2020年1月~5月、27人の法輪功学習者が迫害死
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 【明慧日本2020年6月18日】(中国=明慧記者)明慧ネットの統計資料によると、2020年1月から5月の間に、少なくとも27人の法輪功学習者が迫害により死亡した。そのうち10人は留置場や刑務所に収容されている間に死亡し、死亡者数の37%を占めている。そのうちの26人は生前に実刑判決を宣告され、労働教養を強いられ、刑務所、労働教養所、留置場に拘禁されたことがあり、最も長い刑期は懲役14年である。学習者たちは長期にわたり拷問を受け、薬物による迫害をされ、重労働の労役を強制されたため、肉体的にも、精神的にも大きなダメージを受けた。

 1月から5月までの感染症が拡散する期間中に、中共の刑務所と留置場は閉鎖した管理方式を実施し、不当に拘禁された法輪功学習者に対して、非人道的な方法で強制的に転向が行なっわれていても、親族との面会が遮断されているため、刑務所内での犯罪行為が外部にはわかりずらい。

 2020年5月13日の世界法輪大法デーの当日、河南省の60代の法輪功学習者・張志温さんは、家に侵入した警官らにより連行され、許昌市留置場へ拘束された3日後に、留置場内で致死する。

2020年1至5月在迫害中离世的部分法轮功学员(上排从左至右:胡林、周秀珍、高艳,下排从左至右:肖永芬、林桂芝、于永满)

2020年1~5月、迫害により死亡した一部の法輪功学習者(上段左から胡林さん、周秀珍さん、肖永芬さん、下段左から高艶さん、林桂芝さん、于永満さん)

2020年1~5月、迫害により死亡した法輪功学習者の人数統計表

名 前 性别 年齢 省、直轄市 区 県  職  務 死亡月 拘禁中に致死する
李惠丰 48 黒竜江省 チチハル     1  
范文秀 53 湖南省 岳陽市 君山区   1  
李桂荣 78 遼寧省 瀋陽市 大東区 小学校校長 1 遼寧省女子刑務所
肖永芬   吉林省 長春市 德惠市   1 吉林長春蘭家女子刑務所
吴秀芳 64 遼寧省 錦州市     2  
胡林 47 遼寧省 瀋陽市   航空エンジニア 2 瀋陽市康家山刑務所
张振才   遼寧省 錦州市 黒山県   2 大連某刑務所
于永满 65 遼寧省 遼陽市     2 遼陽市留置場
商贵民 55 黒竜江省 ハルビン 木蘭県   2  
林桂芝 56 遼寧省 朝陽市 双塔区   2  
张燕 46 四川省 綿陽市   音楽教師 2  
赵成林 58 遼寧省 本溪市 軍医 医者 2  
邹立明 66 遼寧省 盤錦市     3 大連刑務所
肖美君 72 湖南省 衡陽市     3  
陈孝民 51 河南省 洛陽市 洛寧県   3  
马淑芬 80 河南省 洛陽市     3  
李少臣   77 天津市       3 天津市濱海刑務所
常学玲 55 遼寧省 大連市     3  
吴佩文 55 広東省 汕頭市     4  
周秀珍   河北省 唐山市   中学校教師 4  
兰立华 49 遼寧省 瀋陽市     4 遼寧省女子刑務所
高艳 49 北京市   順義区   4  
罗学放 67 四川省 広安市 隣水県   4 楽山刑務所
唐小宝 70 江西省 鹰潭市     4  
刘发庭 74 安徽省 宿州市 萧県 農民 5  
张志温 60代 河南省 許昌市 禹州市   5 許昌市留置場
王国珍 70 吉林省 松原市     5  

 迫害により致死された一部の実例

 ◇河南の学習者・張志温さんは連行され、3日後に死亡

 河南省禹州市の60代の法輪功学習者・張志温さんは2020年5月13日、自宅に押し入って来た警官らにより連行され、許昌市留置場に入れられた。3日後の5月17日午前に、家族は張さんが死亡したと告げられた。

 5月13日の午前9時ごろ、禹州市国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関)と南城派出所の警官らは張さんの家に押し入り、掃除中だった張さんとその場にいた学習者・喬書紅さん(30代)を連行した。

 翌日、家族はあちこちを探し回り、張さんが許昌市女子留置場に収容されていることが分かった。5月15日、家族は留置場へ張さんの衣類と薬(糖尿病の薬)を届けたが、留置場側は「ここは状況を十分把握しており、あらゆる薬が用意されている」と届けた物品を受け取らなかった。5月17日、家族はこの案件の担当に張さんの状況を電話で確認したところ、「すでに死亡した」と知らされた。

