文/台湾の大法弟子
【明慧日本2022年11月3日】娘が小学校5年生の時、ある兄弟と友達になりました。私は、もしかして彼らは法を得るために来たのではないかと思い、彼らの両親の許可を得て、兄弟2人を修煉の道へと導きました。それから1年余りの間、子ども弟子たちと接していく中でいくつか悟ったことがあります。
この兄弟は幼い頃から空手を習っており、ここ1年の間、数々の大会で優勝しました。2人の目標はオリンピックの金メダルです。修煉者は闘争心を取り除かなければならないので、修煉を始めたころにこのことを言ったら、空手を止められると困ると思い、何も言いませんでした。
暫くして、市の大会で兄が優勝し、弟は3位になりました。しかし、その時本当は、弟は何度も得点を勝ち取るはずだったのですが、審判員が見ていなかったのです。弟は悔しく思いました。試合の後、私は「前回、あなたはズルをしてその人に勝ったでしょう。その人や友達たちは悔しい思いをしたよね。だから今回はそれを返さなければならないのです」と弟に伝えました。私の話を聞いた弟は冷静になり、自分の行いを反省したのです。
その翌日、弟にあることを言われました。「アドレナリンが出ないから、以前みたいに戦えなくなった」。私は「それは闘争心が取り除かれたからでしょうね」と伝えました。そして「修煉してオリンピック選手になれなくなったことを後悔しますか?」と尋ねると、弟はすぐに「後悔しないよ」と答えました。
私はこれを聞いて、とても感動しました。修煉が最愛の空手に勝てるのかと心配したこともありました。この兄弟が修煉を始めたばかりのころ、ある日、兄だけが家に(煉功をしに)来ました。2人は常に行動を一緒にしていましたが、強制はできないので、弟が来るのをただ待っていました。3週間後、兄弟が一緒に来ました。その時、弟は何も言いませんでしたが、その後の夏休みの時、ある日の交流でこのように話しました。「最初は煉功するより、友達と遊んでいたかったんだ。けれど、少しして空しく感じたんだ。学法や煉功している時の、充実した気持ちになれなかったから戻ってきたんだ」
それ以来、弟は法輪が回転しているのが見えるようになるなど、修煉する信念が固まりました。弟は修煉を最優先できるようになりました。そして、すぐに自分の過ちに気づくことができるようになったり、さらに心性を修めることの重要性に、気づくことができるようになったりするなど、着実に向上しています。
それから暫くして、ふと悟りました。私たちは様々な分野で修煉者らしい行いをしなければなりません。私は主婦なので、子どもを真・善・忍の方向へ導かなければなりません。今回優勝した兄の試合ビデオを見て、どこか違うことに気づきました。兄に聞いてみたところ、「アドレナリンが出ていなくても、勝利に執着しなくなったので、より自由に手足を動かせるようになった」と言いました。確かにその通りです。心性が向上してから、兄弟は試合でそれぞれ異なった悟りが得られ、法が心に入るようになったのです。
試合前、兄は心性の関に遭遇しました。コロナ禍により、予定されていた試合が半年延期されました。この間に素早く成長している弟にとって、以前の体重に戻ることは困難なことです。私はひとつ上の重量に挑戦してみないかとアドバイスしました。兄はこの挑戦に自信がなく、その時は同意してくれたものの、家に帰った後、弟に文句を言っていました。しかし、何日か経った後、弟のために考えなければならないと分かったようで、その日の座禅で初めて1時間できたのです。煉功を終えて兄に聞いたところ、このことを教えてくれました。
子ども弟子と接していく中で、自分もたくさんのことを学びました。子どもたちの純粋な心を見て、自分も精進しなければならないと励まされました。
師父の按排に感謝いたします。