「卍」符の根源とたとえ話(二)
■ 印刷版
 

文/明史

 【明慧日本2021年7月9日】(前号より続く)

 ナチスはこの符号を盗用

 今の西洋社会では、「卍」符はドイツのナチスと簡単に関連付けられています。2014年10月23日、イギリスの英国放送協会(BBC)のニュースに掲載された文章には、「ヒトラーが卍の符号を盗用する前、全世界の人々は、この符号に愛着を持っていた」と書いてあります。

 アトランティスは、先史時代の伝説的な大陸です。アトランティスに関しては、古代ギリシャの哲学者プラトンの『対話篇』に最初に登場しました。「9000年前、地中海の遥か西の大西洋に驚くべき大陸があった。その大陸は、無数の黄金と白銀に飾られ、輝く金属オリハルコン(山銅)を生み出していた。そこには整備された港と船があり、人を乗せて飛ぶことができる物まであった」、伝説によるとアトランティスは大地震によって海底に沈み、わずかな人だけが文明を継承し、そこからいわゆる「アーリア人」が生まれたとされています。

 ヒトラーはゲルマン民族がアーリア人の子孫、ヨーロッパ神話上のアトランティスの神々の子孫だと信じていました。

 ヒトラーは「卍」の中に宇宙の力が宿っていると信じ、自ら「卍」をデザインして、ナチスの印にした。ナチスの赤い旗の中に、白い丸円がありその上に黒い十字(ナチスの「卍」模様と伝統的な「卍」模様が異なり、ナチスはこの符号を変えた)があります。

 ナチスの印は、伝統的な「卍」符との間には明確な違いがあります。ヒトラーのは、意図的に逆向きの立った状態で、真っ赤な背景に黒で、殺戮(さつりく)の意味を暗示しています。しかし、伝統的な「卍」符は、幸福を表すと信じられており色使いも明るいのです。

 その後、残念ながら人々は「卍」符をヒトラーのナチス政権と結び付けたので、第二次世界大戦以後、連合国とドイツでこの符号の使用が禁止され、更に全世界でもタブーとなっています。

 東洋の「卍」符とは

 東洋の国の人々は「卍」符をよく知っています。インド人は、「「swastika:スワスティカ」と呼び、中国では「万:ワン」と発音し「卍符」と呼びます。日本では「まんじ」と読みます。佛教が普及するにつれ「卍」符はアジア諸国に広まったため、多くの人は「卍」符がインドの佛教を起源とする説が多いのです。

 佛教では、「卍」符は佛陀の32大姿の一つであり、佛陀の胸にあるとされています。一部の経書に「卍」符は、佛陀の髪の毛、腰、さらには手や足にもあると書かれてあり、佛教の「卍」符は佛陀を表しているのです。

 北魏の菩提流支(6世紀)は『十地経論』のなかで「萬(万)」と訳しています。鳩摩羅什や玄奘はこれを「徳」と訳し「万の徳の荘厳」という意味です。宋代の『翻訳名義集』の卷6に、「主上製此文,著於天樞,音之為萬,謂吉祥萬德所集也」と記載されています。日本語に訳すと、「卍」符は天道の意味があり、天地の最高の道徳水準を表すシンボルなのです。バラモン教が末法に入った後、インドでは佛教が広まり、中国でも佛教が広まりました。佛教の普及に伴い「卍」符は中国で広く使われるようになりました。

 ホピの預言、人類の起源と輪廻

 米国のアリゾナ州オレイビ(Oraibi)近郊に、「預言の石」と呼ばれる石の上に彫刻された内容は象徴的な手法で、数万年前の歴史がある古代預言を現しています。この預言の石には、はっきりと刻まれた「卍」符があります。

 ホピ族は古代インディアンの部族です。彼らの祖先は約5000年前から1万年前までの間に、メキシコからアリゾナ州に移住してきました。今、ホピ族は主に米アリゾナ州北部のホピ保護区(Hopi Re-servation)で生活しています。

