【明慧日本2022年5月23日】イギリスのウェストミンスター裁判所は先般、ロンドンのチャイナタウンで法輪功学習者(以下、学習者)に暴行や嫌がらせを行ったとして、何仁勇被告に懲役16週間(執行猶予18ヶ月)の刑を言い渡した。さらに同裁判所は、同被告に100時間の社会奉仕、被害者2人にそれぞれ200ポンド(約3万2千円)、128ポンド(約2万500円)の被害者課徴金、そして500ポンド(約8万円)の裁判所費用の支払いを命じた。
同被告は、脅迫、ののしり、侮辱的な言動、嫌がらせ、暴行の罪で起訴されていた。法輪功は世界の人々に親しまれる精神修煉法であるが、1999年以来、中国共産党(以下、中共)によって迫害されている。
チャイナタウンで学習者に暴行、住民の通報で逮捕
ロンドンのチャイナタウンの活動拠点のブースでは、学習者が中国における法輪功への迫害について人々に伝えている。
ロンドンのチャイナタウンのブース |
何仁勇被告は、2021年4月から5月にかけてブースの前を数回行き来していた。その際に大声でわめき、学習者の手渡した法輪功の資料を地面に投げ捨てている。最後に同被告は2、3人の中国系住民に唆され、法輪功が迫害されていることを伝えていたオーディオプレーヤーの電源を切っただけではなく、女性学習者の目の前に近づき拳を振った。そして狂気じみた大声で「おまえを殺す! おまえを殴る!」と脅し、学習者に唾を吐いた。
そして同被告は、別の者から手渡された缶入りのコーラを、学習者の彭さんのすねにぶつけた。
この一部始終は、学習者の携帯電話で撮影されていた。
そして同被告の狂気じみた行為を目撃した付近の住民が警察に通報し、駆けつけた警官が同被告を逮捕、パトカーで連行した。
その後の警察の取り調べで同被告は言い逃れようとしたため、警察は学習者から経緯を撮影した映像を入手し、同被告を起訴した。
警察は学習者に感謝
何仁勇被告の事件は2022年2月3日、ウェストミンスター裁判所で審理された。同被告は法廷で起訴内容を否認、自分は別の者に指図されたと主張した。しかし警察は2人の学習者に証言を求め、さらに事件のビデオ録画により、同被告の罪を立証した。
警察は、同被告の共犯者を探している。同被告に缶入りコーラを手渡して、学習者を攻撃するように唆した人物である。
判決後、警察は法廷で証言した学習者に感謝の手紙を送り、学習者が提供した証拠がとても重要だったと指摘した。
真相を理解し、中共から離れて
学習者によると、中国国外での学習者への攻撃の背後には、通常は中共が存在しているという。中共に騙された中国系住民は、この何仁勇被告のように利用されている。同被告も他人に指図されたことを認めているが、同被告だけが逮捕され、彼を唆した人物は直ちに姿を消した。そして最終的に同被告一人だけが法廷で判決を受けることとなった。
学習者の彭さんは、こう述べている。「私はずっと善意に基づいて、何仁勇被告に法輪功の迫害の実態を伝え、警察に通報するつもりはありませんでした。しかし正義感のある住民が通報し、起訴された何仁勇被告はとうとう法の裁きを受けました。このことは悪事を働く人や、その背後にいる黒幕への抑止力となるでしょう。非道な行いが許されると思わないでください。ここは中国ではなく、法律を重んじる社会なのです」
彭さんは、何仁勇被告が心から教訓を受けいれて正道に立ちかえるのを望んでおり、本当に法輪功の迫害の真相を理解して、中共にまた手先として利用されないでほしいと願っている。