【明慧日本2020年11月18日】遼寧省瀋陽市の法輪功学習者・滕(とう)玉国さん(66)は10月13日午前10時、妻と家の庭でかぼちゃを収穫していたとき、突然、警官数人が家に押し入って来た。驚いた妻は慌てて滕さんに「警官がまたあなたを連行しにきた。早く逃げよう!」と叫んだ。半年前、滕さんは警官の嫌がらせを避けるため、家を離れて放浪していたが、1カ月ほど前に、家に帰って来たばかりである。
滕さんの家に侵入した警官らは、4月23日に滕さんを拘束した同市蘇家屯民主派出所の警官である。滕さんは「信仰は罪になりません。法輪功を学ぶことは犯罪ではありません」と叫び、抵抗した。しかし、警官は滕さんの主張を一蹴し、滕さんに暴力を加えた。そして、顔から血が流れている滕さんを強制的に手錠と足枷をつけ、「お前は累犯だ」と叫んだ。
恐怖を感じ、無力の妻はただ、傷を負った滕さんが警官に引っ張られ、パトカーに乗せられるのを見ているしかできなかった。
10月14日、滕さんは戸籍所在地の大東区の留置場に送られた。4日後、また、瀋陽市蘇家屯留置場に移送された。その後、当局はウイルス蔓延を口実に、滕さんの弁護士は滕さんとの面会を許可されなかった。滕さんの状況が分からないため、家族は滕さんのことをとても心配しているという。
今回の連行は、瀋陽市国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下、国保)の罠にはめられたと見られる。
半年前の4月23日、瀋陽市国保大隊と蘇家屯区国保の警官は、滕さんを含む十数人の法輪功学習者を連行した。その後、警官に家宅捜索された滕さんはパソコン、プリンターなど、5万元相当の私物、現金12,000元(約190,000円)と、車を押収された。後になって、車は返された。4月27日、夜中2時に滕さんは熱を出したため、留置場の入所はできなかった。そのため、解放された。
しかし、帰宅した滕さんは、地元の派出所の警官と蘇家屯民主派出所の副所長からの嫌がらせを受け続けた。それを避けるため、滕さんは家を離れるしかなかった。
数カ月の放浪生活で滕さんは痩せてしまった。そして、心配した家族は滕さんが家に帰れるように、知り合いの市公安局の警官に国保の警官と話をつけることを頼んだ。その警官は市国保の警官に話してみた結果、「国保の警官は滕さんの案件をすでに廃止したと言った。家に帰っても大丈夫だ」と家族に伝えた。しかし、1カ月足らずで、滕さんは再度、連行されたのである。
滕さん夫婦は穏やかに過ごしていたが、現在、妻が一人になってしまい、寂しい生活をしている。
滕さんの妻は何度も警官の暴力、家宅捜索、強制連行などを目の当たりにしてきたため、精神的に大きなダメージを受けた。現在、妻は話すときに震えたり、言葉にならない時があるほど弱っているという。
(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)