【明慧日本2021年9月15日】(明慧記者・采菊)新唐人テレビ(NTDTV)主催の「第9回世界中国古典舞踊コンクール」が9月2日から5日まで、ニューヨーク州のSugar Loaf芸術センターで行われた。大会の審査員は、「全体的に水準が非常に高く、特に少年の部の初参加の選手は非常に素晴らしく、金メダルを獲得した選手は、『身帯手(シェンダイショウ)、胯帯腿(クァダイトゥイ)』の身法をしっかりと披露しており、伝統的な中国古典舞踊の真髄を見せてくれました。今回のコンクールは、世界最高レベルの中国古典舞踊を代表するものだと言えます」と評価した。
「第9回世界中国古典舞踊コンクール」の授賞式の様子 |
今回のコンクールは、ウイルスが流行して以来、新唐人テレビが主催した初めての盛大な国際イベントで、100人以上の選手が参加した。大会は、少年女子の部と少年男子の部、青年女子の部と青年男子の部の部門で行われた。4日間にわたる熾烈な戦いの末、9月5日午後7時過ぎに受賞者が発表され、金賞12名、銀賞17名、銅賞14名、優秀賞9名の計52名が受賞した。
審査員の一人で、神韻芸術団の振付師でもある古韻氏は、「今回の大会のレベルは以前よりさらに向上しました。金メダルを獲得した12人は、技術的にも安定しており、『身帯手、胯帯腿』の技法も優れており、役柄の演技も適正で一定の水準に達しています」と述べた。
青年女子の部で金メダルを獲得した付百合さん |
青年女子の部で金メダルを獲得した周正燁さん |
青年女子の部で金メダルを獲得した張中天さん |
青年男子の部で金メダルを獲得した林辰祐さん |
選手たちは、中国古代の英雄や優れた詩人など様々な人物を表現した。飄逸で柔らかく美しい天界の仙人から、時代を超えた歴史上の人物まで、勇猛果敢な武将から上品で礼儀正しい文人まで、しなやかなお嬢さんから戦場の女性まで…出場者はステージで舞い踊り、回転したり跳躍したりして、まるで流れる雲と水のようなダンスのステップで、中国古典舞踊の美しさ、中国伝統文化の天人合一の豊かさと輝きを存分に表現した。
また、多くの選手は失われた技法である「身帯手、胯帯腿」を自由自在にこなしたことで、体の動きがより伸びやかで力強くなり、跳躍したり回転したりするにつれ、全体の動きがより広々とした雰囲気のある闊達さ、軽やかなものになり、観客に中国古典舞踊芸術の最高境地を体験させることができた。
少年女子の部で金メダルを獲得した鄭瀅美さん |
少年男子の部で金メダルを獲得した蔡承廷さん |
少年男子の部で金メダルを獲得した凱旋さん |
少年男子の部で金メダルを獲得した包明宇さん |
審査員「名手が集まった大会、『身帯手、胯帯腿』が舞踊界の新紀元を切り開く」
審査員の一人である神韻芸術団の振付師・古韻氏は、「今回の大会では優秀な人材が多く、名手が集まった大会だと言えます。出場者が見せてくれた『身帯手、胯帯腿』というのは、中国の舞踊界、武術界、戯曲界で伝わってきた『名は聞いたことがあるが実質は知られていない』技法です。それが一体どういうものなのか、どのように身につけるのかは、神韻芸術団、飛天大学、あるいは飛天芸術学院の選手の演技からしか見られないと思います」と述べた。
「『身帯手、胯帯腿』は、中国古典舞踊のあらゆる要素や技術、技巧をすべて集約して仕上がる技能ですが、昔の中国では師から弟子へと受け継がれ、普及されなかったため、教材も残されておらず、そのうち失われてしまったのです」
「神韻芸術団の芸術監督であるD.F.氏は、真にそれを伝え出され、伝授したのです。 つまり、規範となる規制や法則があり、しかも教材となって学生が勉強し、練習することができたのです。これは舞踊界のパイオニアだと言えます」
「十数年の間にこれほど多くの世界トップレベルの中国古典舞踊ダンサーを養成したことは奇跡です。『身帯手、胯帯腿』を本当に研究しているのは、全世界でもここだけです」
北京舞踊学院を卒業した古韻氏は、中国国内の多くの舞踊大会で受賞したことがある。同氏は「『身帯手、胯帯腿』は、表面的なレベルから言えば『技法』の一種で、つまり様々な技巧を連接させるための法則であり、より深いレベルから言えば『境界』、『文化』、そして『心性』です」と述べた。
「それは、演出者の内心の清らかさ、芸術への純粋な追求心、努力する精神が求められるからです。一般の人は表面だけを学んでおり、真髄を得られていません。多くの現代人はダンスを学ぶ目的は自分のためであり、道徳レベルがその境地に到達できなければ身につけることができません」
「演出者がこの技能を習得し、一定の境地に達していれば、プロだけではなく、一般の観客も見て分かります。それは白話文学、漢文と詩が読者に異なる感覚を与えるのと同じです。『身帯手、胯帯腿』は異なる直感的な感覚を与え、観客もそれを直感的に感じ取れます」
受賞選手「完璧な芸術を追求し、伝統文化を広めていく」
少年女子の部で金メダルを獲得した黄悦さん |
