【明慧日本2022年10月14日】(ニューヨーク=明慧記者)新唐人テレビ主催の第8回声楽コンクールの本選が10月2日、ニューヨーク・マンハッタンのカウフマン・センター・ミュージックのマーキン・コンサートホールで開催された。11名が本選に進み、 2時間に及ぶ熱戦の結果、優秀賞は男性の部2人、女性の部3人、銅賞は男性の部1人、女性の部1人、銀賞は男性の部1人、女性の部1人、金賞は男女共に該当者なしという結果になった。
10月2日に開催された第8回新唐人声楽コンクールでの入賞者(大紀元) |
これは中国人声楽家のために開催された国際コンクール。このコンクールは、正統派声楽を高めるとともに、才能ある中国人声楽家に国際舞台への進出機会を提供している。
コンクールの審査員からは、伝統的なベルカント唱法には、人々にすばらしい享受と、魂の浄化をもたらす作用があるという。審査員も出場者も、コンクールのレベルの高さを称賛した。観客からは、予想以上の素晴らしさだったと評価している。
審査員「出場者のレベルが高く、コンクールは世界に中国人の才能をアピールする舞台」
新唐人声楽コンクールの審査員の一人で、神韻芸術団のテノール歌手である古韻氏は、「出場者のレベルは全体的に非常に高い」と評価した。
古韻氏は特に、声楽家らは音楽に対する解釈だけでなく、音色や声に対する表現力が優れているという。「見事に歌われ、 心を込めて歌っていて、声がよく情感が豊かで、彼らが表現したいことを感じ取ることができました」
古韻氏は、新唐人声楽コンクールで、ベルカント唱法を用いて中国語で歌われることを評価した。 「今、歌を習う人は多いが、(発表できる)プラットフォームは少ないです」。同氏は、「自分の言葉で自分の物語を歌う、このようにすれば中国の伝統文化を復興させることができます。そして歌は直接語りかけるので、舞踊や楽器よりも早く、自分の物語や心理状態、ストーリーやキャラクターの細部を表現できるのです」とコメントした。
もう一人の審査員である神韻芸術団のソプラノ歌手・天麗氏も、受賞者の現し、作品に対するコントロール能力と中国歌曲の「情趣」の把握、歌曲の展開を適切に行われています」と賞賛した。
天麗氏は、新唐人声楽コンクールが中国人の声楽家に世界的舞台を提供していると賞賛した。 同氏は、「だから、ここは、中国人に提供したプラットフォームであり、世界に中国人声楽家の才能をアピールする舞台でもあります。同じ中国系である私たちにとっても名誉なことなのです」と、コメントした。
受賞者「非常に光栄に思い、感謝している」
男性の部では、ベトナムからの出場者でハノイのオペラ歌手トゥン・ラムさんが、明るくきれいな声で、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』より「冷たき手を」、中国の歌「心中的歌(心の歌)」の2曲を歌い、コンクール男性の部の銀賞を受賞した。
男性の部で銀賞を受賞したベトナムのオペラ歌手トゥン・ラムさん(大紀元) |
トゥン・ラムさんは、ベトナムからあらゆる困難を乗り越えて、ニューヨークで行われたコンクールに出場し、多くの音楽家に出会えたことで技術を向上させ、銀賞を受賞したので、とても感謝しているという。 「とても光栄に感じ、とても幸せな気分です」と話す。
トゥンさんは、ステージで中国の歌「心の歌」を歌ったとき、歌詞に聖者に触れ、心に感動が走った彼は、「私はこの歌に感動すると同時に、観客とエネルギがつながりを感じ、その感覚はとてもすばらしかったです」と話した。
同時に、彼は観客からも力強いエネルギーを体感した。 彼は、「まるで試合に出ていると思えない、プレッシャーが全くなく、観客とつながるあのすばらしい感情だけを感じました」
トゥンさんは、神韻芸術団への入団を希望し、国際的な舞台に立って歌うことを願っている。
女性の部で銀賞を受賞したカナダのメゾソプラノ歌手・徐晶晶さんは、本選で『幽蘭操』と、ロッシーニの歌劇『シンデレラ』より「悲しみと涙のうちに生まれ」を歌った。 彼女はコンクールでの入賞は初めてで、芸術家として生涯の記念すべき出来事になったという。
カナダから新唐人声楽コンクールに出場し銀賞を受賞した徐晶晶さん(大紀元) |
「この旅は私にとって円満なものになりました」と話した徐晶晶さんは、「これは私の生涯にとって非常に重要な一歩になります」と話す。
女性の部で銀賞を受賞したカナダの徐さんは、孔子を讃える古代の詩歌『幽蘭操』を歌い銀賞を受賞した。 彼女は、「2人の先生から(コンクールを)勧められ、北米で中国語を歌う機会はとても得難いと思い、コンクール会場も一流であり、それから、ステージに立ち、観客と何らかのコミュニケーションをとることは、自分にとっても大きな助けになると思いました」
