ティラーソン国務長官、信教の自由の報告書で法輪功問題に言及
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 【明慧日本2017年8月29日】米国国務省が8月15日に2016年次世界各国の「信仰の自由に関する国際報告書」を公表し、全世界の信仰の自由の状況に注目している。中国及び他の9カ国は、宗教が迫害されている問題があるため、「特別問題国」にリストアップされた。レックス・ティラーソン国務長官は、中国共産党の迫害を懸念し、記者会見の際に2016年に数十人の法輪功学習者が拘留中に死亡したことに言及した。

'美国国务卿蒂勒森表示,二零一六年有数十名法轮功修炼者在被关押期间死亡'
レックス・ティラーソン国務長官

 ティラーソン国務長官は法輪功迫害に注目

 ティラーソン氏は当日の報告で、「信教の自由は、米国の『憲法第一の修正案』に書かれた米国の中核的価値だけではなく、全世界で普遍的な人権だが、現在、全世界で約80%の人々はまだ信仰の自由の権利を持っていない」と強調した。

 「信教の自由が保障されない時、動乱や人権侵害及び極端な暴力主義が更に大きく根を下ろす」、「米国はこれらの問題を無視できない。トランプ政権は、すでに全世界の信教の自由を促進するよう現状を改善しようとしている。国務省も引き続き信仰を堅持する人のために応援する」と発言した。

 同氏は「中国共産党政府は、何千人もの信仰者を迫害したり、拘束や監禁をしている。数十人の法輪功学習者が拘留中に死亡した。ウィグル人とチベットの佛教徒の宗教行為を制限する警官の介入も増える一方だ」と指摘した。

 今年の報告の序言の中で、トランプ大統領は「最初から、米国は信仰の自由を大切にしている国であった。悲しいことに、全世界で多くの人がこのような自由を享受できていない」と述べた。

 トランプ氏は異なる信仰を持つ良い人が、それぞれの良知により、自分の信仰を追求することができるよう希望している。

 中国の信教の自由状況は悪化

 中国共産党は国民の信教の自由の権利をひどく侵害しており、1999年から中国は「特別問題国」にリストアップされた。2016年10月、アメリカ国務省は中国、スーダン、朝鮮、ミャンマーなどの10カ国を特別問題国に挙げた。

 報告書には、「宗教的信念を持つ人々は依然として拘禁、逮捕され、拷問を受けているキリスト教徒や法輪功、天主教、チベット人などの団体を含めて、異なる程度の迫害を受けている」

 「数十人の法輪功学習者が拘束中に死亡した。河南省の李建功牧師と夫人の丁翆梅さんは、教会を強制的に取り壊すことに反対したため、生き埋めにされ、丁さんは窒息死。河北省の楊神父は行方不明。回族の人権活動家の金重斉さんは自殺とされた」と記されている。

 法輪功への迫害で、多数の死者

 報告書には、「2016年には、80人の法輪功学習者が拘束中または釈放直後に死亡。少なくとも3403人の学習者が監禁され、330人に有罪判決が下った。実際に逮捕された学習者の人数はこれを上回る可能性がある」と記されている。

 報告書には、数件の迫害例も記載された。「2016年1月、河北省の法輪功学習者・闫国艷さんは江沢民を告訴したため、連行されて拘束中に拷問を受け、体が衰弱し家に返された後、3月13日に死亡。2015年11月9日、山東省の法輪功学習者・孫明強さんは済南陸軍学院の外で学生に法輪功迫害の状況を説明したため、当校の警官に殴打され、頭蓋骨に穴が開き当月死亡。僅か35歳。案件は2016年3月に公表され報道された」

 中国共産党は未だに学習者を迫害し信仰を諦めさせようとしている。洗脳班での強制的な転向や、子どもの入学条件で家族を脅迫して信仰を諦めさせることを含む。

 非政府組織と国際メディアの報道では、法輪功学習者への連行は敏感日と中国共産党の両会の間に増加している。中国共産党は法輪功学習者の状況報告を指示し、情報提供者にボーナスを支給。海外団体の報道では、千人以上の法輪功学習者が3年の判決を下された。

 報告書は3年連続で法輪功学習者・王治文さんと、キリスト教徒の高智晟弁護士について言及した。

 15年の服役を経た王治文さんは14年10月に釈放されたが、その後も当局の監視下に置かれている。アメリカ在住の娘と一緒に暮らすことを希望していたが、水際で出国を阻止された。16年8月、当局は王さんのパスポートを無効にし、18年まで出国禁止を通告。王さんの健康状況が懸念されている。

 2016年6月に、キリスト教徒や法輪功学習者の弁護を積極的に引き受けていた高智晟弁護士は、これまで受けてきた迫害を書いた本を台湾で出版した。刑務所では、歯が全部抜けるほど惨い暴行を受けたことなどを記述。2014年に釈放されたが、日常的に嫌がらせを受け、軟禁状態に置かれた。

 迫害は海外にまで及び 他国の信教の自由を侵害

 中国共産党の宗教団体への迫害は香港、マカオの特別行政区及び海外にまで影響している。特に中国に近いアジア太平洋の国と地区の信教の自由をも侵害している。この類の事件も記録された。

 2016年1月に、香港の法輪功学習者は修煉体験交流会を主催し、千人以上の現地や周辺国の学習者が参加したが、警官は「会場内に爆弾がある」との匿名の通報電話を受け、会場の人を追い散らして検査したが、偽の爆弾だった。その後警官側が5人の容疑者を逮捕。この案件は中国共産党が操る青関会と関係があると見られる。

 その他、台湾、ベトナム、タイ、韓国などの共産党と緊密な関係を持つ団体も学習者に対して嫌がらせを行い、中国共産党の脅迫の下で学習者の煉功や、神韻公演への妨害についても報告された。

 法輪功への迫害は無罪、当局は法的根拠なしと認める

 明慧ネットの報道では、過去1年、中国の多くの地方検察院や裁判所と公安部門は連行された法輪功学習者には違法行為がないことを認め、学習者に対する告訴や判決を拒絶したと表した。

 2016年12月23日、重慶市巴南区の裁判所は法輪功学習者・張君さんへの2回目の不当開廷審問の際に、弁護士の質問に対して、「私たちに法輪功がXX教だと証明できる根拠はない。法律の面からも法輪功がXX教だという法規は見つからない。つまり、法律のどの規約でも法輪功がXX教だと表記されていない」と認めた。

 トランプ政権 初めて信教の自由を報告

 2016年の報告はトランプ政権が公表した初めての信教の自由の報告である。中に199カ国と地区の状況を概述した。昨年、この報告は副国務長官により発表されたが、今年はティラーソン国務長官によって発表された。これは同氏が国務長官としての初めての信教の自由の報告だった。

 1998年に公表した『国際信教の自由法案』は、米国務長官が年次ごとに『国際信教の自由の報告』を発表することを要求。報告は国を指定せず、国に対するランキングもしない。ただ具体的なデータだけで、国会と当局政府に進呈して、対外援助や外交資源の配分、難民申請などの政策を作るときに参考にするためである。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2017/8/16/352581.html)
 
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