【明慧日本2022年8月13日】イスラエル議会のテレビ放送局「クネセト・チャンネル」で最近、ジェイコブ・ラビー教授のインタビューが放送された。ラビー教授は、中国(中国共産党)の生体臓器収奪に関する最新の研究結果を紹介した。
7月20日、法輪功学習者(以下、学習者)主催の迫害23周年記念集会を行った。その際、「クネセト・チャンネル」で、中国共産党(以下、中共)による生体臓器収奪について、シェバ病院心臓移植室創設者兼主任、イスラエル移植協会元理事のジェイコブ・ラビー教授へのインタビューが放送された。
ニュースプレゼンターのエマニュエル・エルバズさんは、中共政権が行っている学習者からの臓器収奪の残虐行為に関する研究について、ラビー教授に質問した。
このインタビューは、7月25日にイスラエルの国営テレビ局「Kan11」でも放送された。
法輪功は、真・善・忍の価値観を信念とする功法である。過去23年間、中国では1億人の修煉者が中共の組織的な迫害の被害に遭っている。中共はこの事実を何度も否定しているが、中共が意図的に生体臓器収奪の政策をとっている決定的かつ体系的な証拠がある。
ラビー教授は次のように述べた。「中国語が堪能なオーストラリア国立大学のマシュー・P・ロバートソン教授と行った研究は、中国のさまざまな時代や地域が含まれています。この研究では、コンピュータ技術を用いて、臓器移植に関わった約30万件の中国語の専門論文を調査しました。私たちはこれらの論文の中から、いくつかの言葉を探し、これらの言葉はドナーからの臓器を摘出している時、具体的には心臓の摘出が医学界や移植界の常識に従って行われているか、つまり故人が脳死と判定された後に行われているかどうかを調査しました」
「私たちは25年以上にわたって発表された70以上の論文の中で、論文そのもの、論文の著者(つまり医師)の署名から、ドナーが脳死状態であるかどうかをまず判断するという医療倫理上の通念に違反して、心臓を摘出したことが明白であることが分かったのです。これはつまり、心臓の摘出そのものが、この人たちを殺害する方法だったのです。この発見の意義は、これらの人々の処刑方法が、実は臓器摘出の過程で心臓を摘出することであったということです」
ラビー教授は「続けて、中国の医師が署名したこれらの論文は、医師自身がドナーを殺していることを示唆しており、そのため私たちの論文のタイトルは『臓器調達による殺人』としたのです。中国はドナーが生体であってはならないというルールに違反しています」と語った。
7月20日に行われたジェイコブ・ラビー教授へのインタビュー |
以下、記者からの質問(問とする)、ラビー教授からの回答(答とする)である。
問:これらの論文は一般に公開されていますか?
答:ここで語っているのは、中国の学術誌に公開されている医学論文を対象としており、誰でもこれらの公開された中国語論文を開いて読むことができるように、これらの論文へのリンクを掲載しています。 中国の医師は、このような論文を書くことで、ドナーを殺したのは自分たちだと認めていることに気づいていないのかもしれません。
中国当局は、2015年1月まで、死刑囚の臓器の使用を完全に中止したと主張しています。中共当局は、法輪功学習者の生体から摘出した臓器を使用したことを認めたことはありません。
私とロバートソン教授の論文は、2015年1月にこの公告のあとに発表した。もし、彼らが死刑囚の臓器使用を本当に停止し、世界的に認められているように、病院で遺族の同意を得て自発的に提供される死亡者の臓器に頼れば、移植の数は劇的に減るはずです。しかし、移植の数は減らないばかりか、劇的に増えていることは、この前の私達の論文で表明したとおりです。つまり、共産主義政権下で得られたデータは信用できないということです。
問:なぜ(中共当局は)専ら法輪功の体から生体臓器収奪をしているのですか? 研究の中でこの点を指摘されているのでしょうか?
答:心臓移植の専門家として、私は社会学の専門家だとは思っていません。これらの論文から、ドナーが死刑判決を受けた事実についての記載は見当たりません。私自身は法輪功学習者からの生体臓器収奪に関する情報を持っていませんが、人民法廷(ロンドンで開かれた人民民事法定)の判決は、世界各地から数十人の証言を聞き、中国が法輪功学習者から大規模に生体臓器収奪を行っていることは間違いないと明確に採決しています。
問:法輪功学習者は心身ともに健康な人ばかりだからでしょうか?
答:彼らは、真・善・忍の原則を提唱しています。 先ほど、中共がなぜ法輪功を弾圧したのか、という質問がありましたね。この疑問に対して、なぜ中共が1999年に弾圧を始め、そして彼らを消滅する計画を発表したのか、これに対していろいろな説明があります。強制収容所に入れ、彼らの臓器が売られているのです。この点は明確であり、つまり彼ら(法輪功学習者)は移植産業の重要かつ主要な供給源であるということです。中国では、法輪功学習者から生体臓器収奪することによって、当局に何十億米ドルもの収入を得させています。毎年、世界中から中国にやってくる医療ツーリズム客への販売が含まれています。
私と同僚は、イスラエル人が臓器移植のために中国へ行くのを防ぐために、いくつかの貢献をしてきました。 2008年には、我々はイスラエル議会の保健委員会や厚生省と協力して、イスラエルの患者が臓器移植のために中国へ渡航することを完全に禁止する「臓器移植法」を発効させました。2008年以降、イスラエルの患者が中国に旅行し、臓器を持って帰ってきたケースは1件もありません。少なくとも、私たちイスラエル人は、この人類に対する恐ろしい犯罪に参与することを完全に止めたのです。
問:研究や発表期間中に命を狙われたことはありますか?
答:私は2006年からこの問題について医学雑誌に論文を発表し、メディアのインタビューにも数多く答えてきました。当初、イスラエルの弁護士から電話があり、彼は親中派のイスラエル人協会の代表と名乗り、この活動を停止するよう要求されました。私が厚生省の法務局に問い合わせたところ、その後、彼は姿を消しました。私がイスラエル臓器移植学会の会長だった頃、臓器移植に関する大規模な学会を企画し、エイラートで開催しました。私は、中国の生体臓器収奪について独自に調査したカナダのユダヤ系弁護士、デービッド・マタス氏を講演に招きました。私は彼とデビッド・キルガー氏の研究結果、『血まみれの臓器狩り』で発表した内容を教えてもらいました。中国大使館は、外務省を通じてデービッド・マタス氏の来訪を阻止しようとしましたが、私は彼らに「そんなことは不可能だ」と告げました。デービッド・マタス氏は会議で講演しました。私は中国大使館の代表を送るよう提案し、その代表は実際に来て、これは反共のプロパガンダだと言いましたが、数分後には聴衆が大使館の代表を演壇から退場させるように要求したのです。
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この研究に関する論文は、2022年7月9日、7月17日と4月15日に明慧ネットに掲載されている。
ラビー教授が中国の生体臓器収奪問題に初めて触れたのは2005年である。心臓移植を1年間も待っていた教授の患者から「もう待ちたくない」と言われた。そして、保険会社から「3週間後の特定の時間に、中国の病院で心臓が彼に移植される」と告げられたという。ラビー教授が患者に、このことは何を意味しているのかと聞いたが、患者は知らないと答えた。その後、確かに彼は中国に行き、あらかじめ決められた日時に心臓移植を受けたのだという。