【明慧日本2022年4月15日】中国共産党(以下、中共)当局は2022年に入ってからも引き続き、法輪功学習者(以下、学習者)を「転向」させ、「ゼロ行動」(学習者の数をゼロにする)を行っている。明慧ネットの統計によると、2022年1~3月、44人の学習者は迫害により死亡した。死亡した学習者は中国本土の16の省、自治区に分布している。最多地域は遼寧省11人、湖北省6人、黒竜江省4人、四川省4人である。死亡した学習者たちは生前、中共に不当な判決を宣告され、労働教養処分を科され、拘禁されたことがある。それに、拘禁されていた期間、自白強要や拷問、薬物迫害などの迫害を加えられ、心身ともに大きなダメージを与えられたという。
以下、2022年1~3月、迫害による死亡した学習者のリストである。
遼寧省11人:劉希永さん、仲淑娟さん、呉乃英さん、胡艶波さん、曲彩玲さん、余寿栄さん、葉中秋さん、張思琴さん、張国宇さん、姜雲英さん、関雲志さん
湖北省6人:孫沢栄さん、陳望秋さん、柯菊秀さん、邵清明さん、夏桂香さん、季大友さん
黒竜江省4人:田成軍さん、鐘国全さん、戴志東さん、左秀文さん
四川省4人:楊興葉さん、黄素蘭さん、陳礼清さん、鄭淑賢さん
陝西省3人:李周文さん、張改秀さん、邢文珍さん
吉林省2人:劉永存さん、王慶文さん
湖南省2人:彭淑純さん、文春花さん
江蘇省2人:袁玉珍さん、季桂珍さん
内モンゴル2人:張鳳雲さん、季雲芝さん
甘粛省2人:曾強強さん、賈春臻さん
貴州省1人:蘭軍さん
河北省1人:白興国さん
河南省1人:李文然さん
山東省1人:張淑敏さん
雲南省1人:石建偉さん
安徽省1人:李翠萍さん
刑務所、留置場、派出所で迫害による死亡した学習者11人のリスト
名前 | 性別 | 年齢 | 省、自治区 | 市 | 区・県 | 死亡時期 |
不法に拘留による 致死場所 |
胡艶波 | 女 | 50 | 遼寧省 | 撫順市 | 2022年1月の始め | 本渓市桓仁精神病院 | |
劉希永 | 男 | 80 | 遼寧省 | 大連市 | 金州区 | 2021年12月29日 | 大連市第三刑務所 |
王慶文 | 女 | 78 | 吉林省 | 遼源市 | 2021年10月末 | 吉林省女子刑務所 | |
賈春臻 | 男 | 76 | 甘粛省 | 臨夏市 | 2022年3月18日 | 蘭州刑務所 | |
仲淑娟 | 女 | 66 | 遼寧省 | 大連市 | 2021年12月24日 | 遼寧省女子刑務所 | |
鐘国全 | 男 | 72 | 黒竜江省 | 鶏西市 | 密山市 | 2022年2月6日 | 泰来刑務所 |
石建偉 | 男 | 56 | 雲南省 | 大理州 | 濱川県 | 2021年9月26日 | 雲南省第一刑務所 |
楊興葉 | 男 | 69 | 四川省 | 彭州市 | 2021年12月10日 | 彭州市留置場 | |
張思琴 | 女 | 69 | 遼寧省 | 大連市 | 金州区 | 2022年1月17日 | 大連姚家留置場 |
季雲芝 | 女 | 66 | 内モンゴル | 赤峰市 | バイリン左旗 | 2022年3月21日 | 留置場 |
黄素蘭 | 女 | 50 | 四川省 | 成都市 | 2022年1月23日 | 彭州光明派出所 |
学習者が迫害により死亡した事例の一部
1、赤峰市の季雲芝さんが迫害により死亡 警官多数が遺体を見張る
「もし、私が死んだ場合は必ず迫害によるものに違いない」と季雲芝さんは生前、同じ部屋に拘禁されている人にこう言っていた。2022年3月21日午後、季さんは迫害によりバイリン左旗病院で亡くなったが、遺体は多くの警官に厳重に見張られた。66歳の季さんは留置場に拘禁されて48日後に、突然死亡した。生前、季さんはバイリン左旗公安局国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下、国保)の大隊長の徐剣峰、警官、受刑者から虐待を受け、気息奄々になった。
季さんは法輪功を学ぶ前、腸炎、胆のう炎、咽頭炎、腎臓病など、多種の病気を患い、いろいろな病院で治療したが効果はなかった。1996年、季さんは法輪功を学び始めて3カ月、患った病気が消えた。善を重んじて修め、季さんは周りから良い人だと評価された。しかし、1999年7.20、中共の江沢民グループは法輪功迫害を開始した。季さんは法輪功を学び続けているため、労働教養処分2回も科された。教養所で季さんはスタンガンで電気ショックを与えられたため、心臓発作を起こすようになった。
2022年2月1日、左旗公安局の国保の隊長・徐剣峰、副隊長・韓東棟など9人は、季さん宅に侵入し、左旗第二病院に連行し、健康検査を受けさせた。当時の季さんは痙攣して立つことが出来ず、話せず、吐き気が止まらなかった。しかし、警官は季さんを長時間冷たい床に放置し、病気のふりをしていると断言した。季さんは留置場で拘禁されてから断食して迫害に抗議したが、鼻から灌食された。拘禁された48日間、毎日、殴打などの迫害を受けた季さんは、「もし私が死んだら、それは迫害されて死んだことに間違いない」と言った。