徐さんは、これまで中国の歴史が特に好きだったわけではないが、ベルカント唱法で中国の歌を歌う過程で、中国の伝統文化の奥深さと美しさを体得し、この深い文化を西洋人に知ってもらい、その美しさを理解してもらうことが「私達一人ひとりの責任」だと認識したという。 そのため彼女は、「新唐人は中国の伝統文化を広めるための非常に良い出発点である」と思っている。
女性の部銅賞を受賞した台湾の羅心汝さんは、国際大会で何度も金賞を受賞している。 このコンクールでは、プッチーニの『ラ・ボエーム』の中の「私が街を歩けば」と中国の歌曲「那就是我(それは私)」を歌った。 彼女は、このコンクールに参加してよかったとといい、良い友達もたくさんできたという。
以下は、出場者のコンクールでのハイライト。
プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の中の「私が街を歩けば」を歌い、女性の部銅賞を受賞したニューヨークのレイチェル・バスティックさん(大紀元) |
『大江東去(久遠の河)』を歌い、男性の部銅賞を受賞したニョーヨークの李新さん(大紀元) |
孔子を讃える古代の詩歌『幽蘭操』を歌い、男性の部優秀賞を受賞したニューヨークの黄鵬さん(大紀元) |
プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の中の「冷たき手を」を歌い、男性の部優秀賞を受賞したニューヨークのの唐鳴さん(大紀元) |
観客「出場者の歌声は素晴らしい、伝統文化を広げ、復興に重大な意義を持つコンクール」
コンクール出場者のすばらしい歌声が、観客を驚かせ喜ばせ続けた。
プロの歌手であるミカ・ヘイルさんは、それぞれの人が声が違い、テクニックも違うので、パフォーマンスの多様性が好きだという。 「彼らの歌声はすばらしい! これも正統文化を伝える良い方法であり、歌から、歌詞、演技に至るまで、とても感動的で、魂に響きました」と賞賛した。
ロサンゼルスの南方芸術学院の責任者・董妮氏は、「これはまさに世界レベルの水準だと思う、非常に感動した」。「そしてこれは中国人のコンクールであり、世界の舞台で、中国の伝統文化を中国語で広げることができたのは、私にとって最高に幸せなことです」
ASA大学のコミュニティ・アウトリーチディレクター兼文化芸術センター長の張伶氏は、ファイナリストのステージを「芸術的な饗宴」と表現した。
文化や芸術者として、張伶氏は新唐人が中国人に提供するプラットフォームを高く評価した。「このプラットフォーム、この国際的なコンクールは、出場者のキャリアを大きく後押しし、促進することができます」
ジョセフ・マー氏は、音の表現力に優れた感性を持つ作曲家であり、ミキシングエンジニアでもある。 彼はコンクール予選と本選を観賞した。ここは最高のコンサートホールで、 特に反響が自然で、響きも申し分ないとのこと。「ディスクやスピーカーで(音楽を)聴くのと、生で聴くのでは、まったく違う概念です」と話す。彼は、「音の伝達は、現代の技術によって電子的に圧縮され、そして再生されるため、多くのエネルギーが失われています」と説明する。 プロの歌手による展開で、声は「心に染み渡り、とても多くのことを伝えることができます」と話した。
10月2日午後4時30分、コンクールの結果が発表された。男女の部とも金賞の該当者なし。コンクールの審査員を務めた神韻芸術団のソプラノ・天麗氏は、選考基準のひとつに「イタリアの伝統的な歌唱法の声に近いものとしている」ことを明らかにした。
神韻の声楽家は、長い間失われていたの正統なベルカント唱法、イタリアの伝統的なオペラの歌唱法を用いている。 天麗氏は、ベルカントの伝統的な歌唱法とは、「最も自然な声の出し方、つまり話している状態で歌われることです」といい、だから、コンクールの審査員もこの基準で選考したという。
中国語で歌うのは難しいが、天麗氏は音楽家に中国語で歌い続けるように励ました。 「中国の歌曲の中には、5,000年にわたる中国の伝統文化の内包が含まれています」。西洋のクラシック音楽も同じだと話す天麗氏は、「西洋のオペラも東洋の古謡も、実はすべて相通じており、すべて神と通じ合っています。 そしてその部分は、最も伝統的な道であり、最も古典的な歌声なのです」と述べた。
新唐人声楽コンクール入賞者リスト
男性の部(敬称略)
金賞:該当者なし
銀賞:トゥン・ラム
銅賞:李新、Wade Park(ウェイドパーク)
優秀賞:黄鵬、唐鳴
女性の部(敬称略)
金賞:該当者なし
銀賞:徐晶晶
銅賞:Rachael Bastick(レイチェル・バスティック)、羅心汝
優秀賞:李欣霖、黄璇佳、徐彗芬