 ◇瀋陽市47歳の航空エンジニアの胡林さん、迫害死

胡林

胡林さん

 遼寧省瀋陽市の47歳の航空エンジニアで、法輪功学習者・胡林さんは2019年5月23日に、法輪功迫害の真相資料を配布している際に連行され、懲役2年の実刑判決を宣告された。そして、2020年2月16日、胡さんは瀋陽市康家山刑務所で残忍な迫害により、死亡した。

 胡さんは「真・善・忍」を堅持し続けたため、何度も連行され、拘禁され、労働教養処分などの迫害を受けた。拘禁されていた間、胡さんは猛打され、スタンガンで電気ショックを受け、縛り上げられ、睡眠を剥奪され、奴隷のように労働をさせられて、酷い拷問を加えられた。警官らはスタンガンで胡さんの膝、手の指先、足の指先、生殖器に長時間にわたり電気ショックを与えたり、ニンニクをつぶして目に付けたり、タバコの煙で燻したりした。

中共酷刑示意图:电击

拷問のイメージ図:スタンガンで電気ショックを加える

 ◇遼寧省本渓市の学習者・趙成林さんは迫害により死亡

 遼寧省本渓市の法輪功学習者で、軍医でもある趙成林さんは、かつて2回の実刑判決を言い渡され、計13年間にわたり刑務所に拘禁され、体に大きな障害を与えられた。そして、趙さんは2020年2月15日、冤罪の晴れないまま、この世を去った。享年58歳であった。

 趙さんは本渓橋頭高砲団の元軍医で、妻の王麗娟さんは本渓市商業学校の元教師である。一家は仲良く過ごし、円満な家庭だった。そして、趙さんと妻は長い間、寝たきりで自立生活のできない母親の介護をしていたが、一言の苦労話も言わなかった。

 本渓公安局は、趙さん夫婦を「重要人物」と見なして、残忍な迫害を加えた。

 趙さんは本渓市労働教養所で「伸ばす刑」により苦しめられた。また、2002年10月に、趙さんは渓湖区裁判所に懲役9年の重刑を言い渡された。

酷刑演示:抻床

拷問の再現:「伸ばす刑」でベッドにかけられる

 遼寧省瓦房店刑務所に収容された趙さんは「転向」を拒否したため、警官に指図された受刑者らに猛打され、血を吐いて歩けなくなった。それにもかかわらず、独房に2カ月間拘禁された。

 瀋陽の康家刑務所で、趙さんはよく湯を沸かす部屋に引きずり込まれ、体に冷たい水をかけられていたという。迫害に抵抗したため、趙さんは口を無理やりにこじ開けられたため、数本の歯が抜け落ちた。

 ◇妻が亡くなったばかりの夫の楊玉良さんと娘が連行される

 夫と10年間放浪生活をした北京市順義区の法輪功学習者・高艶さん(49)は、労働教養を強いられ、長期にわたって嫌がらせを受け、恐喝される中で、2020年4月22日に死亡した。葬儀の事がまだ終わっていない、2020年4月27日、順義区の国内安全保衛部門の警官らは再び家までやって来て、夫の楊玉良さんと娘の楊丹丹さんを連行した。また、その少し前の2020年4月7日に、楊さんの父親も亡くなったばかりだった。

高艳

高艶さん

 近所の人たちはこの話を聞いて、「警官らは理不尽過ぎます。一家は迫害されてこんな状況になってしまったのに、まだ、嫌がらせや罪を加えようとしている。本当に罰当たりのことをする」とみな同情した。

 高艶さんは1998年に法輪功を学び始め、心身とも受益した。1999年7月、中共による法輪功への迫害が始まって以来、高さんと夫の楊さんは何度もひどい迫害を受けた。そのため、夫婦は10年の間、放浪生活を余儀なくされた。この期間中、高さんと楊さんは同時に2年の労働教養を強いられたことがあり、楊さんは北京の大興新安労働教養所でひどく迫害され、高さんは内モンゴルのフフホト女子労働教養所でひどく迫害された。夫婦2人ともに洗脳による残酷な迫害により苦しめられ、精神的にも肉体的にも大きな障害を負った。楊さんは内臓のほとんどが衰弱し、高さんは高血圧、生理不順、内分泌疾患などの症状が現れた。

 2013年、夫婦は出所して帰宅したが、高さんの体はあれ以来ずっと回復せず、歩くことや農作業も大変困難になった。しかし、地元の警官らは相変わらず、絶え間なく嫌がらせを働き、警官らが来るたびに高さんは極度に緊張し、足が震えるほどだった。

 ずっと恐怖の中で生活していた高さんは、2020年4月17日の午前4時、突然に脳出血になり、22日午後8時に亡くなった。

 高さんが亡くなったわずか5日後の2020年4月27日、葬儀がまだ終わっていないのに、順義支局と名乗る警官らが7、8人家にやって来て、法輪功の書籍7、8冊を押収し、夫の楊さんと娘の楊丹丹さんを連行した。

