継母と娘の愛の物語 ― 役人も感動 ―
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 【明慧日本2017年7月11日】これは中国古代の珠崖県(現在の海南省海口市琼山区龍塘鎮)でのことです。ある継母と先妻の娘がお互いを思いやり、ただ相手を守ろうと、競って自ら死を望みました。この2人の優しさは県の役人をも感動させました。

 これは珠崖県県令の妻と先妻の娘の物語です。

 当時、珠崖県県令の娘は13歳でした。珠崖県は真珠を豊富に産出しており、彼女の継母は大きな真珠をつなぎ、腕に結びつけていました。

 後に、県令が亡くなり、妻は県令の棺を任地から故郷に送らなければなりませんでした。当時の法律によると、真珠を隠して町から運び出す者は死罪でした。

 そのため、県令の妻は腕輪を捨てました。彼女の実の息子はまだ9歳で、何も分からず、それを拾って、母親の化粧箱に入れました。このことは誰も知りませんでした。

 検問所の役人が荷物の検査をしていた時、化粧箱から真珠の腕輪が出てきました。これを見て、役人は「誰がこの責任を負うのか?」と問い詰めました。

 娘は継母が化粧箱に入れたと思い、彼女を庇うため、「父が亡くなったので、母は腕輪を外し、捨てました。しかし、私は勿体ないと思い、それを拾って母の化粧箱に入れました。母は何も知りません」と言いました。

 母親は娘の話を信じ、また、彼女を庇うため、「この真珠の腕輪は私がずっとつけていました。夫が亡くなったので外しましたが、どうにも捨てられず、結局化粧箱に入れたのです。私が死罪になるべきです」と泣きながら話しました。

 周囲の人々もこの2人のお互いを庇い合う心に感動しました。検問所の役人は筆を持ちましたが、なかなか書き出すことができません。隣にいた役人は静かに涙を流し、丸1日かけても、判決を下せませんでした。「この母親と娘にこれほどの恩義があるとは、例え私が責任を問われても、有罪の判決は下せません」と役人は言いました。

 後に、9歳の男の子が何も知らずに、母親の真珠の腕輪をこっそりと化粧箱に入れたということが調査によってはっきりしました。

 参考資料:『太平御覧 卷四百十五 人事部五十六』宋 李昉

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2017/6/21/349845.html)
 
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