迫害によって季さんが危篤に陥り、呼吸困難になった時、やっと左旗病院に搬送され、数日応急処置を施された。
2022年3月20日午前、バイリン左旗公安局は季さんの夫に病院へ行くようにと知らせた。季さんの夫が病院に着いた時、医者から季さんがすでに一度、応急処置を施したが状況は良くないと言われた。そして、夫は何度も一時出所を求めたが、警官に拒否された。
翌日、季さんの家族は季さんが死亡したことを知らされた。家族は最後に季さんの遺体と対面したいと申し出たが、公安局に断られた。家族はドアの外から季さんの気管が切られている姿を見て、顔と肩に血痕があることに気づいた。病院の廊下は警官で溢れ、季さんの家族はフロアから追い出された。
家族が離れてから、警官は左旗斎場に電話し、季さんの遺体を火葬場に送った。家族はまた斎場に駆けつけたが、やはり遺体との対面が許されなかった。季さんの遺体は40人から50人の警官に監視されていた。季さんの家の周りにも警官だらけだった。
季さんの息子であるSimon Zhangさんは、アメリカ在住である。季さんのことに対し、フロリダ州のリック・スコット米上院議員は、中共を非難する声明の中で、「この悲劇的なことを経験したSimonとSimonの父親を思うと、胸が痛みます。学習者に対する中共の残忍な行為は、あまりにも長い間続いており、今回の被害者は、中共の権威主義体制に直面しながら、ただ信仰を実践していた無実の女性です。中共は、彼女の最期に夫に付き添うことを許さず、家族からの解放の要求を拒否しました。本当に最低で非人道的です」と述べた。
2、遼寧省大連市の張国宇さんは迫害のため死亡
遼寧省大連市の学習者・張国宇さんは、中共が法輪功迫害を開始てから23年、精神的にも肉体的にも経済的にも残酷な迫害を加えられた。特に2回目の労働教養処分を科されたとき、張さんは本渓刑務所で9日間の抻刑(手かせと足かせを体の4箇所につながれ、体の感覚がなくなるまで体を四方に極限まで引っぱられる拷問)を受けたため、肺を損傷してしまった。それで、胸部と腹部に大量の水が溜まり、多臓器不全になった。張さんは2022年1月18日に死亡した。享年50歳。
張国宇さん |
張さんは妻・沈蓮さんとともに法輪功を学び、ともに中国網絡通信集団有限公司遼寧省通信の大連支社に勤めていた。夫婦は法輪功を学び、仕事を真面目にやり、いつも他人のことを優先させた。優秀な張さん夫婦は会社で何度も受賞した。
しかし、法輪功を学んでいるとの理由で、夫婦は当局の警官に連行されたり、労働教養処分を科されたりした。妻の沈さんに精神異常の症状が現れた。そのため夫婦は、幼い息子の世話をすることがあまりできなった。張さん一家は長期にわたって当局から嫌がらせ、脅迫を受けてきた。辛い日々を過ごしてきた張さんは50歳の若さで亡くなった。
3、解放される前に薬物を注射された80代の白興国さんが死亡
河北省承徳市の豊寧満族自治県の学習者・白興国さんは、不当に懲役3年の実刑判決を言い渡され、刑務所に拘禁された。2022年1月、刑務所の関係者は「迎えに来てほしい」と家族に電話をした。その時、白さんはすでに危篤状態に陥り、帰宅してわずか20数日後、無念の思いを晴らせぬままこの世を去った。享年83歳。解放される半年前に、白さんは不明の薬物を注射されたという。
2018年4月18日、豊寧県裁判所は白さんら6人の学習者に対して裁判を行い、同年6月、白さん、郝益徳さん、劉加福さんに懲役3年、任占紅さん、韓秀玲さん、隋海東さんに懲役4年という不当な判決を下した。
拷問の再現:不明な薬物を強制注射される |
懲役3年の実刑判決を言い渡された白さんは、唐山刑務所に拘禁された。あと半年で解放される頃、刑務所は迫害を強化し、白さんに不明な薬物を注射した。注射されてから、白さんは日に日に体調が悪くなり、意識が朦朧とした。
2022年1月、刑務所の関係者は電話で「迎えに来るように」と家族に連絡したが、実は、白さんはすでに危篤状態に陥っており、帰宅してわずか20数日後、無念の思いを晴らせぬままこの世を去った。
4、黒竜江省の代志東さんは迫害により死亡
大慶市サルト区の学習者・代志東さん、管鳳霞さん夫婦は法輪功を学んでいるが、当局に繰り返し迫害を加えられた。そのため、健康状態が悪化した夫婦は相次いでこの世を去った。管さんは2021年3月5日に死亡した。享年60歳。代さんは2022年1月8日、警官に連行され、その後1万元の保釈金を支払わされ、帰宅したが、約1カ月後の2022年2月11日、亡くなった。享年61歳。
(続く)