 楊さんは「父が4月7日に他界し、間もなくして、また妻までがこの4月22日に相次いで、亡くなりました。家族の2人がこの世を去ったばかりなのに、あなた達はまた何をしようとするのですか?」と警官に訴えたが、警官らは有無を言わせず、楊さんと娘をパトカーに押し込んだ。警官は核酸検査(感染の有無)をすると嘘を言い、検査費用として1000元以上(およそ1万5000円)を強請り取った。

 ◇安徽簫県の74歳のおとなしい農民の劉発庭さんが迫害死

 安徽省簫県の法輪功学習者・劉発庭さん(74)は不当に連行されてから、懲役3年6カ月の刑期を終えて2019年1月に出所したが、常に血痰が出ており、診断結果は肺がんだった。2020年5月2日にこの世を去った。亡くなる2日前に、簫県の610弁公室と宿州政法委の一団が劉さん宅へ来て、嫌がらせをした。

 2020年4月30日、簫県610弁公室と宿州政法委、および村の共産党委員会の人員らが、再び劉さん宅を訪れた。その時の劉さんはすでに排泄も自力で行けず、意識が朦朧として息も絶え絶えだった。当局の関係者らは劉さんの病状を知ったものの、苦しんでいる劉さんの一家を前にして、さらに、酷く脅かして悲惨な目に合わせた。

 2日後の2020年5月2日午後7時40分、20年以上にわたる迫害を受けた劉さんは死亡した。

 ◇羅学放さんは四川省楽山市の嘉州刑務所で迫害死

 四川省隣水県の法輪功学習者・羅学放さん、李坤菊さん夫婦は2014年7月に、四川省県国内安全保衛部門の警官らに連行され、ともに懲役7年の判決を言い渡された。2017年4月に四川省楽山刑務所に収容された羅さんは、2020年4月、刑務所の残酷な迫害により死亡した。享年67歳だった。しかし、刑務所側は羅さんの家族に「羅学放の死因は、脳出血による突然死だった」と告げた。

 四川省楽山市の嘉州刑務所は、2013年に元四川省五馬坪刑務所と楽山沙湾刑務所が合併されたものである。そして、嘉州刑務所は楽山市全福鎮に移転し、正門の外には「晨馬グループ有限会社」という看板を掲げた。

 楽山刑務所は法輪功学習者に「転向」させ、「三書」を書かせたり、毎月、思想状況を書かせたりして、精神的にもひどい苦しみを与えた。これらに従わない者は厳格に管理したり、集中して訓練隊に入れたり、唐辛子の水を顔にかけたりした。さらには、刑務所は「減刑」をエサにして受刑者を利用してずっと監視させ、ひどく拷問するなどして、「真・善・忍」を遵守する学習者に対して肉体的にも、精神的にも残忍な迫害を加えている。このために、当刑務所では毎年2人もの学習者が迫害のために死亡している。

 ◇夫を救出するため唐山市の周秀珍さんが迫害により死亡

 河北省唐山市の法輪功学習者・周秀珍さんは、夫の卞麗潮さんを救出するため懲役12年の実刑判決を宣告され、娘の卞曉暉さんと一緒に連行されて、判決を下された。周さんは、河北省女子刑務所で残酷な迫害を受け続け、腹水がたまり、肝硬変で肝臓の機能が低下し死ぬ寸前になったため、仮釈放された。しかし、周さんはその後も絶え間ない嫌がらせが続く中で、2020年4月19日、冤罪が晴れぬままこの世を去った。

周秀珍

周秀珍さん

 周さんの夫の卞麗潮さんは唐山開灤第十中学校の元教師で、心臓病と高血圧を患っていたが、1997年から法輪功を修煉して病が治った。それ以来、周さんや夫の卞麗潮さん、娘の卞曉暉さんは幸せな日々を過ごしていた。

 しかし、卞麗潮さんは「真・善・忍」の信仰を堅持したという理由だけで、2012年2月25日に自宅で連行され、家財と十数万元の現金を押収された。その後、懲役12年の実刑判決を宣告され、2012年12月に保定刑務所に移送された。その後、2013年初め頃、卞さんは秘密裏に石家荘刑務所へ移送された。

 それを知った周さんと娘の卞曉暉さんは急いで卞麗潮さんを救うために、強暴な勢力を恐れず、当局により卞麗潮さんへの残忍な迫害を公開し、各界の人達に注目して頂くよう呼びかけた。この行動に対して、唐山市の公安局、検察庁、裁判所および石家荘刑務所側の人員は怒りを感じた。

