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国連2010年度報告書、中共による法輪功への迫害事実を暴く

(明慧日本)2010年の第13回国連人権理事会の会議で、中共(中国共産党)による人権侵害を告発する内容が、報告書の最も重要な部分を占めた。3人の国連特別調査官は調査報告書で、法輪功への人権侵害がまだ続いていると指摘した。

 報告書は、国連拷問特別調査官のマンフレッド・ノワク(Manfred Nowak)氏、宗教と信仰の自由に関する特別調査官Asma Jahangir氏、世界各地の人権活動家に関する特別調査官Margaret Sekaggya氏によって作成され、国連人権理事会の会議で提出された。報告書の原文は国連のホームページからダウンロードできる。(http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/13session/reports.htm) 文書番号:Manfred Nowak,A/HRC/13/39/Add.1,A/HRC/13/39/Add.5;Asma Jahangir,A/HRC/13/40/Add.1;Margaret Sekaggya,A/HRC/13/22/Add.1

 以前の報告書では、中国本土の弁護士が法輪功修煉者のために弁護したことで迫害を受け、収容されると記されたことがある。Sekaggya調査官の今回のレポートでは、さらに実例を挙げた。韋良月弁護士は20数年間、現地の人権侵害された人(信仰のために、監禁された法輪功修煉者を含む)に法律上の援助を提供してきた。しかし、韋弁護士と妻の杜さんは中共当局に監禁され、他の弁護士も韋さん夫婦のために訴訟を起こすことは許されないという。Sekaggya調査官は韋さん夫婦が監禁されている間に、虐待を受けている可能性があると心配している。ある報道では、韋さん夫婦が政府筋から「事件を公に討論してはならない、弁護士を委託してはならない」という警告を受けたという。

 Sekaggya調査官の話によると、人権弁護士の張ガイ氏と李忠福氏も迫害されたという。尋問の時、2人はともに法輪功修煉者の案件を弁護してはならないと警官に脅された。張弁護士は、手錠をかけたままの状態で鉄かごに閉じ込められた。李弁護士は警官にビンタされたという。釈放される時は、二人ともケガだらけで、張弁護士の両手が痺れて腫れ、李弁護士は片耳の聴力が低下した。

 ノワク調査官の報告書は、中共の警官が罪のない人に対して暴力を振るっていることなどを指摘した。そのうち、16人の法輪功修煉者が監禁されていた間に死亡した。ノワク氏は、これらの法輪功修煉者に対する私生活妨害、拷問、殴打、及び修煉者を死亡させた理由の説明を求めた。この16人の法輪功修煉者は次の通り。胡艶榮、黄富軍、熊正明、白鶴国、宗秀霞、于宙、顧建敏、顧群、範徳震、劉権、呉新明、陳玉梅、鐘振福、楊景芳、孫愛梅、侯麗華(敬称略・順不同)

 その他、報告書は周向陽さんと王永航さんの案件を示した。周さんは2003年5月に懲役9年の不当判決を言い渡された。刑務所で、周さんは法輪功への信仰を放棄しないため残酷な拷問、刑罰を受けており、しかも信仰を放棄しない限り、治療しないと警官に断言された。王さんは、遼寧省大連市の元弁護士であり、警官に殴打されて右足踵が骨折した。その他、多くの人が法輪功への信仰によって拷問され瀕死の状態、数カ月または数年の労働教養所に監禁されている。

 ノワク調査官は「中国当局は、異議のある人に対して弾圧する方法を制度化している。政治の異議者、人権擁護者、独立主義の疑いのある少数民族(特にチベット人、ウイグル人)、信仰団体、例えば法輪功などが思想犯と想定されており、国家統一の破壊、国家政権の転覆、または国家機密漏えいなどの罪で逮捕され、拷問を受ける可能性がかなり高い。この集権国家はいつも労働教養によって思想犯に刑罰を加えている。労働教養の目的は拘禁者の人格を変え、その人の意志を破壊することだ。よく使う手段は抑圧、恥をかかせる、懲罰など」と述べた。

 また、ノワク氏は「中国では、多くの拘禁者が私と話すことを恐れる。危険な問題に言及することなく、一般的な話だけでも怖がる。国連に少しでも苦情を訴えることは、その人達にとっては大きな危険を冒すことになる。度胸のある拘禁者も同じく、私が話の内容を内密にすると保証した上で話をすることに同意する。拘禁者への報復の可能性が、私の調査に大きく影響している」と強調した。

 Jahangir調査官の報告書は、その16人の法輪功修煉者の死亡を含め、次のように指摘した。「(16人の修煉者が)亡くなる前の状況は異なるが、被害者たちは全員、法輪功修煉者である。しかも、法を執行する人の監視下で、あるいは釈放された後に短期間内に死亡した。この人達が逮捕され死に至った唯一の原因は、法輪功修煉者である(ため迫害されること)と考えられる」

 中共当局のこれらの報告に対して、いつも通り、否認または偽りの解答をしている。

 2010年7月26日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2010/7/4/226445.html

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