城関区裁判所の裁判官は蘭州市第三留置場に行き、蒋さんに「もし、罪を認め、罰金を支払えば、あなたを4年の判決にしてやる」と言った。罪を認めるとは、法輪功と法輪功創始者を批判し、懺悔書と決裂書を書くことで、罰金は2万元を支払うことである。蒋さんはそれを固く拒んだ。
蒋さんは北京の北方工業大学を卒業し、就職して、蘭州市機械局計画課の副課長になった。2004年、法輪功の資料を配布した蒋さんが連行され、2005年7月に蘭州市城関区裁判所に懲役7年の判決を言い渡された。蘭州刑務所に収容され、奴隷労働、強制「転向」などの迫害を受けた。刑務所で、蒋さんが毎日、10時間以上ニンニクの皮を剥く労働を強要され、両手はボロボロになった。2007年の初め、蒋さんは独房に拘禁され、4人の受刑者によって監視され、外へ出ること、トイレに行くことも許されず、部屋の中で済ませるようにされた。夜に強制洗脳を行われ、睡眠を奪われ、50数日間も続けられた。2008年3、4月、蒋さんは再度、独房に拘禁され、4人の受刑者に監視され、毎日、手足に枷をつけられ、睡眠を許さないという、「転向」が行われた。
(続く)