人の良い冬おばさんと借家人たち
■ 印刷版
 

文/中国の大法弟子

 【明慧日本2017年11月7日】冬おばさんは64歳の大法弟子です。何事にも非常に熱心で、素朴で、若い時は刺繍の仕事がよくできました。賢くて、爽快でしたが、刺繍の仕事で長期に疲れ果てたため、体中が病気だらけになりました。

 冬おばさんは法輪大法を修煉する前は、朝起きたら薬を煎じて飲むことに忙しく、西洋薬と漢方薬をすべて試し尽くしました。でも身体は1日中調子が悪く、骨の折れる仕事はできず、ずっと横になっていました。当時、彼女の夫は炭酸ソーダの製造工場に出勤していましたが、工場の収益がよくなくて、給料を支払うことも出来ませんでした。工場側は、家族の医療費の70%は清算するというルールがありました。毎月、冬おばさんが1千元以上の薬の代金の領収書を持って行くと、工場長は頭を痛めていました。

 2003年のある日、冬おばさんは買い物をするために店に行った時、以前一緒に仕事をしていた人に出会い、その人が冬おばさんに法輪功を推薦してくれました。大法は「真・善・忍」を修煉し、良い人になるように教えていると言われました。それを聞いた善良な冬おばさんは非常に喜んで、大法を学びはじめました。『轉法輪』を一冊購入し、五式の動作も学びました。

 動功をやり始めてまもなく、冬おばさんの身体には奇跡が現れました。今まで毎日薬を飲んでいましたが、それを忘れてしまい、しかも一気に無病状態になり、元気で軽やかな身体状態になり、風を切って歩けるようになりました。それ以来、冬おばさんは薬を飲んだことがありません。野菜を栽培し、水を担ぎ、肥えを担ぐなどどんな骨の折れる仕事も出来るようになりました。若者も冬おばさんには、かないませんでした。

 心身とも恩恵を受けた冬おばさんは、いっそう大法の素晴らしさを感じ、普段から熱心に回りの友人に法輪功を宣伝し、迫害の実態を伝え、多くの人達が法輪功が中国共産党により、誹謗中傷されていると分かってきました。

 冬おばさんの家は郊外にありましたが、下屋(げや)を幾つか持っていて、長期に渡り人に貸出していました。家を借りる人の大多数は出稼ぎに訪れた農民で、経済的にゆとりがなく、人の出入りも激しいものでした。一年間泊まる人、6カ月、ひいては2、3カ月泊まる人もいました。冬おばさんは退職金が少なかったですが、出稼ぎに出て来た人達の生活の困難さを考慮して、家賃は非常に安くしていました。冬おばさんは一人一人の借家人に対して熱く待遇し、何事も周到で、損得を度外視して貸していました。

 一度単身の借家人が食事のため外出しましたが、家を出る時タバコに火をつけ歩きながらタバコを吸い、使用済みの紙のゴミの山の前を通る際に、ついでに吸い殻をその紙のゴミの山に捨てました。その瞬間火花が非常に高くまで飛び、人が火の玉のようになり火傷を負いました。通行人がその人を病院に送りました。翌日、その人の妹が身の回りの物を取りに訪れました。冬おばさんは直ちに100元を取り出し、その妹に渡しました。「同じ庭を囲んで住んでいることは縁によるものです。彼に何か美味しい物でも買ってあげてください。少額ですが私の気持ちです」と渡しました。その借家人が退院後、当分の間、自分で出来ないことを冬おばさんは完全に回復するまで、彼の面倒を見ました。

 2011年、他の借家人で三十数歳の若者がいました。彼は弟が天津からお金を借りたいと言って、電話をかけてきたと言いました。若者は一日中東奔西走し、走り回ってもお金を借りることができませんでした。彼は冬おばさんに弟は天津で架線工事の仕事をしていて、数カ月後工事が終わってから給料をもらうことになっていると言いました。そして弟の嫁は妊娠7、8カ月で家に帰るお金がなくて、2人とも天津の駅に寝泊まりしていることを知りました。冬おばさんは「自分は修煉者だ、私は母親でもあるし、妊娠7、8カ月で駅に滞在していたら、どうなるだろうか」と心配し、すぐに600元をその若者に渡しました。しかし、600元では汽車の切符代が足りないということを聞き、さらに200元を渡しました。そして、その弟夫婦は順調に兄の所にやって来ました。弟夫婦は冬おばさんの部屋を1つ借りて住みました。ある日の朝7時頃、弟が冬おばさんの所に走って来て、妻が一晩中お腹を痛めていたと告げました。冬おばさんは弟の妻がそろそろ出産するだろうと判断して、自分の3歳の姪を一時期、借家人に面倒をみてもらうことにして、タクシーを1台呼びました。そして、彼らに早く病院に行くように勧めました。

 その弟は非常に不安を感じながら、「病院に行ってもお金がありません。ボスがまだ給料を振り込んでくれていません。どうしようか」と言いました。冬おばさんは出産が小さな事ではないと知っていましたので、すぐに1千元を借りてきました。しかし、なんとこの時弟の妻は一歩も歩けなくなり、破水していました。これはどうすればよいのか、冬おばさんは電話して助産できる人を探しました。しかし、家で子供を生むと聞いて誰もが怖がり、さらに他所から出稼ぎに来ていると聞くと、何の因縁もないから、誰も手伝いをしてくれませんでした。しかたなく、冬おばさんは慌てて子供が生まれる時に必要な物を準備し、水を沸かしました。弟夫婦は子供のために衣服や布団を準備することも知っておらず、何も準備していなかったのです。冬おばさんは自宅にある使えそうな物をすべて取り出し、まるで自分の娘を手伝うようでした。また若い夫婦に真心で「法輪大法はすばらしい、真・善・忍はすばらしい」と念じるように告げると、若い夫婦は絶えず念じました。やっと女の子が生まれ、親子とも無事でした。

 子供が生まれて8日後、冬おばさんが外出して帰って来ると、ほかの借家人が、この一家は立ち去って行った、と告げました。冬おばさんは心配して「産後の肥立ちなのに、こんな大風が吹き、親も子供も大丈夫かな?」と心配しました。他の借家人は「あなたは人のために心配しているが、彼らはあなたに借りたお金が払えないから逃げたんだ」と言いました。最初、冬おばさんも数日間心中穏やかではありませんでした。しかし、考えを変えてみると、「私は修煉者だ、どんなことも偶然はない、もしかして前世で彼らに借りがあったのかもしれない、彼ら一家が無事であればそれでよい」と思いました。

 それから、冬おばさんの借家人は、相変わらず絶え間なく入れ代わりましたが、新しい借家人は皆、冬おばさんが大法の真相を伝える忠実な良き聞き手でした。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2017/11/1/354199.html)
 
関連文章