新型コロナにADE現象か ワクチンが爆弾となる(上)
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文/中国の法輪功学習者・古金

 【明慧日本2020年11月11日】中国メディア「第一財経ネット」は8月30日、上海の専門家・銭童心氏の記事「独占検証:新型コロナウイルスワクチンの免疫反応で重症化の可能性」を掲載した。銭氏は記事で、「新型コロナワクチンのADE(抗体依存性感染増強)現象の比率は低くない」と述べたという。この報告はすぐ学界で注目を集めた。もしこの報告が正しければ、中国の新型コロナのワクチンは死刑の宣告に等しいことになる。

'图1:这篇揭开新冠疫苗ADE效应的报导,被中共迅速删除,勒令按中共口径改写。'

一日以内に削除された該当記事

 該当記事が掲載されてから一日以内に、中国共産党(以下、中共)は言論統制をすぐ起動させ、「第一財経ネット」に記事を削除するよう命じた。同時に、銭氏の記事を党中央宣伝部と同じ口調に修正するよう命じた。31日、銭氏は「独占:新型コロナウイルスワクチンのリスク、ADE現象はまだ決定的ではない」と題する記事を発表した。銭氏は、「査読が通り、かつ公開されたデータがあれば、発表できる」と述べた。政治的圧力によって、作者の報告内容が強制的に変えられたのだ。しかし、中国の国民は、この言論を操る行為自体が中共の恥だと分かっている。

 該当記事は削除される前に、すでに中国本土でネットで大量に拡散されていた。新型コロナが現れてから、多くの人は李文亮医師(新型コロナの危険性に警鐘を鳴らしたため訓戒処分を受け、後に新型コロナに感染し死亡した)の後に続き、中共が人々に隠している真相を知らせている。

 一、恐ろしいADE

 ADEの正式名称は、抗体依存性感染増強(antibody dependent enhancement)である。

'图2:ADE效应简要图示。'

ADE反応図

 抗生剤は細菌をおさえる薬だが、ウイルスに対しては効果がなく、自分自身の免疫系によって生成した抗体に頼るしかない。すべての抗ウイルス剤は、免疫系を調節して、ウイルスに抵抗するようにしている。上の図のように、ウイルスS1に感染すると、人体の免疫系は抗体A1を生成する。もし、A1がS1を破壊、或いは制御できれば完治する。そうでなければ、死亡するだろう。

 現在、感染力の高いウイルスに対する予防方法はワクチンの開発である。ワクチンは、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの三種類に分けられる。人体にワクチンを打った後、人体はワクチンやワクチンによって生成したものをウイルスとして見なし、多くの種類の抗体を生成し、生成した抗体がウイルスと中和する。上の図のように、抗体A1はウイルスS1と結合し、その結合したものが免疫細胞に消滅される。結局、抗体A1はウイルスS1とともに滅びることになる。数回ワクチンを接種すると、人体は繰り返し大量の抗体を生成した後、免疫系はその抗体の作り方を覚え、いったん本物のウイルスS1に感染すると、免疫系が起動し、速やかに大量の抗体を生成し、S1を消滅して体は回復に向かう。

 簡単なウイルスに対して、ワクチンは役に立つ。例えば、天然痘、これは数百万種のウイルスの中で、人類が唯一消滅したウイルスだ。現在、少し複雑なウイルスは数十種あり、対応するワクチンがある。例えば、狂犬病などである。しかし、少し複雑かつ変異しやすいウイルス、例えばインフルエンザウイルスなどに対してワクチンは成功したとは言えない。大変複雑かつ強毒性のウイルス、例えば、デング熱ウイルス、エイズウイルス、新型コロナウイルスに対して、ワクチンは反対の結果になる可能性が高い。その理由がADE現象があるが、ではADEとは何なのか? 上の図に基づいて説明すると、ウイルスS1に対するワクチンを接種すると、人は対応する抗体を生成し、ワクチンに抵抗する。ワクチンはウイルスS1を真似て作られているため、その抗体はウイルスS1に抵抗できる。しかし、もし、この人が生成した抗体の量が少ない場合、或いは力が弱い場合、本物のウイルスS1に再び感染に対して抵抗できなくなると、逆に抗体はS1に脅迫されて、ウイルスS1が細胞に入るキーになり、そしてマスタキーとなり、ウイルスS1の毒性を高めることになるのである。これがいわゆる「抗体依存性感染増強現象」で、英語では「antibody dependent enhancement」、略すと「ADE」となり、これは変異していないウイルスに発生した状況である。

