山東省:妻が臓器狩りの犠牲に 夫が口封じされ死亡(二)
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 【明慧日本2012年9月20日】

 謎だらけ 公安が十万人民元で口封じ

 賀さんが亡くなるまでの数日間はすべて謎に包まれている。

  一日目、賀さんにまだ息があり、親族達が病院側に助けを求めたが、病院側は賀さんの主治医・郭さんが済南市に出張に行ったと弁解し、治療を拒否した。午後、葬儀会社の人が親族達に通知もなく賀さんを霊柩車に運ぼうとしていた。親族達はそれに気付いてすぐ止めようとした。ところが、葬儀会社の人は「610弁公室」が賀さんを直ちに火葬するよう命令を下したと話した。親族達が懸命に阻止したことにより、まだ息のある賀さんは連れて行かれずにすんだ。なぜ、「610弁公室」は賀さんをすぐ火葬したがるのだろうか?

 二日目、親族達は賀さんとの面会が禁じられた。賀さんと同じ病室にいる病人に話を聞きに行ったが、病室にはすでに誰もいなかった。病院側に賀さんのカルテを提示するよう求めたところ、カルテは原本ではなく、数ヶ所の修正が施されたコピーであった。しかも重要な部分の記録が抜けていた。脳神経外科に尋ねに行くと、ある医者が「我々の病院からは何も聞き出せないよ。やるだけ無駄だ」と嘲笑ったという。

 賀さんの背部の腰に巻かれていた包帯について、病院側は腰椎穿刺(ようついせんし)を行ったと説明した。ところが、留置場の所長・張福田は腰椎穿刺を行っていないと話した。また、カルテを見た限り、腰椎穿刺について治療記録も治療結果も載っていない。親族はカルテを専門家に分析してもらったが、どの専門家も、脳膜炎の治療に腰椎穿刺の必要はないと指摘し、カルテを見た限り、穿刺ではないと分析した。また、カルテに改ざんされた痕跡があり、危篤時の救急記録が抜けていることも指摘した。徐さんは何度も病院側に賀さんのカルテの原本を渡すよう要求したが、ことごとく断られた。カルテの原本は後に山東省検察庁に引き渡された。

 3月13日、賀さんの遺体が腐らないように、徐さんは留置場の所長・張福田と協定を結んだ。協定では、賀さんの遺体が葬儀会社に搬送・冷凍されること、家族がいつでも遺体を見る権利が保障されること、家族の同意なしに賀さんの遺体が火葬されないことが約束された。

 徐さんの強い要望で、煙台市の公安局、検察庁、法廷が賀さんの遺体に対して法医解剖を行った。しかし、公安局、検察庁、法廷は徐さんに結果報告書を渡さず、解剖結果を簡単に告げただけだった。これは明らかに芝罘区の「610弁公室」と留置場をかばう行為だった。徐さんは解剖結果を告げられた直後にすぐ追い出された。公安局、検察庁、法廷の報告によると、賀さんの腸に小さな赤い斑点が多数あり、子宮内に紫色の物体があったという。また外傷がなかったことが強調された。外傷がなければ、なぜ腰に包帯を巻く必要があったのかと徐さんは不審に思った。

 徐さんは地方から最高裁判所まで上訴した。さらに、インターネット上に国連に調査を呼びかける請願書を発表した。この間に、煙台市の公安局と「610弁公室」が何度も徐さんのところに訪れ、お金を渡すのと引き換えに上訴をあきらめるよう話を持ちかけた。公安局と「610弁公室」は、徐さんの隣人にも、十万人民元を渡すのと引き換えに徐さんを説得するよう話を持ちかけた。徐さんの上訴を阻止さえできれば、お金を増やしてもよいと話した。だが、隣人はこの話を断った。

 7月8日、山東省検察庁が煙台市に来て賀さんの遺体を再度調査した。今回の法医解剖でも徐さんは結果報告書がもらえず、解剖結果を簡単に告げられただけだった。また、前回と同じく「610弁公室」と留置場に責任がないと判定された。

