【ヨーロッパ法会】 ロンドンの中国大使館前で20年続く抗議活動(二)
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文/イギリスの大法弟子

 【明慧日本2022年10月10日】(前文に続く)

 4、迫害反対のシンボルとなる

 法輪功への迫害に反対するために、私たちは中国大使館の前で平和的な抗議活動を始めたのですが、迫害がエスカレートしたため、抗議は24時間になったのです。中国共産党による迫害が止まらない限り、抗議活動を止めないのは、当時参加した同修たちの一致した意見でした。

 数年前のある日の夕方、ポスターを張り替えたところ、一台の車が通りかかり、中の人が車窓を下ろして、「もう帰りますか、迫害は終わったのですか、頑張ってください」と声をかけてきました。

 10年以上前のある夜、私はBBCで番組を終えた詩人と話をしました。話題は深入りして時間が長くなりそうなので、私は発正念の座る場所を離れて、詩人と一緒にパネルの後ろに立ちました。しばらくして自転車に乗った青年が私たちの前に停まったので、署名用紙に署名してほしいと聞くと、彼は「もう署名しました」 と答え、「今、ここに誰も座っていないのを見て、迫害が終わったのかと思いました。もしそうであれば、この良いニュースをすぐ知り合いに伝えたいです。そうでなければ、人が来るまでここで法輪功の代わりにしばらく当番をしたい」と言いました。

 イギリスの人々の中で、私たちのこの拠点は法輪功迫害反対のシンボルとなっています。

 5真相を伝える窓口

 私たちの拠点の前は交通量の多い大通りで、多くの車が通り、観光バスもここを通ります。通りかかった車はよくクラクションを鳴らしたり、窓を開けて親指を立てたりしてくれます。観光バスのガイドが、ここは法輪功の抗議場所だと観光客に説明することがよくあります。私たちの背後にある建物はイギリス王立建築家協会であり、学術会議や展覧会、さまざまなパーティーが頻繁に開催され、さまざまな人が出入りします。

 我々はここで煉功と発正念をして、署名をもらい、通行人や車にビラを配ります。自発的に立ち止まって看板を見たり、署名したり、私たちに質問したりする人も多く、多くのイギリス人はここを通ったことから法輪功を知り、他の人に真相を伝えています。「これは法輪功で、向こうには中国大使館があり、彼らはここで平和的に抗議している」と通行人が同伴者に説明しているのをよく耳にします。

 3年前のある週末の昼間、私は拠点で煉功していました。ある西洋人男性が来てパネルを見ていました。煉功が終わると、彼は「あなたたちはここに10年以上いますね」と話しかけてきて、私は「どうして知ったのですか」と聞いたら、彼は手に持っている本を見せてくれて、「この本に書いてあります」と答えました。それはロンドン徒歩観光を紹介する本で、中に私たちの24時間抗議リレーについて言及されていました。

 数週間前の夕方、坐禅をしているとき、後ろのビルで何かのイベントが行われていました。ある男性が電話をかけているのが聞こえました。電話の向こうの人にどうやって来るかを教えているようです。「中国大使館の向かい側にある法輪功のパネルの前で降りてください。法輪功はここで18年やっているんだよ」と。「彼が躊躇せず18年と言い出したのは、法輪功のことをある程度分かっているに違いないと思いましたが、18年ではなく、20年ですよ」と私は聞いて思いました。しばらくして彼は娘にその女性(私)は法輪功学習者で、迫害への反対のために坐禅をしているんだよと言ったのが聞こえました。娘さんは「じっとそこに坐禅をしているなんて、つまらない」と言い、父親は何も答えませんでした。娘さんはパネルの内容を読んで、しばらくして父親に「ほら、こんなに美しい女性がこんなふうに電撃されて、最後に悲惨に死ぬなんて、あまりにも残酷です」と言いました。

 きっとここのエネルギーの場が妨害物質を解体して、その少女に真相を知る機会を与えたと私は思いました。

 世界中の大法弟子が行っている反迫害の活動において、どのプロジェクトも、どんな努力も、すぐに効果が現れないかもしれませんが、いずれにしても人々の心を変え、正邪の対決の中で正のエネルギーを蓄積している、と私は思っています。

 6、ここは、個人修煉を向上させる良い環境

 心性の関に陥った時、ここで当番をして、法理を悟って心性を向上したことが、数え切れないほどありました。

 ある日、よくここに参加する西洋人同修のAさんが私に、「大使館前での24時間抗議」はイギリス全体の向上にも良いことなので、すべての協調人に参加してもらえたらいいな、とアドバイスしてきました。良い提案だと思って、ちょうどその週末の夜の当番がまだ空いていたので、後日Aさんに電話して、手伝ってほしいと頼んだら、Aさんは断りました。そこで、「誰でもこのプロジェクトは重要だと言っているが、しかし行動が見えない」と私は心の中で文句を言いながら、自分でその空白の当番を埋めることにしました。

 恨む心を抱いているため、大使館前に行ったらすぐ疲れてしまいました。テントの中に入って少し横になろうとして、横になったとたん、誰かが外でテントを引っ張っているようで、これは今まで一度もなかったことです。様子を見ようとテントを出たとたん、頭に卵が直撃してきました。その時の気分はどん底に落ちたようでした。今日はどうしてこんなに順調に運ばないのかと嘆いていたら、次の瞬間、「きっと自分が悪かった、そうでないとこんなことには遭わないのだ。Aさんおよび他の協調人に対して不満を抱いたため、こんなことを招いたのだ」と分かりました。そこで、私は座って発正念をして、気持ちを落ち着かせました。

 朝、家に帰って夫に言い、慰めてもらうことを期待していたのですが、しかし夫は「自分の不足を探すべきだ」と言いました。それを聞いて、泣きたくなりました。落ち着いてから、なぜこのプロジェクトに参加したのか、なぜずっと続けているのかと夜ずっと考えていたことを考え続けました。応援をしに来る同修を大切にして、応援して貰えない時も何も文句も言うべきでありません。顕示心、断られるのを恐れる虚栄心、面倒くさがる心などを放下し、純粋な心を以てプロジェクトの意義を同修たちに伝えてこそ、はじめてより多くの同修に参加してもらえるのだ、と分かりました。

 7、初志貫徹

 20年経ち、少し怠けてしまって、時々、ここに来るのは常人の当番をやっているような気もしました。日に日に、年を重ね、毎日同じ風景を見て同じことをして、波乱万丈の場面を見ることも、ドキドキ感も経験することもありません。

 「これほど長年続けてきたのは大変だね、どうして出来たの」とよく聞かれますが、私もよく、なぜ続けているのかと自問します。迫害が終わる日まで続けていく、それは私たちの初心ではありませんか。迫害はまだ続いているので、私たちが止める理由はどこにありますか。

 このプロジェクトは私たちに「三つのこと」を着実に行う環境を与えてくれました。ここで心身ともに浄化され昇華され、体力に対する試練に耐えられるようになりました。酷暑、厳冬、連綿の雨季も皆の信念を揺るがすことができないのです。

 (完)

 (2022年9月ヨーロッパ法会の原稿)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/9/24/449950.html)
 
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