 ADEは、また一回目、および二回目に変異したウイルスで発生する可能性がある。ウイルスS1がS2、S3に変異した場合、S1に対するワクチンの効果がいくら良くても、抗体の濃度がいくら高くても、性能がいくら良くても、古い抗体は新しいウイルスに抵抗できない。S2、S3はまた古い抗体を捕らえ、勝手に細胞に入ることができる。そのため、古い抗体は逆に変異したウイルスをガードして増殖を助け、免疫系の識別機能から簡単に逃れられ、ウイルスの毒性を大きく増強し、病状は迅速に悪化してさらには患者を死に至らせるのだ。

 二、ワクチンの失敗:デング熱ウイルスにADEの初出

 ADE現象は、1973年のデング熱ウイルスで最初に発見された。デング熱ウイルスは4つの血清型があり、ヒトスジシマカが媒介となった。人は4種類のうち1つのウイルスに感染すると、死亡率が1%未満になり、治ると抗体を生成して、感染したウイルスは終生免疫となる。しかし、一部の人の抗体は、他の血清型のウイルスの増殖を助け、他の血清型のウイルスに感染すると、死亡率は20%に上るという。

 世界の多くの大手製薬会社がデング熱ワクチンを開発したが、すべてADE現象によって失敗した。フランスのサノフィ株式会社はその失敗の経験に基づいて、20年かけて、4価ワクチンを開発した。つまり、同時にデング熱の4つの血清型ウイルスの免疫を作り出すワクチンである。これで理論上、如何なる血清型のウイルスの感染も防止できる。だが、注意が必要だ。これは一番理想的な状況であって、一般の状況下では、各種の抗体が互いに妨害し、ADE現象を起こす可能性があるのだが、取り上げられなかったのである。

 2015年12月、サノフィの4価デング熱ワクチンCYD-TDV(Dengvaxia)はすべての動物実験と人体の第III相臨床試験を終え、厳しい科学評価を通過したが、6年間の臨床試験の後期、2~5歳の年齢の児童は15例の重症が現れ入院した。ワクチンを接種してない児童はわずか1例だった。サノフィは安全性のため、ワクチンの接種可能の年齢を9歳に引き上げた。

 2015年12月から、この4価ワクチンはメキシコでの認可をはじめとして、世界20カ国で使用されるに至った。

 2016年4月、フィリピンで73万人以上の児童が接種を開始した。

 2016年7月29日、世界保健機関(WHO)は全世界のデング熱が流行している地域に4価デング熱ワクチンCYD-TDVを勧めた。接種ガイドによって、9~16歳の子供に接種するようにと勧めたが、WHOはフィリピンの接種について、3カ月間、観察して決めたのである。

 しかし、時間が経つにつれて、ワクチンの有害反応や重症化の現象が続々と現れたという。この4価デング熱ワクチンは、未感染者には適用しないという結果が得られた。このワクチンの接種の基準は「既感染者」に限り、数十名の児童の死亡によりフィリピン政府はこのワクチンを停止し、またサノフィに7000万ドルのワクチン費用の賠償を求めた。そして、この事に関する腐敗問題や、汚職問題を追及し、サノフィの試験データとWHOの責任も追及した。一方サノフィは「ワクチンの問題ではない」と強調したが、2800万ドルと入院費用を賠償すると承諾した。おかしなことに、サノフィに力を入れて宣伝したWHOは謝罪もせず、相変わらず疫病に対して指導し、「世界に権威」を揮っている。

 20年あまりが経ち、15億ドルを費やし、フランスのサノフィが開発した4価デング熱ワクチンCYD-TDVは、これで失敗したのである。世界の他の製薬会社はデング熱ワクチンを開発するため、数百億ドルを費やしたが、すべて停止した。大きな教訓は現在の人々に警告している。

 三、ワクチンの失敗:エイズウイルス、SARSウイルス、MERSウイルスすべてでADE現象が発生

 エイズのワクチンは、40年間失敗を繰り返し、開発は困難であったが、そのうち最も重要な現象の一つがADEである。ワクチンの志願者は全員がエイズではなかったが、ワクチンを接種した後、全員がエイズに感染してしまった。これは科学の進歩のために払った代価なのだろうか? 実はこれは科学が誤って岐路に入ったということだ。

