【明慧日本2020年12月17日】(明慧記者・王英) 米国家情報長官ジョン・ラトクリフ氏は12月3日、ウォールストリート・ジャーナルの記事で、中国共産党(以下、中共)は第二次世界大戦以来、米国にとって最大の脅威となっていると述べた。
アメリカ合衆国国家情報長官ジョン・ラトクリフ氏 |
記事によると、国家情報長官としてラトクリフ氏は、大統領を除く他のどの政府高官よりも多くの情報にアクセスすることができる。「私は諜報機関を監督しており、私のオフィスでは毎日、米国が直面している脅威の詳細を大統領に報告している。私のユニークな立場から米国民に一つ伝えられることがあるとすれば、それは中共が今のアメリカにとって最大の脅威であり、第二次世界大戦以来の全世界の民主主義と自由に対する最大の脅威となっていることだ」
ラトクリフ氏は、北京(中共)は経済的、軍事的、技術的に米国と世界を支配しようとしていることは明確である。中国の主要な公的機関や著名企業の一部は、中共がスパイ活動を展開するために「偽装」していると述べた。
彼は、中共のやり方を「盗み取り、複製、取って代わる」だと表現した。実際に、米国企業の知的財産を盗み取ってから技術を複製し、その後米国企業に取って代わっている。
記事の中で、彼は中共に奉仕している中国の通信会社「華為(ファーウェイ)」の名を挙げ、一つの企業を公益事業や著名企業に偽装し、世界中に押し出していく(押し広げていくor拡散していく)展開の中で、中共の政治・軍事活動を支援するための情報収集を行なっていると述べた。
ラトクリフ氏は、中国共産党がロシアの6倍、イランの12倍もアメリカの政治に介入していることを述べ、特に、米国内の中国企業で雇用を増やすことでアメリカ人従業員に影響を与え、さらに労働組合を通じて大衆の力を動員し、地方議員の中共に対する強硬姿勢を変えさせようとしていることを挙げた。
彼によると、FBIは米国の研究開発の機密を盗む中国人を日常的に逮捕しているという。推定では、中国による知的財産権の窃盗により、米国は年間5000億ドルもの損失を受けており、各家庭に割り当てると4千から6千ドルの損失に相当する。
ラトクリフ氏は、中国共産党が米国の将来における国家安全保障上の第一の関心事であり、ワシントンは準備を整え、米国の指導者はこの脅威を理解し、解決するための行動をとる必要があると述べた。
上院情報委員会委員長 中共の浸透は陰険である
米上院情報委員会のマルコ・ルビオ委員長代行とマーク・ワーナー副委員長はその後、12月4日にラトクリフ氏を支持する共同声明を発表し、中共が余力を惜しまずに世界を支配する役割を果たそうとしていると述べた。
声明は、「中共のアメリカ社会への浸透は、意図的で陰険であり、アメリカを犠牲にして自らの台頭を加速させるためにあらゆる手段を使っている」と述べた。
中共はアメリカの主導的地位を乗っ取り、中国様式をもって国際社会でも行なおうとしており、我々の民主的価値観は中共の脅威に晒されてている。
アメリカの言論の自由、政治、技術、経済、軍事を脅かし、ひいてはCOVID-19(中共ウイルス)に抵抗するアメリカの努力を妨害しているとして、中共の権威主義的な指導者を非難した。
声明はまた、「我々は決して、中共による米国経済と国家安全保障への破壊を手をこまねいて傍観はしない」と述べている。
国家情報長官 外国勢力による選挙干渉は許さない
2018年にトランプ米大統領が署名した行政命令「米国選挙における外国人干渉に対する一定の制裁措置」では、国家情報長官は選挙後45日以内に、外国政府または外国政府の代理人による米国選挙への干渉の有無を評価し、その評価を大統領に提供することが求められている。一旦、外国勢力が米選挙を妨害したと判明されると、米国の各省庁は、すべての直接または間接的な参与者に各種の制裁を課することになる。
国家情報長官ラトクリフ氏は、今年10月21日に行なわれた選挙の安全保障に関する演説の中で、「我々は外国勢力による選挙への干渉を容認せず、妨害した者には必ず責任を負わせるだろう」と述べている。