 「…これはおかしな話だ。現場に十数人もおり、山東省と煙台市の公安局や検察庁、法廷、610弁公室などの関係者、洗脳班の拷問・虐待の実行犯・劉国尭が全員現場にいた。私が賀秀玲の遺体を撮影しようとすると、現場の全員に反対され、禁止された」と、徐さんは述べた。

 遺体の火葬を強要 臓器狩りと疑った夫が口封じされ死亡

 賀さんはこれまで法輪功迫害の停止を訴えるために北京に三回訪れ、何度も不当に拘禁され、虐待された。2003年8月末、賀さんと賀さんの仲間が洗脳班に不当連行され、洗脳班の劉国尭に虐待された。劉国尭は賀さんの両手を背中にまわしてベッドに縛り付けた。この姿勢だと立つこともしゃがむこともできない。賀さんはこの苦痛を伴う姿勢を五日間も強制された。さらに、その間にトイレに行くことも睡眠を取ることも許されなかった。洗脳班を出た賀さんの仲間の話によると、賀さんは留置場に連行されてから、信仰をあきらめなかったため、ずっと狭い暗室に拘禁され、虐待されていたという。賀さんの遺体の手首にあるかさぶたや傷跡は何度にもわたる拷問によるものだ。

 専門家の分析によると、賀さんが病院に搬送されたのは、腎臓移植の臓器提供者にさせられためだという。また、遺体の目に異常があることから、眼部の器官も摘出されたと考えられる。腎臓は最も重要な臓器ではないので、摘出されても賀さんはすぐ死亡しなかった。だが、巨大な苦痛に耐えながら命が尽きるまで待たなければならなかった。「610弁公室」は賀さんを監視し、薬も食べ物も与えず、賀さんの衰弱死を待つという計画を立てた。さらに声をつぶす薬物を投与し、親族と会話できないように仕掛けた。この状態で親族に面会させて、そして賀さんの死を待ち、死亡したらすぐ親族に通知し、速やかに火葬すれば、臓器狩りの罪が隠蔽されると「610弁公室」は考えたのである。

 ところが、死体安置所に運ばれた賀さんはまだ生きており、心臓がまだ脈打っており、汗をたくさん流していた。さらに、親族に呼ばれると涙を流し出した。まだ死んでいないのに死体安置所に運ばれたのは、親族にとって受け入れがたいことだった。そのため、親族は賀さんの死の真実を探し続けていた。

 2006年の春、中国共産党が主導し、生きたままの法輪功修煉者の体から臓器を奪い取って殺す「臓器狩り」の事実が海外で暴かれた。徐さんは賀さんが臓器狩りの犠牲者になったのではないかとさらに疑った。4月19日に徐さんはインターネット上に文章を発表し、賀さんの死の不審点を公開した。そして、人権団体に煙台市に来て賀さんの死を調査するよう呼びかけた。ところが、翌日の4月20日、徐さんは突然警察に連行された。法輪功修煉者である賀さんの妹も連れて行かれた。

 また、「610弁公室」は賀さんの一人息子・徐輝さんに、賀さんの火葬同意書にサインするよう脅迫した。「610弁公室」が徐さんから取り押さえたプリンタやパソコンを証拠として、徐輝さんが賀さんの火葬同意書にサインしなければ徐さんに刑罰を下し、サインすれば5万人民元を渡すと徐輝さんを脅した。徐輝さんは仕方なく同意書にサインさせられた。

 6月20日に賀さんの遺体が火葬された。当日、火葬現場にたくさんの警察が来た。何人かの警察が、徐輝さんと徐さんの家族を尾行した。賀さんの妹が泣きながら訴えると、数人の警察が突然、賀さんの妹を連行した。

 徐さんと賀さんの妹はすぐ「610弁公室」の私設刑務所・洗脳班に拘禁された。洗脳班で20〜30人が徐さんと賀さんの妹を囲み、暴力を振るい、徐さんと賀さんの妹に信仰をやめ、遺体の火葬を同意するよう脅迫した。しかし、徐さんと賀さんの妹はそれを拒否した。