 2003年、中国でSARSが爆発した。SARSウイルスに対するワクチンはなぜ、まだ開発されないのだろうか? SARSは急に出現してて急に消え、突然自然界から消えること自体が正常ではない。科学的にも通らないため、学者の鐘南山氏は、「SARSはまた現れる」と述べている。当時、中国はSARSのワクチンを開発すると決めたが、SARSにもADE現象が現れ、重症化するため、ワクチンを作っても効果がないと諦めた。

 2012年9月、初期症状がSARSと似ている疫病がサウジアラビアで発生し、中東地域に蔓延した。中東呼吸器症候群 MERS(マーズ)と呼ばれている。MERSの死亡率はSARSの4倍である。研究によって、MERSはADE現象が発生し、またSARSの抗体をガードしてADE現象を起こさせ、つまり、SARSから回復した人は、MERSに感染しやすいし、重症化しやすいのである。

 MERSのワクチンは、2015年に一度「開発された」と宣伝したが、しかし、動物実験だけが成功したのであって、その宣伝は会社のためで、ワクチンとして未だに出したことはない。やはりADE現象からは逃れられないのである。

 四、コロナウイルスは、ADE現象から逃れられるのか

 (1)コロナウイルス感染者の家族は、基本的にADE現象がある

 上記のウイルスSARS-CoV、MERS-CoVは、すべてコロナウイルスであり、コロナウイルスのグループに属し、基本的にADE現象がある。では、今流行している新型コロナウイルスSARS-Cov2は、ADE現象から逃れられるのか? 恐らく難しいだろう。

 (2)新型コロナウイルスSARS-Cov2と、SARS-CovのADE現象

 無視できないのは、もし新型コロナウイルスSARS-Cov2がそもそもSARS-Covから変異してきたウイルスなら、SARSのADE現象を継承する可能性が高い。

 専門家は、「この二つのウイルスは異なるウイルスです。ゲノムの類似度は80%です。こんなに大きな差があり、17年で進化してきたのではありません」と言ったことがある。しかし、注意してほしい。これは中共の政治の圧力の下で行われた学術の歪曲である。このことについて、私たちはすでに多くの文章の中で指摘している。その誤りについて、以下に述べる。

 ①20%の差をクリアするのはそんなに難しくないが、SARSグループには活発な遺伝子の組み替えが存在している。そして、それは広範囲の遺伝子の変異で、予知することができない。だから一箇所からの変異に基づいて遺伝の進化を計算する方法自体が間違っている。

 ②20%の差自体は何も証明できない。デング熱ウイルスの4つ血清型の間でも、類似度は70%しかなく、同じグループに属している。

 ③新型コロナウイルスは最初のころ、国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV)はそもそも科学の原則によって「SARS-Cov2」と名付けた。その後、中共は政治の原因で、「SARS-Cov2」という名前に極力反対して、世界保健機関(WHO)にウイルスの名前を「2019-nCoV」に変えるよう強く要求した。その政治的原因とは、中共は世界に「SARS-Covに勝った」とすでに宣伝していたため、SARSが変異したウイルスが現れると恥をかくためだ。

 (3)ワクチンのADE現象について

 一部の学者は新型コロナワクチンのADE現象に懸念を示し、議論した。議論のポイントは二点。①新型コロナワクチンはADE現象を引き起こすのか? 論議の結果によって、多くの学者は「引き起こす可能性が高い」と述べた。②ADE現象を引き起こした場合、比率はどのぐらいなのか。これについては、誰も判断できない。全世界のワクチンの研究開発は、ADE現象について主に二点に纏めている。

  ①ワクチンの開発について、「できるだけADE現象を避ける」という原則で行っている。しかし、これは成立しない。ADE現象の基礎は抗体で、異なる人がワクチンを接種し、どのような抗体を生成するのか、完全には予測できない。そして、ウイルスがどのように変異するのかについても予測できないため、ADE現象を避けることはできない。

  ②ワクチンの接種量の調整について、「ワクチンの接種量によって生成した抗体の濃度を高くする」という案があるが、これも成立していない。抗体の持続時間を伸ばすことはできない。抗体の後期になると、一回目に変異したウイルスに対して、ADE現象を避けることは難しくなり、二回目に変異したウイルスはさらに無効になる。

