【明慧日本2012年7月7日】『史記・始皇帝本紀』の中に次の記載がある。秦朝の二代目の皇帝の時、丞相の趙高は帝の位を奪いとろうとしたが、臣下たちの不満を恐れて策を企てた。趙高は一匹の鹿を秦二世(胡亥)に捧げて、「これは馬でございます」と言った。二世は「丞相、間違っているぞ。鹿を馬と言っている」と言った。そして左右に控える臣下にこれは何かと尋ねた。臣下たちは無口の者もいれば、馬だと言う者、鹿だと言う者もいた。後になって、趙高は鹿と答えた者を暗殺した。それから朝廷では、皆が趙高を恐れるようになった。現在では「鹿を指して馬という」の意味は「黒を白と言いくるめ、是非を転倒すること」に喩えられている。
時は移り二千年後の今日、共産党が1999年「7.20」に法輪功への迫害を始めてから、趙高の「鹿を指して馬という」に類似した事件が次々と現れた。「天安門焼身自殺」の捏造はその中で最も影響が大きく、深く醜い茶番劇だ。
天安門「焼身自殺」事件
天安門「焼身自殺」事件が2001年1月23日に発生し、4時間ほど経った後、共産党の代弁者である新華社は、新聞で法輪功を告発した。このような人命にかかわる重大事件は本来、警察部門が立案し、調査を行ってから報道されるはずだが、メディアはなぜ法律を無視して、無断で告発できたのか。当事者は病院で応急手当を受けている最中であり、警察はまだ出身地の取り調べしかできていなかった。新華社はなぜ、焼身自殺の動機まで明快に天下に公表したのか、その意図は明らかだ。
一、王進東:本物か、それとも身代わりか?
写真一
共産党は天安門焼身自殺事件の中で、現場で座禅をしながらスローガンを叫ぶ人物は、法輪功学習者の「王進東」だと言った。しかし、中央テレビが報道した焼身自殺のスローモーションを分析してみると、この人物は「王進東」でもなければ、なおさら法輪功学習者でもない。上の写真①は中央テレビが公表した映像の中の王進東の写真である。高い鼻柱、高い眉骨、大きくて四角い耳、端正な顎だ。写真②は同一映像の中で、現場で「焼身自殺」をしようとしている王進東である。短い鼻、低い眉骨、小さく丸い耳、粗い顎と、写真①との差異は明らかである。焼身自殺による変形というなら、頭髪、眉毛が無事な状況で、頭蓋骨や耳が変形するだろうか。
また中央テレビの映像の中で、焼身自殺を図ろうとしている王進東の座禅の姿勢、叫んだスローガンは、みな法輪功と全く関係ないが、共産党は強引に「法輪功学習者」であると決めつけている。
法輪功では、双盤が要求され、少なくとも単盤をしなければならないが、1997年から法輪功を学び始めた「古い学習者」である王進東は、散盤をしている上に足が高くはね上り、これは中国軍人が座る時の標準的な姿勢と思われる。法輪功では基本動作である結印の時、両手の親指の先は向かい合うが、写真の王進東は両手の親指を重ねている。要するに、彼は全く法輪功を学んだことがなく、法輪功学習者ではないのである。
写真二
二、火炎の中でも燃えないプラスチック製ガソリン入りペットボトル
焼身自殺事件そのものが、善良な民衆を鎮圧するために画策され、共産党の本性を暴露したとすれば、火炎の中で燃えないプラスチック製ペットポトルは、画策者の愚かさとでたらめさを暴露した。中央テレビの焼身自殺ビデオの中で、胸や足の部分の服が焼け、皮膚が露出した王は重度のやけどを負ったように見えるが、彼の両足に挟まれた二つのガソリン入りのペットポトルは奇跡のように、なぜか完全に無傷なのである。
写真三
いかなる捏造も歴史の検証には耐えられない。2002年、焼身自殺をインタビューした唯一の記者・李玉強が、河北省会法制教育訓練センター(共産党が設立した法輪功学習者を収容する場所)で、不当に拘禁された法輪功学習者から王進東の両足に挟まれたペットボトルについて質問されたとき、ペットボトルは後から付け加えたもので、このシーンは「撮り直したものだった」と認めざるをえなかった。実にばかばかしい解答である。
三、劉春玲:焼死、あるいは殴り殺された?
中央テレビは「焼身自殺」事件のもう1人の死亡者・劉春玲の死因は、焼死であると報道したが、スローモーションビデオを見れば、劉春玲は現場で鈍器によって殴り殺されたことがわかる。
写真四
四、劉思影:気管を切ったのか、それとも民衆を欺いたのか
中央テレビの焼身自殺事件の報道の中で、積水潭病院の医師・李遅副主任はこう述べた。「焼身自殺をしたやけどの患者はみな負傷がひどく、直ちに気管切開手術を行う必要がある」しかし、世界の医学会を驚かせたのは、12歳の女児・劉思影は気管切開手術の4日後、記者・李玉強のインタビューを受けて、声もはっきりと元気に話し、さらに全国の視聴者へ向けて彼女の好きな歌を歌った。医学の知識が少しでもある人ならわかるように、気管切開手術で声帯の下を切開した場合、このような早さで正常に話せるということはありえず、はっきりと歌を歌うことなどなおさらだ。そのため、国際社会は中央テレビの焼身自殺事件の報道を見た後、共産党は「医学の奇跡を創った」と驚いた。
写真五
(続く)