少年女子の部で金メダルを獲得した黄悦さんは、「初春の小雨」と題した舞踊曲を披露した。黄さんが手にした傘は、開いたり閉じたり、上昇したり回転したりして、まるで命を持っているかのように軽やかに俊敏に彼女と一緒に踊っていた。彼女は「この(参加する)過程が一番貴重だと感じています。私は受賞を意識してコンクールに臨んだわけではありませんが、今回の受賞は自分の踊りを確認し、方向性を示してくれたので、今後もより多くの良い作品を観客に届けられるよう、努力していきたいと思います」と語った。
少年女子の部で金メダルを獲得した茉莉さん |
少年女子の部で金メダルを獲得した茉莉さんは、西洋人の選手でありながら、その動きには中国の味わいが深い。中国古典舞踊を勉強するために、中国文化を深く学び、中国語で話し、中国語の本を読み、中国語の映画を見るなど…。彼女は、「この(文化的な意味合いの)背後にあるものがとても豊富で、深く学べば学ぶほど面白く、踊りの雰囲気が変わり、他の舞踊とは全く違う世界に入り込むことができます」と語った。
「身帯手、胯帯腿」の技巧を身につける体験に言及すると、茉莉さんは「この技術はとても特殊で、多くの人がそれを探求していますが、確かにそれによって踊りの味が変わってくるような気がしました。最も重要なことは、力をあちこちから発するのではなく、核心から発するようにすることです。そうすることで、踊りがとても明晰になり広々とした雰囲気のあるものになります。すべてが中心から発せられ、外側に向かって広がっていくので、一つの点から始まり、あちこちからではありません。でも、これは簡単そうに見えますが、教えてくれる人がいなければ、とてもできないことです」と語った。
少年女子の部で金メダルを獲得した楊美蓮さん |
少年女子の部で金メダルを獲得した楊美蓮さんは、「塞外の昭君」の演劇を披露した。彼女は「身帯手、胯帯腿」の手法を運用して、しなやかで美しく度量が広い昭君(しょうくん、中国古代四大美人の一人)を表現した。「身帯手、胯帯腿」を学んだことで、動きが大きくなり、表現力が増しただけでなく、より高く跳べるようになったり、速く回転できるようになったりして、技術面でも成果が出ているという。
楊さんは「芸術の追求には終点がなく、この賞は私を励ましてくれるものです」と語った。
青年男子の部で金メダルを獲得した劉新龍さん |
青年男子の部で金メダルを獲得した劉新龍さんは、「お世話になった方々にすぐにこの嬉しいニュースを伝えたいです。これは私にとって励みになります。まだ向上の余地があるので、もっと完璧になって、舞踊を通じて伝統文化の美しさを観客に伝え、そして、最も伝統的な中国の古典舞踊を世界に広め、古典舞踊が本当に良いものであることを世界中の人々に知っていただきたいです」と、優勝した喜びを語った。
観客は伝統文化に感動し、「天人の舞」と称賛
決勝戦は一般公開され、観客からは「コンクールを鑑賞していると、中国の伝統文化の洗礼を受けたようで、美しい芸術を楽しみながら、伝統的な価値観に薫陶を受けました」などの声があった。
大会を開催した芸術センターの管理者である、ニューヨーク州チェスター市レクリエーション部アシスタントのミシェル・デスラー氏は、「この大会の開催に携われたことを光栄に思っています。この大会は私の生活を豊かにし、自身の価値観を認識することができました。新唐人のスタッフには、礼儀、優雅、感謝の気持ち、穏やか、冷静さ、友情といった伝統文化を復興させるために尽力している価値観を感じました。こんなに素敵な人たちを見たことがなく、涙が出るほど感動しました」と語った。
ニューヨーク市在住のジュールズ・ピーターソンさんは、30年のダンス経験があり、「この大会はとてもエレガントで美しいものでした。彼らはトップレベルのダンサーだと思います。絶対に、私には踊れません」と述べた。
「(コンクールに参加した)ダンサーたちは皆、羽毛のように軽やかでバランスがよく、緩やかでなめらかでした。ダンスは自然から生まれたもので、誰でも踊れますが、選手たちが歴史的なストーリーを表現しているのを見ると、本当に美しいと感じました。中国の古典舞踊は『天人の舞』と言えます」
キャロラインさん |
自然派の石鹸やスキンケア製品の製造者キャロラインさんは、「初めて中国古典舞踊のコンクールを鑑賞しましたが、このような素晴らしい大会を見たことがありません」と話した。
「通常の大会では、出場者は競争していて、本番では緊張していますし、観客も緊張します。しかし、今回の中国古典舞踊コンクールは、本当に純粋な善と美に満ちた大会であり、自身が洗礼を受けているように感じました」
音楽の経験を持つキャロラインさんは、芸術に対して繊細で鋭い鑑賞力を持っている。「この大会では、女性の踊りには仙人のような気質が感じられ、男性の踊りには君主のような大志と風格が感じられました。そして、選手たちが演じているのではなく、自分自身を再現していると感じました」
9月5日の夜、コンクールの受賞者が発表された。観客の熱い拍手と歓声が鳴り止まない中、大会は成功裏に終了した。