 しかし、中国のウイルス専門家は、政治的命令に従って、ワクチンは万能薬であり、そして世界に追いつき追い越し、世界をリードすると宣伝した。

 五、ADE現象を無視し、ワクチンが大躍進

 (1)ワクチン競争、中国に追いつき、追い越す

 2020年3月16日、米国の新型コロナワクチン「mRNA」は動物の実験をスキップして、直接ヒトに対して臨床試験を行った。

 8月12日、ロシアの新型コロナワクチンはヒトの第III相臨床試験をスキップして、直接使用すると発表した。

 8月22日、中国中央テレビ局は「中国は7月22日、中国国家食品薬品監督管理局が新型コロナワクチンの緊急使用を許可した。これは中国の『ワクチン管理法』によって、重大な公衆衛生事件が発生した場合、国家衛生健康委員会がワクチン使用の申請を行い、国家食品薬品監督管理局が組織する専門家チームによって考察と同意を経て、国家衛生健康委員会が一定の範囲で一定の期間、ワクチンを緊急使用できると定められている。使用範囲は医療関係者や防疫関係者、出入国検査関係者、都市の基本的な運営のための特別な人員に定められている」と報道した。

 これまで、9種類のワクチンがヒトの第III相臨床試験に入っている。中国の3種類が先を行き、米国の3種類が追いついて来ている。全世界で新型コロナワクチンの研究開発は160種類を超えている。中国のワクチンのヒトの第III相臨床試験について、志願者は世界115カ国に及ぶという。

 実は7月に、中国は軍隊内部でワクチンの接種を許可していた。8月、新型コロナワクチンは、中国共産党の「特供(特別供給)の恩恵」になり、特別な人に使用していた。北京生物製品研究所はすでに新型コロナワクチンの価格を決めている。「1000元で2本」この価格は米国の4~7倍、イギリスの36倍である。

 (2)中国共産党のワクチンの外交

 6月13日の報道によると、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)はブラジルと提携して、第3期臨床試験を行い、成功すればブラジルが独自に生産できることを許可した。その後、バングラデシュ、インドネシア、ペルー、モロッコ、アルゼンチン、パキスタンなどの国も続々と中国と提携し、第3期臨床試験を行い、成功してワクチンの使用優先権を取ることを狙っている。

 6月17日、中共政府は「新型コロナワクチンはアフリカの国を優先する」と承諾した。

 7月28日、中共政府は「新型コロナワクチンについて、フィリピンの要望を先に考慮する」と発表した。

 8月18日、中共政府は「モロッコなどのアフリカの国が、ワクチンの使用優先権を得た」と承諾した。

 8月24日、中共政府は「新型コロナワクチンをベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、ラオスに先に提供する」と発表した。

 承諾が多すぎて、恐らく中共自身も覚えられないだろう。どの国に先に提供するのか? 同時に提供すれば、「優先使用」という承諾に背くことになる。

 (3)友好国に与えても、召使いには与えない

 誰に優先使用権を与えたとしても、中国共産党政府が「中国の一般民衆に先に使わせる」という承諾はない。単純に、①中国の軍隊に優先提供、②医療関係者、防疫関係者に優先提供、③官吏、警官、補助警官、都市管理職員、交通関係の職員、公務員などの都市の基本的な運営のための特別な人員に優先提供すると発表した。

 実は、特殊な階層、特殊な団体の人達はすでに接種している。

 外国に優先提供するのは、中共政権が国際社会で認められるためである。国内の特殊な団体に優先提供するのは、中共が中国の民衆をコントロールするために、「友好国に与えても、召使いには与えない」という国の政策は、中共政権の基本政策である。大躍進(大飢饉)の時代、中国から外国への食品の援助について、もし1/3を国内の民衆に残せば、約4000万人が餓死することはなかった。中共は民衆の食品を奪い、いろいろな国に援助をしていた。その中で、アルバニアに援助した食品は、アルバニアの国民が食べきれないので、鶏の餌となっていたという。今、大きな難関が目前に迫ってきて、中共の「中国人は卑しく、外国人は尊い」として外国への援助を再び上演したが、今度は予想外であった。

 もし新型コロナワクチンのADE現象が確定すると、ワクチンを讃える政治家や専門家に、たいへん恥をかかせることになる。ワクチンの開発は諦めた方がいい。ワクチンの開発は巨大な資金を無駄にし、名誉と利益を失うことにつながる。真相を隠し、独断で専行してワクチンの接種を広めることは、人類の健康を脅かし、命を奪うことになる。「救世主」であると自ら讃える者が罪人に変わるのだ。

 (続く)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/9/7/411462.html)
 
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