かつて7年の判決を受けた黄礼喬さん 再度6年の判決を下される
■ 印刷版
 

 【明慧日本2024年6月11日】天津市の法輪功学習者・黄礼喬さん(50代男性)は、2023年9月、河東区裁判所から懲役6年の判決を言い渡された。黄さんは判決に不服とし、控訴した。しかし、天津市第二中級裁判所の裁判官も黄さんが法律違反をまったくしていない事実を無視し、公開審理をせず、原判決維持という結果を下した。

黄礼喬さんと妻の葛秀蘭さん

 黄さんは1988年、大学を卒業し、天津市シームレス鋼管会社に就職した。エンジニアになり、エネルギー部門で設備の品質検査の仕事をしていた。多くの人が知っているように、その部門はある権限を持っている。しかし、黄さんは仕事で、顧客からの贈り物を受け取ったり、工場内の物品を占有したりすることはなく、信頼を得た。工場の建設中、会社側は黄さんのような人材を失いたくなかったため、黄さんと無期限の契約を結んだ。

 しかし、1999年7.20、中国共産党(中共)が法輪功への残酷な迫害を開始した後、黄さんは繰り返し迫害を加えられた。2010年に3回目の労働教養処分を終えた後、黄さんは初めて会社側が欺瞞的な手段で違法に無期限の契約を破棄したことを知った。法輪功を修煉し続けている黄さんは、2回拘留され、3回労働教養処分を受け、天津市双口労働教養所で様々な拷問を受けた末、尿毒症を2回発症した。2012年4月7日、黄さんは再び連行された後、懲役7年の判決を下された。そして、天津市西青刑務所と天津市浜海刑務所に拘禁されている間、迫害により、肺結核を発症した。

 再度6年の判決を受ける

 2022年10月4日、天津市公安局の警官は外出中の黄さんを連行し、黄さんの自宅を家宅捜索し、私物を押収した。黄さんは河東区留置場に拘禁された。

 12月14日、検察院は黄さんを裁判所で起訴した。そして、裁判所は家族に通知しないままオンラインで黄さんに裁判を行った。黄さんはその裁判を拒否したため、殴打された。

 旧暦の正月の3日前、黄さんの弟は河東区二号橋派出所で黄さんと面会した。黄さんは弟に「留置場の人に頻繁に身体検査をされて連れて行かれた」と話した。黄さんが連行された後、家族は黄さんの身分証明書が見つからなくなった。黄さんの話によると、身体検査に連れて行かれたとき、警官が自分の身分証明書を持っていたという。

 2023年2月、弁護士と家族は一緒に河東区検察院と公安局に行き、黄さんの解放を求める申請書を渡し、また、公安局の局長、検察院の検察長、天津市政法委の書記に別々に「黄礼喬の冤罪事件に対する訂正状」を郵送した。

 2023年2月15日、弁護士は留置場に行き、オンラインで黄さんと面会した。弁護士と黄さんの面会は初めてだった。弁護士は黄さんから、2022年2月7日、裁判所の人が留置場に出向いて、黄さんに対する裁判を行ったが、黄さんは「冤罪だ」と叫び、留置場の警官・李洪軍に殴られたため、オンラインでの開廷は行われなかった。黄さんは、殴られたことを先に処理してから裁判の話をするよう要求したという話を聞いた。弁護士は黄さんに、殴られたことに関する報告書と告訴状を書き、それぞれ常駐検察と検察院に提出するようと伝えた。

 その後、弁護士は2023年2月16日、検察院の告訴・申請受付事務所を訪れ、黄さんが受けた殴打事件について話した。検察側は黄さんの告訴に関する報告書の提出を待っていると言った。

 2023年2月17日午前、弁護士はオンラインで再度、黄さんと面会し、その殴打事件の証言と告訴資料を渡すよう求めたが、留置場側は弁護士に渡すことを許さなかった。留置場の警官は「事実と一致しない」と口実をつけた。弁護士はすぐに留置場の所長との面会を要求したが、所長は会議という理由で弁護士を避けた。

 同日、裁判官は弁護士に電話をかけ、「2023年2月28日にオンラインで黄礼喬の裁判を行う」と伝えた。弁護士は、黄さんが公開裁判を行うよう要求していたことを説明し、それが依頼人の権利であることを裁判官に伝えた。

 2023年2月27日に裁判前の会議が開かれ、検察官、裁判官、弁護士が出席した。裁判官も正式に着衣し、黄さんにも参加するよう通告した。黄さんはしばらく座っていて、始まる前に、めまいがすると言って参加しなかった。しかし、裁判前の会議の目的は、やはり法廷で法輪功の合法性について議論しないことであった。

 その後、裁判官は、「黄礼の裁判は2023年5月31日に行う」と弁護士に通知した。9月、黄さんは河東区裁判所から懲役6年、罰金1万元の不当判決を受けた。判決に不服とし、黄さんは天津市第二中級裁判所に控訴した。

 天津市第二中級裁判所の裁判官は、黄さんが罪を犯していないという事実を無視した。 黄さんが法律に則って、公開裁判を求めたにもかかわらず、第二中級裁判所はそれをしなかった。最近、第二中級裁判所は黄さんに原判決維持という結果を出したことがわかった。

 公安、検察院、裁判所、第二裁判所によって冤罪を作った

 天津市公安局河東分局は、黄さんに「邪教を利用して法律の実施を破壊した」という罪を被せ、河東区検察院に送検した。検察院は黄さんを河東区裁判所に提訴し、裁判官は法律を無視し、黄さんに懲役6年の判決を下し、罰金1万元を強要した。

 検察院と裁判所は黄さんが法律の実施を破壊したという濡れ衣を着せるたのに、具体的にどの法律や行政法規が破壊したのか、破壊した程度、それによって引き起こされた社会的危害の程度、それと黄さんの行動との間にどのような因果関係があるのかを明確なものがなかった。この20年余りの間、法輪功学習者に対する判決を下したすべての裁判官は、このようなものを意図的に避けてきた。犯罪構成の四要素から分析すると、この事件には犯罪の対象(どの法律や行政法規が損なわれたか)がなく、客観的な側面の結果、重大性、有害性というのもなく、故意や過失などの主観的な側面もなかったのである。

 黄さんに関する迫害の状況は、明慧ネットの『黄礼喬さん天津西青刑務所で殴打され 九死に一生を得る』、『天津市中級裁判所 学習者・黄礼喬さんの告訴を受理する』、『天津市の学習者・元エンジニアが迫害で解雇され拘禁』など、参照するように。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/5/26/478022.html)
 
関連文章