 2014年3月12日、石家荘国内安全保衛部門の警官らは、父親に面会に行く娘の卞曉暉さんを連行し、さらに、駅で親戚の陳英華さんまで連行した。翌日、唐山市地元の派出所の警官らは、周さんの自宅に行き、周さんを連行した。

 2014年、周さん、卞曉暉さん、陳さんに対する裁判は、それぞれ唐山市と石家荘で開廷された。結局、周さんの罪名は、警察官に押収された十数万元のことをネット上で暴露した罪で、卞曉暉さんの罪名は、街で人々に自分が迫害されている事実を伝えたことで、法律の実施を妨害した罪だという。そして、陳さんも法律の実施を妨害した罪を被せられた。

 2015年4月、卞曉暉さんは懲役3年6カ月、陳さんは懲役4年、同年5月に周さんは懲役4年の実刑判決を言い渡された。その後、3人は一緒に河北省女子刑務所に送られた。3人とも刑務所で残忍な拷問を受けた。

 周さんは刑務所で残酷な迫害を受け続けて、死ぬ寸前の状態にされた。腹水がたまり、肝硬変で肝臓の機能が低下し、やっと仮釈放されたが、警官らによる嫌がらせを頻繁に受けたため、幾度も危篤になり北京へ救急搬送された。

 周さんは唐山市の自宅に帰ったあとでも、絶えず警官らに嫌がらせを受け、北京へ病気治療に行かせてもらえなかった。そして、2020年4月19日午前10時37分に、周さんは亡くなった。

 ◇明慧カレンダーを配った瀋陽の蘭立華さんが迫害死

 遼寧省瀋陽市蘇家屯区の法輪功学習者・蘭立華さんは、明慧卓上カレンダーを配布したという理由で連行され、留置場でひどく迫害されて乳癌を患ったにもかかわらず、懲役3年10カ月の実刑判決を宣告された。遼寧省女子刑務所に拘禁された蘭さんはまたB型肝炎に感染して重症になり、2020年4月23日に亡くなった。49歳だった。 

 蘭さんは瀋陽市留置場に連行され、灌食された。また、「大挂」という拷問により、吊るし上げられた。その時から、蘭さんの左胸に卵サイズのしこりができ、乳がんと診断された。蘭さんの妹は姉の居場所を探すために、国内安全保衛部門、派出所、検察庁、裁判所の間を駆け回り尋ねたが、すべての部門は責任をなすりつけたため、妹はあちらこちらに騙されて、真実な情報を知ることが出来なかった。

上大挂”酷刑

拷問イメージ図:「大挂」にかけられる

 2019年5月5日午前10時頃、身体が衰弱して顔色が真っ青な蘭さんは、手錠と足かせをかけられて入廷し、その状態のままで開廷された。蘭さんの弁護士は法廷で無罪を主張した。 当日、判決が下されずに裁判は終了した。翌日、蘭さんに懲役3年10カ月の実刑判決を宣告した判決書が、家族の手元に届いた。

 2019年5月7日、瀋陽市留置場4監区の隊長・趙英と蘇家屯裁判所の裁判官・曲寧は、家族を呼び出して蘭さんの治療方法について話し合った。手術を行なうため、家族は心配して付き添いたいと願い出た。しかし、裁判官・曲寧は「私は医者ではないし、付き添いの必要があるかどうかもわからない」と答えた。隊長・趙英は「本案件は裁判所に渡されたので、裁判所の同意を得ない限り、ここで無断に判断できない」と言った。蘭さんは入所した時には元気だったため、家族は治療の際の責任の所在を明らかにするためのサインを求めたところ、両者ともサインしなかった。その時、家族は「人はすでにこのように衰弱し、しかも法を犯しておらず、なぜ、こんなに酷い判決を下すのですか」と聞くと、曲寧は「酷いのは、これからだ」と言った。

 2019年9月26日、蘭さんは遼寧省女子刑務所に移送され拘禁された。身体が非常に衰弱し、さらに「B型肝炎」までうつされた。しかし、刑務所側は「保釈の可能性の有無は分からないが、ここで看病するのなら費用が必要である。どうするかは、家族で決めてもらう」と電話で家族に告げた。

 蘭さんは入所した当時は健康であったが、残酷な迫害を受け続けて病気になった。解放されず治療もできない状況下で、蘭さんは刑務所で1年6カ月の間、絶望的な辛い日々を送った。刑務所側は、蘭さんが亡くなる前日の夜中に、家族に危ないと連絡しただけだった。

 2020年4月22日に家族が739病院に駆けつけた時、蘭さんはすでに昏睡状態に陥り、早朝の6時に亡くなった。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/6/4/407238.html)
 
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