 「ホピ」のそもそもの意味は「平和の人々(People of Peace)」です。彼らは長く信仰ある伝統を持つ民族であり、年間を通じてさまざまな宗教儀式を行っています。ホピ族の祖先から人類の起源、歴史、未来についての預言が受け継がれています。彼らは文字を使用せず、口伝で代々伝えられています。

 人類の起源について

 ホピ民族は、私たち人間が多くの文明を交互に経験したと信じています。大まかに言えば、創世主は人類を作り、人類が生存できる環境や生存ができるすべてを与えました。しかし、長い年月が経ち、人類は神の教えを忘れ、創世主を尊敬せず、道徳が衰退して人類が堕落し、最後には大きな火で壊滅されました。一部の道徳的な人々が生き残って、新しい世界を作り上げ、この時期の人類が迅速に広がり繁栄して、人々はしばしば創世主を讃美しました。

 次第に、人々の利己的な欲求がますます大きくなり、創世主を信じなくなり、人類は神に滅ぼされ、このように繰り返されています。ホピ族は、最後の大洪水で、ほぼすべての人類が滅び、神を信じる少数の者だけが生き残ったと信じています。

 ホピ族の文化と『聖書』の中に記載される人類の起源には共通点があります。「大洪水」の伝説も、ほぼ各民族に記載があります。物質文明の発達につれて、人類が欲望に溺れ、道徳が堕落し、人間の心が腐敗し、最終的には人類が大淘汰され、道徳が高い人が生き残って人類の文明を継承するというように無尽蔵に繰り返されています。では、人類は一体何を待っているのか? 世界各地に存在する「卍」符の意味とは何なのか?

 ホピの「預言石」

 ホピの「預言石」には、左端に太陽の図案があって、その太陽の中に「卍」符があります。時代が古いので、この預言石に正確な説明はありません。

'已有上万年历史的霍比“预言石”。(视频截图)'

ホピの「預言石」は、数万年の歴史がある

 ある解釈では、左側の大人が偉大な生命(Great Spirit)を象徴し、神聖な「卍」符は宇宙から来た精神的な力を代表して、太陽の光のように人類を照らしています。

 二つの水平線は、異なる発展の道を指しています。上の線は、精神的な制約のない、科学技術を重んじる開発への道を象徴します。下の線は自然と調和し、道徳を重んじる精神的な道を象徴しています。

 垂直の三つの線について、最初の線は、この預言が開始の時間を指し、第二番目の線はある時点で人類がどの道を歩むかを表します。つまり上の実証的な科学の道なのか? 或いは下の精神的な道なのか。下の線にある二つの丸は二回の世界大戦を象徴しています。最後の太い縦線は、我々人類が最後にどの道に歩むかを決める最後の時間です。もし、科学の道を選択すると、道が曲がりくねり最後には壊滅になります。もし、精神の道を選択すれば、結果として平和で調和のとれたものとなります。

 ホピの預言は、創世主がすべてを創造し制御しており、人類が自分の選択によって自分の最終結果を決めると予測しています。ある時期に、人類は最後的な選択をしなければなりません。つまり、人類は「生命の大淘汰と更新の期間」に入ります。その後、穀物は繁栄し成長し、高級生命は再び地球に戻り、生命の道が永遠に続きます。

 大切な彫刻の預言に対して、ホピ族は、それが人類が生まれた時に、神が教えた話だと信じています。大昔からホピ族では、世代から世代へと代々受け継がれて来ました。彼らが話しているその内容は今日、私たちが生活している時代なのです。彼らは「この時代に地球で生活している人は最も幸運です。この時期はすべての物が淘汰され、浄化される段階にあります。この時代は難しいかもしれませんが、この時期に生き、その全てを目の当たりにすることが出来るのは非常に素晴らしいことです」と伝えられているのです。

 (続く)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/5/11/424396.html)
 
関連文章