 徐さんは何日も睡眠を許されず、水も食べ物も与えられなかった。それでも徐さんは信仰を放棄しなかった。「徐承本は五日間も食べなかったし、寝なかったが、体はまだ元気だった」と、ある洗脳班の職員が徐さんについて語った。この洗脳班で徐さんを洗脳できなかったため、「610弁公室」は徐さんを招遠洗脳班に移した。招遠洗脳班は法輪功修煉者に残酷な刑罰を与え、中枢神経を破壊する薬物を投与する手段を用いて、法輪功修煉者に信仰をやめさせることで悪名高い機関である。

 徐さんは招遠洗脳班に移されてから、急に痩せた。数ヵ月後に親族が徐さんに会ったときには、徐さんの体重が77キロから50キロ未満まで減ってしまい、体はがりがりになった。そのうえ、精神が崩壊し、いつもぼうっとしていた。信仰も賀さんの死因の究明もあきらめた。これは薬物が投与された結果だという。

 2008年の初め、徐さんは突然亡くなった。2月26日に徐さんは山東省徳州市で親族に電話した。話し声で判断する限り、徐さんに好転した兆候が見られた。ところが、翌日に徐さんは突然亡くなった。徐さんの遺体は皮膚がただれており、服と肌がべったりとくっついていた。親族は徐さんの遺体を見て不審に思った。徐さんは、「610 弁公室」に慢性的に毒性のある薬物を投与されて口封じされたのではないかと見られている。

 国際指名手配中の煙台市毓璜頂病院

 人権団体からの煙台市毓璜頂病院に対する調査によると、煙台市毓璜頂病院では毎年160~170件の腎臓移植手術が行われていることが判明した。また、腎 臓の提供不足がなく、提供者の健康状況は良好で、外国人に移植した実績があると毓璜頂病院の臓器移植センターに勤めるメンバーが供述した。しかし、提供者について尋ねると、話を避けられ、回答が得られなかった。病院内部でも臓器提供者関連の話題はタブーだという。

  2006年3月から、中共による「臓器狩り」が次々と暴かれた。証人も次々と現れた。『戦慄の臓器狩り』の著者で、2010年ノーベル平和賞にノミネートされた人権弁護士デービット・マタス氏と、カナダ政府元高官デービット・キルガー氏が数十個の証拠を示し、「我々が得た調査結果によると、中国の臓器移植機関と監禁施設が結託して、生きた法輪功修煉者を殺害し、その臓器を高値で国内外の移植患者に売って暴利を貪っていることが分かった。しかも、この犯罪はいまだに続いている」と発表した。「この地球上にかつてない、未曾有の邪悪極まる罪である」と臓器狩りについて語った。 

 今年2月に起きた王立軍・重慶市元公安局長が成都市の米国総領事館に駆け込んだ事件をきっかけに、失脚した元重慶市トップ薄煕来の妻・谷開来が関与したとされる、英国ビジネスマン、ニール・ ヘイウッド氏毒殺事件が発覚した。この事件の核心は、薄熙来と谷開来が主謀者として関わってきた、生きた法輪功修煉者からの「臓器狩り」、およびそうして得た死体や臓器を海外へ不法に売り出す「死体売買」にヘイウッド氏が助力してきたため、秘密を知っている者の存在を危ぶんだ谷開来が、真実の露呈を恐れて、「口封じ」のためヘイウッド氏を殺害したことにある。この事件の黒幕が暴かれると、中共が主導した「臓器狩り」も暴かれるため、中共は隠蔽しようとしている。しかし現在、臓器狩りの全容が明かされつつある。

 煙台市の毓璜頂病院は、生きた法輪功修煉者から臓器を強制摘出することに関与したため、2006年6月に法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)に「法輪功修煉者迫害に関与する中国病院リスト」に加えられた。賀秀玲さんは、毎年毓璜頂病院で行われている臓器狩りの160~170人の被害者の一人にすぎない。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/9/9/262578.html)
 
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